金糸雀が幸せについて少しだけ本気出して考えてみた
- § 主な登場ドール紹介
- 真紅
ローゼンメイデン第5ドール。清純派の究極の乙女アリスだが、何事も暴力で解決するのが玉に瑕。
雛苺
天真爛漫な第6ドール。座右の銘は、焼肉定食。
翠星石
イタズラ大好きな第3ドール。座右の銘は、信じる奴がジャスティス。
蒼星石
ポエム庭師な第4ドール。座右の銘は、夢を見続けることが俺のファンタジー。
水銀燈
最凶の第1ドール。座右の銘は、長幼の序を誤るは家門の乱るる基。
金糸雀
忘れられがちな第2ドール。座右の銘は、愛。
珪孔雀
ガチで忘れられていた第8ドール。座右の銘は、涙は魂の汗。
雪華綺晶
ゆるふわ愛され系グロ乙女な第7ドール。座右の銘は、因果応報。
薔薇水晶
エンジュメイデン。座右の銘は、四面楚歌。
- § 桜田ジュンの部屋
- ジュン「…今日も真紅は鞄に引き篭もったまま出てこないのか」
翠星石「ですぅ」
雛苺「このままだとちょっと困るのよね」
翠星石「ええ、四人プレイじゃないとモンハンの狩りが捗らんですよ」
雛苺「うぃ。のりはゲームが下手なのよね」
のり「ごめんね~ヒナちゃん。お姉ちゃん、ドクターマリオなら得意なんだけど」
ジュン「それはさて置き、最初こそ騒がしい真紅が静かになってくれてラッキーだと思ったが…」
翠星石「ちょいと心配ですよねぇ。もう既に、水銀燈に腕もがれた時より長期間ひきこもってるです」
のり「烈海ロス(※)が、ここまで真紅ちゃんの精神を蝕んでいただなんて」
※烈海王が死んだことにショックを受け、心に深い傷を負った状態のこと。
ジュン「と言うか、真紅がそこまで烈海王フリークだとは知らなかった」
翠星石「何を言ってるですか、チビ人間。真紅にとって烈海王はお父様、くんくん探偵、セロテープに次ぐ偉人ですよ」
ジュン「何でセロテープのランクがそんなに高いんだよ」
雛苺「…ヒナがジュン登りしている時も、真紅は常に転蓮華のジェスチャーをヒナに向けて送っていたの」
のり「一時期、『私は一向に構わん』を連呼してた時もあったわよねぇ」
雛苺「水銀燈の人に何を言われても、返事をそれオンリーで押し通してブチギレさせてたの」
翠星石「カナチビを背負って近所のドブ川の水上を走って渡ろうとして一歩目から沈んでたりもしてたです」
ジュン「想像以上にやりたい放題じゃねぇか」
翠星石「それだけ真紅は烈海王に心奪われていたということですぅ」
ジュン「むむむ…、となると真紅に鞄から出てきてもらうのも大変そうだな」
のり「でも、このままじゃ本当に心配よぉ。いくら、お人形さんだからって
お日様の光をずぅーっと浴びないのは、体に良くないんじゃないの?」
翠星石「日本の気候的にカビる可能性も考えられるですね」
雛苺「皆で見栄を絞って真紅救出作戦を考えるの~っ!」
ジュン「絞るのは知恵だ」
のり「経験者のお姉ちゃんに言わせてもらうならば無理強いは良くないわ。あくまで本人の自主性を重んじないと」
翠星石「ふむ、流石に引きこもりに苦労させられた経験者であるボス猿の言葉は重いです」
雛苺「誰かさんのせいで青春を無駄使いさせられていたのよね、のりは」
ジュン「反省してまーす」
翠星石「では、チビ人間の社会復帰の経緯を参考に作戦を練っていくですか」
のり「えーと、確かジュン君が元気になってくれたのは、真紅ちゃん達が来てくれたおかげで…」
ジュン「真紅復帰のために、そこから再現していくのかよ」
翠星石「いわゆる落ち物系ヒロインを登場させればいいってわけですよね」
雛苺「真紅のために『巻きますか、巻きませんか』の手紙を書いて、鞄の隙間から中に入れるの」
のり「ええ、先ずはそこからよね。ヒナちゃん書いてみて!」
雛苺「おまかせあれなのー!」カキカキカキ
ジュン「手紙を入れるのはいいとして、そこからどう進めて行くんだ?」
翠星石「真紅のリアクション次第ですが、『巻きます』だったら、さらに何か隙間から押し込むです」
ジュン「『巻きません』だったら?」
翠星石「潔く諦めて、次の作戦を考えるですぅ」
雛苺「お手紙完成したの! 真紅、ヒナの魂の叫びを受け取ってぇ~」グイグイ
のり「あんまり力を入れすぎると手紙が潰れちゃうわヒナちゃん」
ジュン「鞄の隙間なんて2mmぐらいしかないんだから無理するな雛苺」
雛苺「2mmあれば十分なの~! 宇宙じゃ2mmで命を落とすのよ」グイグイ
- § お手紙インストールから10分経過
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/ 真紅鞄 ./ ..|
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ジュン「…うんともすんとも言わんな」
翠星石「ノーリアクションとは想定外ですぅ」
のり「せめて、YESかNOかどっちか分からないとねぇ」
ジュン「これ、鞄の中は暗くて手紙が読めないんじゃないか?」
翠星石「んー? 多分ホーリエも鞄の中にいるですから光源はあるはずですよ」
のり「ということは真紅ちゃんは絶賛ふて寝中のままみたいね」
ジュン「しょうがない。次の…別の方法を考えるか」
翠星石「ちぇーっ! 折角、真紅が『巻きます』を選んだ時のためにワカメを用意したのにですぅ」
ジュン「それを鞄の隙間から入れて、真紅が精神的な成長を遂げて引きこもりを克服するか? しないだろ」
雛苺「そ、そうなの!?」
ジュン「そうだよ」
翠星石「気を取り直して、真紅引きこもり克服作戦第2弾~っ!」
雛苺「いぇ~い!」
ジュン「……」
のり「次はどういう作戦なの翠星石ちゃん?」
翠星石「名付けて北風と太陽作戦ですぅ」
ジュン「へぇ~…」
翠星石「かの有名な北風と太陽の教訓に倣い…」
雛苺「真紅の鞄に、この松明で火を放つのよ」ボウッ
ジュン「待て待て待て待て待て! 全然、倣ってないだろ!」
翠星石「え? 何事も炎熱系で解決するのが一番だって教訓ですよね」
ジュン「そうだけど、そうじゃねぇよ」
のり「とにかく火はダメよ、火は! 火事になっちゃう~」
雛苺「むぅ~、ヒナはもうやる気満々で、あったまってたのに」ボボボボボ
ジュン「いいから松明を消せ。部屋の中が煙くてかなわん」
翠星石「ケホケホしちゃうのですぅ。一旦、部屋の空気の入れ替えねばです」
のり「はっ! だったら真紅ちゃんの鞄の隙間から煙を送り込めば、あるいは…」
ジュン「無理強いするんじゃなくて、自主性を重んじるんじゃなかったのかよ」
のり「そ、そうだったわねジュン君。お姉ちゃんったら、うっかり当初の目的を忘れてた」
翠星石「っつーか、どれだけ煙を入れてやろうとも、真紅だったら
スタープラチナもびっくりの肺活量で全部吸い込みそうですぅ」
ジュン「冗談抜きで真紅ならやりかねないのが怖いな…」
雛苺「これはもうヒナ達だけではエッチもタッチもできないのよね」
ジュン「にっちもさっちもいかない、だ」
翠星石「こういう時は困った時の双子の妹頼みですぅ。スィドリームにひとっ走り薔薇屋敷に行ってもらって…」
???「その必要は無いよ!」
翠星石「むむっ!? 何奴!?」クルッ
蒼星石「どうも僕です」ドジャァ~ン
翠星石「蒼星石ー!」
ジュン「出たな蒼星石」
雛苺「呼びもしないのにジャストなタイミングなの」
のり「いつもいつも何の前触れもなく現れるわよね蒼星石ちゃん」
蒼星石「そんなことはどうでもいい。話は全て聞かせてもらったよドールズ」
翠星石「うっひょー! 流石は蒼星石、頼もしさエクシードMAXですー!」
蒼星石「鞄に引きこもってしまった真紅を外に出せばいいんだろう?
鞄の蝶番を庭師の鋏でちょいと切れば、貝柱を切られた貝のごとく…」
ジュン「力ずくはNGなんだってば。『全て聞かせてもらったよ』とか言いながら何も聞いてないじゃないか」
蒼星石「なんだってぇー!?」
ジュン「『なんだってぇー!?』じゃねぇよ」
のり「…真紅ちゃんって傍若無人で何事も諦めないガッツで突っ走るのが持ち味だけど
一度凹むと、負の方向にも突っ走っちゃうのよねぇ。ナイーブだから」
雛苺「好かれる要素が一つも無いのよね」
翠星石「こういう女とだけは結婚したくねーです」
ジュン「…大体、庭師の鋏ってのもそういう物理的な感じじゃなくて、もっとスピリチュアルな道具だろ」
蒼星石「そんな…、それじゃあ僕はもう何の役にも立てないね。ごめん…翠星石…」
翠星石「蒼星石ー!? 諦めが早すぎるですよ! もっと絞ろうですぅ、知恵を!」
蒼星石「そうかい? じゃあ真紅が自分から鞄を開けたくなるシチュエーションを作るってのはどうだろう?」
雛苺「シチュー? ヒナ、作るならシチューよりカレーがいい!」
蒼星石「シチューじゃあなくてシチュエーション、状況のことだ雛苺」
ジュン「…真紅が今すぐ鞄から出たくなるような状況ってあるのか?」
蒼星石「物は試しだよジュン君。いくら烈海ロス状態の真紅でも、ノリの良さが多少は残っているはず」
翠星石「確かに水上歩行チャレンジしちゃうような真紅のノリの良さは異常ですぅ」
蒼星石「うん、それじゃあ僕が今ちょっと思いついた一芝居をうってみようか」
のり「芝居…?」
蒼星石「ウィー、ヒック」よろよろ
翠星石「むむ、酔っ払い…の演技ですか?」
ジュン「ここから真紅の鞄オープンにどう繋げるつもりなんだ?」
蒼星石「おおーっと、ダーティな所へローザミスティカを落としちまったぜ。
お父様はこの僕をくせー所へやるのがお好きなようだ…」
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/ 真紅鞄 ./ ..|
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蒼星石「ん? この鞄? 何かおかしいぞ? 何だ、この鞄…奇妙だ…この蓋の隙間から
見える留め金が光って見えるぞ。つまり…この鞄、中から鍵がかかっている!」
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/ 真紅鞄 ./ ..| 「……」
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翠星石「……」
雛苺「……」
のり「……」
蒼星石「つまり…この鞄、中から鍵がかかっている!!」
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- :-:2015/11/19(木) 20:14:44
- 原作が終わって久しく、創作もシリアスから離れ、蒼は本当にポンコツになった。
ドールズが幸せで何よりだ。
- :-:2015/11/19(木) 21:19:11
- きらきぃやんわり拒否って一番酷い気がする
原作的には大恩人なのに…
- :-:2015/11/19(木) 21:27:18
- 私にとっては一番カワイイよ!カナー!!
- :-:2015/11/19(木) 21:44:15
- いくら大恩人でもあんな暴君にずっと恩義を保つのは無理だろ
人のいい遠藤のおじさんでも恩人のカイジが居候したら1月で耐えれなくなったとか
現実でも探せば大恩人でも愛想つかされたやつは居ると思う。
- :-:2015/11/19(木) 22:10:39
- あ^~カナがかわいくて幸せになるう~
- :-:2015/11/19(木) 22:25:51
- あぁ、烈さん…あの後に色々ありすぎて大半の刃牙ファンは彼の事を忘れていたというのに!
真紅さん、貴女の愛は本物だ。管理人の愛は本物でない事を願う
- :-:2015/11/19(木) 22:31:54
- 烈さん・・・死んだ事がまだ信じられない・・・
本部先生がバキや勇次郎を相手に出し抜いたのはもっと信じられない・・・
- :-:2015/11/19(木) 22:59:55
- 烈っつぁん……
- :-:2015/11/19(木) 23:42:43
- 守護キャラは今いったい何やってんでしょうねえ…