BitTorrent=違法ダウンロードじゃない!と米プロバイダーがひっそりと主張
アメリカのインターネット・プロバイダー大手であるCox Communicationsは現在、2つの音楽会社から著作権侵害で訴えられています。そのCoxが裁判に備えて法廷に提出した要望が、ちょっとインターネット・ユーザーの心を温めているようです。
その要望というのは、「BitTorrentの使用=コンテンツの海賊行為である」という断定に基づいた証拠/文書は法廷では使えないようにして欲しい、というもの。プロバイダーが一般ユーザーを守ろうとしてくれるなんてちょっと新鮮...とシニカルなネット界で話題になっています。
TorrentFreakがこの訴訟を追っていますが、大手プロバイダーによるこの重要な言及を裁判前の議論の中で見つけたようで、BitTorrentの使用とコンテンツの海賊行為は同義であるという考えを法廷に出る前に、前もって蹴散らしておきたいようです。
Coxは原告によるBitTorrentの説明を否定しています。合法なBitTorrentの使用というものは存在しないという主張は明らかに事実ではありません。BitTorrentは通信のプロトコルでしかなく、その使用のほとんど、もしくは全てが、原告の持つ著作権の侵害につながっているということは証明できていません。
たくさんのユーザーによって主張されてきた「テクノロジー自体は違法じゃない」という事が、大手プロバイダーによっても主張されたわけですね。もちろんBitTorrentは音楽コンテンツの海賊行為でよく使われていることは否定できないものの、BitTorrentであれ、強力な暗号化技術であるTORであれ、テクノロジー自体が犯罪行為にはならないでしょ!とのこと。
カスタマーの権利を守るために立ち上がったというよりは、訴訟に勝利するための議論だとは思うのですが、巨大通信会社が公的にこう主張したことは大きな意味がありますね。
source: TorrentFreak
Chris Mills - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)