佐倉(目が覚めたら野崎くん家の扇風機になっていた)
佐倉(確か私……さっきまで結月と遊んでて……それでうとうとしてたらそのまま寝ちゃってて……)
佐倉(それで目が覚めたらこうなってて……)
佐倉『……』
佐倉(なんで!?)
佐倉『ま、前野さん!?』
前野『どう千代ちゃん!? 扇風機の姿は気にいった!?』
佐倉『も、もしかしてこれって……前野さんの仕業なの!?』
前野『ご名答!! あと、僕は『前野』じゃないよ!! 妖精のミ・ツ・ヤ☆』
佐倉(うざい……)
佐倉『ね、願い!? 願いってなんですか!?』
前野『何って……夢野先生の扇風機になることでしょ?』
佐倉『!!!?』
前野『とぼけても無駄だよ!! 僕は知ってるんだから!!』
前野『夢野先生に初めて告白した時、君はなんて言った?』
佐倉『え、ええと……『ファンです』って』
前野『ねっ? そう言ったでしょ? だからこうして願いを叶えたんだよ』
佐倉『な、なんでそれが扇風機になるのと繋がるんですか!?』
佐倉『……あっ!!!』
佐倉『ファン……扇風機……』
佐倉『あああああああ!!!!』
前野『やっと気づいてくれたみたいだね!!』
前野『でも『ずっとファンでした』って言ったよね? だったら今もこれからも扇風機でいなきゃ!!』
佐倉『なんで!?』
前野『それじゃあ素敵な扇風機ライフを楽しんでね!! ちゃお☆』
佐倉『ま、待って!! 前野さん行かないで!!』
佐倉『……』
佐倉『……行っちゃった』
佐倉(今の状況、ツッコミどころが多すぎるよ!!)
スタ……
佐倉『!!』
佐倉(こ、この歩く音……もしかして!!)
野崎「ふぅ……よく寝た」
佐倉『野崎くん!!!』
野崎「……朝ご飯を作ろう」
佐倉『む、無視!?』
佐倉(……いや違う!! 私は声をおもいっきり出してるけど野崎くんには聞こえないんだ!! 私が扇風機だから!!)
佐倉(どうしよう……これじゃあ私が扇風機だってことが伝わらないよ!!!)
野崎「……」キュッ
佐倉『!!!』
佐倉(の、野崎くんのエプロン姿だぁ///)
野崎「……」ジュー
佐倉(エプロン……フライパン……様になってるなぁ///)
佐倉(……っは!!)
佐倉(つい野崎くんに夢中になってた!! 今はこの状況をどうにかすることを考えないと!!)
佐倉『私、ここにいるよ!! 助けて!!』
野崎「……」モグモグ
佐倉(ダメだ……いくら叫んでも意味がないよ……)
佐倉(……だったら!!)
佐倉『前野さん!! どこにいるんですか!!』
佐倉『お願い!! もう一回私の前に現れて!! 私を戻して!!』
佐倉『……はぁ……はぁ……』
佐倉(どうしよう……ずっと私、このままなの?)
野崎「……」ガタッ
佐倉(!! 野崎くんが立った!!)
野崎「……暑いな」
佐倉(……そういえば今は夏だもんね)
野崎「……」ピッ
佐倉(エアコンをつけた)
野崎「……ん?」
佐倉(……どうしたんだろう?)
野崎「うーん……」
佐倉(野崎くんがエアコンのリモコンとにらめっこして1分……)
野崎「……」
野崎「……どうやら壊れてしまったようだな」
佐倉(ええっ!? エアコン壊れたの!?)
野崎「……仕方ない」
佐倉(……直すのかな?)
野崎「……」スタスタ
佐倉(あ、あれ……こっちにきた)
野崎「……」ズイッ
佐倉『!!!!!!!!!!』
佐倉『の、のののののののののののの野崎くん!! 顔近い!!!!///』
野崎「……」
佐倉(扇風機に当たろうとしているから当たり前だけど顔が近い!!///)
野崎「この扇風機を使うのも久しいな」ピッ
佐倉『ひゃい!!?///』
野崎「……ん?」
佐倉(な、なななななななな何!? 何今の!?///)
佐倉(野崎くんが扇風機のボタンを押した瞬間……)
佐倉(私もアソコを触られた感覚が……)
野崎(おかしいな……コンセントはちゃんと入れているはず)ポチポチ
佐倉『ひゃあ!!!?///』
佐倉(野崎くん!! 何回も押さないで!! 今、凄い変な感じ!!!///)
野崎(どうやらこの扇風機も壊れているみたいだな)
佐倉『はぁ……はぁ……』
佐倉(やっとボタンを押すのをやめた……)
佐倉(でもおかしいな……なんで扇風機……というか私も壊れちゃったんだろう)
野崎「……暑い」
佐倉『!!』
佐倉(ど、どうしよう……エアコンも扇風機も壊れてる所為で野崎くんが苦しんでる!!)
佐倉(なんとかしなきゃ!! どうやったら野崎くんが涼しむか……)
佐倉(そよ風でもいいから涼しい風起こせないかな……)
佐倉『フーーーッ!!って……』
ブオオオオ……
野崎「ん?」
佐倉『!!!』
佐倉(今一瞬……扇風機のプロペラが動いた!!)
野崎(一瞬動いたな……今更ボタンに反応したのか?)
佐倉(も、もしかして……)
佐倉(……)
佐倉『……』フーーー!!
ブオオオオ!!!
野崎「!」
野崎(また動いた……)
佐倉『!!』
佐倉(や、やっぱりそうだ……)
佐倉(この扇風機……私が息を吐いたら動くんだ!!)
佐倉(流石にそれは体力が……)
野崎(……また止まってしまったか……)
佐倉『!!!』
佐倉(の、野崎くん!! そんなに悲しい顔しないで!!)
佐倉(……そうだ、弱音を吐いちゃダメだよ千代!! ここは野崎くんの為に……)
佐倉『……』フーーー!!
ブオオオオ……!!!
野崎「!!」
佐倉(頑張らなきゃ!!!)
野崎(涼しいな……)
佐倉(や、やっぱり顔近い……///)
佐倉(……って恥ずかしがってちゃダメ!! ちゃんとやらなきゃ!!)
佐倉『……』フーーー!!
佐倉(……でもこれって……私の息を野崎くんに吹きかけてるってことだよね)
野崎「……」
佐倉(扇風機だから普通に見えるけど人だったら変な光景なのかな……)
ピンポーン!!
野崎「!」
佐倉(誰か来た……)
ガチャッ
堀「よう野崎」
若松「お邪魔します!!」
野崎「どうぞあがって」
佐倉(堀先輩と若松くんだ!!)
野崎「実はそのことなんですが……」
堀「? なんだよ?」
野崎「生憎うちのエアコンが壊れてしまって……今は扇風機しか使えない状態なんです」
若松「俺は別に大丈夫ですよ!!」
野崎「実はその扇風機も動くには動くんだが……ちょっと様子がおかしくてな」
堀「どういうことだよ? 今普通に動いてるじゃねえか」
佐倉『……』フーーー!!
ブオオオオ……
佐倉『はぁ……はぁ……』
ピタッ
佐倉『……』フーーー!!
ブオオオオ……
佐倉『はぁ……はぁ……』
ピタッ
佐倉(やっぱりずっと息を吐き続けるのは辛いよ!!)
野崎「こんな風に動いたり止まったりするんだ」
若松「確かにこれは壊れてますね……」
野崎「すいません」
若松「そんな、先輩が謝ることじゃないですよ」
佐倉『謝るのは私だよ!! ごめん! 本当にごめん!!』
野崎「じゃあ始めるか」
若松「はいっ!」
堀「おう」
佐倉『堀先輩!! 若松くん!!』
堀「……」スラスラ
若松「……」ピッピッ
佐倉(……当たり前だけど二人にも聞こえないかぁ)
若松「どうしたんですか?」
野崎「首振りにするのを忘れてた」
佐倉『!!』
野崎「ボタンを押してっと……」ポチッ
佐倉『あっ!!!///』
佐倉(どこのボタンを押しても触られる感覚は変わらないんだね……)
野崎「……ん? おかしいな」
堀「押しても首振りしないのか?」
野崎「はい……それがさっきも電源ボタンを押しても動かなくて……時間が経ってやっと動いたんです」
堀「そいつはやべえな……」
野崎「困った……首振りできないとなるとみんなに風が当たらない」
佐倉(も、もしかして……)
グオオオオオオ……
野崎「!!」
若松「動きましたね!!」
佐倉(や、やっぱり……)
佐倉(私が首を振らないと……この扇風機動かないんだ!!)
野崎「何っ!?」
堀「こんなことあるんだな……」
佐倉(し、しまった!! 首振りながら息を吐かなきゃ!!)
佐倉『……』フーーー!!
ブオオオオ……
若松「ちゃんと動きましたね」
野崎「ああ……」
堀「……けど今度は異様に首振るスピードが早くねー
コメント一覧
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- 2015年11月21日 21:36
- パラス
-
- 2015年11月21日 23:08
- 毎回思うんだが野崎くんSSってなんでコメント少ないんだ?
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