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ponanzaが8戦全勝でトップ通過、第3回将棋電王トーナメント予選12ソフトが決定 - Engadget Japanese


来年の将棋電王戦出場をかけて、「電王」の称号を目指す戦い「第3回将棋電王トーナメント」が開幕しました。本日は予選が行なわれ、第1回電王の「ponanza」が全勝でトップ通過。「技巧」や「tanuki-」など、電王戦では新顔となるソフトが上位通過しており、「超やねうら王」や「習甦」などは苦戦を強いられました。



当初発表されていた30ソフトのうち、「Selene」(西海枝昌彦さん/椎名沙季さん/七井裕太さん)とETCShogi81(高橋直裕さん)の2ソフトが参加せず28ソフトでの予選となりました。

↑会場は体育館のスタジオを使用。マシンと人が多いため、暖房から冷房に変わるぐらいだった。

11時より開始された予選リーグは、各回毎に、その回の直前までの勝ち:1、引き分け:0.5、負け:0と成績によって組を分け、同成績の組で対戦していく完全スイス式で8回戦まで実施。1回戦から「習甦」が「D将棋」に敗れたり、反則負けや時間切れなどが多発し波乱の展開となりました。

↑さすがに電源が足りないため、3台の発電機がフル稼働していた。超低騒音型と書いてあるが意外と音は大きい。

そのなかで注目されたのが「技巧」(出村洋介さん)。「大樹の枝」の平岡拓也さんや「ponanza」の山本一成さんが口をそろえて強敵と発言。山本さんは「ライバルの出現は嬉しいけど、強いのは困る」と笑いを誘ってました。

↑「大樹の枝」の平岡拓也さん

↑「ponanza」の山本一成さん

出村さんは、「人間的な駒の損得、駒の効率、玉の堅さ、手番を考慮して、形勢判断する評価関数にしています。Bonanza型では3駒関係によって機械学習ができますが、玉の堅さや手番は判断されていません。この部分を手動で調整しています」とのこと。

↑「技巧」の出村洋介さん

また各マスの利き数の計算にSSEを使うことで最大16マスを一気に処理できるので高速化しているそうで、その辺りを含め「超やねうら王」の磯崎元洋さんがブログにて「技巧」の強さとして書き綴っています。

また、前回の電王戦FINALでオープンソース化を宣言し、すでに公開されている「Aprey」を利用したソフトが数多く登場し、「平岡チルドレン」と称されていました。平岡さんは「現在公開しているものは最新版ではないが、自分と違う視点で改良されていてうれしい」と発言。これに対し山本さんは「(オープンソース化されてチルドレンたちが)みんな強くて困ります」と応じています。

平岡チルドレンの中で注目は「tanuki-」(野田久順さん)。処理速度が1.5倍ぐらい速くなっているそうで、これには両者ともビックリしていました。すでにこなれているところから1.5倍速くすることはかなり難しいはずとのこと。その「tanuki-」は、プログラマーとして先生と崇める磯崎元洋さんの「超やねうら王」に勝利しています。

↑「tanuki-」の野田久順さん

磯崎元洋さんは「今回マシンの到着が遅くなったので、当初予定していた仕様が間に合わず、以前の改良版で臨んでます」とのこと。そのためなのか、ボーダーラインギリの11位で予選通過するという事態となってしまいました。

↑「超やねうら王」の磯崎元洋さん

予選全対局の結果は以下のとおりです。

↑画像を保存して御覧ください。

予選通過は上位12ソフトとなります。決勝トーナメントは負けたらおしまいなので、1戦1戦が勝負。ponanzaを負かすソフトは現れるのか、他を寄せ付けないでこのまま全勝で電王となるのか、22日、23日の戦いも目が離せません。


↑ponanzaと技巧の対局時の様子。お互いの思考画面を見て意見交換していた。

今回の予選は、14対局が一斉に行われるので、1つ1つ追うのは難しいですが、マルチアングルですべての対局が見られます。予選で姿を消してしまったソフトたちの戦い方も独特なものもあるので、いろいろな対局をタイムシフトで確認してみてください。また明日の決勝トーナメントの結果をお届けします。

↑決勝トーナメントの組み合わせ



ponanzaが8戦全勝でトップ通過、第3回将棋電王トーナメント予選12ソフトが決定

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