女騎士「どうか、正しい判断を」
少年「ボクが、勇者に選ばれたんですか?」
少年「神様に祈りましょう」
少年「恋をしました」
少年「ボクは、君を守りたいんです」
女騎士「両親の日記」
の、続き
僧侶「……」
武闘家「……」
女騎士「どうだ?」プルンッ
女騎士「我ながら似合ってると思うのだが?」
武闘家「なんつー格好してんだよ……ほ、ほとんど隠れてねぇじゃねぇか!?」プイッ
女騎士「ははっ。心配するな。きちんとした店で買った水着だぞ?」クスッ
僧侶(あぶない水着……)
僧侶「何やら特殊な魔力を感じますね。見かけより守備力は高そうですが……しかしなぜ、そのような格好を?」
女騎士「ん? ああ……この町は風俗関係の取り締まりが厳しくてな、資金の調達が難しい。それでこの水着!!」
武闘家「んなもん買ってっから、金が無くなるんじゃねぇの?」
女騎士「聞こえない」
女騎士「船が到着するまで三日……その間は、子供たちに泳ぎを教える教員として金を稼ぐ!!」
武闘家「……」
武闘家「恥ずかしい話だが、俺はまだ働いた事が無い。だから全く分からない」
武闘家「その分からない奴からの意見なんだが、泳ぎを教えるって……儲かるのかそれ? もっと稼げるの有るだろ?」
女騎士「誰が私一人で働くと言った? 武闘家と僧侶にも働いて貰うぞ?」
女騎士「武闘家は、この辺りで暴れているオークの群れの退治だ。『ほしふるうでわ』をやる、持って行け」ポイッ
武闘家「は?」パシッ
女騎士「僧侶は、北に在るエルフの森で満月草の採取だ。男が入ると殺されるが、女は歓迎されるらしい」
僧侶「へ?」
武闘家「お前は?」
女騎士「泳ぎの先生だ」
武闘家「俺は?」
女騎士「オーク退治だな」
武闘家「なんか、オカシ……」
女騎士「おかしくないぞ?」
武闘家「……」
僧侶「……」
武闘家「なぁ?」ヒソヒソ
僧侶「はい、わたくしも変に思います」ヒソヒソ
女騎士「どうした?」
武闘家「アレっ?」ジィーッ
武闘家「女騎士の瞳って、金色だったか?」ヒソヒソ
僧侶「いえ、黒だったと」ヒソヒソ
女騎士「さっきからなんだ、私にも教えろ!?」
女騎士「あんまり無視されると……興奮してくる」ゾクゾクッ
武闘家「おいっ!?」
武闘家「お前さ、何か変だぜ? どうしたんだ?」
女騎士「ん? ああ……武闘家には言って無かったか?」
僧侶「っ!? まさかっ!!?」ビクッ
武闘家「意味が分かねぇ」
女騎士「ふむ。そろそろ我慢できなくなって来たし、頼み事もあったからな……」
女騎士「ちょうどいい。私の変身を見せるか」
武闘家「意味が分かんねぇ」
女騎士「これから私は、三回変身する!!」
武闘家「お前が魔王なんじゃねぇか?」
女騎士「これはな武闘家? 嘘でも冗談でも無く、真実だ」
女騎士「そして……私の切実な願いだ」
武闘家「マジな、話なんだな?」
女騎士「おおマジだ……」コクリ
武闘家「じゃあよ、まずはその格好をヤメろや!!」プイッ
女騎士「ん?」プルンッ
女騎士「いや、この方が都合良いんだ」
武闘家「チッ」
女騎士「では、変身するぞ……」
女騎士「フッ!!!」
女騎士「んん……」プルプル
女騎士「んあああああああああああ!!!」
武闘家「っ!?」ビクッ
僧侶「ひっ!?」ビクッ
女騎士「ふぅっ……」
女騎士「どうだ?」
武闘家「いや、どうだって、どこが変わったんだ?」ジィーッ
女騎士「ほらっ、よく見ろ」
武闘家「……」ジィーッ
武闘家「ん? もしかして、瞳孔が細くなったのか? 縦長ってか、ネコみてぇな瞳だな」
女騎士「正解だ」
女騎士「次の変身に行くぞ?」
女騎士「んん……」プルプル
女騎士「んあああああああああああ!!!」
武闘家「っ!?」ビクッ
僧侶「ひっ!?」ビクッ
女騎士「ふぅっ……」
武闘家「いちいち叫ばねぇと変身が出来ないのかよ!?」
女騎士「出来るが?」
武闘家「じゃあそうしてくれ……」
女騎士「それで、次はどこが変わったか分かるか?」
武闘家「ああ、次は一目瞭然だ……胸が、デカくなったんだろ?」
女騎士「そう、正解……ぐぐっ、駄目だ苦しい!! 水着を脱ぐぞ!?」シュルッ
女騎士「ふぅぅぅっ……」タプンッ
武闘家「チッ……」プイッ
女騎士「おい、こっちを見ろ。まだ変身が残ってるんだぞ?」
武闘家「せめてシーツとかで隠せや!! 痴女かお前は!?」
女騎士「安心しろ」ニコリ
女騎士「私は罵られても興奮するだけだ」
武闘家「変態じゃねぇか!?」
女騎士「下だけ穿いてるのもムズムズするな……脱ぐか」スルスルッ
僧侶「ゆ、勇者様!? 仲間とは言え、殿方の前ですよ!!」
女騎士「……」チラッ
女騎士「僧侶は、知っているだろう? 私の本当の姿を?」
僧侶「っ、はい」コクリ
僧侶「それは……見せて頂きましたので」
女騎士「今はある程度コントロール出来るが、それでも完璧では無い」
女騎士「見ての通り、ここまでの変身なら幾らでも誤魔化しが利くだろう」
女騎士「しかし、次の変身は別だ。意図せぬ形で変身した場合、お前たちに多大な迷惑を掛ける」
女騎士「その姿と、その対処法を、仲間には知っていて欲しいのだ……だから、こっちを向け、武闘家」
武闘家「……」
女騎士「安心しろ」ニコリ
女騎士「私はツルツルだぞ?」
武闘家「そんな心配してねぇよ!!」
武闘家「ったく……そっち見るぜ?」
女騎士「かもん」
武闘家「……」チラッ
武闘家「あのよ? 何か、筋力が落ちてねぇか?」
武闘家「ふくらはぎとか腹筋とか、ガチガチだったよな?」
女騎士「変身が進むと筋力は落ちて行くぞ?」
武闘家「は、なんだそりゃ? 変身すると弱くなんのか?」
女騎士「弱くと言うか、より女らしくなると言うか……まぁ、戦闘向きで無くなるのは確かだな」コクリ
女騎士「変身すれば、筋力は弱くなる。がっ!!」キリッ
武闘家「お? 代わりに魔力が強くなるとかか?」
女騎士「いや、代わりにエ口くなる」
武闘家「お前もう、変身すんのヤメろ……」
女騎士「だから、意図せぬ変身も有ると言ったろ?」
女騎士「今から最終形態へ変身する。とにかく、それを確認してくれ」
武闘家「……」
武闘家「チッ。わーったよ、さっさとしやがれ」
武闘家(いち、に、と来て次。変身っても地味だったからな……どうせ髪が伸びるとか、そんなんだろ)
女騎士「では、行くぞ?」
女騎士「んん……」プルプル
女騎士「んあああああああああああ!!!」
武闘家「っ!?」ビクッ
僧侶「ひっ!?」ビクッ
女騎士「ぐうぅっ……」ギチギチッ
女騎士「うううううううううう!!!」バサバサッ
女騎士「……」
女騎士「ふぅっ、ふぅっ……」
女騎士「どうだ?」チラッ
武闘家「ああ、変わった、な……」
女騎士「どこが、変わった?」クスッ
武闘家「上から言ってくわ」
武闘家「まずは、羊みてぇな……角かソレ?」ジィーッ
女騎士「うむ。言われてみれば、羊の角に見えるか」
武闘家「それと背中に、コウモリみてぇな羽も生えてんな?」
女騎士「浮く事は出来るが、長距離は飛べないぞ?」パタパタッ
武闘家「肌の色も……日焼けっつえば良いのか?」
女騎士「小麦色と言え」
武闘家「後は……」チラッ
女騎士「ん? 後は、なんだ?」ビンビンッ
武闘家「……」
武闘家「あのさ?」
武闘家「どうして、チ○コまで生えてんだ?」
女騎士「うむ、それはだな……」ズイッ
武闘家「おっと、近付くんじゃねぇ!!」タッ
武闘家「ソイツもこっちへ向けんな!!」アセアセ
女騎士「……」
女騎士「ふっ、そうは行かない」クスッ
女騎士「母親はサキュバスでな? その血を……こゆーく、受け継いでいるんだ私は」
女騎士「弟も受け継いでいたらしいが、こっちは女なのも有って、外見までサキュバスになれる」
僧侶「……」
武闘家「っ……」ゴクリ
武闘家「それで、わかったから」
武闘家「早く対処法とやらを教えろ!!」
女騎士「簡単だ」
女騎士「常に私が満ち足りて居れば良い」
武闘家「……」
武闘家「いや、聞いても意味わかんねぇ」
女騎士「詳しくか?」
武闘家「詳しく頼むわ……」
女騎士「女なら、絶頂を迎える時のエネルギーが」
女騎士「男なら直接に精液が、そのままサキュバスとしての私の力になる」