【モバマス】輝子「今度の週末は仕事を入れないで欲しい……」
モバP(以降P)「ど、どうした輝子?! まさかアイドルが嫌になったのか?!」
輝子「ち、ちがう……」
輝子「その日は用事があるから、お仕事できないだけ……」
P「あぁ、なんだ、そういうことか。俺はてっきり、輝子がイジメられたのかと思ったぞ」
輝子「みんなイイ人……フヒ……」
P「それなら構わないよ。休みにしておく」
P「でも、輝子が用事って、珍しいな。親戚でも来るのか?」
輝子「ううん、私が出掛けるんだ……」
輝子「その日は学会発表の日だからな……」
P「」
P「どういうことだ? 学会? あいつまだ大学生じゃ無いよな?」
晶葉「お困りのようだな」ヒョイッ
P「君は、池袋Pのあきえもん!」
P「……輝子と仲良かったっけ?」
晶葉「昔、発明関係でキノコを調べたことがあるのだが、そこに見知った名前があってね」
晶葉「そのまま仲良くなったのさ」
P「あきえもんは何でも知ってるなぁ」
晶葉「君も気になって仕方ないだろう? 私が会場へ案内してあげよう」
晶葉「彼女の最新の研究は、私も注目しているからね」
P「天才あきえもんが注目している……だと……?!」
P「輝子……お前は一体、何者なんだ……?」
某キノコ系学会会場――
P「このSSは実在の団体とは一切関係ありません」
P「さぁ! というわけで、会場までやって来たわけですが……」
晶葉「君も芸能界の人間だな」
P「このホールに、本当に輝子がいるのか?」
P「さっきから行く人来る人、おっさんばっかりなんだが」
晶葉「君はすぐ敵を作るタイプと見た」
P「だって輝子は、今年だけで3回も大きなライブをした、トップアイドルなんだぞ?」
P「俺が疑うのは当然だろ」
晶葉「まぁ、気持ちは分からなくもない、とは言っておこう」
【毒菌クサウラベニタケと食菌ウラベニホテイシメジの明確な判別法について】
輝子「――以上のように、ベテランでも見分けが難しいクサウラベニタケ――通称メイジンナカセですが」
輝子「これを自然界に存在する火と水と風を用いて判別する方法を研究しました」
輝子「氷も用いた手法は、昨年の秋に私が論文で発表した通りでありますが、これは冬場でなければならないという欠点が存在しました」
輝子「本論文では、その氷を用いた手順を、火と乾燥を用いて代用し、どのような環境でもキノコを判別できる手法を提案します」
輝子「結論から申し上げますと、本手法では、約8時間の作業により、両キノコの判別を可能にしました」
輝子「まずはその手法を紹介し、その後、その結果になった理由を、成分の変化から解説いたします」
輝子「では、従来の手法をおさらい致しますと――」
P「」
P「こんな輝子、俺見たこと無いんだけど……」
P「なぁあきえもん、あれは本当に輝子なのか?」
P「俺をからかうために、わざわざ輝子型ロボットでも作「しっ!」あっすみません……」
P「……」
輝子「――この毒素が、本手法によって、キノコ内部に微細な気泡を作り――」
※本論文は実在しません。キノコの判別は、専門家に任せましょう
「「おぉぉ~……!!」」パチパチパチパチ
「さすが博士!」パチパチ
「これは素晴らしい!」パチパチ
「また新たな伝説(毒茸伝説的な意味で)が誕生したか……」パチパチ
P「え、何このスタンディングオベーション?!」
P「なぁあきえもん、何なんだこの空気は……?」
晶葉「Brava! Brava!!」パチパチパチパチ
P「え~……」
P「おーい、輝子!」
輝子「……えっ、親友!?」
P「はっはっは、驚いただろう?」
輝子「え……どうしてここに……?」
輝子「関係者じゃないと、会場には入れない……フヒ……」
P「今日はあきえもんと一緒だったからな」
晶葉「やぁ、星博士」アクシュ
輝子「フッフヒ……晶葉……久し振りだな」アクシュ
晶葉「あの手法は素晴らしかったよ。どこであの着想を?」
輝子「焼き椎茸を作っているときに……汗かいているのを見て……」
晶葉「成る程、その思考回路は賞賛に値する!」
輝子「フフフ……それほどでもない」
晶葉「君ほどの才能を持っている天才が、いつまでも在野にいるのは勿体無いな。どこか良い研究室を紹介しようか?」
輝子「ううん、今のが性に合っている……」
P「俺の話題が、一気に吹き飛んだ……」
晶葉「おいおい、君は輝子のプロデューサーだろう?」
輝子「まぁ、隠してたから……」
輝子「スカウトされる2年前から……だったかな」
P「えっ、そんな昔から?!」
晶葉「その頃からすでに、彼女の才能は発揮されていたんだよ」
晶葉「全論文を読ませてもらったが、実に独創的な着眼点を持っている。そして非常に有意義だ」
P「マジかよ、俺の輝子が天才だったなんて……」
輝子「お、俺の……///」
晶葉「ふむ……」ニヤニヤ
事務所――
P「……ということがあったんだ」
小梅「輝子ちゃん、凄い……」
P「キノコ業界のアイドルっていう話は知っていたが、マジでアイドルだった」
P「帰り際に挨拶をする学会員だけで、1時間の列が出来たからな」
P「職業病で、俺が列整理をしてしまったよ」
P「ん? 小梅も用事か?」
小梅「うん」
P「その日は丁度休みだな、新しい仕事は入れないでおくよ」
P「しかし、小梅も用事って、珍しいな。よく行くのか?」
小梅「うん、よく頼まれるから」
P「お手伝いか。小梅の人望のおかげだな。ま、楽しんだら良いのさ」
小梅「うん」
小梅「慰霊会……楽しみ……」クスクス
P「」
P「慰霊? 慰問じゃなくて? 楽しみってどういうこと?」
芳乃「私の出番と伺いましてー」ヒョイッ
P「君は、依田Pのよしのんじゃないか!」
P「……小梅と仲良かったっけ?」
芳乃「昔、お仕事で地方を回っていた時に偶然知り合いましてー」
芳乃「小梅さんとは、そのころからお付き合いがありましてー」
P「マジか、偶然ってすごいな」
芳乃「小梅さんは私の依頼を受けて、今週末出掛けるのでしてー」
P「よしのんの頼みだったのか……俺だって絶対断れない」
芳乃「その日は私もご一緒するので、ご同行しますか?」
P「あぁ! どっちにしろ、よしのんの頼みじゃ断れないからな!」
P「小梅……一体、何があったんだ……!」
某田舎の山中――
P「このSSは実在の地域とは一切関係ありません」
P「さぁ! というわけで、現場までやって来たわけですが……」
芳乃「ですがー」
P「なぁ、よしのん……小梅のその、正月の神社で踊っている人が着てるようなうっすーい巫女服みたいなのは何だ?」
芳乃「そなたのその認識は的を射ているのでしてー」
P「だよな! うっすーい巫女服だよな!? ウッヒョー!」
小梅「嬉しいの……?」
P「小梅はまだ小さいからな、衣装は厚い生地だったり長袖だったりして気を遣っていたのさ」
P「ちなみに、ここまでしているのは、今のところ小梅だけだ。……他のやつらには内緒な?」シー
小梅「私のために……///」
芳乃「あらあらー」マアマアー
P「しかし、こうして見ると、こういう透け透けな衣装もバッチリ着こなせるのが分かって、俺は嬉しいよ」
小梅「あの、Pさん……」
小梅「今度、こんな衣装でも……良いよ?」
P「え、マジで? やったー!」
小梅「えっと……カイロ、つけて良いなら、大丈夫」
P「急に生々しい話になりましたな」ホッホッホ...
P「俺もよしのんも、仰々しい格好になって……」
P「あと、目の前のいかにもな古いトンネルは、どういう意味でしょうか?」
芳乃「ここは、近付く者を幾度となく憑り殺してきた、モノホンの心霊スポットなのでしてー」
P「ファッ?!」
芳乃「今回、住民の依頼を受け、悪霊を無効化することになりましてー」
P「え、ちょ、ま――」
芳乃「そなたは桶のお神酒を撒き続ければ、心を蝕まれることはありませんので、ご安心をー」
芳乃「ただー、今日は1時間を予定していますので、それまでお神酒を絶やさぬようにー」
P「え!? これ、1リットルくらいしか入ってないんですけど?!」
芳乃「小梅さんはいつも通り、癒しの心を持って歌い舞っていただきたくてー」
小梅「うん……久しぶりのライブだから、楽しみ……」
芳乃「それでは、参りましょうー」
P「……えっ、1秒に0.27ミリリットル?! 無理無理無理、こんなの死ぬって! ちょ、ま――!!」
事務所――
P「ということがあったんだ」
幸子「よく無事に帰ってこられましたね」
P「お神酒を撒かなくても、器ごと振り回すだけで効果があると分かったからな。後半はずっとその場でくるくる回ってた」
幸子「なんですか、その格ゲー初心者特有のレバガチャ理論は」
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
LINE読者登録QRコード
スポンサードリンク