動く電子回路タトゥーでサイボーグになる夢が現実に
タトゥーといえば、大抵は個性の表現とか愛のしるしのために入れるものだと思いがちですが、実はそれだけではありません。世の中には実用的な医療用のタトゥーなんてものもあるんです。中にはからだに一時的に電子回路を取りつける、なんともSFチックなものまで存在します。
「創造的技術スタジオ」を自称する、Chaotic Moon Studiosが開発したTech Tatsは、本来タトゥーで使うインクのかわりに導電性インクを使います。このインクは皮膚の表面に付着させるため、タトゥーは一時的なもので取り除くことが可能です。この手のテクノロジーの進歩はとても早いため、腕に電子回路を本当に埋め込んでしまうと一年もしないうちに「型落ち」して使い物にならなくなってしまいます。その点、Tech Tatsは古いものを新しいものに簡単に交換することができます。
これであなたのサイボーグコスプレがネクストレベルにと、言いたいところですが、Chaotic Moon Studios がこのタトゥーを開発した本当の目的は、医療観察のためです。
本来、心拍・血圧などの生体情報を測定するためには、大きくて煩雑な装置を患者のからだに装着する必要がありました。そこで、装置のかわりに腕に電子回路タトゥーを施すことで、タトゥーが各種数値を測定し、スマホアプリとワイアレスで通信してその記録を残してくれます。このタトゥーのおかげで本格的な医師の観察が必要な期間でも、野暮ったい機械に繋がれたままにならずに、患者は普段の生活を続けることができるというわけです。
取り除くことができるタトゥーには別の利点もあります。ガン治療などで広く使われる放射能治療では患者に埋め込み型のタトゥーを施すことがあります。このタトゥーは医療装置を調整するための基準マーカーとして使われますが、治療が終わったあともそのマークが永久的にからだに残ってしまうので、まるで試練の証が体に刻まれている様です。これは患者にとって心地いいものではありませんでした。取り除くことができるTech Tatsであれば、患者はいつまでも辛い闘病生活の思い出と過ごさなくてもよくなりますね。
source: Chaotic Moon Studios via designboom
Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文]
(TOMOYOSHI)