一向に解決しないLA渋滞問題、7000億ドル規模のトンネルならどうだ!
穴掘って、地面の下走ったる!
車社会の大きな都市で、切っても切れない問題といえば、渋滞。大渋滞。街中がイラつくすんごい渋滞。ロサンゼルス市はなんとかしようと、あれこれ対策を打ち出しています。最近発表されたものでは、とにかく人を車から降ろそうと、自転車やバス専用レーンを設ける自転車や徒歩に優しい街作りがあります。一方、その対策では不十分だと考える人達もいます。そんな彼らの打ち出すアイディアは…トンネル!
Reason Foundationが、ロサンゼルス市の交通計画として明かしたプランは、少なくとも7つの大トンネルを作るというものでした。街にある複数のハイウェイを、トンネルで直接繋いでしまえというこのプラン。計画規模は、なんと7000億ドル(約85兆3,000億円)!
トンネル計画を打ち出す側の言い分は、自転車や徒歩をいくらオススメしたって、車がいい人は結局車に乗るでしょうってことです。お金がある人は有料でも早い道を行くだろうし、ない人は無料で渋滞の道を行く、その違いがあるだけだというわけなんですね。電車に鈍行と特急があり、料金が異なるように、道路だってそんなもんだろうと言いたいわけです。だからトンネル計画です。もちろん、有料トンネルになる予定。
ロサンゼルス市は、いままでも渋滞解消のためにあれこれ手を尽くしてきました。たとえば、高速道路405号の車線を2本増やすのに、5年間、11億ドル(約1,350億円)を費やしましたが、移動時間が伸びてしまうという残念な結果で、失敗に終りました。道幅広げたって、車線増やしたって、悪循環になるだけだったのです。歩道を整備する、自転車レーンを作る、電車を走らせる…。ロサンゼルスの街は、ここ10年とにかく試行錯誤し、お金も時間もかけて手を尽くしてきました。
が、いっこうに光は見えません。もしかしたら、このトンネルというアイディアこそ、暗い道の向こうに見える光の出口となるのかもしれません。…でも、7000億ドルですけどね。まるで、渋滞解消のため、ロサンゼルスはどこまでやれるのか試されているようです。
source: Reason
Alissa Walker - Gizmodo US[原文]
(そうこ)
- トンネル工法の“なぜ"を科学する
- 大成建設「トンネル」研究プロジェクトチーム|アーク出版
- 地球の中心までトンネルを掘る (海外文学セレクション)
- ケヴィン・ウィルソン|東京創元社