『月刊コンプエース』連載、「艦隊これくしょん -艦これ- 水雷戦隊クロニクル」の第20話
今や1話につき6~10ページが定着化してしまいました。このぶんだとコミックスの発売間隔が倍になるのは確実でしょうね。
演習三日目は霞・不知火・霰・陽炎らの第十八駆逐隊の番。始まっていきなり仕掛けたのは証明弾による索敵でした。これにより特別艦隊の位置や陣形がわかり、旗艦たる霧島への集中砲火を始めます。但し証明弾は諸刃の剣。自分たちのソレも丸わかりになってしまうわけで、言わば特別艦隊と真っ向勝負という恰好。
この戦力差でそんな戦術で来るなんて…傲慢が過ぎますよ
榛名が怒りの反撃開始。でも霞たちにとって集中砲火は別の意味がありました。砲撃に紛れて魚雷を撃っていたのです。魚雷に気付くのに遅れた霧島は回避不可能。その時、身を躱して入れ違ったのは金剛でした。
激しく上がる爆発音と水しぶき。金剛が大破したのは確実だ。
けれど大破しながらも鼓舞する金剛! 弱気になりかけた霧島を叱咤して戦列に復帰させるのでした。復帰を見届けてから金剛は戦線を離脱する。妹たちに希望を託して…
金剛を失ったとはいえ火力・艦数とも こちらがまだ優位。魚雷を連発してるってことは短期決戦に違いない、ならば一旦 距離を取ってからの砲撃に切り替えた霧島。これが功を奏して霰(あられ)に直撃! 大破は間違いないだろう。
今度 声を上げたのは第十八駆逐隊 旗艦の霞。陽炎と不知火に的確な指示を出した後に叫んだ。
霰 雷撃用意!!
これに驚く霧島たち。霰はまだ沈んではいなかったのです。とはいえ倒れるのは時間の問題。そんな状態に構うことなく霞は大声で叫び続ける。
陽炎と合わせて旗艦を狙いなさい 酸素魚雷 てーーっ!!
言葉に合わせて最後の力を振り絞って魚雷を発射した霰は、そのまま倒れるのでした。ハタから見れば命令を続けた霞が冷酷に見えたかもしれません。けれどそれは違います。ここで必要なのは優しい言葉じゃありません。近寄って介抱することでもないのです。必要なのは目的を持った精神! ここで気持ちが切れたら霰は立ち上がれなかっただろう。そうはさせまいと霞は大声で叫び続けることで霰の正気を保させたのです。
倒れた霰に霞はつぶやく。「よくやったわ 霰」と──。これも愛情の一つの形ですね。
これで互いに一隻ずつ大破となりました。鎮守府の指令室では長門・陸奥・大淀たちが戦況を分析。話題にしたのはやはり照明弾のこと。最初から戦力差があるのに正面から挑むとは、さすが全駆逐隊で最高練度を持つ自信だと大淀。でも長門の意見は違いました。
霞は不器用だから奇策を用いず、自分たちの力を存分に発揮できる作戦を取っただけ。それが照明弾を使った真正面からの戦いだと。
何があろうと下を向かず 勝利をものにし 戦果を上げてみせる
それが霞たちの信念だそうだ。最初登場したときは ちょっと生意気そうだったけれど、信念があるからこそそのような態度に見えたのですね。 つづく
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