六花「私が本気を出せば俗世間に溶け込むことも可能」
- 2015年12月01日 23:40
- SS、中二病でも恋がしたい
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六花「了解した。今から私は知能レベルをこの世界のものと同等にまで引き下げ…」
勇太「その偉そうな口調もやめろ。あと小難しい単語を使うのもなしな」
六花「…了解した」
勇太「…」ジトー
六花「…わかった…よ」
勇太「はぁ」(果たしていつまで続くのだろうか)
登校中
勇太「で、お前いつまでそれ続ける気なの?学校でもその調子か?凸守が悲しむぞ」
六花「心配ない。マイサーヴァントである凸守は……あ、じゃなかった…早苗ちゃんとは契約を交わしたものの間だけで可能なテレパシーで…」
勇太「…ま、無理しなくていいぞ。どうせ無理だろうし」
六花「む…聞き捨てならない。邪王真眼は最強」
勇太「ほらまただ」
森夏「あっ。富樫くん小鳥遊さん、おはよー」
勇太「ああ、丹生谷。おはよう」
六花「…おはよう」
森夏「二人ともなに話してたの?」
六花「…ふ、普通におしゃべりしてただけだよ…森夏ちゃん」
森夏「…えっ?小鳥遊さん?…森夏ちゃん?え?」
勇太「なんでも、邪王真眼にかかれば俗世間に溶け込むなんて余裕…らしいぞ」
森夏「それって普通に振舞うってこと?だからあんな感じ?どうしたのよ一体」
勇太「さぁな。理由は知らんが…なんかムキになってるんじゃないか?」
六花「…ふ、二人とも…早く学校行こうよっ」
森夏「はいはい。小鳥遊さん普通にしてれば可愛いし、結構それもいいかもね」
勇太「…そうだな。悪くないんじゃないか?」
六花「なっ…//」
六花(勇太はこういう俗世間の…あ、普通の…)
(普通の女の子が好きなのかな…)
六花(勇太はダークフレイムマスター…一般人のような狭隘な心を持ってはいない…)
六花(…優しい人。理解のある人…だから私を受け入れてくれた)
六花(だからこのまま、ずっと邪王真眼であり続けていいと思っていた)
六花(…私が勇太の優しさに甘えていたのかな)
六花(…考えすぎ?でも…普通が…いいのかな)
六花(こんな風に振舞うの、あの一件以来…)
六花「」ボーッ
勇太「………おい、六花」
勇太「聞いてるのか?…おい、六花。六花ってば」
六花「…あっ 勇太…ごめん。…へへ、なんでもない」
勇太「妙に素直だな。…その辺も、普通をってやつか?いいことだな」
六花「う、うん…そう」
六花(いいこと…勇太は笑いながらそう言うけど)
(私は、その会話がアタマの中から離れずに、その夜眠れなかった)
勇太「今日もそのまんまで部活か?」
六花「…あはは、そのまんまって?私はいつもこんな感じだよっ…早くいこ、勇太」
勇太「あ、あぁ…」
勇太(思ったより長続きするのな…ギャップにまだ慣れん…)
六花「勇太?どうかした?」
勇太「いや、何でもないよ…そういや六花、今日は眼帯もしていないしカラコン…や、邪王真眼も開眼していないんだな。徹底してるじゃないか!」
六花「…私、普通でしょ?」
勇太「…見事に普通だな THE 普通って感じだよ。」
勇太「でもお前、無理して…」
ダダダダ…
凸守「マスター!とダークフレイムマスター!こんなところにいたデスか?」
勇太「うおっ!なんだよいきなり…あんまり廊下は走るなよ、凸守」
凸守「うるさいデェス!一般人!」
勇太「いやお前さっき俺のことダークフレイムマスターって呼んでただろ」
凸守「細かいことはいいのデス。それよりマスター!今日はマビノギオンの解読をするに当たって、助力を願いたいのデスが…」
六花「マビノギオン…!………」
六花「う、うん。一緒に…わかったよ」
凸守「…?マスター、昨日からマスターの魔力が弱まっている気がするのデスが…どうかしたのデスか?」
六花「…大丈夫だよ。部室いこっ」
タッタッタッタッ…
凸守「あっ!マスター…」
凸守「マスターに何かあったのデスか?それとも…貴様がマスターを傷付けるような真似でもしたのデスか?」
勇太「違う!断じてない!…ただ」
凸守「ただ?」
勇太「…わからん。暫く様子見だ。」
凸守「…納得いかないデェス…」
勇太「じゃなあ、六花」
六花「…また明日ね、勇太」
ガチャ…
勇太「ただいまー」
樟葉「あっ お兄ちゃんお帰りー」
勇太「おう。夢葉は?」
樟葉「ん~…なんかついさっき遊びに行くって出て行ったけど」
勇太「もう夕方なのにな…大丈夫か?」
樟葉「多分六花ちゃんのところじゃないかな」
勇太「六花のところか。なら安心だな」
樟葉「だねっ あ、お兄ちゃん私買い物に行ってくるから。何か欲しいものある?」
勇太「んー…とくにないかな。気を付けて行ってこいよ」
樟葉「はーい」ガチャ…バタン
勇太(はぁ…なんだか疲れたな)ソファーにボフッ
勇太(いや…寧ろ今日は疲れる要素少なかったはずだが…)
勇太(六花の口数が少なかった分な)
勇太(凸守が怒りの矛先をこちらに向けてくるのも時間の問題かもしれん…はぁ)
勇太(丹生谷は特に何も言わないが…くみん先輩は)
くみん『六花ちゃん最近なんだか元気ないね~寂しいな~…』
勇太(何が原因なんだろう…ただムキになっているだけとは思えないんだよな)
勇太(またじいちゃんばあちゃんといざこざでもあったのか…はたまた十花さんか?)
勇太(それとも…………)
勇太「…はぁ」
勇太(ため息ばかりだな。)
勇太(疲れてるんじゃなくて…俺も、寂しいのかな)
勇太(六花…)
勇太(………)zzZ
六花「…プリーステスはまだ帰還していない」
六花「盟約に従い契約を結んだ植物に…聖水を与えなければ」
六花(ハイリヒヴァッサー…どこに置いたっけ)
ピンポーン
六花(奇襲!?)
夢葉「りっか~!りっか~!」
六花「…夢葉」ガチャ
夢葉「りっか!遊ぼ遊ぼ~!夢葉も探索手伝う~!」
夢葉「今宵、月は…出ているぞ…」
夢葉「お兄ちゃんみたいでしょ!」エッヘン
六花「…やはり夢葉は将来有望。今からでも修行を続けていれば兄であるダークフレイムマスターをも凌駕する可能性がある」
夢葉「すごい?夢葉すごい?」
六花「最強。夢葉はすごいよ」ナデナデ
夢葉「やった~!」ムギュー
六花「………」ナデナデ
六花「…でも、もう外は暗くなる。夢葉はまだ修行中の身、探索はまた今度。中に上がる?」
夢葉「わかった!おじゃましまーす!」
夢葉「う~ん…夢葉はりっかと一緒に修行がしたい!しゅぎょー!しゅぎょー!」キラキラ
六花(夢葉すっごく楽しそう…)
六花(私は………私は、)
六花(私は、どうしたいんだろう…)
六花「…わかった!夢葉、まずは魔方陣の生成の仕方から教える。魔方陣は魔力を操る上では基本となる」
夢葉「ふむ、ふむぅ!」メモメモ
六花「邪王真眼のように固有の能力を持つようになれば、私のように魔方陣無しで魔力を操ることも可能!」
夢葉「おおぉ~!!やっぱり六花はすごい!」
六花「邪王真眼は、最強…!」どやっ
夢葉「さいきょお~っ!!」
キャッ キャッ ワイワイ
勇太「………うーん…?あれ?俺寝てたのか」
勇太(なんだか上が騒がしいな)
勇太(…夢葉と六花か?)
勇太(楽しそうじゃないか、二人とも)
まさか、な……
樟葉「ただいま~」ガチャ
勇太「樟葉、おかえり」
樟葉「ただいま、お兄ちゃん。夢葉はまだ帰って来ないの?」
勇太「そういや遅いな。六花のところに迎えに行ってくるよ」
樟葉「お願いね。晩ごはん作ってるから~」
ピンポーン
勇太「六花~?入っていいかー?」
ガチャッ
夢葉「お兄ちゃーん!」ギュッ
勇太「うぉっ!夢葉!遅いじゃないか。お兄ちゃん迎えに来たんだぞ」
夢葉「ふっふっふ…じゃおーしんがんに魔方陣のつくりかた教えてもらってたの!」
勇太「よ…良かったじゃないか~夢葉」
勇太(六花め、また我が妹に余計なことを吹き込みやがって…って…ん?)
勇太(もう六花は普通に戻ったのか?)
勇太(いや、六花の普通は“普通”じゃないが…)
六花「あっ…勇太。こ、こんばんは」
勇太「お、おっす。悪いな、夢葉と遊んでもらって」
勇太(なんだこの微妙な距離感は…)
六花「ううん、大丈夫。私も楽しかった」
勇太「そっか。良かった良かった」
勇太「じゃあ夢葉、帰るか」
夢葉「はーい!」
六花「あっ…勇太。勇太、ちょっと話せない?」
勇太「あ、あぁ…晩ごはんまで時間はまだあるだろうし。いいぞ」
勇太「夢葉、先に1人で帰れるか?お兄ちゃんちょっと六花の部屋に上がってくから」
夢葉「はーい。だいじょうぶだよ!六花またね~!」
六花「ばいばい、夢葉」フリフリ
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