ボルト・クランク「他人とは食生活が合わない」チノ「えっ……」
チノ「あの、ご注文は……?」
ボルト「悪いが」
ガサゴソ、カリッ、ボリボリ
ボルト「他人とは食生活が合わない」
チノ「えっ……」
チノ「ネジを、食べてます……」
「EAT-MAN」×「ご注文はうさぎですか?」
『ご注文はネジですか?』
ティッピー「相変わらずじゃな、ボルト」
ボルト「…………」ボリボリ
チノ「お知り合い、なんですか?」
ティッピー「ボルト・クランク、世界一の冒険屋じゃ」
チノ「冒険屋……」
チノ「その、冒険屋さんのお仕事は、ネジを食べることなんですか?」
ボルト「違う」ボリボリ
ティッピー「……お前は本当に変わらんな」
ボルト「そういうアンタは、随分変わったな」
ティッピー「うるさいわいっ」
ココア「あれ? チノちゃんがお客さんと話してる」
ココア「どうかしたの?って」
ボルト「…………」
ガリッ、ボリボリ
ココア「わぁーー!!」
ココア「お客さん何してるの!?」
ココア「ペッしないとダメだよ!! ペッ!!」
ボルト「…………」
チノ「ココアさん、ボルトさんはネジが食べれるらしいです」
ココア「えぇっっ!?」
チノ「私も、まだ信じられないのですが……」
ココア「……手品師なの?」
ボルト「冒険屋だ」
ココア「冒険屋!? なんかカッコいい響き!!」
ボルト「…………」
ココア「冒険屋ってネジを食べる以外なにするの!?」
ボルト「ネジを食べるのは仕事じゃない」
ティッピー「冒険屋は、依頼されたら何でもやる仕事じゃよ」
チノ「何でも屋さん、ということですか?」
ボルト「冒険屋だ、何でも屋じゃない」
チノ「な、なるほど……(何か違うのでしょうか……)」
ティッピー「世界中を冒険するから、冒険屋なんじゃよ」
ココア「緑のロングコートで世界中を冒険……カッコいい!!」
ココア「私もなる!! 冒険屋になりたい!!」
ボルト「やめておけ」
ボルト「お前に冒険屋は似合わない」
ココア「えぇ~~!? なんで~~!?」
ボルト「その服のほうが似合っている」
ティッピー「そうだボルト。カウンターの電球が切れてるんじゃ、交換してくれんかの?」
ボルト「それは違う依頼か?」
ティッピー「お前の背丈なら楽なもんじゃろ、ササッと終わらせてくれんか」
ボルト「あぁ、手早くやってしまおう」
チノ「待って下さい。あそこの電球は外すのにコツがいるので私がやります」
ココア「でもチノちゃんじゃ全然背が足りないよ?」
チノ「むっ……。確かに届きませんからココアさん脚立を持ってきて下さい」
ココア「チノちゃんが怒った~~!!」
チノ「怒ってません。ココアさん早く行って下さい」
ボルト「…………」
チノ「それにお客さんにこんな事をやらせるワケには」
ボルト「…………」
チノ「な、なな、何ですか?」
ボルト「こうすればいい」
チノ「わっ、きゅ、急に何を、お、下ろしてくださいっっ」
ボルト「電球を外してくれ」
チノ「えっ……」
ボルト「外すコツがあるんだろう?」
チノ「あ、はい……」
チノ「いきなりで驚きました……」
ボルト「依頼内容が早くしろだったんでね」
リゼ「チノをどうするつもりだ変質者!!」
ボルト「…………」
チノ「あ、リゼさん……」
リゼ「大丈夫だチノ、安心しろ。すぐに私が助けてやるからな……!!」
ココア「リゼちゃん待って~~!!」
チノ「リゼさん誤解です……」
リゼ「そこの大男、私の銃がどこを狙っているか分かるか?」
ボルト「…………」
リゼ「銃口がお前の急所を確実に狙っているぞ……!!」
ボルト「そのようだ、いい腕をしている」
リゼ「大人しくしてもらおうか……!!
ボルト「…………」
ガリッ、ボリボリ、ボリボリ
リゼ「わ、私の、銃を、食べて……」
ティッピー「美味いのか、それ」
ボルト「おもちゃの味だ」
リゼ「本当にすまない!!」
リゼ「まさかチノの知り合いで、電球を交換しようとしてただけなんて……」
ボルト「…………」ボリボリ
チノ(……厳密には私ではなく、お爺ちゃんの、ですが……)
ココア「もう、リゼちゃんはあわてんぼうさんだなぁ」
リゼ「し、仕方ないだろう、ボルトさんみたいなお客さんはウチじゃ珍しいんだから」
チノ「確かに、そうですね」
ココア「夜のラビットハウスのバーのほうが似合ってる感じはするね!!」
ボルト「俺もそう思う」
リゼ「ところで、なんでココアは脚立を持ってるんだ?」
チノ「ココアさん遅すぎます、もう終わりました」
ココア「えぇ!? っていうかチノちゃんどうやったの!?」
チノ「それは……内緒、です……」
ボルト「店の雰囲気も随分変わったようだ」
ティッピー「騒がしい店になった、お前も落ち着かんじゃろう?」
ボルト「そうでもない」
ティッピー「なんじゃ、お前のことだから砂漠のほうが落ち着くとか言うかと思ったが」
ボルト「そろそろ砂漠も見飽きてきた頃だったんでね」
ボルト「たまには、華がある場所も悪くない」
「キャーーーー!!!!」
「ひったくりだーーーー!!!!」
リゼ「なにっっ!?」
チノ「店の外、結構近くから聞こえましたね」
ココア「チノちゃん危ないよ!! もし犯人が立て篭もりに来たらどうするの!?」
チノ「そう、ですね。一応お店の鍵を閉めましょうか」
ココア「って、リゼちゃんがいないーー!?」
チノ「ま、まさか、ひったくり犯を追いかけて……」
ティッピー「まぁ大丈夫じゃろ」
チノ「ティッピー……?」
ティッピー「奴が付いてるなら安心じゃ」
ココア「そういえばボルトさんもいないよ!?」
ティッピー「久し振りに、世界一の仕事ぶりを見せてもらえるかの」
リゼ「こんなときに分岐道なんて……」
リゼ「犯人はどっちかに行ったんだ、どっちだ……!?」
ボルト「…………」ボリボリ
リゼ「うわっ!? って、ボルトさん!?」
ボルト「危険だ、後は警察に任せて」
リゼ「ボルトさん、いいところで出会った、困ってたんだ」
ボルト「おい」
リゼ「私はこっちの道を行く、ボルトさんはあっちの道を頼む!!」
ボルト「待て」
ボルト「持っていけ」
シュッ、パシッ
リゼ「これ、さっき食べられた、私のモデルガン……」
リゼ「助かる、今これがあればいいと思ってたんだ!!」
ボルト「…………」
犯人「クソッ、行き止まりか……!!」
リゼ「観念するんだな、もう逃げ場はないぞ!!」
犯人「なんだ追いかけて来てたのは、嬢ちゃんか」
リゼ「動くな!!」
犯人「じゅ、銃……!?」
リゼ「大人しく交番に行ってもらおうか」
犯人「……クク、そんなハッタリが効くかよ」
リゼ「なに?」
犯人「俺は銃に詳しいんだ。勿論それは本物じゃねぇし、見たところ改造もされてねぇ」
リゼ「そ、それは……」
犯人「そんなの撃たれても痛くも痒くもねぇんだよ!!」
「なら試してみるか?」
リゼ「ボルトさん!?」
犯人「クソッ、仲間がいたのか……!!」
ボルト「銃に詳しいらしいな」
ボルト「この俺が持っている銃は、本物か偽物か、当ててみてくれ」
犯人「バカか、そもそもこの国に本物の銃なんか……」
ボルト「どうした?」
犯人「いや、そんな、外国で撃ったことあるが、まさか、それ……」
リゼ「ほ、本物……?」
ボルト「試してみよう」
犯人「ひっ……」
ボルト「撃てば本物か偽物か分かる、銃とはそういうものだ」
犯人「や、やめ、やめてくれ……。撃たないで~~!!」
警察「ご協力感謝します」
リゼ「あの、ボルトさん、その、ありがとう。助かったよ」
ボルト「気にするな、それより」
リゼ「今回のことで反省したよ。もう無茶な真似はしない」
ボルト「そうか」
リゼ「……私は、冒険屋にはなれそうにないな」
ボルト「そうでもない」
リゼ「えっ……?」
ボルト「冒険屋に一番必要な資質を、お前はもう持っている」
リゼ「それにしても、まさか本物を持ってるなんて驚いたよ」
ボルト「本物?」
リゼ「そのボルトさんが持ってる銃のこと」
ボルト「…………」
リゼ「なんでそん
コメント一覧
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- 2015年12月02日 22:18
- 懐かし
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- 2015年12月02日 22:26
- 湖に浮かぶ月明かり
寄り添ったせつないためいき
明日にたどり着けずに2人はただ夜をさまようばかり
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- 2015年12月02日 22:40
- 吉富作品のSSもっと増えてほC
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- 2015年12月02日 23:00
- まさか世界一の冒険屋をここで見るとは…
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- 2015年12月02日 23:04
- 今連載してるやつも買おうかな
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- 2015年12月02日 23:08
- まさかEAT-MANのSSをごちうさクロスで見ると思わなんだ
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- 2015年12月02日 23:19
- 完成のセリフがない、やり直し
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