羽の生えた病理医!? 鳩が乳房X線画像を診断する
台湾の文鳥占いは知ってますけど…
行動科学者と心理学者の間では、乳がんの診断に鳩を利用できるのでは?と注目し、医療画像から乳がんの明確な兆候を指し示せるように、鳩を羽の生えた病理医になるように長年トレーニングしてきました。
科学雑誌PLOS Oneのレポートによると、Richard Levenson氏とアイオワ大学の心理学者Edward Wasserman氏は、16羽の鳩を選び、一日一回、乳房組織のスライドを見せました。鳩はその腫瘍が悪性だと思えば黄色、良性だと思えば青の長方形をつつき、正解すると自動的にご褒美のピーナッツが出てくるという訓練です。鳩たちがスライドを記憶して答えていないのを確認するため、違うサンプルでのテストも行ないました。
最初、鳩たちの成績はふるわず、だいたい正解率は50%ぐらいでした。でも、2週間のトレーニング後、それぞれの鳩たちの正解率は85%と向上しました。さらに、研究者たちはフロック・ソーシングと呼ばれるグループで投票する方法をテストしてみたところ99%という結果をたたきだしました。これは、訓練をうけ経験のある人間の病理学者に匹敵する結果だそうです。鳩たちは良性と悪性腫瘍のサンプルを的確に診断できるようになったんです!
とはいうものの、病院で乳房X線写真を診断する鳩の病理医に出会うことは、ないでしょう。精度は上がっていますが、鳩たちは人間のような状況的診断をすることができないからです。ただ、将来的に鳩ベースのニュートラル・ネットワークがお目見えする可能性はあるそうです。
ちなみになぜ鳩かというと、鳩は人間と似た性質の視覚系を持っていて、医学の画像処理テクノロジーを改善するのに有用なモデルになるからだそうです。さらに、Wasserman氏の話によると鳩たちは仕事中毒なんだそうですよ。将来、間接的に羽の生えた病理医のお世話になることがあるかも!?
source: Improbable Research
Jennifer Ouellette - Gizmodo US[原文]
(junjun)