蒼星石のジレンマ
- § 主な登場ドール紹介
真紅
ローゼンメイデン第5ドール。この世のあらゆる暴力を嫌う究極美少女だが、自分が暴力を振るうことは厭わない。
雛苺
ローゼンメイデン第6ドール。電車に乗っている時に、駅名がカタカナの場所を見つけると幸福感に包まれる。
翠星石
ローゼンメイデン第3ドール。三度の飯よりイタズラが好き。でも、やっぱりご飯の方が好き。
蒼星石
ローゼンメイデン第4ドール。アクの強い姉や妹達の間で緩衝材として苦労するポエム庭師。
水銀燈・金糸雀・雪華綺晶・珪孔雀・薔薇水晶
その他のドール。5人とも呪いのコタツにうっかり入ってしまって出られなくなっているため今回はお休みです。
- § ある日の朝・桜田ジュンの部屋
雛苺「うゆゆっ!? 朝、起きたらヒナの足にスケート靴が履かされていたのよ!?」
翠星石「ふはははは! 油断したですねぇチビ苺!」
雛苺「翠星石ッ!? これ、いつもの翠星石のイタズラなのよね!?」
翠星石「いかにもマキシモ。それは呪いのスケート靴! チビ苺のだらしない熟睡中につけさせてもらったですぅ!」
雛苺「呪い!? みょわわわわわ…っ」ガクブル
翠星石「ふふははは、怖かろう! ぐはははははは! ガーハッハッハッハハハハハハハハハハハ!!」
ジュン「いきなり出たよ翠星石の馬鹿笑い」
真紅「朝っぱらからテンションがマックスターンバーリーのようだわ」
翠星石「ぐっふっふっふふふ! さあチビ苺よ、もっと怯えろです! スケート靴の呪いに竦めですぅ!」
雛苺「うにゃにゃにゃにゃ! ヒ、ヒナは呪いで一体どうなっちゃうの翠星石ぃ!?」
翠星石「くっくっくっくっく! そのスケート靴の呪いは、そりゃもう大変に恐ろしいものですよ!
それを履いたままスケートを4~5時間も遊ぶと足の感覚がほとんど全て失われるのですぅ!」
雛苺「お、恐ろしいのー! 恐ろしすぎてオシッコちびりそうなの! と言うか、もう漏れたーーーッ!!」じょば~
ジュン「漏らすな。絨毯だぞ、下」
真紅「そもそも普通のスケート靴でも、そんだけ長時間スケートすれば足の感覚が無くなるわよね」
雛苺「えっ? そ、そうなの…」
翠星石「ちぃっ! 真紅め、余計なことを!」
雛苺「だ、騙したのよね! 翠星石!」
翠星石「ぐっ…。しかーし! 足の感覚が失われるのは事実です!」
雛苺「ッ!!」
翠星石「靴紐は鬼神のごとき力を込めて固結びにしてあるです。そう簡単にはほどけんですよ!」
雛苺「か、固結び…!?」
翠星石「ぬーふっふっふっふぅ! そうです、固結び! 翠星石ってば、めちゃんこ親切なレディですぅ」
雛苺「もうヒナ怒ったのよ! 翠星石を許せないの!」ワナワナ
翠星石「ほう~、その握り締めた拳で翠星石に殴りかかるつもりですか? けど、スケート靴では足元も安定しな…」
雛苺「烈脚空舞!」ズバッ
翠星石「グワーッ!?」
真紅「なんとっ!? 背転脚だわ! 雛苺に足技が!?」
ジュン「カポエラ…じゃなくて、南斗白鷺拳か!」
翠星石「うぬぬ、足のスケート靴を逆に利用しての蹴り技とはっ! チビ苺…侮れぬ奴!」
雛苺「今日のヒナの足のキレは一味違うのー! 呪いのスケート靴の恐ろしさを知るのは翠星石の方なのよッ!!」
翠星石「まさに付け焼刃のくせに調子こくなですチビ苺! こんなの左右に避けるだけで簡単にかわせ…」
雛苺「調子こかせてもらうの!」ピッピピッ
ジュン「雛苺から水飛沫…? いや、これは…!?」
真紅「オシッコだわ! 漏らしたオシッコを南斗白鷺拳の動きで飛ばしている!?」
翠星石「うぎゃーっ! チビ苺のションベンが目に入ったですーっ!」
雛苺「どうなのよっ! この目潰しは! 勝った! 死ねィッなのー!」ギャルルン
翠星石「アバーッ!!」ずばばーん
- § WINNER・雛苺 決まり手・南斗烈脚斬陣
雛苺「やったー! あははァーなのっ!」スタッ
真紅「見事な一転攻勢だったわ雛苺。特に南斗白鷺拳を繰り出してからの戦術は圧巻の一言」
ジュン「ションベンの目つぶし撒き散らすとか、乙女としてと言うか人として最低だったけどな」
真紅「いいえ、お漏らしというピンチですらもチャンスに変える雛苺の機転と精神力は素晴らしい」
雛苺「ありがとうなの真紅~」
真紅「ジュンも全校集会でゲロ吐いた際に『マーライオンでございま~す』とフォローするぐらいの機転が必要だった」
ジュン「そんだけタフな精神力があれば、そもそも晒し者にされてもゲロは吐かぬよ」
真紅「ともあれ雛苺、私はあなたの気高き覚悟を称えたい。もはや崇拝しかない。
ゼア・イズ・ワーシップ・オンリー。崇拝しかない。ここにコロッセオを建てましょう」
雛苺「ヒナイチコロッセオなのね!」
真紅「ええ、そうよ。悪鬼翠星石を打倒した雛苺の脚力、柔軟な発想と精神力…何をとってもマーベラス。
私はそんな雛苺の能力と可能性が羨ましい。羨ましいと言うか妬ましい、一発殴りたい。殴ってもいい?」
雛苺「え、あっ…、それはちょっとカンベンなの…」
真紅「そう…、残念だわ」
雛苺「ヒ、ヒナ折角だからトゥモエにお願いしてスケート場に連れてってもらってくる~」シュパパパパ
ジュン「逆立ちしたまま移動するのはいいけど、薔薇乙女以外にスケート靴の刃を向けるなよ~」
雛苺「ハッテン承知なの~」ダバダバ
ジュン「ガッテンな」
- § 雛苺が退室しました
真紅「…二人きりになってしまったわねジュン」
ジュン「ん? そうだな一応。翠星石は気絶してるし」
翠星石「……」ピクピク
真紅「翠星石の悪戯好きにも困ったものだわ」
ジュン「最近は雛苺も耐性が上がってきて、今日みたいに返り討ちにすることも増えてきたからいいじゃあないか」
真紅「でも、うざくない? 毎度毎度、私の部屋の中で暴れまわられて。今日は放尿までしてたし」
ジュン「ここはお前の部屋じゃなくて僕の部屋です。大体、真紅だっていつも一緒になって暴れるだろ。
いきなりトルコ相撲(ヤールギュレシュ)始められて部屋中を油まみれにされた時よりは全然マシだ」
真紅「ということは、うざくない?」
ジュン「うざいかうざくないかで言えば、うざいに決まってるだろ」
真紅「ですよね~」
ジュン「しかし急にそんなことを気にしたりして、どうしたんだ真紅?」
真紅「いえ、急にではないわよ。常々、ジュンに迷惑をかけていることは意識していたわ」
ジュン「迷惑だと分かってて、室内で油相撲とか繰り広げてたのか」
真紅「当然。私は翠星石や雛苺と違って自分というものを知っている。いつも自重している」
ジュン「マジで?」
真紅「マジで」
ジュン「それで常日頃の、あのウザさは問題だと思うんですけど…」
真紅「けれどもそれは、うざいかうざくないか敢えて言えばウザいかなってレベルの、所謂キモカワイイ的なアレでしょ?」
ジュン「いやいや完全にアウト。五丈原で諸葛亮が延命祈祷してる後ろでサッカーのリフティングする魏延ぐらいうざい」
真紅「ごめんなさいジュン、その喩えがよく分からないわ。けどまあ挽回可能な程度のうざさよね」
ジュン「…できるもんなら挽回して見せろよ」
真紅「そうね、それじゃあ先ずは…翠星石も気絶していることだし丁度いいわ。彼女に毛布をかけて優しさ重点アピール」ふぁさっ
翠星石「……」
ジュン「こらこら、翠星石を完全に毛布で隠すな。顔は出しとけ」
真紅「え? でも、くんくん探偵はよく毛布をこんな感じで…」
ジュン「それは毛布をかける相手が被害者の死体だからだ。ほら、早く毛布をめくっ…て!? あれ? 翠星石が消えてる!?」
真紅「ナーゥ!」どじゃぁ~ん
ジュン「カッパーフィールド!? と言うか、翠星石をどこへやった!? D4Cか!? 隣の世界か!?」
真紅「いいえ、死出の羽衣よ。なので何処へ消えたかは真紅ちゃんにも分かりませーン!」
ジュン「なぜ消した」
真紅「目障りで場違いのクズを掃除しただけだわ。ジュンのお目を汚さないようにとの淑女の配慮よ」
ジュン「……」
真紅「まあ、それはさて置き。今日の真紅ちゃんは挽回モード! 日頃のジュンの御恩に報いる時! いざ鎌倉!」
ジュン「ああ、そう…」
真紅「さあジュン、私にして欲しいことがあったら何でも言ってごらんなさい」
ジュン「何でもって言われても…」
真紅「軽いボディタッチぐらいなら微笑みで返すから、ほらほら」
ジュン「じゃあ雛苺がお漏らしした絨毯を掃除するから手伝ってくれ」
真紅「それは面倒くさいから却下」
ジュン「てめぇ…」
真紅「聞いてジュン! 私がお願いを叶えてあげる挽回モードは、今を逃すと次は10万年後よ!
それをつまらないションベンの後始末とかで浪費しても良いって言うの!?」
ジュン「じゃあ他にどんな願いがあるって言うんだよ」
真紅「気に入らない人間がいたら、さっきの翠星石みたいに別世界に飛ばしてあげるわ。
仮にnのフィールドにでも送り込めば、お手軽に完☆全☆犯☆罪の達成よ」
ジュン「悪魔か、おのれは。いいから、とにかく水を張ったバケツと雑巾を持ってこい。
年末も近づいてきてるし、ついでに軽く大掃除もしてしまおう」
真紅「軽く大掃除という概念が意味不明で分かりマセン。内蔵情報媒体を検索シマス。暫くお待ちクダサイ」ぴーががー
ジュン「唐突にロボットのふりをするな。どれだけ対応をごねようとも掃除以外のお願いはしないからな」
- § その頃、薔薇屋敷の庭園では……
翠星石「ぎゃふんっ」ズドーン
蒼星石「うわぁっ!? えっ!? 何? これ何!? 何か上から降ってきた!!」
一葉「どうした蒼星石!? 物凄い音がそちらから響いてきたが大丈夫か」
蒼星石「僕は大丈夫ですマスター(旧)! それよりも空から女の子が…て言うか翠星石が!」
一葉「なんだ、翠星石か」
蒼星石「ええ、そうです。それにしても、空からいきなり落ちてくるだなんて危ないなぁ」
翠星石「うぐぐぐぐ…、そ、蒼星石!? ということは、ここは薔薇屋敷…ですか」
蒼星石「鞄から落ちたりでもしたの? あれほど鞄で空を飛ぶ時は安全運転を心がけるようにって…」
翠星石「い、いやいや! そういうことじゃぁねぇーんです! 実はですね…かくかくしかじか、というわけで」
蒼星石「雛苺に呪いのスケート靴をプレゼントしたら、報復に烈海王も驚愕の足技でズタボロにされたぁ?」
一葉「気の毒だが自業自得ではないか」
蒼星石「そうだよ。それはまさに自業自得だ翠星石」
翠星石「なんですとー!? そんな馬鹿なことが!? チビ苺の鞄にコーラとメントスを大量の入れた時も!
チビ苺の隠していた大福を残らず食い尽くした時も! チビ苺の花丸ハンバーグにかけられたデミソースを
みんなが見ていない隙に全部べろべろと舐めてやって、あとはウスタ
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- :-:2015/12/03(木) 17:56:17
- ノリはいいけどなんだかんだで黒い蒼い子…
というか登場人物の半分がこたつにやられてるんですがそれは
- :-:2015/12/03(木) 18:35:43
- 蒼のボディはガンダムグシオン並に膨れあがってない?
服の中が(本で)パンパンだぜ
- :-:2015/12/03(木) 18:39:20
- 蒼星石の真意を見抜くには海のリハク並みの眼力と洞察力が必要・・・・。
未熟なJUMボーイではまだ真意は読めぬということ。
- :-:2015/12/03(木) 19:30:06
- 今回の真紅さんが可愛く感じた
疲れてるのだろうか、毒され過ぎてるのか
- :-:2015/12/03(木) 19:31:10
- 蒼「私が守護らねばならぬ…!
- :-:2015/12/03(木) 19:43:11
- 蒼星石「よく分からないけど、もうどうでもいいんじゃあないかな。僕の好きな言葉に、鉄は熱いうちに打てってのもあるし」
翠星石「ですね。翠星石の好きな言葉には、買ったバットの殴り具合を試させろってのもあるです」
真紅「私の好きな言葉、何事も暴力で解決するのが一番だ、がピッタリな状況ね」
ジュン「呪われろ、特に赤ゴリラ」
>>緑マムシも相当なんですが。
- :-:2015/12/03(木) 20:20:52
- 大した被害がなければOKなジュンの馴れ具合が可哀想なんですが
- :-:2015/12/03(木) 21:00:40
- 呪いのこたつって確かマッコロ大魔王が封印されてる奴だっけ?
入ってたらハゲになっちゃうやつ
- :-:2015/12/03(木) 23:21:31
- 避難しまスケート場
翠「くらえですぅ!!」
蒼「うわあああああ 全部投げやがった」 雛「!!」
翠「ガーハッハハハその足場でよけられるものなら よけてみるです!!」雛「くっ」蒼「ひいいいい」
雛「(来たのよ!!)はっ」 翠「なっ」 蒼「!!」
巴「凄ェ!」
蒼「この雛苺がさけたからちくしょう!!」ざくざくざく