カリオストロ「グラン、今日もデートに行くぞ」
ビィ「おいどうしたんだ、グラン? そんなに眉間にしわ寄せて」
グラン「ちょっと悩み事があって……」
ビィ「悩み事? 水臭いじゃねえか、悩みがあるのならまずはオイラに相談しろよ!」
グラン「でも騎空団の運営についてだよ?」
ビィ「あ、そりゃ無理だ、オイラじゃわかんねぇ」
グラン「今までは行き当たりばったりでもよかったけど、人が増えると色々やることも増えてさ」
ビィ「確かにな……でも、一人で悩んでてもわかんないだろ? オイラじゃなくても別の人に相談したらどうだ?」
ビィ「こういうのは年長者に聞くってのが一番だぜ!」
グラン「年長者か……」
ビィ「そうだ、つまり……」
グラン「カタリナだな」
ビィ「おいバカやめろ」
グラン「ダメなのか?」
ビィ「グランが姐さんの剣の錆になりたいんなら止めないぜ……じゃなくて、もっと適任者がいるだろ? ほら、あの爺さんだよ」
ビィ「そうそう、オイゲ……」
グラン「カリオストロか」
ビィ「そっちかよ!?」
グラン「男の年長者じゃないか、数千年生きてれば立派な爺さんだ」
ビィ「いや、確かにそうだけど……え、でも、あれは……男? 爺さん? うーん……」
グラン「とりあえず、聞いてくるよ」
ビィ「お、おう……」
グラン「カリオストロ、ちょっといい?」
カリオストロ「……なんだ、グランか、オレ様は今忙しいから用事なら後にしろ」
グラン「忙しい? 鏡の前に立ってるようにしか見えないけど」
カリオストロ「はあ? 目ん玉どこについてんだよ」
グラン「え?」
カリオストロ「まったく仕方ない奴だな、よく見てろ……キャハ☆」
グラン「……」
カリオストロ「どうだ、オレ様可愛いだろ?」
グラン「まあ、可愛いポーズはとってたけど……」
グラン「……」
カリオストロ「……こうか? いや、違うな……」
グラン「……」
カリオストロ「もっと庇護欲をかきてる感じがいいんだよな……」
グラン「……」
カリオストロ「これも……ちょっと違うな、どうもしっくりこないぞ、うーん……」
グラン「……カリオストロ」
グラン「庇護欲をかきたてたいのなら、もうちょっと大人しい感じを出した方がいいと思う」
カリオストロ「……なに?」
グラン「こんな感じにもっと上目づかいで……」アゴクイ
カリオストロ「え、あ……」
グラン「それで、もうちょっと小さくなる感じで……」
カリオストロ「お、おう……」
グラン「後、首も少しかしげた方が……」
カリオストロ「……こ、こうか……?」
グラン「そうそう」
カリオストロ「……キャハ☆」
カリオストロ「そ、そうか……つうかお前、割とナチュラルに女の顔にさわれるんだな……」
グラン「え?」
カリオストロ「な、なんでもねえよ! ま、まあ、これでオレ様の可愛さにも磨きがかかったってことだな!」
グラン「うん、これでそっちの用事も済んだみたいだし、こっちの用事にも付き合って欲しいんだけど……」
カリオストロ「……そういうことかよ、意外にしたたかだな……まあいい、その用事ってのは何だ?」
カリオストロ「この天才美少女錬金術師のカリオストロ様からアドバイスを貰いたいだと? 言っとくがかなり高くつくぞ」
グラン「え、タダじゃないの!?」
カリオストロ「タダなわけないだろ、オレ様からのありがたい教えを貰うために全財産を投げ出せる奴なんざ世界にごまんといるんだぜ?」
グラン「全財産なんか無理だって……騎空団を解散しなくちゃいけなくなる」
カリオストロ「……」
グラン「なんとか、まからないかな?」
グラン「誠意?」
カリオストロ「そうだ……金以外でオレ様を満足させられるか?」
グラン「誠意か……」
カリオストロ(困ってる困ってる……くくく、別に金なんざ興味ないが、さっきは無駄にドキド……じゃなくて、無駄に驚かされたからな、そのお返しだ)ニヤニヤ
グラン「……そうだ、デートをしよう」
カリオストロ「ぶはぁ!?」
カリオストロ「お、お前がいきなり変なこと言いだすからだろうが! なんだデートって!」
グラン「いや、この前シェロが『女の子に人気のお店が出来たんですよ~』て言ってたからさ、そこに連れて行こうかと思って」
カリオストロ「……それでオレ様が満足すると思ったのか?」
グラン「うん、だってカリオストロは可愛い女の子の研究に余念がないんだろ? だったら女の子がたくさんいるところに行った方がいいじゃないか」
カリオストロ(こいつ……微妙に説得力のあることを言いやがる)
グラン「どうかな?」
カリオストロ「……まあ、いいだろう、オレ様にとってみれば金なんざどうでもいいからな、それで勘弁してやるよ」
カリオストロ「おう、なんだ言ってみな」
グラン「騎空団の運営についてなんだ、ちょっとどうすればいいのかわからないところがあって……」
カリオストロ「騎空団の運営? そんなのオレ様に聞かれてもわかるわけないだろ」
グラン「え、そうなの……?」
カリオストロ「当たり前だろ、最近まで封印されてたんだし」
グラン「あ、そっか……」
カリオストロ「そういうのはオイゲンに聞けよ、アイツの方がくわしいだろ」
グラン「……わかったよ、ありがとう、それじゃあ……」
グラン「どこって、オイゲンのところに……」
カリオストロ「その前にまず、オレ様にお礼をするのが先だろう」
グラン「え? でもアドバイスもらってない……」
カリオストロ「教えてやっただろうが、オイゲンに聞けって」
グラン「いや、それはアドバイスじゃないだろ!」
カリオストロ「立派なアドバイスだ、文句を言われる筋合いはねえぞ?」
グラン「そんな……」
カリオストロ「それじゃあ団長さん☆、カリオストロをぉ、デートに連れてってぇ?」
グラン「……」
お店
カリオストロ「きゃあ☆、このパフェ美味しそうだね、団長さん☆」
グラン「う、うん……」
カリオストロ「……おい、こんな超絶美少女とデートしてるんだぞ? もっと楽しそうにしろよ」
グラン「いや、まだ飲み込めないところがあって……」
カリオストロ「カリオストロ、団長さんがなに言ってるかわからなぁい、早く食べよ☆」
グラン「……」
カリオストロ「はい、団長さん、あーん」
グラン「え?」
グラン「だ、だってカリオストロがやさしくしてくれるなんて思わなくてさ」
カリオストロ「はあ? なに勘違いしてんだ」
グラン「勘違い?」
カリオストロ「オレ様みたいな、ゆるフワ可愛い系美少女があーんをしてるんだぞ? 周りから見れば最高に可愛い絵面だろうが」
グラン「……つまり俺に優しくしてくれたわけじゃないってこと?」
カリオストロ「当たり前だ、早く食え」
グラン「……いただきます」パク
グラン「……美味しい」
カリオストロ「よかった☆」
グラン「……」
カリオストロ「それじゃあカリオストロもいただきまー……」
グラン「……ちょっと待て」
カリオストロ「……なんだよ?」
グラン「……今度は俺があーんさせてあげるよ」
カリオストロ「はあ? ……あ、スプーン取んな」
カリオストロ(……この野郎、さっきのの意趣返しのつもりか)
カリオストロ「別にぃ、絶世の美少女であるカリオストロちゃんのやるあーんだったら可愛いけど……冴えない団長さんがやったってぇ……」
グラン「確かに俺がやったって俺は可愛くないかもしれない」
カリオストロ「わかってんじゃねえかよ」
グラン「だけど、あーんで食べさせられるカリオストロは、きっと可愛い」
カリオストロ「……! なん……だと?」
コメント一覧
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- 2015年12月06日 23:13
- グラン、お前天才か!
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- 2015年12月06日 23:29
- やっぱりおっさんナンバーワン
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- 2015年12月06日 23:33
- 全空一の美少女はカリオッサン
ハッキリわかんだね
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- 2015年12月06日 23:45
- 最高かよ
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