みなさんこんにちは。川越の歩くCOREi5プロセッサことksnです。

2015年も残り1ヶ月を切った今いかがお過ごしでしょうか?

私は今年2級ファイナンシャル・プランナー技能士と宅地建物取引士の資格を取ることを最低目標に勉強していましたが、見事両方合格する事が出来ました!

2015120118
やったぜ。
(自己採点35点、合格点31点)


FPの方に関しては以前書いたので割愛するとして、今回は宅建の試験について色々語りたいと思います。

宅建といえば不動産業界で働く人はもちろん、金融機関や保険会社、さらには行政書士や司法書士など法学の入門資格としても有名な資格なので、これから受験しようと考えている人、最終学歴高卒のksnですら半年で一発合格できるんだから余裕だろ!とやる気になってる人の何かの参考になれば幸いです。


そもそも宅地建物取引士って何?

宅地建物取引士(たくちたてものとりひきし)/略称:宅建士(たっけんし)とは、宅地建物取引業法に基づき定められている国家資格者であり、宅地建物取引業者(一般にいう不動産会社)が行う、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引に対して、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務(重要事項の説明等)を行う、不動産取引法務の専門家である。
一般財団法人不動産適正取引推進機構

とあります。

早い話が土地や建物を扱う不動産のプロフェッショナルです。

皆さんが家や土地を買ったり借りたりする時に「これこれこういう物件ですよ~」と説明したり、契約する時の書面に記名押印したりする人の事です。

宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない(5人に1人)と宅建業法で定められているので、皆さんが家を借りに行こうと『アパマンショップ』や『いい部屋ネット』に足を運んでその事務所で契約するとしたら、そこには従業員の5人に1人以上の割合でこの宅地建物取引士の資格を持った人間がいることになります。

俗に言う独占業務のある国家資格という事になります。



宅地建物取引士の試験は難しいのか?

おそらく皆さんが一番気になってるのはこれだと思います。

一言で表現するなら


中の上


という言葉がふさわしいと思います。

高校で表すなら偏差値57~60程度の一応進学校。

大学で表すなら偏差値50~53程度のDランク私立。

40人のクラスがあって1位が医者・弁護士・裁判官、40位がそろばん10級だとするなら宅地建物取引士は10位前後。

それぐらいだと思ってください。

しっかり勉強すれば難しくはないけれど、ナメてかかると痛い目見るよ!そんな感じです。

ただ27年度から宅地建物取引主任者から宅地建物取引士となったという事も踏まえて、近年試験が難化傾向にあるというのは事実だと思います。

検索してもらえば分かると思いますが、合格点の推移から見てもそれは確実です。

しかしそれは自分にだけ影響があることではなく、受験者全員に影響する事なのでそれほど萎縮することはないと思います。

自分が難しいと思うのなら、周りのみんなだって難しいと思っているのです。

合格率を見ても15%~17%とやはり難関資格のイメージを受けますが、ここで勘違いしてはいけません。宅建試験は誰でも受けられるのです

記念受験する人や会社から言われてイヤイヤ受けてる人、ヤマが当たって一発合格できないかなーなんて甘い考えの人が山ほどいるのです。

それなりの高校や大学を出た人が、受かる気でそれなりに勉強をした場合の合格率は30~40%ぐらいはあると思います。

だから合格率もそれほど気にする必要はありません!もっと強気でGOGOです。




具体的な必要勉強時間として、ネットを見てみると『300時間』という意見が多いように見えます。

しかし最近の難化傾向も考えると、初学者がイチから確実に合格するためには『400~500時間』は見た方がいいと思います。

不動産業界で働いてる人、大学で法律を学んだ人、FPなど関連資格を持っている人は300時間程度で大丈夫だと思います。

いずれにせよ1日1時間勉強できる人は1年、1日2時間勉強できる人は半年、1日4時間勉強できる人は3ヶ月これぐらいを計算に入れるのが現実的かと思います。

私の例でいえば、マンション管理士と管理業務主任者とセットになりますが、仕事やブログ更新作業のかたわらYoutubeの無料講座を垂れ流しを2時間ほど+夜に集中してテキスト勉強を2時間で計4時間程でした。

単純に3で割っても宅建の勉強は1日1時間強を半年した計算になります。

FP2級ぐらいまでの知識は持っていても、それぐらいは必要だと思います。




具体的な勉強法

まず最初に、宅建レベルの試験で予備校や通信講座は必要ありません

それらを使う人はどうしても時間が取れない、でも短期間で資格取得しなければいけないやむを得ない理由がある人だけです。

勉強時間が確保できる人で合格できない人はやる気がないだけですし、恐らく資格取得する必要もない人です。

それならおとなしく他の事に時間を使ったほうが有意義だと思います。

資格なんて使わなければ履歴書の肥やしにしかならないのですから。

という事で基本的には独学でどうにかなる試験という事を忘れないでください。

勉強方法に関してですが、これについては10人いれば10通りのやり方があるので何とも言えません。

しかし実際に私は受かってるわけで参考までに私の勉強方法をここに記したいと思います。

なおこの方法で筑波大学に落ちています。

一定レベル以上の試験には使えないと思うのであしからず。

まず前述の通り仕事やブログ更新の最中にYoutubuなどにアップされている宅建試験の無料講座の動画を垂れ流します

宅建試験は20万人が受験するマンモス試験なので、そういった試験対策動画も多量にあります。

それが身に付くかどうかはおいといて、何もしないよりかはマシかな程度で作業用BGM代わりにかけておりました。


夜のテキスト勉強はksn伝統のサザンアイズ方式です。

まあなんて事はない『テキストを3回ぐらい通しでこなして、過去問を3回ぐらい通しでやるだけ』です。

私が考えるに、試験で一番大切なことは点を取る事です。

宅建の試験なんか合格しても、実務は仕事を始めてから先輩や上司から学ぶものです。

大学受験で一生懸命勉強しても、実際大学に入ってからは使わないものが殆どでしょう?

まずは点を取る!その為には何をすべきか、それは分かる事だと私は考えています。

では何を分かればいいのか、もちろん答えが分かれば一番いいですが、天地万物の答えがパッと出てきたらそれはもう神様の領域です。

大切なのは2つ。



1つ、どこが分かってどこが分からないのか。

2つ、どこが試験に出てどこが試験に出ないのか。




これを『分かる』事が受験では大切だと考えます。



宅建の勉強を始めるにあたって、私は不動産業界経験者でも大学で法律を勉強した人間でもないので、まず最初にテキストを開いた感想が「何だこれ?全然分かんねえ。こりゃダメだわ」だった事を覚えています。

もはや何が分からないのか分からないレベルからのスタートなので、それを打破する為のサザンアイズ方式です。

まず1回テキストを通しで読みます。そしてもう1回通しで読みます。

すると不思議な事に「ああ!これはアレだよな!」と分かる所は何となく分かってくるんです。

となるとそこはもう勉強する必要ないですよね。

大学受験する時に1+1を勉強する人間はいません、分かってる所は勉強する必要ないんです。

あとは残っている分からない所だけ勉強すれば点を取れるというのが私の理屈です。

時間は限られているのですから効率よく勉強する事が大切だと思います。

こんな言い方はアレですが、日本一の素晴らしい宅建士になろうなんて夢は持っていません。

合格点を取って試験に合格する!まずはそこです。



2回ほどテキストを通してある程度理解できたら次は過去問です。

ここでいきなりガチで過去問解いて合格ライン狙ったりしてはいけません。

まずはテキストや答えを見ながらでもいいのでゆっくり過去問を解いてみてください。

最低10年分、出来れば20年分解いてください(えぇ……)

資格試験の出題範囲なんて限られているわけで、ましてや宅建試験なんてそれなりに歴史のある試験です。

出せる問題なんてとっくに出し尽くしているし、出てくる所なんて決まっています。

新しく出せる問題はもうないのです。

という事は裏を返せば法改正がある所は必ず出てくるという事もパッと分かるようになります。

そんな感じで過去10年分の過去問を2回も通せば、自然とどこが出てくるか分かるようになります。

「ここは出る!」「ここは重要度低いな」と肌で感じ取れるようになります。

そこまで分かればもう試験には50%受かったようなもんです。

残り1週は最後のチェックとしてテキストと過去問をこなしましょう、それが私のサザンアイズ方式です。

「え?そんだけ?」と思うかもしれませんが、社会人が仕事をしながら本当に集中してやればテキストと過去問を2週の時点で3ヶ月~半年ぐらいは掛かります。

ベッドに横になりながらテキストのページをペラペラめくる行為は、例え5時間やろうと10時間やろうとそれは勉強ではないと私は考えています。




具体的な対策法

-権利関係-

権利関係、俗に言う民法の分野です。

民法とはなんぞやという話ですが(私は法学部出身ではないのでザックリとした解説は許してヒヤシンス)『あなたと私の約束』これが民法です。

当然第三者はそんなもん知ったこっちゃないので、それを第三者にも対抗できるようにするには『登記』をしなければいけない、これが宅建試験で出る民法の大まかな範囲になります。

インターネットや予備校の総評を見てみると「宅建試験はとにかくこの民法の分野が難しい!」「深入りするな」という意見をよく目にします。

27年度の試験にいたっては「範囲さえ目を瞑れば行政書士や司法書士並の難易度だった」なんて声も聞きますが、私はこの意見に異を唱えたい。



宅建試験の民法の分野は(少なくとも点を取るだけなら)そんなに難しいものではないと私は思います。


大切なのはテンションで解く!という事です。


例を挙げましょう、過去こんな感じの問題がありました。


問.ABCが相応しい持分で共有している建物がある。これを不法に占有しているDに対してAは単独で退去を命じる事ができるか?


さあ、どうでしょう?

これの問わんとしている所は民法の『共有』部分です。
保存行為は単独で、管理行為は過半数の同意で、変更行為は全員の同意で出来るという決まりが民法にはありますが、ではAのやらんとしている行為はいずれに当たるのか?という事です。

そもそも保存・管理・変更って何なんだ?

そんな事を考え出すと民法の分野はワケわからなくなります

もっとテンションで考えましょう。



問.同級生の佐藤君と田中君と一緒に1000万円ずつ出し合って一軒家を買いました。そこに勝手に住み着いてるホームレスとかヤクザに対して佐藤君と田中君の許可を取らなくても「出て行けコノヤロー!」と言えるのでしょうか?


さあどうでしょう?

当然言えます

これで言えなかったら日本の法律がおかしいと思って諦めた方がいいです。
(損害賠償請求や区分所有建物になるとまた変わってきますが宅建試験ではそこまで出てきません)

宅建試験で出てくる民法なんてどれもこれもこんなレベルの問題ばかりなんです。

では何が難しいのか、それは善意だの悪意だの登記だの第○条だの聞き慣れない法律用語を読み解くのが難解なだけであって、問題さえ理解できれば内容は中学生でも分かるレベルのものなんです。

実際27年度の宅建試験最年少合格者は13歳です。

問題文を理解するためにテキストを読み過去問を繰り返し解く必要はありますが、民法の第○条を丸暗記とか宅建試験では全く必要ありません。

本番では4択になりますが、裏を返せば4つのうち1つは確実に答えがあるわけです。

全く分からなかったとしても一番それっぽい答えを選べば当たる確率は25%よりもっとあります。

さらに1つ2つ「これは確実に違うな」と絞れればそれだけで正答率は50%以上に跳ね上がるわけです。

完全に理解するとなると確かに難しいかもしれませんが、点を取るだけなら宅建の民法の分野はそれほど苦ではないと私は思います。

そもそも法律は何の為にあるのかという話になりますが、当然何か問題が起きた時の為にあるわけです。

しかし起こりうるであろう全ての事象に対して条文を用意しておくなど神様でもない限り不可能です。

という事は、法律なんて色々なケースに対応できるようザックリ制定している場合が殆どなのです

色々なケースという事は色んな人が使うという事、つまりたくさんの人に当てはまるような物でなければいけないのではないでしょうか。
(違ってたらスイマセン。個人的な解釈です)


何が言いたいかというとですね

民法なんてものは普通の人が導き出すような普通の結論に落ち着く事が多いという事です。

余程の基地外でもない限り、一番それっぽい答え選んでおけば当たる事が多いんです。

それが私が「宅建の民法は難しくない」と言った根拠です。

この権利関係の分野からは例年14問出ます。

「8問前後取れれば御の字」と言っている予備校や講師もいますが、試験(特に点の取りやすかった宅建業法)が難化して来ている今、確実に合格したいのならここで2桁(10点~11点)は取りたいところです。



-法令上の制限-

都市計画法や国土利用計画法といった土地の利用に関する法律上の制限を学ぶのがこの分野です。

ここは権利関係と違って完全な暗記分野です。

暗記さえすれば誰でも点が取れる分野なので予備校や有名講師はここで点を稼げといいますが、私は暗記物が嫌いなので勉強するのに苦労しました。

ただ過去問10年分ぐらいやれば見えてくると思いますが、ここも出る所は決まっています。例を挙げると


国土利用計画法……2000㎡、5000㎡、10000㎡(1ha)、2週間、3週間、100万円以下の罰金

建築許可……1000㎡、3000㎡、10000㎡、市町村長に30日以内、病院・社会福祉施設、学校は届出必要

建物の高さ……11m以上(非常灯やスプリンクラーなど非常用設備。宅建ではあまり出ない)、20m以上(避雷設備)、31m以上(非常用エレベーター)、60m以上(大臣の許可。宅建ではあまり出ない)

防火・準防火……3F100㎡以上、4F1500㎡以上(500~1500㎡、500㎡以下~)

建築確認……特殊建築物(マンション等)は100㎡超、鉄系は2F200㎡以上、木造は3F500㎡の13mの高さ又は9mの軒下

土地区画整理法……組合は7人、保留地は施工者が取得する

宅地造成等規制法……切2の盛1、合体は2。面積500の擁壁は2(5以上はプロ必須)既に工事してる人は21日以内に届出、それ以外は14日以内

用途地域……準住居地域はデカイ道路の傍の住居地域とか工業専用地域は工業専用だから住居は建てられないとかイメージで暗記しておくと吉。細かな数字も覚えられればベストですが、所詮出ても1問なのでそこまで力を入れる必要はないです



パッと思い付くのはくれぐらいでしょうか。

何を言っているか分からない人が大半だと思いますが、テキストを2回ほど通しで読めば何を言っているか分かるようになります。

見てもらえば分かるように正確に数字等を記憶しているかが問われます。

という事は民法のように何となくそれっぽい答えを選べば当たるという戦法は使えません

4択全てがそれっぽいからです。

ここはもう頑張って暗記してくださいとしか言えません。

言い換えれば丸暗記さえ出来ればどうにでもなる分野なので暗記物が好き!得意!という人は稼ぎ所です(稼ぎ所さん!?)

頑張って下さい!



余談ですが、一つここで勉強していて気付いた豆知識を。

法令上の制限では知事だの市町村長だの許可だの届出だの出てきてワケが分からなくなる時があります。

迷ったら『知事=許可』『市町村長=届出』と考えてください。

9割はこれで当たってます。「知事に届け出なければならない」なんて選択肢があったらヒッカケの可能性が大です。

そこまで決め打ちしてしまえば、あとは残りの1割の例外を抑えるだけの作業となります。

河川法や湾港法、道路法なんかは知事でも市町村長でもなく『管理者の許可』が必要になります。

それはなぜか?これもイメージの問題です。

造成する土地なんて広くても東京ドーム程度でたかが知れてます。

しかし道路や川は複数の県にまたがってる場合も少なくありません。そこで都知事の許可を取ろうとすると、さあどの知事に許可を取ればいいのでしょうか?

埼玉県と千葉県にまたがってる場合、双方の知事に許可を取るのも面倒ですよね?かといって埼玉県知事に許可をとっても千葉県知事が騒ぎ出したら大問題です。

というわけで川とか道路とか港とか、複数の県にまたがるケースも珍しくないようなビッグな土地をイジる時の許可は管理者という事になります。

そう考えれば「道路予定区域内において、工作物の新築・改築・増築・大修繕、土地の形質変更等の行為をしようとする者は道路管理者の許可を受ける」なんてクソ長い暗記をする必要はありません。
道路はデカイから管理者!これでだいぶ脳みそのマージンを確保する事が可能です。

あとは『農地法』なんてのも例年ほぼ間違いなく1問出てきますが簡単なので絶対に落としてはいけません。

後述しますが絶対に出ると分かってる問題は1問も落としてはいけません、簡単な問題ならなおさらです。

法令上の制限は全8問。

暗記物という事で、受かる気で勉強してきた受験者にはさほど差は出ないように思います。

8問中5~6問は取れるようにした方がいいでしょう

周りもそれぐらいは取っているはずですし、ここでそれぐらい取れないようならおそらく宅建試験には受かる事は難しいでしょう。




-税・不動産鑑定評価-

ここが一番悩ましい分野です。なぜならあまり出ないのにクソ難しいからです。

掘っても掘ってもキリがない、でもたくさん問題が出るわけではない、じゃあ一体何をどれぐらい勉強すればいいのかという疑問が沸いてきます。

結論から言いますが『不動産取得税、固定資産税、印紙税、地価公示、不動産鑑定評価』ここまででいいです。

この5つを試験1ヶ月前ぐらいから始めて出そうな所を脳みそにぶち込むぐらいでかまいません。

ぶっちゃけますが所得税・贈与税・登録免許税は捨ててください

出題率が低い割に内容が激ムズだからです。

FPや税理士から流れてきた人でないと3000万だの5000万だの短期だの長期だの15%だの30%だの軽減税率だの特例だの頭がおかしい事になります。

そんなもの勉強するぐらいならその時間を民法や宅建業法に当てた方が絶対に合格率は上がります!もし出たら25%の確率にかけてサッサと次の問題へGOです。

税・不動産鑑定評価は全部で3問。

先にあげた5つはいずれも比較的簡単なのでこれらが出たら2問、出来れば3問全部取りたいところです。

所得税・登録免許税、ここまでは出る可能性もゼロではありませんが難しいのであまり深入りしない方が吉です。

贈与税はまず出ないですが出たら諦めて25%の確率にかけてください。

その分の時間を他の勉強に費やした方が絶対に有益です。






-宅建業法-

宅建試験の中核を成す宅建業法です。

これは早い話が不動産屋さんの法律です。

不動産のプロフェッショナルが、言い方悪いですが素人さんと何千万円何億円の契約をするわけです。「素人騙して私腹を肥やそうとするなよ!」というのが宅建業法の総則といえるでしょう。

この宅建業法は今までずっと「超簡単!」「宅建試験の稼ぎ所!」とドラクエでいう所のメタルスライムのような扱いを受けてきましたが、何を隠そう近年の宅建試験の難化の原因はコイツです。

27年度試験では個数問題(正しいのはいくつあるか~間違ってるものはいくつあるか~みたいなの)が4問、組合せ問題(正しい組合せを選べ~間違ってる組合せを選べ~みたいなの)が3問です。

当然ですがこういった問題では一つでも踏み外したら間違いになるわけで受験生の正答率は落ちます。

より精度の高い解釈と正確な知識が要求される分野になりました。
(そもそも宅建の試験なのだから宅建業法は完全に理解していないとダメなわけですが……)

ただこれは点を取るのが難しくなっただけであって、問われている内容が難しくなったわけではありません。

それこそ宅建業法を完全に理解していれば個数問題になろうが関係ないし、自分が点取れなくなったと思うのなら周りも点を取れなくなっているのですから。

点を取るのは難しくなりましたが、それイコール合格するのが難しくなったというわけではないのでそこまで怯える必要もないでしょう。

宅建業法は全20問。

一昔前は「ここで9割(18点)は取らないと受かる資格ない」なんて言われたものですが、現在では15点前後取れれば充分だと思います。



-その他-

住宅ローン(住宅金融支援機構法)や不動産広告についての不当表示、土地や建物についてや業界の統計などが出てきます。

はっきりいってどれもこれも常識レベルの問題ばかりです。

「広告には直線距離80mを1分として表示する事が出来る」とか「等高線が密な所は斜面が緩やかである」とか「湾口に面した低地は平らなので宅地に適している」とかそんなレベルばかりです(当然答えは全部×)

統計は夏頃に発表されますしそれを暗記するだけです。

確実に1問出るので絶対に落としてはいけません。内容は一夜漬けでもどうにかなるレベルなので大丈夫です。

そもそもこの分野は全部で5問出ますが5点免除という制度があります。

それは宅地建物取引業に従事している者、つまり不動産会社に勤めている人はお金を払って特定の講習を受ければこの5問が丸々プレゼントされるのです!

つまり合格点が50問中35点だという場合は不動産会社に勤める人は45点中30点取れば合格という事になってしまうのです。

という事は一般受験者はこの5問は絶対に落とせません!言い換えれば5問取る事が前提になっているようなものなのです。

予備校の方たちはとてもお優しい事で「5問中4問取れればOK!」なんて言いますが、私はあえて「5問取って当然!」と言わせていただきます。

絶対に1問も落とさない!その意気込みで望んでコンクリートの性質や建物の主要構造部についての説明といった明らかに平均点を下げる為の問題がここで出た場合は4点で妥協しましょう、それぐらいのレベルで望んでください。

というわけでここは5問中5問狙いに行きましょう!どうしても分からないものが出たら4問、ここで3問以下という人は明らかに勉強もやる気も足りていません、出直しましょう。


以上で50問中35~37問正解できる計算になります。

直近5年の合格点が31,32,33,33,36となっているのでこれで充分合格ラインに入っていますし、本番で多少調子が悪くても少し余裕があることが分かります。

ここで大切な事が1つ。

それは(ほぼ)確実に出て、かつ簡単な問題は絶対に落としてはならないという事です。

例を挙げれば法令上の制限で出てくる農地法や、その他で出てくる統計です。

「50問中1問だからどうせ2%、その分他で取れば見逃しても大丈夫だろ」←こんな考え方は絶対にアウトです!

そもそも宅建試験は50問全てが4択です、という事は鉛筆コロコロ転がせば12~13点は幼稚園児でも取れてしまう可能性がある試験なのです。

そんな宅建試験で0点なんか取る人はまずいませんし、満点なんか取る人もそうはいないでしょう。

大半の受験者が25~35点内の合格ラインで争う事になるのです

そこで確実に出て、かつ簡単な問題を落とすという事はそれだけで合格率が10%ずつ落ちていくぐらいマズイ事だと考えてください。

というわけで、難しくてあまり出題されない税の分野に力を入れるよりは、その分出題割合の多い民法や宅建業法、確実に出てかつ簡単な農地法や統計を仕込んだ方が合格率は格段にアップすると思います。

満点を取る必要なんかないし、試験を完全に理解する必要なんてありません。言い方は悪いですがまずは合格出来ればいいのです!頑張りましょう!




-使ったテキスト・ツールなど-

スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト 2016年度 (スッキリわかるシリーズ)
スッキリわかる宅建士 テキスト+過去問スーパーベスト 2016年度 (スッキリわかるシリーズ)
イラスト付きで非常に分かりやすかったです。

『何も分からない初学者がまずは戦えるようにする』という表現がバッチリのテキストです。

税の分野には数ページしか割いてないところなんてまさに合格ポイントだけ押さえたテキストだなという印象を受けます。

このテキストが完全に理解できるようになれば35~40点は取れると思います。

言い換えればこのテキストだけでは満点は絶対に取れません。これ以上を望む人は別途必要でしょう。



平成27年版 パーフェクト宅建過去問10年間 (パーフェクト宅建シリーズ)
平成27年版 パーフェクト宅建過去問10年間 (パーフェクト宅建シリーズ)
宅建試験を受ける上で一番重要なのが過去問を解く事です。

マンモス試験なので、過去問や解答はネット上に腐るほどあるのですが、ネットの解答はとにかく解説が分かりにくい!

民法第○条により~なんて言われても初学者はサッパリ分かりません。

問題はともかく解答だけのためにでも過去問集を買うのはアリです。

本屋でちょっと立ち読みして、分かりやすそうな解説をしている過去問集を探しましょう



宅建みやざき塾 - YouTube
何かの作業中宅建の勉強に関してはこの『宅建みやざき塾』を垂れ流していました。

少し物足りない分野もありますが、無料でここまでやってくれれば充分です。声に抑揚もあり、非常に分かりやすかったです。

最新でない情報もありますが、それは動画内でテキストで修正されてたりするのでそれはその都度自分で修正していきましょう。



宅建試験お役立ちサイト | 幸せに宅建に合格する方法
ネット上の『宅建辞書』みたいな感じで使っていました。

最低でもこのサイトに記載されている赤文字の部分ぐらいは完全に理解して記憶していないと勝負になりません。

逆にそれぐらい出来ていれば充分35点前後の攻防が可能だと思います。




2015年版 宅建取引士 過去問 一問一答 無料(解説付き)
2015年版 宅建取引士 過去問 一問一答 無料(解説付き)
無料でこのクオリティは素晴らしい。

スマホやkindleでちょっと空いた時間に出来るのもまたいいです。

私は毎日寝る前に1日100問をノルマにやっていました。

ただ解説はザックリなので、ある程度宅建の試験を理解した人が試験3ヶ月前ぐらいから使うといいかも。いきなり使ってもおそらくサッパリだと思うので。



模範小六法2016 平成28年版
模範小六法2016 平成28年版
宅建レベルの試験に六法全書は全く必要ないですが、まぁ持ってない人は一冊ぐらい持っておいた方が。

暇な時にペラペラするだけでも勉強した気になれるってもんです(笑)




KOKUYO ノ-3BN10 キャンパスノート6号(セミB5)B罫30枚10冊組
KOKUYO ノ-3BN10 キャンパスノート6号(セミB5)B罫30枚10冊組
普通のノートです。

私の勉強方法のキモはとにかく書く事なんです。

私は塾とか予備校とか一度も通った事がないので、正しい勉強方法というものがあるとしてもそれが何なのか分かりません。

少なくともノートは作るものではなく書き留めるものだと思ってます。

色分けや付箋貼る位ならまだしも、ノートの隅にイラスト描いて「ここはこうだゾ!」なんてマンガみたいに吹き出し作ってる人もいますが、そんな事してる暇があるなら1ページでも先にテキスト読み進めろやと私は思うわけです。
(そもそも色分けや付箋ぐらい最近のテキストはどれもされてるわけですから、なんでそんなわざわざ二度手間するんだと問いたいんですが国立大学落ちてるので偉そうな事言うのはやめておきます)

というわけで、私はテキストを見ながらそれを声に出しつつノートに書きまくるという手法を取っています。

そうする事で脳、目、手、口、耳、全部使ってるから少しは効率上がるかな?という淡い期待です。

FP2級、宅建、マン管、管業、1年でちょうど1冊と半分強を使用というところでしょうか。

2015121127
きったねえwwwwwwwwwwww

実際書き殴るだけなので極端な話チラシの裏とかでもいいとは思うんですが、まあ長時間やる事だし多少の書き心地はね?

ちなみに書き殴る時はご覧の通り青のボールペンを使っています。

なんとなく気持ちが落ち着くし、単純に好きな色だからです。どうせやるなら好きな色でやりたいじゃないですか(笑)

勉強している時に愛用しているのはペンテルのエナージェルです。

ぺんてる エナージェル・エックス ゲルインキボールペン 0.5mm ニードルチップ 青 [1本] BLN105-C
ぺんてる エナージェル・エックス ゲルインキボールペン 0.5mm ニードルチップ 青 [1本] BLN105-C
水性ですがゲルインキなのでものの10秒程度で渇きます。

ぺんてる エナージェル用リフィル  XLRN5-A 10本パック
ぺんてる エナージェル用リフィル XLRN5-A 10本パック
書き心地も非常に良好で、何よりインクの持ちがいいのでとても経済的です。1本のインクで10ページ以上は持つので1ケース買えば1年ぐらいは心配いらずです。

長時間勉強するには少々大きいような気もしますが、私は手が大きいのでさほど疲れることもなく使えてます。


フリクションも使いましたが中々良かったです!
フリクションボールスリム 0.38mm【ブルー】 LFBS-18UFL
フリクションボールスリム 0.38mm【ブルー】 LFBS-18UFL
なんと言っても細くて軽い!長時間勉強しても全然疲れません。

それに人気商品らしく近場のスーパーやコンビニ等どこに行っても売ってあるのもGoodです。

ただインクの持ちが壊滅的にクソです。

私の勉強方法では1ページとちょっと書き殴っただけでもう掠れてきます。

芯も1本80円と安くはないのでインク代もバカになりません。

「お金に糸目はつけない!」というお金持ちの人にはオススメします。


こんな感じでしょうか。

テキストに関してですが、1冊3000円前後と決して安くはありません。

しかしAmazon等で探せば前年度の問題集が中古で700~800円で出てたりします。

はっきりいって書いてある事は殆ど同じなので、前年度のを買って法改正部分だけ自分でフォローするという勉強方法もアリです。

まあそこまでケチるのもどうかと思う人もいるだろうし、お金を使うことで「やらなきゃ!」という縛りが生まれる人も少なくないでしょうからそこは個人の按配に任せます。

いずれにせよ受験料は除いて1~3万円ぐらいの勉強費用は見積もった方がいいのかなって気がします。



随分と長くなりましたが、これがこれから宅建試験を受けるという人の何かの参考になれば幸いです。

宅建試験を受ける気はなくても「あんな奴でもやれば出来たんだから俺だってやれば何か出来んだろ!」みたいな感じで発奮してくれればそれは私も嬉しいです。

それではまたいつか、ここで試験突破を報告できるように私も頑張りますのでみなさんも頑張りましょう!










   / ̄ ̄\ 煽んな……
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)
  |     ` ⌒´ノ
.  |         }  ミ        ピコッ
.  ヽ        } ミ  /\  ,☆____
   ヽ     ノ    \  \ /     \
   /    く  \.  /\/ ─    ─ \ これで落ちたら高卒以下だからなオメーら
   |     `ー一⌒)  /   (●)  (●)  \
    |    i´ ̄ ̄ ̄ \ |      (__人__)     |
               \_   ` ⌒´    /
                /          \





オマケ

マンション管理士と管理業務主任者も3タテ狙ったのでその感想です。

受かっているかどうかは分からない(多分落ちてる)ので偉そうな事言うのはやめてザックリで失礼します。



-マンション管理士-

(自己採点31点、27年度合格推定ライン36点)

宅建・マン管・管業の3つの内頭1つ抜け出た難関資格と言われてますが、そこまで難しいとは感じませんでした。(だったら何だこの点数は・笑)

平均勉強時間600時間という意見が多いようですが、合格ラインに持っていくだけなら管理業務主任者とセットで300~400時間でも充分だと思います。あとはヤマ張ったところが当たれば合格の可能性は大いにあるかと。

確実に40点前後とって合格したいのなら確かに600時間ぐらいはいるのかなーという気がしますが、それは管理業務主任者の試験でも変わらない話です。

これはつまりマン管で難しいのは試験ではなく合格する事だという事です。

合格率は8%前後ですし、宅建程知名度がある資格ではないので平均点を下げてくれる一発屋も殆どいないという現実があります。

そういう意味では確かに難関だと思いますが、試験自体の難易度は宅建とさほど変わらないように感じました。



-管理業務主任者-

(自己採点34点、27年度合格推定ライン35点前後)

これは3つの中で一番簡単だといわれてる試験ですが、私は逆に言われてるほど簡単ではない試験だと感じました

試験自体の難易度で言えば宅建・マン管並の難易度はあると思います(近年難化傾向アリ)

ただこの管理業務主任者の資格は宅建のように設置義務のある国家資格なので毎年一定数は合格させなければなりません。

そういった背景も踏まえて合格の難易度としてはマンション管理士よりは易しいかなという印象です。

繰り返しますが試験自体はそれほど簡単ではありません。ナメてかかると痛い目を見ます。




最後に、この3つは出題範囲が被ってる被ってると言われます。

たしかにマンション管理士と管理業務主任者はほとんど同じ試験です(最初の権利関係が区分所有法で出るか民法で出るかそれぐらい)が、宅建とは言うほど被っていません

私はある程度自由に時間が取れる自営業だから良かったですが、サラリーマンの人がこの3タテを狙うのは前提として専門知識を有している人か余程の天才でもない限りキツイと思います。

民法・区分所有法・標準管理規約・水道法・国土利用計画法・消防法・土地区画整理法・警備業法……全てが複雑に絡み合って脳みそがメルトダウンしかねません。

そうして一番取りたい資格ですら取れなかったら本末転倒です。おとなしく最優先の資格1本に絞るか、どうしても複数取得したいという願望があるのならマン管と管理業務主任者をセットで狙う事をオススメします(自戒)