モバP「アイドルと仮面の戦士達、の休息」
ちひろ「不思議な人、ですか?」
P「ええ。みんな違う人みたいなんですけど、話を聞いていたら個性的な人が多くて。不審者とかではないようなんですけど」
ちひろ「へえ……なんだか気になります。詳しく話してくれませんか?」
P「いいですよ。まずは――」
晴「あーあ、公園でひとりでボール蹴ってるのも飽きてきたなあ」ポンポン
晴「付き合ってくれそうなヤツは全員仕事だったりでいないし……」←リフティング中
晴「せめてあとひとり、誰かいればな……っと!」ポーン
晴「やばっ、上げすぎた!」
晴「とんでもない方向に――」
ポテン、コロコロ……
トンッ
男「……このボール、君の?」
晴「あ、はい。止めてくれてありがとうございます」
晴「そうですけど」
男「へえ。じゃあさ」
トンッ
晴「うわっとと」
男「お、ナイストラップ」
男「よかったら、俺も混ぜてくれない?」
晴「え?」
男「これでも学生時代はサッカー漬けだったんだ。腕はそこそこある……いや、この場合は脚があるっていうのか?」
晴「いや、そういう問題じゃなくて……」
男「少しだけだから、な?」
晴「……しょうがないな。ほらっ」パス
男「サンキュー」
男「いや、ホントにうまいな」
晴「へへ、まあな」
男「よし。俺も少しは本気を出そうかな……っと!」
晴「うわっ! ちょ、いきなりパスの勢い強めんなよ!」
男「ははは、ごめんごめん。でもあれくらいは止められるようにならないとな、サッカー少年」
晴「……少年?」
男「どうしたの」
晴「オレ、一応女だぜ」
男「………マジか?」
晴「マジだ」
男「………」
男「いやー、なんだ女の子だったのか。どうりで可愛らしい顔してると思った」
男「少年じゃなくてお嬢さんだったのか」ケラケラ
晴「か、かわいいって……下手なお世辞ならいらないぞ」
男「お世辞じゃないって。うん、顔立ち整ってるじゃん」
男「多分アイドルとかやってもおかしくないくらい」
晴「……あー、実はもうやってる」
男「………マジで!?」
晴「マジだ」
男「頑張ってるの? アイドルの仕事」
晴「まあな。たまに……というか、よく変な仕事を持って来られるけど」
晴「でも、楽しいからさ。トップアイドルってやつ、目指してもいいかなって思ってる」
男「……へえ、立派だな」
男「その時も逃げ出さず、アイドルをやれるといいな」
晴「……急に真面目な話?」
男「大人からのアドバイスさ。俺は一度、夢から、辛いことから逃げて、しんどい思いをしたことがある」
男「アイドルって大変だと思うけどさ、諦めるなよ」
男「もし絶望しそうになったら、俺が君の希望になってやるから」ニコ
晴「………」
晴「アンタ……もしかして、怪しい勧誘の人だったりする?」
男「おっと、そうきたか。ははは……確かに、いきなりこんなこと言われても怪しいだけだよな」
男「そうだな……あ、そうだ。お嬢ちゃん、お腹減ってない?」
晴「え? まあ、すいてるっちゃすいてるかも」
<コネクト、プリーズ>
男「ほいっと」ヒョイ
晴「!? な、何もないところから袋が出てきた!?」
晴「い、今のはいったい! ていうかなんだ今の変な声!?」
男「……魔法って言ったら、どうする?」
晴「ま、魔法だぁ? そんなのあるわけ……でも今の、手品にも見えなかったし……」
男「いいリアクションをありがとう。ほら、これやるよ」
男「プレーンシュガー。このドーナツが、ひとまず腹ごしらえという名の希望だ」
晴「……これ、食べられるのか?」
男「食べられるさ。現にほら、俺はこうしておいしく頬張ってるぞ」モグモグ
晴「………」ハムッ
晴「……うまい。うまいな、これ!」
男「だろ? あっちの屋台で売ってるんだ。よかったら贔屓にしてやってよ」
晴「あ、ああ! ありがとうな!」バイバーイ
男「この辺でサッカーやってたら、また会えるかもな」
男「あんな小さな子でも一生懸命働いてるんだな……俺もそろそろ、まともな職を見つけるか」
ちひろ「魔法って……にわかには信じがたいですね」
P「俺も手品か何かだとは思ってますよ。でも、晴にとってはかなりインパクトが強かったみたいで」
P「それ以来、法子と一緒に、その人に薦められたドーナツ屋に通ってるみたいです」
晴「Pにちひろさん! ドーナツ買ってきたから食べようぜ」
P「ね、こんな感じです」
ちひろ「なるほど。とりあえず、いただきましょうか」
P「そうだな……次は茜です」
茜「えっほ! えっほ!」
茜「ああ、朝日がまぶしい! 燃えてきます!」
茜「ファイヤー!!」タッタッタッ
男「君は毎朝ここを走っているな」タッタッタッ
茜「はい?」クルッ
男「俺もたいてい同じ時間にここを走っている。すれ違う時も多いが、覚えているかな」
茜「えーと……ちょっと待ってください!」
茜「……ああっ! そういえば、毎朝あなたを見かけていたような気がします!!」
男「元気がいいな。朝から気持ちのいいことだ」
茜「はい!! 元気は私の一番のとりえなので!!!」
男「今日は一緒に走ってもいいかな」
茜「もちろんです! 朝日に向かって走りましょう!!」
男「……あまりペースを上げすぎないようにしなさい。身体に負担がかかる」
茜「ラグビーをやっています! でも今はそれ以上に、アイドル活動に耐えられるだけの身体を作りたいんです!!」
男「アイドル? 君はアイドルなのか」
茜「はい!! 日野茜です!!」
男「……聞いたことがないな」
茜「そうですか! 残念です!」
男「俺はそういった情報には詳しくない。今度、妻に聞いてみよう」
男「……つまり君は、アイドルという仕事に全力で取り組んでいるということだな」
茜「その通りです! プロデューサーと一緒に、目指すはトップアイドル!!」
男「なるほど。いい目をしている。最近の若者にはなかなか見られない、熱い闘志を持っているな」
茜「えへへ……照れます!!」
男「だが、鍛えるならより効率のいいやり方を追求すべきだ。君はしばらく、毎朝私の言う通りに走りなさい」
茜「は、はあ……それはつまり、コーチをしてくれるということですか!」
男「そういうことだ」
茜「よくわかりませんけど、ありがとうございます!!」
男「頑張りなさい、日野君」
茜「ボンバーー!!!」ダダダダ
茜「記念すべきコーチの指導初日! 気合い入れて走ります!!」
男「待ちなさい! いきなり飛ばしすぎては脚を痛める危険がある!」
茜「燃えてきましたよー!!!」
男「止まりなさーーい!!」
男「コーチの言うことを、聞きなさーーーい!!」
茜「ファイヤーッ!!!」
ちひろ「えっと……じゃあその人、全速力の茜ちゃんにずーっとついて行ったってことですか」
P「しかもメガホン片手に叫びながらだそうです。すごい肺活量ですね」
P「結局、数日かけて茜に体力作りの独自の方法を伝授してくれたそうです」
ちひろ「ありがたいお話ですね。プロデューサーさんも、体力作りしてみます?」
P「俺は……まあ、ぼちぼち?」
P「茜!? いつからそこに」
茜「さあ、一緒に運動しましょう! まずは身体ならしに、コーチ直伝のエクササイズからです!!」
ちひろ「エクササイズ?」
茜「はい!」
茜「ミュージック、スタート!!」ラジカセポチー
茜「イクサ、サーイズ!!」
P「なんだそのネーミング」
ちひろ「イクササイズ、結構激しい運動でしたね」
P「ほんと、その通りで……」
P「えっと、次は誰の話をしようかな……」
ちひろ「大人組の方とかはどうですか?」
P「そうだな……じゃあ、俺が警察官の人に不審者と勘違いされそうになった時の話でも」
ちひろ「? それが不思議な男の人と関係あるんですか?」
P「それがあるんです。その場を助けてくれたのが早苗さんだったんですけど」
警官「小学校の校門前で何をしていたんだ」
P「いえ、ですからアイドルが出てくるのを待っていて」
警官「なーにー!? まさか、アイドルへのストーカーか!」
P「と、とんでもない! 私はプロデューサーで」
警官「最近不審者が街に多いんだ。不正な輩は見逃しておけない! とりあえずそこの交番まで」
早苗「はいはいストーップ!」ペチン
警官「いてっ」
<
コメント一覧
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- 2015年12月14日 23:23
- 嫌いじゃないわ!
-
- 2015年12月14日 23:23
- >男「ああ……少し、いなくなっちまった奴のことを思い出しててさ」
>藍子「いなくなってしまった……?」
>男「今さら、気づいても遅いんだよな……ほんと、馬鹿だよ俺は」
??「剛…そんなにも想ってくれていたなんて。お父さんは凄く嬉しいぞ(笑顔)」
-
- 2015年12月14日 23:24
- さすが天の道を往き、総てを司る男やな…
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- 2015年12月14日 23:26
- ※3
(無言のシンゴウアックス)
-
- 2015年12月14日 23:29
- ※5
逝ッテイーヨ!
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- 2015年12月14日 23:31
- ※3
イッテイーヨ!
-
- 2015年12月14日 23:32
- 黙って市ねベルト
-
- 2015年12月14日 23:41
- ほたると良太郎が出会ったら大変なことになりそうだ
-
- 2015年12月14日 23:45
- 鎧武も出てほしかったけど主役も2号もいなくなっちゃったしなあ...
-
- 2015年12月14日 23:45
- ※9
誰かそのクロスカイテタヨー
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- 2015年12月14日 23:45
- 名護さんは最高です!
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- 2015年12月14日 23:46
- 天道さんはイタリアにも作務衣で豆腐を買いに行ったのか……
卯月のエヘ顔サムズアップ見たい
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- 2015年12月14日 23:51
- この手のSSって、ライダーやウルトラは多いけど、戦隊って見かけないかも………意外と苗字同じ人何人かいると思うのに。的場陣とか。
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- 2015年12月14日 23:52
- え、ポジティブパッションがイクササイズするDVDを
ちひろさんが今なら大特価19300円で販売してくれるだって!?
やっぱりちひろさんは最高だな!!(盲信)
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- 2015年12月14日 23:53
- ※9、11
良太郎じゃなくて、幸太郎の方だな
「【超電王】バッド・ラック・ラプソディ」ってやつ、ここにもまとめられてる
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リセット後とは言え浅倉はムリだったか