的場梨沙「その本、何語?」 二宮飛鳥「ドイツ語」
飛鳥「そう」ペラ
梨沙「ねね、ドイツ語ちょっと教えてよ。簡単なやつでいいから」
飛鳥「そうだね……」パタン
飛鳥「グーテンモルゲン」
梨沙「グーテンモルゲン……意味は?」
飛鳥「朝の挨拶さ。日本語で言うなら『おはようございます』だ」
梨沙「そういえば、『グッモーニン』にちょっと似てるかも」
飛鳥「元は同じ言語から別の進化を遂げた者同士、らしいからね」
飛鳥「グーテンターク。こんにちは、だね」
梨沙「グーテンターク!」
梨沙「あいさつ以外にはなんかないの?」
飛鳥「………」
飛鳥「………」
梨沙「……もしかして、それしか知らないってわけじゃないでしょうね」ジトー
梨沙「アンタ今『いくつか』って言ったわよね。ドイツ語の本読んでたんじゃなかったの?」
飛鳥「読めなくても感じられるモノはあるだろう」
飛鳥「この本の翻訳されたモノはすでに読んでいるけれど、原文だからこそ理解(わか)ることもあるだろうしね」
梨沙「それ、ただのカッコつけだったりしないわけ?」
飛鳥「そう判断するかどうかはキミの自由だ。ボクはただ、この本から何かを得ようとしているだけ……そこに他者からの評価は必要ない」
梨沙「ゴーイングマイウェイねー。外国語の本を読んでる姿が似合ってるのが、なーんかムカつくけど」
梨沙「ま、今回は許してあげる!」
飛鳥「許しをもらう必要はないけどね」
梨沙「なによー、いいからありがたく受け取っときなさいよ」
飛鳥「はいはい」
梨沙「うわっ、びっくりした! ハートさんいたの?」
心「ちょっと前からいたぞ♪」
飛鳥「クーゲルシュライバー……聞いたことがあるな。なんという意味だったか……」
梨沙「なんかカッコいい響きよね。強そう」
心「おう、メチャクチャ強いぞ☆巷では剣より強いと言われてるからね♪」
梨沙「そうなんだ。じゃあ爆弾とか?」
心「さあさあ、当ててみな☆」
梨沙「うーん……魔法の杖!」
心「ぶっぶー!」
梨沙「違うか……うーん」
飛鳥「(剣より強い、で思い出したけど、黙っておくべきか……)」
飛鳥「おはよう」
梨沙「おはようございまーす。あー、毎日寒いわね」
梨沙「まだ夏みたいに暑いほうがマシよ」
P「半年前は『冬みたいに寒いほうがマシ』と言ってなかったか?」
梨沙「それはアレね、半年前のアタシが間違ってる」
飛鳥「今の自分が間違っているとは考えないのかい」
梨沙「何言ってんの。昔のアタシと今のアタシなら、今のアタシが正しいに決まってるじゃない」
飛鳥「その自信は羨望すら感じさせるよ」
梨沙「センボーって?」
P「うらやましいって意味だよ」
梨沙「へえ。ということは……ようやく飛鳥も、アタシのすごさがわかってきたってことね♪」
飛鳥「事務所に入る前はきちんと上着を羽織っていたさ」
P「それにしたって、肩出しの服は結構すごいと思うぞ」
梨沙「女の子のオシャレには我慢が必要なのよ。アイドルのプロデューサーなら、そのくらいわかってるでしょ?」
P「まあ、そうなんだけどな。理解と納得はまた違うってやつだ」
梨沙「飛鳥みたいなこと言うのね」
飛鳥「歓迎しよう、同類」
P「うれしそうな顔してるな……目が若干輝いてないか?」
梨沙「ハートさんだって同じこと言うはずだわ」
飛鳥「彼女も、ファッションにはこだわるタイプだからね」
P「ああ……その心さんなら」
心「おはようございまーっす。はー、あったまる」ズズズ
P「見ての通り、どてら羽織って日本茶を味わっているところだ」
梨沙「全然オシャレじゃないじゃない!」
心「梨沙ちゃんにはわかんないかなぁ♪どてらもなかなかいいファッションなんだぜ☆」
心「寒い冬には欠かせない! 実家から持ち込んだ、小学校の頃からのはぁとの相棒だぞ☆」
飛鳥「こたつに日本茶にどてら……母方の実家の祖母を思いだ」
心「ん? なぁに、飛鳥ちゃん? なんか言った?」ニッコリ
飛鳥「なんでもない」
梨沙「ふふん、どうよアタシの肩もみテクは。パパのために鍛えたんだから」モミモミ
心「うん、いいよいいよー、すごくいい♪あ、もうちょっと左」
梨沙「ここ?」
心「あんっ♪そう、そこそこ☆」
飛鳥「気持ちよさそうだね」
心「やっぱり人に肩揉んでもらうといいわ~☆」
梨沙「飛鳥、アンタもあとで揉んであげてもいいわよ? 今日のアタシは機嫌がいいから」
飛鳥「……遠慮しておくよ。そこまで肩は凝っていない」
梨沙「えいっ」モミモミ
飛鳥「んひゃっ!」
梨沙「あははっ、『んひゃっ』だって!」
飛鳥「まったく……」
しかし、こういうのも案外悪くないと思う飛鳥であった――
飛鳥「勝手にボクの内心を補完しないでくれ」ジトー
心「ごめんごめん☆」テヘペロ
梨沙「さすがアタシ、肩もみも一流ね」
飛鳥「結局無理やりマッサージされたけど……想定以上によかった」
心「なんかお返ししてあげよっか?」
梨沙「お返し? そうね……じゃあ足でも」
心「足のマッサージ?」
梨沙「足でも舐めてもらおうかしら」
飛鳥「急に要求のレベルが上がったな」
梨沙「なんかこういうのが流行ってるらしいから」
心「それが流行ってんのは昔も今も一部の世界だけだよ……」
飛鳥「………」
心「………」
梨沙「な、なによ二人でうなずき合って……っ!?」
コチョコチョコチョ
梨沙「ひゃんっ!」
心「足を突き出されたら自然とこうしたくなっちゃうんだよね♪」コチョコチョ
梨沙「ふふっ、ちょ、やめっ……ていうか飛鳥! アンタもなに一緒になってんのよっ」
飛鳥「さあ、なぜだろう。自然にこうしたくなった」
飛鳥「これが魂の赴くままに、というヤツなのかもしれないな……」
梨沙「カッコつけながらこちょこちょするなー!」
P「あれだけ騒いでたら、寒さも感じなくなるだろうなあ」ズズズ
P「うん、やはり冬はあったかいお茶に限る」
飛鳥「人間が空を飛びたいと願うのは、その背中に翼を持たないからだろう」
飛鳥「もし翼があるなら、最初から飛べるのだからそんなことは願わない」
飛鳥「翼がないからこそ、空への憧れを知る。そして求める」
飛鳥「その想いは儚いけれど、同時に力強いモノでもある」
心「………」
心「ボーマンダみたいな?」
飛鳥「そのたとえは……まあいいか」
※ボーマンダ ドラゴンポケモン
つばさが ほしいと つよく おもい つづけてきた けっか からだの さいぼうが とつぜんへんいを おこし みごとな つばさが はえてきたと いう
飛鳥「信仰はしないけれど、悪魔に対して興味はある」
心「天使ならはぁととお揃いだったのになぁ」
飛鳥「ボクには天使より悪魔のほうが適任だと思うけれどね」
心「そんなことないって♪真っ白な羽つけて、頭にわっか乗せてー」
梨沙「……なんか、飛鳥が着るとゲームのボスみたいになりそう」
飛鳥「人間と敵対するポジションの天使か」
梨沙「そうそう。後ろでパイプオルガンの音楽が流れてて」
心「えー? そんなんじゃなくて、絶対もっとかわいいのになるって!」
梨沙「それはそれで面白そうだけど」
梨沙「で、アンタはさっきから難しい顔してなに考えてるの?」
飛鳥「いや……衣装は見せてもらったんだが、もうひとつ何かが足りないような、そんな気がして」
心「飛鳥ちゃんの中のイメージを表現するには、まだ何かが必要ってこと?」
飛鳥「そうなるかな……」
梨沙「悩んでるわねぇ」
心「ふーん……」
心「自分のイメージをちゃんと出したいなら、自分で作ればいいんじゃない?」
飛鳥「えっ?」
心「つまり、自分で衣装に手を加えるってこと♪一から作るのは手間も時間もかかるけど、それくらいならできるでしょ?」
梨沙「そういえば、ハートさんは自分で作った衣装で踊ったことあったわよね」
心「おう♪最後の方はパーツが取れかかってたけどな☆」
飛鳥「自分で手を加える、か……」
飛鳥「たとえば、この黒のタイツを裂くというのは」
心「そのくらいなら全然オッケーでしょ! プロデューサーに相談してみれば?」
梨沙「あ、なんかやり方が見えてきた感じ?」
飛鳥「そうだね……助かったよ」
心「もっと思いっきり切れ込みいれた方がいいんじゃない?」
飛鳥「いや、そこまで裂くとカオスが強すぎる。悪魔はある種秩序に基づいた存在だ」
梨沙「じゃあ、こっちをこうするのは?」
飛鳥「ふむ……少し違う」
梨沙「……アンタ、さっきの似たような切り方は良いって言ってなかった?」
飛鳥「さっきのとそれとはまた違うだろう」
梨沙「アタシには同じに見えるんだけど」
飛鳥「ボクの世界観的には違う」
梨沙「わかんないわよっ」
心「人のイメージを理解するのは難しいなぁ……特に飛鳥ちゃんのは」
心「まあ、逆にやりがいがあるってことか☆」フフフ
コメント一覧
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- 2015年12月16日 15:42
- まさかのボーマンダオチ
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- 2015年12月16日 15:55
- おっぱいぷるーんぷるん!
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- 2015年12月16日 16:12
- 総統閣下「チクショウメェェェ!!」
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- 2015年12月16日 16:13
- ほんとボーマンダの設定って詩的でカッコいいよなぁ
にしてもこの人えげつねースピードで新作書いてんな
いつかVRでこんな世界を体験したい
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- 2015年12月16日 16:48
- 大嫌いだ!バーカ!!
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- 2015年12月16日 16:52
- アスカ…ドイツ語…グーテンモーゲン!
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- 2015年12月16日 17:07
- ドイツをドイツ語で言うとドイッチュラントになってかっこいいというより可愛い感じに
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- 2015年12月16日 17:09
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モバマスで『ドイツ語』という単語を聞くと蘭子を真っ先に思い出す私は普通だと思う(茨城天使感)
飛鳥にドイツ語は確かに似合いそう(話せる、読めるとは一切言ってない)
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- 2015年12月16日 17:10
- イッヒ フンバルト ンコデタ
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- 2015年12月16日 17:11
- 唐突なボーマンダ
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- 2015年12月16日 17:16
- 唐突なボーマンダに笑ったw
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- 2015年12月16日 17:17
- ボーマンダの翼ってスクランダーみたいな形してるな。マジンガーZも最初は空を飛べなくて苦労してたしそこんところオマージュしてるんだろうか
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- 2015年12月16日 17:45
- クーゲルシュライバーの音の格好良さは異常
※8
ドイツ語だと茨はドーンだけどな
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- 2015年12月16日 17:50
- 面白かった!
飛鳥は蘭子みたいな解読係は持ってないみたいだな
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- 2015年12月16日 18:07
- 日本人なら飛鳥に解読係は要らんだろう。諧謔と韜晦はうざったいが。
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- 2015年12月16日 18:07
- おーし!2個目のハムスターを私のお尻に入れるッ!
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- 2015年12月16日 18:26
- ポケモン回のあとでしゅがはさんがしっかりポケモンにはまってますね…
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- 2015年12月16日 19:03
- 初代勢のはぁとさんがマンダに手をだしやがった
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- 2015年12月16日 19:11
- フレデリック←普通
フリードリヒ←格好いい
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- 2015年12月16日 19:12
- イッヒビンビン!
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- 2015年12月16日 19:14
- 飛鳥と一緒にドイツ史とか勉強したい
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- 2015年12月16日 19:58
- タイツを自分で裂いた感触は気持ちよかったとのこと(ルームでの台詞)
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- 2015年12月16日 21:07
- ブリューイムグラーツェ(中略)ドイッチェスファーターランド×2
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- 2015年12月16日 21:53
- クーゲルシュライバーといえばマミさんが
必殺技にして赤っ恥かいたSSがありましたね…
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- 2015年12月16日 22:29
- ※13
ローゼンブルクのCDネタだろ茨城は
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- 2015年12月16日 22:37
- アスタリスクは尊い
ヴァリアスハートは和み
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