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モバP「Don’t Stop ゆるふわ Fuwa Fuwa」|エレファント速報:SSまとめブログ

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モバP「Don’t Stop ゆるふわ Fuwa Fuwa」

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 20:53:39.87 ID:4xb5O0V8o



藍子「このまま時間が止まってくれたら」

藍子「――って思うこと、ありませんか?」



2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 20:54:29.35 ID:4xb5O0V8o


P「ある」

藍子「あ、本当ですか?」

P「ああ、しょっちゅうだよ」

P「何度、欲しいと思ったことか」

P「精神と時の部屋な」

藍子「せいしんと……?」

藍子「えっと……」



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 20:55:31.79 ID:4xb5O0V8o


P「あ、知らない?」

P「簡単に言えば、時間の進みがすっごく遅くなる部屋のことだよ」

P「そこで修行するの」

藍子「? 修行、ですか?」

P「昔の漫画にそういうのがあったんだよ」

P「主人公がそこに入って、短期間でめちゃくちゃパワーアップするっていう」

P「ある種あの漫画のご都合主義を体現したような……」ボソ



4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 20:56:28.58 ID:4xb5O0V8o


藍子「そうなんですね。時間の進みが遅くなる部屋、かあ……」

藍子「ふふっ、ちょっと私も入りたくなってきました」

P「だろ? 読んだ人はみんなそう思うんだ」

P「小学校の頃とか、夏休みが終わる時期になるとな」

P「たまった宿題を前によく現実逃避したもんだよ」

P「ああ、精神と時の部屋があればな……って」

藍子「ふふふ」

藍子「私もその漫画読んでたら、きっと同じこと考えてたと思います」

藍子「素敵ですね。そのお部屋」

P(実際はあの部屋、結構過酷な環境なんだけど)



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 20:57:16.09 ID:4xb5O0V8o


P「そう、今でも欲しいもんな」

P「大学の卒論書いてたときとか、特にそうだった」

藍子「卒論……卒業論文、ですね」

P「途中まで順調に進んでたんだけどさ」

P「提出の一週間前にデータが吹っ飛んでな」

藍子「ええっ、い、一週間前ですか?」

藍子「た、大変じゃないですか」

P「うん。しかもろくにバックアップとってなかったもんだから」

P「もう修羅場も修羅場でさ……」

P「いや、あのときは本当に時間が止まって欲しかった」



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 20:58:24.25 ID:4xb5O0V8o


藍子「それは、大丈夫だったんですか?」

P「おかげさまで期限いっぱい、ぎりぎりで提出できてな」

P「すんでのところで留年せずにすんだよ」

藍子「そうなんですね。よかった……」ホッ

P「いやいやこんなの序の口だぞ」

P「精神と時の部屋案件は、挙げたらきりがなくてな」

P「こないだなんて、さあ帰るぞってところにちひろさんが来て――」

藍子「はいっ」

P「あ」

藍子「?」

藍子「ちひろさんが、どうしました?」




7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 20:59:31.51 ID:4xb5O0V8o


P「いや、ごめん」

藍子「えっ?」

P「なんかさっきから俺ばっか話してなかった?」

P「大丈夫?」

藍子「そんな、全然いいんですよ」

藍子「私、もっとPさんのお話が聞きたいんです」

P「そう? ならいいんだけど……」

P「そもそも、なんでこんな話になったんだっけ?」

藍子「ちょっと興味があったんです」

藍子「Pさんは、時間が止まって欲しいって思うこと、ないのかなって」



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:00:12.00 ID:4xb5O0V8o


P「ふうん」

P「そりゃまた、なんでだ?」

藍子「それはですね――」


カランカラン

イラッシャイマセー


藍子「……少し、混んできましたね」

P「この時間帯いつも混むよな。ここ」

藍子「どうしましょう、そろそろ出ましょうか?」

P「うん。ぶらぶら散歩しながら戻ろうか」



9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:00:58.05 ID:4xb5O0V8o


―――
――

藍子「……日が落ちるのも早くなりましたね」

P「まだこんな時間なのに、すっかり真っ暗だな」

藍子「銀杏の木も、あんなに綺麗に色づいていたのに」

藍子「ほとんど葉が落ちてしまいましたね」

P「もうまるっきり冬なんだなあ」

藍子「そうですね」

藍子「……ちょっと、寂しくなりますね」



10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:01:55.16 ID:4xb5O0V8o


藍子「……Pさん、さっきの話ですけど」

P「うん」

藍子「あ、寒くないですか?」

藍子「もしよければ、どこか別のお店にはいりましょうか?」

P「そりゃ俺のセリフだ」

P「そんな格好で大丈夫か? いかにも寒そうだが」

藍子「大丈夫ですよ、ほら」

藍子「このストール、おっきくて暖かいんです」

P(これストールっていうんだ)

P「じゃ、歩きながらでいいか」



11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:02:41.57 ID:4xb5O0V8o


藍子「……Pさんが言ってたのとは、少し違うかもしれませんけど」

藍子「私最近、よく思うんです」

藍子「このまま時間が止まってくれればいいのにって」

藍子「この幸せな時間が、ずっと続いてくれたらいいのにって」

P「ほう」

藍子「アニバーサリーライブ、この間やりましたよね」

P「ああ」

P「大成功だったな」

P「まさにこれまでの集大成って感じのライブだった」



12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:03:33.48 ID:4xb5O0V8o


藍子「私、あんなたくさんの人の前で歌うの初めてで、いつも以上に緊張したんですけど……」

藍子「未央ちゃんや他のみんなの助けもあって、どうにかやりとげることができて」

藍子「終わるころには観客も出演者も、みんな笑顔になってくれて」

藍子「本当に、大きな幸せを感じることができたんです」

P「よかったな」

P「ファンの人もきっと、同じ気持ちだろうさ」

藍子「……でも、なぜだかわからないんですけど」

藍子「同時にちょっと、不安にもなったんです」

P「不安?」

藍子「はい」

藍子「この幸せな日々は、いつまで続くんだろうって」

藍子「いつか、魔法が解ける日が来るのかなって」



13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:04:30.39 ID:4xb5O0V8o


P「魔法が解ける日、か」

藍子「変ですよね」

藍子「幸せなのに、不安になるなんて」

P「いや……」

藍子「私、Pさんにはいつも感謝しているんです」

藍子「日常のささいな幸せしか知らなかった私を、アイドルにしてくれたこと」

藍子「未央ちゃんや茜ちゃんに出会わせてくれたこと」

藍子「ステージの上で輝く機会を与えてくれたこと」

藍子「本当に、感謝してもしきれないくらい」

藍子「Pさんからは、いっぱい幸せをもらいました」

藍子「でも……」

藍子「でも、だからこそ怖いんです」

藍子「いつかこの幸せも、失われちゃうんじゃないかって」



14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:05:09.98 ID:4xb5O0V8o


P「……」

藍子「すみません。おかしなこと言って」

藍子「私、わがままですよね」

P「わがまま?」

藍子「はい。ライブも成功して、Pさんがいて、たくさんの友達がいて」

藍子「こんなに毎日充実していて、なんの不満もないはずなのに」

藍子「怖いだなんて、変なこと言って」

P「そうかな」

P「誰にでもあることだよ、きっと」



15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:06:01.02 ID:4xb5O0V8o


藍子「……」

藍子「私、今だって思ってるんです」

P「ん?」

藍子「今だって、時間が止まって欲しいって思ってるんです」

藍子「ずっと、隣にいたいって」

藍子「このまま、離れたくないって」

藍子「いつまでも、今のままで……」

P「……」


藍子「本当、わがままですよね」



16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:07:56.70 ID:4xb5O0V8o


P「……そろそろ、駅だな」

藍子「……」

P「お、見ろ、藍子。あそこ」

藍子「え?」

P「駅前広場のとこ。ほら、ツリーが立ってるぞ」

藍子「わ、本当ですね」

藍子「あんなに大きなツリー、前はなかったような……」

P「まあ、もうクリスマスが近いもんな」

P「しかし、まだ何の飾り付けもしてないみたいだな」

P「ただモミの木が立ってるだけ、って感じだ」

藍子「そうですね」

藍子「ふふ、これはこれで新鮮ですね」



17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:08:47.74 ID:4xb5O0V8o


藍子「これからいろんなオーナメントを付けていくんでしょうね」

P「ここら一帯イルミネーションにするみたいだし」

P「電飾巻き付けて、光らせるのかもしれないな」

藍子「どんな風になるんでしょうね」

P「楽しみだな」

P「今は地味だけど、きっと見違えることだろう」

P「……うん、楽しみだ」

藍子「……Pさん?」



18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/17(木) 21:09:35.45 ID:4xb5O0V8o


P「俺もな、たまに不安になる」

P「今が過去になることが惜しくなる」

P「いずれ終わりがくることが怖くなる」

藍子「……」

P「でも、ポジパの三人といるとさ」

P「不思議とそういうの、どっかに行っちゃうんだよな」

藍子「私たちといると……」

藍子「それは、どうしてですか?」

P「なんでだろうな」

P「不安より、わくわくが勝るからかな」



19:以下
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月17日 22:49
      • 藍子ちゃんはやっぱ天使ですわ。
        というわけで俺が持って帰ります
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月17日 22:56
      • スレタイ見てQueen思い出した
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月17日 23:27
      • なんだってんだ、や藍天
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月17日 23:31
      • 藍子はモバPの癒しってはっきりわかんだね

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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