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美希「もどかしさが奏でるブルース」|エレファント速報:SSまとめブログ

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美希「もどかしさが奏でるブルース」

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:04:19.15 ID:vZa4x2Cjo

美希「ハニー! お仕事頑張ったのー!」

お仕事終わりの、いつものハニーへのダイブ。

P「うわっ! だきつくなって!」

美希「んー、無理な相談なの!」

P「さらにスリスリするなー! 何かがあたってるんだよ!」

だけど、どんなにどんなに頑張っても、このキモチ、ハニーに伝わらないの。

美希「どうしていやがるの?」

P「そりゃあ異性に、不必要にひっついちゃダメだからな」

美希「ハニー以外には抱きつかないよ?」

P「だからといって、おれだけでも駄目だ。こういうのは好きな者同士でするものだろ?」

美希「むー! ハニーはミキのこと好きじゃないってことなの?」

P「そ、そうはいってないだろう」



2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:05:38.35 ID:vZa4x2Cjo

美希「じゃあなんでなの!」

P「美希はアイドルだ。だれかに見つかったら、スキャンダルになる
しかも困るのは、美希だけじゃない。事務所のメンバーにだって迷惑をかける」

美希「じゃあ、人前じゃなければいいんだよね」

P「まあ……って違う違う。だから、こういうのは好きな者同士で――――」

話がドウドウメグリなの。
こんなにこんなにハニーを愛しているっていうのに。

P・美希「ただいま(戻りました)ー」

小鳥「おかえりなさい」

P「さて、今日の分はこれでおしまいだ。後は帰るだけだな」

美希「お疲れ様でした、なの」

P「おう、気をつけて帰れよ。明日は久々の休日だから、ゆっくりすると良いさ」

美希「うん!」

小鳥「あ、Pさんも明日お休みですよ」

P「えっ?」



3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:07:15.72 ID:vZa4x2Cjo

小鳥「ここのところ、全くお休み取れてなかったでしょう?
社長が先ほど、出られて行く前にこう言ってましたよ」

高木『明日の事は自分に任せて休んでくれたまえ、はっはっは!』

小鳥「ということで、晴れて明日はお休みです」

P「そんな……いきなり言われても」

小鳥「まあまあ、いいじゃないですか。幸い仕事も溜まってませんし
明日はPさんだけにしか出来ない業務はないから、社長の好意に甘えましょう」

P「はぁ……」

イイコトきいちゃったの!
これは二人でデートに出かけるチャンスなの!

美希「ハニー、明日は予定とかないんだよね?」

P「まあ、いきなりの休みだからな。予定なんて決めてないさ」

美希「じゃあじゃあ、ミキの買い物に付き合ってほしいな」

P「んー、まあいいけど、変装、その呼び方、しっかり気をつけろよ?」

美希「はいなの!」

小鳥「よかったわね、美希ちゃん」

美希「えへへー、うん!」



4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:08:05.05 ID:vZa4x2Cjo

やったの! 明日こそハニーをロウラクするの!

P「じゃあ明日いつどこで集まる?」

美希「10時に駅前の噴水がいいな」

P「オッケー、わかった。それじゃあ、おれはこの後の事務処理をして帰るから
また明日な」

美希「うん、またね! ハニー、小鳥」

P「おう、おつかれー」

小鳥「お疲れ様ー」

小鳥「美希ちゃん、嬉しそうでしたね」

P「そうですね。しかし、なんでそんなに嬉しいんだか……」

小鳥「ふふ、でも本当にそう思ってます?」

P「えっ?」

小鳥「美希ちゃん、最初の頃とはうってかわって
破竹の勢いでAランクになって、Sランクも圏内に入ってきましたよね」

P「えぇ、そうですね。目覚ましい活躍です」

小鳥「それの原動力ってなんだと思います?」

P「さぁ」



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:08:52.27 ID:vZa4x2Cjo

小鳥「アイドルが純粋に楽しい、っていうのも確かに有ると思うんです。
だけど、それ以上にプロデューサーさんが好きだから。だから、頑張って喜ばせよう。ただその一点なんですよ、きっと。」

P「そう、でしょうか」

小鳥「そうに決まってます!
そして、いい加減、美希ちゃんの想いに気付かないふりをやめて、真摯に応えてあげたらどうですか?」

P「……」

小鳥「飾れば飾るほど、言葉って真実味を失いますよね。
だけど、美希ちゃんは飾らないで堂々とプロデューサーさんに好意を示してます」

小鳥「それってとっても勇気が必要で、難しいことだとおもいませんか?」

P「はい」

小鳥「だれだってここまでされれば、疑う余地すらないはずです」

P「そう……ですね」

小鳥「だから、明日その想いに、いい機会ですから、応えてあげてくださいね?」

P「……」



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:09:57.21 ID:vZa4x2Cjo

「あふぅ、お風呂は命の洗濯なの~」

「……」

なんでだろう。
ハニーが好き、それだけを、伝えたいだけなのに。
なんで、いつも時間だけが過ぎちゃってるんだろう。
ハニーとキラキラしたいだけなのに。

「なんでなんだろう」

ステキな恋がしたいだけ、それだけなのに、どうしてかなあ。

例えばハニーが『おれ以外にも良い奴が今後出てくるさ』
なんていうけど、ゼーッタイ! ハニーを超える人なんているわけないの。
ハニーとそれ以外の人なんて月とシャッキリポン、だとおもうな。
あれ? 月とユズポンだっけ?

「とはいっても、なの」

ここまでハニーを好きって、それだけを伝えてるのに……。
なんで上手く行かないの……!

「この状態、モドカシイってやつかも」

ともかく、明日は念願のデート! 気合を入れて、念入りに体を洗うの!



7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:10:58.88 ID:vZa4x2Cjo

P「ふー、今日は結構早上がりだったな。たまにはシャワーじゃなくて、風呂に入るか」

買ってきた晩飯と、ビールを冷蔵庫へと放り込んで、お湯を湯船に入れる。
その間、暇なのでテレビでも見ていよう。

P「お、今日は美希の特集か。そういえばこの前密着取材あってたなあ」

P「『ここ最近、メキメキと頭角を現してきた星井美希! 彼女の力の源にせまる!』か」

リポーター『ここまで、どうして頑張ってこれたの?』

美希『えーっと、やっぱりみんなにキラキラを届けたいから、かな』

リポーター『それはどういう事?』

美希『ミキのファンの人たちに、もっともっと楽しくなってもらいたいってこと!』

リポーター『なるほど~。そう思うようになった出来事はなにかあるの?』

美希『ん~それはね……ヒ・ミ・ツなの!
ヒミツの多いオンナの方がいいオンナって貴音が言ってたの!』

リポーター『え~そこをなんとか~』

美希『ダメ~!』

P「はは、仕事してる時はちゃんとしてるから、すごいよな、あいつ」

P「しかし……まあ、あの態度はどうにかならないものか」

度重なる自分へ対する行動。いくら鈍感な自分でも、気付いてしまった。
けれど、美希のそれは一時的なあこがれみたいなもの。
そして、同時に自分の美希への想いにも気がついてしまった。
だけど、それは決していけないものだ。
お互いの立場、年齢、責任。それらに依って。

「いや、体の良い言い訳にしてるだけか」

ピー、と無機質な音が響く。思案しているうちに、風呂の準備ができたようだ。
今日はどうも考えこんでしまう。明日のこともあるし、さっぱりして、ビールをあおって寝よう。



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:12:36.88 ID:vZa4x2Cjo

よーし、今日は頑張るの! イッセイイチダイの大勝負なの!
ぐっすりねたし、完璧なの!

そう、ぐっすり寝たの。時間ギリギリまで。

美希「あーもー! なんで今日に限ってこんなのなの! なんなのなの!」

素早くシャワーを浴びて、髪を乾かして、メイクして、と~っても重要な下着を選んで、服も選んで。
こんなにテキパキ動いたのは、生まれてこの方初めてかも。

美希「よし! 準備出来た! いってきまーす!」

家を文字通り飛び出すように出て、目指すは駅前! いそげー!

美希「ふう……ふう……なんとか間に合ったの……」

駅前の時計は10時丁度。

美希「さてと、ハニーはどこかな~」

ぐるーっと噴水周りを眺めてみると、手持ち無沙汰そうな男の人。
私服でもすぐわかっちゃう。

こっそり後ろから近づいて、手で目を塞ぐ。

美希「だーれだ?」

P「すみません、不審な人の知り合いは居ないもので……」

美希「ちょ、ひどいの!」

P「嘘だよ。おはよう美希」

美希「もー! おはようハニィ」



9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:13:46.42 ID:vZa4x2Cjo

P「だから呼び方を気をつけなさいって」

美希「あう……ごめんなさい」

P「ま、まぁ今回は見逃すから、気をつけろよ?」

美希「ふふん、わかったの!」

ハニーってばチョロ甘なの。でも、そんなところも好きだよ。

P「さーて、今日はどこいく?」

美希「むー」

P「な、なんだ?」

美希「ハニーってば女心がわかってないの。まず、今日の格好をほめてくれてもいいと思うんだけどなー。
変装しながら、かなり頑張ったんだよ?」

P「あぁ……カワイイヨ、スッゴク」

美希「なんだか心がこもってない気がするけど……まあ良いの。
んーと今日はね、まず行きつけのカフェでお昼取って、その後お目当てのアクセサリー屋さんにいこ?」

P「よっし、じゃあ行くか」

スタスタと一人歩き出すハニー。

美希「もう!」

ギュッと手を握りに行く。

P「おいおい、変装しているからといって、ばれない保証はないんだから」

美希「ダメ……なの?」

P「うぅ……わかった、わかった! ただしここではダメだ。人通りの少ないところだけな」

やっぱりチョロ甘なの。

美希「ふふ~ん、わかったの!」



10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:15:22.26 ID:vZa4x2Cjo

それから美希たちは予定通りにカフェに行って、お昼ごはんを取って、アクセサリー屋さんへ。
なかなかいい新作が沢山あったから、選ぶのに迷っちゃったけど、ハニーが選んでくれたの。
ただ、お仕事の上で似合うものばっかり最初は選ぶから、まいっちゃうの!
最終的には、本当にミキに似合うものを選んでくれるからすごいんだけどね。

P「さーて、もうそろそろ夕方だな。晩飯はどうするんだ?」

美希「特に決めてないかな。まだハニーと一緒にいたいから、どこか食べに行こうよ」

P「そうか。どこか行きたい所あるか?」

美希「んーと、特に無いから、ハニ―のおすすめのところがいいなぁ」

P「おすすめかあ……正直女の子と行くところじゃない、ムードもへったくれもない飯屋ばっかりだな。
後は居酒屋とか、バーとか」

美希「お酒のお店かぁ……ちょっとミキには無理だね。じゃあ、おすすめにいくの!」

P「いいのか? おしゃれなお店じゃないんだぞ?」

美希「ハニ―のこともっと知りたいから」

P「お、おぉ……ほんとこいつは……。じゃあ、そうだ。あそこいくか」

美希「? はーい」



11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/18(金) 20:15:53.43 ID:vZa4x2Cjo

P「ここなんだけど…
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月18日 23:01
      • 5 すごく良かった
        初投稿なのか、もっと書いてくれー
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月18日 23:28
      • むなしさともどかしさに溺れるばかりの日々ではありましたが、結果にはそれなりに満足しております

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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