八幡「クリスマスイベントが中止?」
- 2015年12月19日 23:40
- SS、やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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八幡「はあ、何でまたいきなり? まだ打ち合わせの段階だから支障はないでしょうけど」
平塚「先日ディスティニーのキャラが駅前の広場に来てパレードを行うイベントが発表されたのを知っているな?」
八幡「ええ、教室でリア充共が大声で話してましたんで」
平塚「大半の生徒はそちらに流れてしまうだろうとの見解でな。人があまり集まらないようならいっそ取り止めにしようということになった」
八幡「そうですか…………まあ予想しなかったわけじゃないですが」
平塚「今日は週末だし、先ほどの職員会議で決まったから生徒会への報告は来週になってしまうが、奉仕部には伝えておこうと思って部室に来たのだが…………雪ノ下や由比ヶ浜はどうした?」
八幡「雪ノ下は何やら家の用事で少し前に帰りました。由比ヶ浜は今日は最初から休みですよ。俺はちょっと本を読んでて残ってただけです」
平塚「そうか。なら奉仕部への正式報告も来週になるな。別に比企谷から二人に伝えてもらっても構わんのだが」
八幡「いえ、俺雪ノ下の連絡先を知らないんで」
平塚「じゃあやはり来週になるか。比企谷ももう帰るんだろう? 鍵はここで私が預かろう」
八幡「はい。じゃ、お願いします」
平塚「うむ…………と、ところで比企谷、私はクリスマスイブの予定はこれで空いてしまってな。どうだ、良ければ…………あれ、いない?」
八幡(奉仕部関連で下手に知り合いが増えたからな。きっと中学時代みたいにハブられてあとでからかわれたりするパターンだ…………)
『あら、ハブられ谷君はついに家族からも見放されたのかしら? 私もさすがに実家で家族と過ごしたのだけれど』
『あ、ごめんヒッキー。誰かが誘ったと思って』
『ヒキタニ君、この間のパレードの後のパーティーは楽しかったね。え、あれ? いなかったっけ?』
『八幡! みんなで見たパレード綺麗だったね! 僕はテニス部の人達と見たけど』
『けぷこんけぷこん。我は人気声優さんと共に過ごしたぞ。ツイッターやブログを監視しておったからな、同じ夜を過ごしたと言っても過言ではあるまい』
八幡(…………といった感じでみんなで俺の心をえぐってくるに決まってる! くそっ、完全ぼっちだった去年はこんなことすら言われなかったのに! やっぱりぼっちは最強だな)
八幡(などと現実逃避している場合ではない。今年はイベントがあると言った結果、両親は泊まりがけの旅行に行くし小町は友達と集まるみたいなことを言っていた)
八幡(さすがにクリスマスに家で独りきりというのはプロぼっちの俺でも辛いものがある。どうにかしないと…………)
小町「あ、お兄ちゃんお帰りー」
八幡(帰宅してリビングに顔を覗かせると小町の声がキッチンからする。夕飯の支度中のようだ)
八幡(実に良くできた妹だ。親があんなに仕事漬けなのに…………ん、仕事?)
八幡「そうか、これだ!」
八幡(俺は自室に行って着替え、スマホをいじりはじめる)
八幡(…………あった)
八幡(俺は夕食を食いながら小町にイベントのことを伝える)
八幡「ああ。ま、学生主導のショボいイベントとディスティニーのイベントじゃあ贔屓目に見たって後者に行くわな」
小町「そうかもね。でもお兄ちゃんはクリスマスイブはどうするの? お父さんたちいないし小町も多分友達と出掛けちゃうよ」
八幡「ああ。わかんねえけど明日次第で予定埋まるかもしれん」
小町「えっ?」
八幡「ちょっと明日昼過ぎから出掛けてくるけど、その結果次第かな」
小町(え? え? 明日デートするってこと? そんでイブは一緒に過ごそうって誘うってこと?)
八幡「そんで小町にちょっと頼みがあるんだが」
小町「え、な、何?」
八幡「明日は少しばかり身嗜みに気を使わないといけないからな。簡単でいいから服装チェックしてくれねえか?」
小町「うん、お安い御用だよ。おまかせあれ」
小町(うわー! デートだ! 絶対デートだ! 雪乃さん? 結衣さん? あああー、聞きたいけどあとの楽しみに取っとこ!)
八幡(こういうのは約束の時間の二十分くらい前に行っとくのが基本だよ、とは小町の談だ。まあ確かにな。遅れるよりは全然いい)
八幡「この辺のはずだが…………お、あった」
『クリスマスディスティニーイベント臨時アルバイト説明会会場』
八幡(えーっと、当日交通誘導の部屋は…………こっちか)
八幡(部屋に向かう途中、前日設営や後日撤収の部屋前を通りかかったがやはり人が多かった。それに比べて当日用の人の少なさよ……)
八幡(一番バイト代も高いってのに…………やはり当日は遊びたいやつらが多いってことですかね)
八幡(そんな中、世のため人のために自らを犠牲にして働こうとしている俺マジ社畜。バイトだけど)
八幡(しばらく待っていると時間になったのかスーツ姿の男性が入ってきて挨拶し、説明を始めた)
八幡(何それ。そんなに忙しくなくてあまり人と関わらなくてもよくてバイト代も高いって最高じゃね?)
八幡(しかしそうは思わなかった連中もいるようだ。多分バイトしながらパレードも見ようと目論んでいたのだろう。そいつらはここの説明会が終わると他の部屋を訪ねに行った。各所で一日に何度か説明会をしているみたいだしな)
八幡(俺はもうここに決めたのでその旨を申し出て、書類に名前を書く。明日ちゃんとした面接をするのでもう一度ここに来るように言われ、俺は会場を後にした)
八幡(そんな皮算用をしてショッピングモールをうろついていたらいつの間にか夕方になっていた。やべ、早く帰らないと)
八幡「おう、遅くなって悪かったな」
小町「平気平気。お兄ちゃんにも色々あるもんね。さ、夕御飯できてるから食べよ」
八幡「ああ」
八幡(俺は洗面所で手を洗い、うがいをしてからテーブルに着く)
小町「いただきまーす」
八幡「いただきます」
八幡(食べ始めてしばらくしてから小町が話し掛けてきた)
小町「ねえねえお兄ちゃん。今日の結果はどうだったの?」
八幡「あん?」
八幡(あれ? 俺がバイトの面接に行くの話したっけ? まあ多分話したんだろう)
八幡「一応返事待ちってとこだな。明日また行ってちゃんとした返事をもらうことになってる」
小町「そ、そうなんだ」
小町(うわーうわー! 即座に断られないってことはもう脈ありじゃん! うう、ついにお兄ちゃんにも春が…………冬だけど)
小町「ち、ちなみにお兄ちゃん的に手応えはどう、かな?」
八幡「なんでそんなおそるおそる聞いてくるんだ? まああの感じだと多分大丈夫だろ。向こうも是非にって反応だったし」
八幡(説明会のあとに即座に登録したのは数えるほどしかいなかったからな)
小町(やった! うう……小町泣きそう…………)
比企谷父「八幡、今日も出掛けるんだってな。それでイブの予定が決まるらしいが」
八幡「え? ああ」
八幡(小町が話したのか)
比企谷父「お前ももう高二だし、そういうことに文句は言わん。ただし、自分でしたことに責任は持てるようにしておけよ」
八幡「あ、ああ」
八幡(たかがバイトに大袈裟じゃね?)
八幡「というかまだ決定じゃないからな。今日返事もらうんだし、駄目だったらこの家でぼっちメシするぞ」
小町「お兄ちゃんなら大丈夫! 自信持って行こうよ!」
八幡「お、おう」
八幡(何でこんなに応援されてんの? まさかバイトすることで専業主夫の夢を諦めたとか思われてんのか?)
八幡「と、とりあえずメシ食って準備したら出掛けるから」
比企谷父「うむ。頑張ってこい」
面接官「それでは比企谷さんは十四時から二十二時の交通誘導チームで採用と致します」
八幡「はい」
八幡(向こうが用意してくれた書類を何枚か書き、簡単な面接を終えて俺は無事採用された)
面接官「イブ直前の土曜日と日曜日に最終説明会がありますのでどちらかにいらしてください。詳細は先ほど書類に記入していただいたメールアドレスに送りますので」
八幡「はい、よろしくお願いします」
八幡(俺は頭を下げて部屋を出る。よし、これでイブの予定は埋まった。夜には小町も帰ってるし、イブじゃない次の日は親も帰ってくるから完全ぼっちは回避できた)
八幡(これで誰かにイブの予定があるかを聞かれても自信を持ってあると答えられるな)
八幡(…………ま、その予定がバイトだというのは伏せておこう)
小町「お帰りお兄ちゃん! さ、もう夕御飯だよ。早く早く!」
八幡「え? お、おう」
八幡(何でそんなテンション高いの?)
八幡(リビングに行くとちょうど料理を並べ終えたところのようだ。俺は席に着く)
比企谷父「で、八幡。首尾はどうだった?」
八幡「ああ、色よい返事をもらえたよ。イブの夜は俺も予定が埋まった」
小町「やった! 良かったねお兄ちゃん!」
比企谷父「くうう。まさかあの八幡が…………」グス
八幡(何でこんなに喜んでるんですかね? 息子独りをぽつんと家に居させるのがそんなに心苦しかったのか?)
八幡「一応日付変わる前には帰るつもりだが、先に帰ってから戸締まりはしっかりしとけよ小町」
小町「え、あれ? お兄ちゃん、その……あ、朝までコース、とかじゃないの?」////
八幡「何言ってんだ。俺はまだ十八歳にもなってねえんだぞ。んなことできねえよ」
八幡(法律は守らないとね。良い子にしないとサンタさんが来ないゾっ…………まあ良い子にしてても来ないけど)
八幡「いや、当たり前のことだろ…………駅前のパレードが終わって、ちょっとしてから帰る予定な」
八幡(確かパ
コメント一覧
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- 2015年12月19日 23:40
- クリスマスが今年もやってくる…
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- 2015年12月19日 23:43
- 楽しかった… 出来事を…
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- 2015年12月19日 23:45
- 消し去るように!
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- 2015年12月19日 23:55
- 俺にはクリスマスに楽しかった思い出なんてないないけど
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- 2015年12月19日 23:57
- さあ
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