勇者「女神から能力を授かった」【前半】
女神「私は女神です。この世界を創造したもの…」
女神「かつて封印された滅びの神が、再び甦ろうとしています」
女神「滅びの神が復活すれば、全ての生き物は死に絶えるでしょう…。復活を止めなければいけません…」
女神「その為には、滅びの神の創り出した、魔物の王を倒さなければいけません…」
女神「勇者よ…魔王を倒しなさい…。かつて、伝説の勇者がそうしたように…」
女神「そのための力をあなたに授けましょう…」
勇者「……という夢を見たんだが」
ヴゥウウゥン……
勇者「……なんだ、これ? 右腕が変な機械になってる?」
勇者「……これって、姉ちゃんが夜な夜な使ってる大人のオモチャなんじゃ……」
…………
勇者「ぎゃあああああ!!」
うるさいわよ!
勇者「やべっ、下に姉ちゃんがいるんだった」
ヴゥウウゥン…………
勇者「いや、絶対に違うよ! これどう見ても巨大なバイブじゃん!」
静かにしなさい!
勇者「…………」
勇者「どうしよう…取り敢えず包帯を巻いておくか…」
勇者「……振動していてめちゃくちゃ巻き辛い」
勇者「どうにか巻き終えたぞ……」
ヴヴゥン……
勇者「今日も稽古だけど、利き腕がこれじゃ剣も握れないし…」
ガチャッ
勇者姉「アンタ、さっきからうるさい…って、その腕どうしたの?」
勇者「ああ、ちょっと……痛めてね」
勇者姉「大丈夫なの…? お医者様のところに行きましょう」
勇者「いや、大丈夫だよ、折れてるわけでもなさそうだし……」
勇者姉「自己診断しないの! そういうのは危ないのよ! さっ、早く、行くわよ!」
勇者「いや、その……」
勇者姉「ん、なんか揺れてない?」
勇者「うっ……あっ、け、稽古があるから行ってきます!」
勇者姉「あ、ちょっと……!」
勇者は家を飛び出した!
家の外。
勇者「勢いで出てきたものの…どうしようかな」
「そこのお前」
勇者「はい?」
「間違いないか?」
「ああ、神託の証が光っている。こいつで間違いないな」
「ふうん、こんな冴えないガキがな……」
「俺の方がまだ強そうだな」
勇者(なんだ、こいつら?)
勇者「…何か用事でも?」
「この神託の証によると、どうやらお前らしい」ぺかー
「そういうわけで、私たちと来てもらおう」
勇者「え、ちょっと」
「さっさとついてこい」
勇者(扱いが悪いな……)
勇者(初めて来たけど、城、立派だなあ)
東王「来たか。神官よ、この者が勇者で間違いないか」
神官「はい。大いなる女神の加護を彼者から感じます」
東王「ふむ! 昨日の神託は本物であったか」
勇者(王さまも夢で女神さまに会ったのか)
東姫「……」
東王「勇者よ、よくぞ参られた」
勇者「は、はい」
東王「呼び出したのは他でもない。近頃、魔物との戦いは苛烈を極めている」
東王「そこで魔物の親玉である魔王を倒して欲しいのだ」
東王「当然だが、支援もするし、倒した暁には褒美をやろう。引き受けてくれるな?」
勇者(……でも、俺は魔物から、姉ちゃんや村のみんなを守れるようになりたかったんだ)
勇者(魔王を倒せば、きっと平和になる。そうすればもう姉ちゃんが哀しむこともないはずだ)
勇者(これはまさに天啓なんだ。…俺が魔王を倒すんだ!)
勇者「俺が、俺が必ず魔王を倒して、世界を平和にします!」
東王「うむ、頼んだぞ。……ところで、女神の力をわしに見せてくれんかの?」
勇者「……え?」
東王「女神より何か力をいただいたのだろう?」
勇者「あ、はい、一応…」
王「その力を実際に見て信ずるに値するか確かめたいのだ。こちらも相応の援助をするつもりなのだから、それくらいいいだろう?」
勇者「え、えーと……」
神官「ふむ、その右腕から、凄まじい神の力を感じます」
勇者「う……」
勇者「……」
勇者は右腕の包帯をほどいた!
ヴゥウウウウゥン…………
東王「…………」
神官「…………」
東姫「…………ぷっ」
東王「き、きさま、わ、私を愚弄しに来たのだなっ!」
勇者「そ、そんな! 違います!」
東王「このような不敬は初めてだっ! 其奴を捕らえよ! 処刑しろ!」
ザザザッ!
勇者「なっ……」
神官(…東王が短小包茎のせいで、妻とはセ○クスレス。妻は大人のオモチャで性欲を満たしている)
神官(そんな醜聞が飛び交っている中で、これだもんな。そりゃ、東王もキレるわ)
神官(少年には悪いが、俺もまだ職を失いたくないしな)
神官「……あの包帯で誤魔化していたのです! どうやら、あの包帯は魔の力を隠し、神の力に見せかける呪具のようです!」
勇者「はあっ!?」
東王「ゆ、許せん。無礼者め! この場で斬り殺せ!」
東姫「お待ちになって、お父様」
東王「む!」
東姫「何もそこまでする必要はないじゃない」
神官(姫さまナイス! 流石にこれで処刑されたら、私も寝覚めが悪い)
東王「…ならば国外追放じゃ! 二度とこの国に、足を踏み入れさせるな!」
ヴゥウウゥン……
東王「ええい、黙れ黙れ! 早くしろ!」
勇者は捕らえられた!
勇者「くっ、離せ!」
抵抗むなしく、勇者は追放の刻印を顔に焼き付けられた!
ジュウウウッ!
勇者「がああぁぁああぁ! いだいっっ! いだいぃぃ!」
勇者は悶え苦しむ!
勇者は気絶した!
ガタガタ…
勇者「……ん」
兵士「目覚めたか。災難だったな」
勇者「ここは……?」
兵士「馬車の中さ。お前を国外まで運ぶための」
勇者(ああ、そうか。俺……)
勇者「……姉ちゃんは、どうなるんだ?」
兵士「他人の心配してる場合かね…」
兵士「…財産は没収されるから、家族は路頭に迷うだろうな」
勇者「そんな……」
勇者(姉ちゃん……)
お母さんもお父さんもマモノにころされちゃった……ひっぐ……。
『わたしがお父さんとお母さんになるから! だから泣かないで! ほら、笑って! 笑顔!』
無理だよ…。
『無理やりでいいの! ほら、にっこり!』
…こう?
『そう! そうすれば今は無理でもきっと笑えるようになるから!』
…うん。姉ちゃんは凄いや。
『当たり前でしよ! これからは私がアンタを守るんだから!』
『ひっぐ……お母さん……お父さん……寂しいよ……不安だよ……』
――――――――
勇者「……ちくしょう」
勇者は馬車を降りた!
勇者は手枷を外された!
兵士「このまま西へ真っ直ぐ行けば、中央国に出る」
兵士「…だが、どこに行こうとその追放の刻印がある限り受け入れては貰えないだろう」
兵士「というか、腕がそんな化け物な時点で、救いようがないけどな」ハハ…
勇者「……」
兵士「ま、強く生きてくれ」ガタガタ
勇者「……」
勇者は西の方角へと歩き始めた!
勇者「…………」
勇者は立ち止まり地面にうずくまった!
「あなたが選定を受けた者ですね」
勇者「……!?」
勇者が顔を上げるとそこに天使がいた!
天使「初めまして。女神さまの使いで降臨しました」
勇者「……何の用だよ」
天使「…実はですね、女神さまは手違いをしてしまったのです」
勇者「手違い?」
天使「非常に聞き苦しい内容なのですが……」
女神「ああー、そろそろ干渉しないと下界滅んじゃうわ」
女神「でもその前にスッキリしておこー。オナ○ーは心の洗濯ね!」
天使「…女神さま、それ何回目ですか? もっと早い段階で手を打てば、魔物たちの勢力がここまで広がることもなかったんですよ。下界の者たちが可哀想じゃないですか。大体、以前もですね……」くどくど
女神「あー、分かった分かった。ほんと天使ちゃんて小姑みたいだよね」ハアァ…
天使「私は女神さまや、下界の者たちのことを考えてですね……!」
女神「わーった、わーった。勇者を選定して、力を与えて来ますー」ヤレヤレ…
天使「もう……」
・・・
女神「大きな過ちを犯した。何てことなの」
天使「どうしました?」
女神「勇者としての力を授けるはずが、私の自慰用の能力を授けてしまった。あれがないと、最高のオナ○ーができない」
女神「うがああぁぁああ! やっちまったぁあああ!」ゴロゴロ…
天使「いや、知りませんよ」
女神「バカヤロー! 」バキッ
天使「あうっ! な、何するんですか!?」
女神「最高のオナ○ーができないことがどれだけの痛手か分からんのか!? 最高のオナ○ーもせずに最高のパフォーマンスは発揮できねーんだよ! 天地創造7日目に休息? オナるに決まってるだろうが! むしろオナ○ーのエッセンスとして世界を創造したんだっての! 世界は私の最高のオナ○ーのために産まれたんだよ!」
天使「……」