声優 茅野愛衣インタビュー「”好き”をシゴトの中から見つけ、声優という枠を超えた可能性に挑んでいく」
アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のヒロインである本間芽衣子(めんま)役や『ちはやふる』の大江奏役
そして『ARIA The AVVENIRE』のアーニャ・ドストエフスカヤ役を務める、声優の茅野愛衣さんにお話を聞いていきます。
―どういった形でお仕事を始められたのでしょうか?
茅野:まず養成所で1年間学んで、事務所に入ってからは様々な作品のオーディションを受けさせて頂いていました。もちろん、
始めは仕事なんて全然無いのでオーディションを受ける日々を過ごしていて…。オーディションは声優にとっていわば就活なので、
チャンスをいただければ日々就活。そこで結果が出せたものに関してはうまく就職することができるのですが、作品が終わると…
という感じでした(笑)。
―オーディションではどういうことをするのですか?
茅野:オーディションは、決められたセリフを読んで録音したものを送る場合と、スタジオにて受ける場合の2種類があります。
後者は作品サイドからの指名で、そもそもオーディションが無いものもあります。
―これまでさまざまなオーディションを受ける中で、自分の勝ちパターンが確立されたりするのでしょうか。
茅野:勝ちパターンについては正直、全く無いですね。そして仕事はご縁だと思っているので、あまり考えすぎないようにしつつ、
むしろ「ご縁があれば……」くらいに思っているほうが上手くいくような気がしています。セリフがその場で変わることもありますし、
キャラクターの設定をその場で聞くこともあるので、自分自身でキャラクターを固め過ぎないほうが良いのかなと思っています。
自分で思い込むと「違うのでこうしてください」と言われたときに対応がしづらいので、そんなに決めこまないようにしていますね。
―デビューされてから5年ほど経っていると思うのですが、今もなお不安は抱えているのですか?
茅野:そうですね。声優という仕事柄、明日仕事があるかのか、来年仕事があるのかも全くわからないので、そういう面では誰しも不安は
持っていると思います。しかも風邪をひいて声が出なくなったら全く仕事にならないので、常に健康面で気を使う必要もあります。
「日々、不安は全くないよ」という方はいらっしゃらないのではないかなと思います。
―これまでの仕事の中で「こういうことが糧になった」というものはありますか?
茅野:家族が喜んでくれると嬉しいですよね。写真を撮られるのも照れくさいですし、歌を歌うのも照れくさかったですけれども、そういう
のを見せると誰よりも家族が喜んでくれたので、親孝行をしている感じになれたのはすごく良かったと思います。娘がフォトブックに出る
なんて話はなかなかないと思いますし(笑)。
―家族に反対されるということはありましたか?
茅野:なかったですね。母としては、芸事のほうに行くのではないかと思っていたようです。ただしお金だけは自分でなんとか頑張って
稼ぎなさいといった感じでした。親とは仲は良いですけれども、自分自身もその部分はしっかりとやらないといけないと思っていたので。