真紅VS錬金炬燵(ローゼンメイデン・ゲロ)
- § 今回のあらすじ
急激に冷え込んだある日、水銀燈と金糸雀はnフィー箱庭のガラクタ園で大きなコタツを発掘する。そして
これ幸いにと雪華綺晶、薔薇水晶、珪孔雀を呼んでコタツ女子会を敢行(長女は反対したが次女が押しきった)。
だが、それはローゼンの狡猾な罠だった。発掘されたコタツは何と呪われていたのだ。
呪いのコタツの正体はアリスゲームがなかなか終わらない場合の最終調整兵器「錬金炬燵」であり
ドールズ全てを飲み込み遠赤外線でじっくり溶かして一つの究極の少女として混ぜ合わせるというシロモノである。
既にローゼンメイデンの半数と偽メイデン一体が錬金炬燵に囚われた今
最後の希望は、天と地の狭間に輝きを誇る究極美少女アリスである真紅に託されたのであった…!
- § 嵐の前の桜田家
雛苺「大変大変大変なのよー! ジュン助けてーっ! 真紅が! 真紅がぁああああっ!」
ジュン「どうした雛苺? そんなに慌てて、真紅がまた拾い食いでもしてお腹壊したのか?」
雛苺「うぃ! その通りなの…」
ジュン「その通りなのかよ。いつものことじゃあないか、放っとけ」
雛苺「で、でも今回はやばいものを真紅食べちゃったのよ! 本当にやばくて危険がデンジャーなの!」
ジュン「何を食べたんだ?」
雛苺「何故か空き地に落ちていた、うにゅーを食べたとたん真紅がお腹壊したの! 水銀燈の人のウカツな罠に違いないのー!」
ジュン「そりゃ罠でも何でもなくて、ただ単に真紅の不注意。しかもウカツじゃなくて狡猾…、おまけに迂闊なのは真紅の方」
雛苺「と、とにかく、このままじゃ真紅が死んじゃうのー! ジュン早く真紅を助けてあげてー!」
ジュン「ああもう! 世話ばっかり焼かせやがって、当の真紅はどこだ!?」
雛苺「いつもの土管の空き地でずっと苦しんでるの! 早く来てぇ!」
ジュン「ドラえもんに出てくる空き地そっくりのあそこか」
- § 土管の積まれた空き地
雛苺「真紅ぅー! ジュンを連れて来たの! これでもう安心なのよ!」
ジュン「大丈夫か真紅!?」
.ィ/~~~"ヾ
、_/ /  ̄`ヽ}
,》@ i(从_从)) 安心してください 吐いてますよ
.||ヽ|| ^ω^ノ
≦ ノ つ!;:i;l 。゚・
テ と_)i:;l|;:;::;:::⊃ ビチビチビチ
⊂;::;.,.';;;;'::.:.;::.⊃
ジュン「……」
真紅「オエロロロロロロロ」びちびち
ジュン「…本当に大丈夫か真紅?」
真紅「ええ、落ちてた苺大福を食べてから何故か嘔吐が止まらないけどね」ゲロゲロゲロ
雛苺「真紅! ジュンがすぐに真紅を治してくれるからね」
真紅「頼もしいわジュン。流石マエストロロロロロロ」びちびち
ジュン「…いつになくゲロの量が多いな、今回は」
雛苺「あのね、この空き地の土管の裏にビニール袋一杯に詰め込まれて捨てられていたうにゅーを真紅は全部食べたの」
ジュン「袋一杯!? 絶対それ消費期限切れか何かの不法投棄だろ…! 怪しいと思わなかったのか真紅!?」
真紅「もしかしたら何者かが苺大福にバイバインを使って収拾が付かなくなったものかもしれない…。
その可能性に思い至ったら、この太陽系を救うためには私が食べるしか解決方法は残されていないと!」ゲロゲロ
ジュン「……」
真紅「宇宙レベルの大局的見地に基づいた、聖少女の尊い自己犠牲の結果…逃れられぬ業(カルマ)だわ」ゲロゲロ
雛苺「ああっ! 美しすぎるのよ真紅! ヒナを突き飛ばしてまで、うにゅーを独り占めしただけかと思っていたのー!」
ジュン「あほらし…。これはもう、食べたものを全部ゲロるまで放置プレイが最善…」
ヽ、 ヽ | | /
ヽ、 ヽ __ へィ / __
ヽ. r .ィ  ̄:::::::`ヽ、___そ r'、 ヽて
\ r',イ/::;::::i、::\:::::、ヽ.`i Yヽ.イ そ
__` i:,': /;':/ ヽ:ム:::::!:|:K ノ`,'7
i´r_7、ヘ_ ||:::|7/v ゝ'<',:::|:!j |V_,イ_|__
ゝイ/j_\_!!、{ フ// _,.-、Vイ !|、`ヽ:::::::| { てぇへんだ! てぇへんだ! てぇへんだーですぅ!!
`ヽ. ¨''|ヽ:i// F‐ ¨`ヽイ イ'.: \:`i.:.l {
だ ^ヘ`'‐i.:Yゝ、_i_,. イ、_| ||.:, イ ヽ!.:.',
ば V /__}j<iY | !ヽ:::::\ \!
だば } / ,イ´ r'{__ lj ! 〉:{\:::::ヽ
真紅「むむっ? 翠星石!?」
ジュン「翠星石…?」
翠星石「やっぱり、こんな所にいたですか皆の衆! 助けてくれですー!」
雛苺「と、突然に現れて何なのよ翠星石!? こっちはこっちで真紅が大変なのー!」
翠星石「追われてるんです! 助けてくれです真紅ー!」
真紅「追われている? まさか、アリスゲームも真紅ちゃん大勝利で幕を閉じたというのに
諦めのクッソ悪い水銀燈あたりが、性懲りもなくあなたのローザミスティカを狙って…?」
翠星石「半分正解です! 確かに翠星石は命を狙われているですー! しかし、下手人は水銀燈ではなく…」
雛苺「水銀燈の人じゃあない…?」
_______
__/\ \_
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〈 〈※ ※ \ _____..\\ コータコタコタコタコタ(笑)! 追い詰めたコタねぇ!
\ \※ ※ ※ ※ ※ ※ヽ\\
\ \※ ※ ※ ※ ※ ※ ヽ \
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ゝ、, _____________)
/ /~ヽ ヽ
( < ヽ ヽ
\ ヽ \ \
ヽ. ヽ \ \
〉 ) \. ヽ,
⊂~_/ (__,,)
ジュン「なんじゃ、こいつはー!?」
雛苺「コタツ!? おコタが走って、さらに笑っているのー!」
真紅「こりゃ、ゲロ吐いてる場合じゃないわ!」
翠星石「あいつですー! あいつが翠星石を手篭めにしようと追ってきているのです!」
真紅「な、何なのよあれ!? どこかの変質者がコタツを被って暴れているとでもいうの!?」
蒼星石from土管「いや、違う! あれは錬金炬燵! またの名をデビル・コターツだ!」ヒョコッ
翠星石「蒼☆星☆石ーーー!?」
ジュン「次は蒼星石か!? 何でいきなり土管の中から出て来るんだよ、お前は!」
蒼星石「そんなことはどうでもいい! それよりも今は眼前の脅威だ!」
真紅「そ、それもそうね! しかし蒼星石の言う錬金炬燵とは一体…?」
蒼星石「かつてお父様が酒に酔った勢いで作ってしまったとされている負の遺産だ」
ジュン「負の遺産!?」
真紅「コンブやワカメに多く含まれると言われている、あの…!?」
蒼星石「それはフコイダンだよ真紅」
炬燵「コターーーッ!」びしゅばっ
雛苺「うにゃーっ!? 何かおコタの中から伸びてきたのー!?」ギチチ
ジュン「雛苺をぐるぐる巻きにしているのは水色のリボン…だと!? まさか!?」
蒼星石「くっ、雛苺まで奪わせはしないよ!」ズババーン
炬燵「むうっ、庭師の鋏…か!」
雛苺「助かったの! ありがとう蒼星石」
真紅「どういうこと!? 何故あの炬燵が水色リボンを!?」
蒼星石「あの炬燵は取り込んだ薔薇乙女の能力を自分のものとして操ることができるんだ!」
ジュン「なんだってぇー!!」
雛苺「ということは既に珪孔雀は、あの炬燵の中に…!?」
炬燵「コタコタ(笑)! 珪孔雀だけではない! 既に水銀燈も金糸雀も雪華綺晶も薔薇水晶も俺様の布団の中!」
真紅「ああ、そんな…どうして! 何故こんなことに」
翠星石「偽物野郎の薔薇水晶まで咥え込んでいるとは、とんだ悪食ですぅ!」
炬燵「今の俺様は水銀燈の悪辣、金糸雀の頭脳、雪華綺晶の狡猾、薔薇水晶の憂鬱、珪孔雀の純真を得ているのだー!」
雛苺「あややややや! お、恐ろしすぎるのー!」
真紅「けど、何だか頑張れば勝てそうな気もする」
翠星石「ですね。特にカナチビの頭脳とかマイナス特性ですよ」
蒼星石「見くびってはいけない! ふざけてはいてもお父様の遺産だ!」
真紅「遺産なら私が受け継ぐべきでは?」
蒼星石「いや、えーっと、そういう意味での遺産ってわけじゃあなくて、例えばの話で。お父様もまだ存命だし…」
ジュン「しかし何だってローゼンさんは、こんなデビル・コターツを作り上げたんだ…!?」
ラプラスfrom土管「知りたいですか坊ちゃん?」ニョキッ
ローゼンfrom土管「ならば答えよう」ニョキッ
翠星石「ラプラスの魔ーーっ!?」
蒼星石「お☆父☆様ァーーっ!?」
ジュン「何でいきなり土管の中から出てくるんですかローゼンさん!? ラプラスの魔まで!」
ローゼン「そんなことはどうでもいい! 今は目前の脅威の方が重要だろう!?」
ラプラス「そうですとも坊ちゃん。この世に不思議なことなど何も無いのです」
真紅「…お父様! 何故あのような炬燵をお作りに!?」
炬燵「こいつは好都合! お父様の目の前で俺がアリスを誕生させて見せるぜー!」ドババッ
翠星石「ぐわーっ! 水色リボンと黒羽根と水晶礫と白薔薇のあわせ技ですー!?」
雛苺「全部乗せ攻撃にもほどがあるのー!」
蒼星石「ウルトラマンギンガビクトリーだって、小出しで歴代ウルトラ光線を使うのに!」
ラプラス「壮観ですね」
ローゼン「我ながら恐ろしいものを作ってしまった」
ジュン「蒼星石が言ったように、本当に酔った勢いで作ったんですか?」
ローゼン「ん? いや、酔った勢いで出来ちゃったのはアリスの方。あ、死んでしまった愛娘のアリスね、人間の」
ジュン「え?」
真紅「え?」
ローゼン「ジュン君も気をつけておきたまえ、酒に溺れた上での若さゆえの過ちが自らの人生の先行きを…」
ジュン「いや、あの…? ローゼンさん? 何の話をして…?」
ラプラス「大人には色々あるのですよ、坊ちゃん」
真紅「聞きたくなかった話を聞いてしまったようだけど、それじゃあ、あの炬燵は?」
炬燵「コタコタコタコター(笑)! 届け私の生爪スプラッーーーシュ!」ずばずばーん
蒼星石「ぐわーっ! 何だこの飛び道具はー!?」
翠星石「誰です!? 誰の能力なんですー!? この爪を飛ばす攻撃はー!?」
炬燵「金糸雀だ!」
雛苺「そんな…、カナはこんな技を隠し持っていたの…?」
真紅「お父様! 脇役メイデン達が時間を稼いでいる間に、本題を! あの炬燵の誕生の秘密とか、弱点とか!」
ローゼン「うーん、いやまあ…、そのねぇ…」
ジュン「歯切れが悪いですねローゼンさん。酔った勢いでアリス(娘)こしらえた事実よりも言いにくいことですか?」
ラプラス「…私がお父様に代わり説明いたしましょう」
真紅「あなたが? ラプラスの魔?」
ラプラス「はい。実は、その昔のアリスゲーム黎明期のこと…お父様は反省されたのですよ、色々と」
ジュン「なるほど。娘達の人生経験のためとはいえ、アリ
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- :-:2015/12/22(火) 22:55:45
- ゲロまみれの薔薇乙女達…正直興奮する。
- :-:2015/12/22(火) 23:03:32
- ノロはマジでアカン。
本当は牡蠣だけのウイルスじゃないからどこにいてもおかしくない、そして消毒にはアルコールでは不十分。次亜塩素酸を含む消毒液を撒かねばならない。
つまりジュンはこのあと、ノロに汚染された空き地を柄杓で次亜塩素酸液ぶちまきながら練り歩くことになる。哀れ。
- :-:2015/12/22(火) 23:29:04
- 蒼☆星☆石って遊☆戯☆王っぽい表記で面白い
クリスマスが迫る中今年はゲロまみれノロまみれでドール達が終わるのかと考えるとマジで悲しくなってきた(しかし爆笑してる)
真紅はなんだかんだで最後にはやってくれる感じある。主人公っぽい。
- :-:2015/12/22(火) 23:51:39
- 生爪スプラッシュってただのタスクじゃねえか!
つまり金糸雀はジョニィだった…?(名推理)