この広い宇宙には我々が知らないだけで、さまさまな世界がきっとあるはず。イタリアの建築家であり工業デザイナーであるルイジ・セラフィーニ(1949年生まれ)は、1976年から1978年の間、30ヵ月かけて、我々の住む世界と少し似ているがよく見るとまるで違う異世界に関しての百科事典を作り上げた。
約360ページものその本は、その世界の言語により、未知なる世界の生態系や技術、文化、食生活、スポーツなどなど、その詳細が挿絵を使いながら事細かにつづられている。
Deciphering the Secrets of Codex Seraphinuanus
コデックスは11の章に分けられ、2つの節に分けられる。最初の節は自然界を記述しているように見え、動植物と物理学が扱われている。第2の節は人文科学、人間の暮らしにおける衣服、歴史、料理、建築などが扱われている。各章に分けられたテーマは以下のようなものがある。
第1章 異世界の植物相。奇妙な花、自ら根を持ち上げて移動する木。
第2章 異世界の動物相。馬、カバ、サイ、鳥類などの超現実的な変種。
第3章 動物や植物とは独立した生物界であると思われる奇妙な二足歩行の生物。これらの生物は明らかに各種目的のため人工的に作り出されている。
第4章 物理学と化学のような何か。最も抽象的で不可解である。
第5章 奇怪な機械と乗り物。
第6章 いろいろな人文科学の研究。生物学、性、各種の先住民、植物の生態の例や人体に直接移植された工具(ペンやレンチなど)。
第7章 歴史学。重要性の不明な多くの人々(幾人かは人間であるかどうかさえ不明瞭な)が生没年とともに示されている。多くの歴史的に(おそらく宗教的に)重要なシーンや葬儀の習慣など。
第8章 コデックスを記述する異世界の書記体系の歴史。
第9章 食物、食事の作法、および衣服。
第10章 奇妙なゲーム(カードゲームやボードゲームなど)と陸上競技。
第11章 建築。
挿絵にはセラフィーニが創造した、超現実的な世界観が描き出されている。出血する果実や 椅子のような形に成長する植物、 ワニに変態する男女などだ。地図や人間の顔などのわかりやすい挿絵もある一方で、とくに「物理学」の章では、極めて抽象的な挿絵が多い。すべての図は鮮やかな色で詳細に描き込まれている。
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書記は、アルファベットに少し似ているが、はるかに曲線が多く、外見は草書体のグルジア語によく似ている。いくつかの文字は語の先頭や末尾にのみ現れる。
この特徴はセム系言語の書記体系と共通している。数十年に渡りコデックスの言語の解読に成功した言語学者は表れなかった。
しかしながら、ページ数に使われている記数法はAllan C. Wechsler とブルガリアの言語学者Ivan Derzhanski によって(明らかに独立に)解明された。記数法は21進数の変種である。2009年、セラフィーニ自身によってコデックスに使われている言語の背後に隠された意味はないことが明らかにされた。
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via:visualmelt・mentalfloss・wiki
ヴォイニッチ手稿とはまた違った趣があるよね。
この本は長年絶版になっており稀少で高価だったが、2006年、イタリアで改訂版が発売された。新しい挿絵と著者による「序文」付きで日本ではアマゾンで\16,336で購入することができる。それでも十分高いけどちょっと欲しいなこれ。
Codex Seraphinianus
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コメント
1. 匿名処理班
想像力を働かせてこういったものを作り出したのだろうけど、
結局は自然界にあるものをアレンジしたものばかりになってるね
やはり自然はすごいってことかな
2. 匿名処理班
ヴォイニッチ写本みたいだな
3. 匿名処理班
なんつーか、想像力(創造力?)豊かで羨ましい〜!!
丁寧で綺麗。
4. 匿名処理班
ヴォイニッチ手稿…いや、何でもない。
5. 匿名処理班
ほんとヴォイニッチ手稿だよね!
6. 匿名処理班
病的さではヘンリーダーガーの方がすごいもんあるけど
7. 匿名処理班
ピクミンがいた!(笑)
8. 匿名処理班
遺伝子組み換えやクローン技術って感じがする
それらの理論が広く知られるようになった頃だったのかな
9. 匿名処理班
ドロヘドロの世界観みたいでおもしろい
10. 匿名処理班
もしかしたら、今自分たちが使ってる文字も、最初はこんな感じのデタラメな落書きかなんかだったって可能性があったりするのかな?
11. 匿名処理班
ワニってオトナな生き物だったのね
12. 匿名処理班
コメントでも出てるけどこれ100年後とかにヴォイニッチと同じ扱い受けるんじゃないか?
13. 匿名処理班
ゲーム方面では割と需要がありそうなデザインですね
14. 匿名処理班
ヴォイニッチ手稿もこうして書かれたのかな、と思ってたら本文でもコメ欄でも挙げられてた。考えることは同じか。
15. 匿名処理班
アウトサイダーの方の作品は
一見無秩序な世界の中に、彼らなりの秩序があったりするけど、
ルイジさんのは秩序の中に無秩序を組み込んでいる感じかな。。。
16. 匿名処理班
ワニんところとか見ててこういう脳みそ持ってる人が、ムカデ人間とかセイウチ人間とか考えるんじゃないかなと思った
17. 匿名処理班
>ヴォイニッチ手稿
ふむ、あれはホンマ物の他の星の辞典的な物かも知れんて
18. 匿名処理班
色彩がイタリア的だと思った。
19. 匿名処理班
これは、作る人超たのしそう。
20. 匿名処理班
服装のデザインがこの世界の自然の意匠を踏襲してるとことか好き