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花陽
kayos

1: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:16:51.22 ID:Hy+HaFex.net
※クロマティパロ

――

花陽「…さてと」


花陽「1年たってアキバ関係のサイトも増えてきた」

花陽「ネットブームもいまだ冷めやらず…といったところ」カタカタ

花陽「今までは自分の好みで特定のサイトしか見てなかったけど」

花陽「これからはどんどん場を広げていって色んな所におジャマしてみたいと思っている」

花陽「どれ…ちょっと新しいトコにご挨拶してみようかな」

―アキバチャットルーム―

花陽「うむ、ここがいい。私にうってつけのタイトル」カチッ

2: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:19:14.01 ID:Hy+HaFex.net
花陽『みなさん初めまして!わたくしライスKHと申します』カタカタ

花陽『秋葉原歴はけっこう長く皆さんとも仲良くなれるかな~~なんて思います』

花陽「カッコ笑い…と」カタッ


花陽「…」

3: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:24:47.39 ID:Hy+HaFex.net
『ライスKHさん、はじめまして!管理人のミナミと申します』

『秋葉原歴が長いんですか?私たちはアナタのような人を待っていたんですよ!』

『これからもどんどん書き込んでいってくださいね!』


花陽「…」


『>ライスKHさん アキバ仲間だ!常連のNICOです』

『じゃあ、モエ系はお手の物ですね?』


花陽「…?」カタカタ


花陽『あの…すいません…… モエ系ってなんですか?』

4: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:30:07.69 ID:Hy+HaFex.net
花陽「…え!?」

NICO『またまた~しらばっくれちゃって…』

NICO『それ野球ファンが ホームランって何ですか? って聞いてるようなモンですよ?』


花陽「…っ!」カタカタ

花陽『いや…ちょっと待ってください』

花陽『本当に何も知らないんです…パソコンマニアなのでアキバにはよく行くんですが…』


NICO『「私はパソコンマニアだから」っていうのはよく言い訳に使う手だよねw』

NICO『私も親には普通に言ってるから、安心して! >ライスKHさん』


花陽「な…」

5: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:33:00.42 ID:Hy+HaFex.net
NICO『いや、だからさぁ…ライスKHさん?多少うしろめたいのはわかるよ…』

NICO『だけどここはインターネットだしもっと素直になれば?』

NICO『そこまでしてウソつかなくてもさぁ』


花陽『い、いやですから…本当に私は何も…!』


NICO『つーかさ、コイツ荒らしだよ。もう相手にするのよそう』

花陽「な、なぁ…!?」

6: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:35:35.94 ID:Hy+HaFex.net
ミナミ『管理人のミナミです。ライスKHさん、アナタをどうこう言う気はありませんが』

ミナミ『ここはいったん退室していただけないでしょうか?』



花陽「……!!」


花陽「い…………一体モエって何………?」

7: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:42:16.80 ID:Hy+HaFex.net
―翌日

花陽『先日は失礼いたしました』

花陽『で、あの後私は秋葉原に行きまして…モエ系商品を一式購入してまいりました』カタカタ

凛「…」

花陽『これでどうにかモエの意味が分かりました。漢字で 萌え と書くんですね』

花陽『まあなんとなく趣旨はつかめました』

花陽『実は秋葉原が変貌しつつあったことは薄々感づいてはいたのですが…』

花陽『あそこまでとは…これも時代の流れでしょうか…』

花陽『私も秋葉原人である以上、秋葉原に根付いたこの萌えという文化を探っていきたいです』


ミナミ『ミナミです。萌えを知らなかったのは本当だったんですね…(・8・)』

ミナミ『まあ、これも何かの縁だと思ってますから、あまり堅くならずに語り合っていきましょう!』


花陽「…」


花陽『わかりました。で、店員さんに見繕ってもらって』

花陽『「アライズ戦記」という小説を買いました。今から読んでみたいと思います』カタカタ

9: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:46:51.11 ID:Hy+HaFex.net
花陽「…とりあえず読んでみよう」パラパラ

―時は西暦20XX年 世界戦争真っ只中のとある女子校が物語の舞台…

―UTX学院に通うツバサとアンジュは今年で3年生

―就職か進学か…重大な選択を迫られていた



花陽『あの…1つ疑問なんですけど…』

花陽『なんで女子校じゃなきゃいけないんですか?』

10: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:51:18.69 ID:Hy+HaFex.net
NICO『そーゆートコはどうでもいいのよ…あんまり細かいこと気にしてると楽しめないからサクッと読んだ方が良い』

花陽『わかりました…』カタカタッ


―1時間後


花陽「…………」

花陽『大変興味深く読ませていただきました』

花陽『特にツバサのもとに召集令状が来る場面は胸にぐっとくるものがありました』

花陽『そして年老いた祖母の面倒を見なくてはならぬツバサの身代わりに戦場へ行くアンジュの並々ならぬ決意と行動は圧巻です』

花陽『…というのが私の感想ですが…』カタッ

12: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 03:56:29.98 ID:Hy+HaFex.net
NICO『いや…あのさ……そんなトコはどうでもいいのよ。まだ萌えの読み方ってヤツがわかってないね』

花陽「……」

花陽『ま、とりあえず続きが気になります…次巻はいつ発売なんでしょう?』


NICO『だーかーらー!続きなんかどうでもいいんだって…』

NICO『もう一度萌えの神髄とは何かはじめからしっかり勉強してほしいな。ちゃんと考えをまとめてから書き込んでくださいよ』

花陽「……」


花陽「ま、まぁ気を取り直して…NICOさんが言うには』

どぎつくない爽やかなHが少々…しかしストーリーはしっかりしている

けど ストーリーは実はどうでもいいらしい… 続きも…


花陽「どういうことなのソレ!?!?」ダンッ

13: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:01:53.81 ID:Hy+HaFex.net
花陽「アンジュは一体どうなるの!?ツバサのおばあちゃんの病気が心配でならない!!続きがすっごい気になるッ!!」


―――

希「よーしみんなで回転寿司よ~!」

絵里穂乃果海未「おーっ!」

希「あ、その前に…」

希「えりち、おばあちゃんの見舞い行かなくていいの?」

絵里「いや…回転寿司のほうが大事だし…」


海未「あなたは最低ですっ!!!」バチンッ

14: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:05:46.26 ID:Hy+HaFex.net
――

穂乃果「最近さ、あの番組手抜いてない?」

ことり「ああ、あれ?」

真姫「最近っていうか…最初から手抜いてない?」

真姫「もうやめればいいのに」

穂乃果「ほんとなんていうか…見てるだけで…」

バチンッ

海未「つまらないなら…見なきゃいいでしょう」

海未「以上です」


真姫「さすが海未…一言であっさり片付けるとは」

ことり「うん…当たってるだけに何も言い返せない…」

15: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:08:21.30 ID:Hy+HaFex.net
――

花陽「……で」

花陽「先週から私はこの『萌え系』の世界に足を踏み入れてしまったワケで」

花陽「その第一歩となった作品がこの『アライズ戦記』という萌え系ノベルス…」

花陽「巷では略して『アラ戦』と呼ばれているらしく、上級者向けで初心者にはハードルが高いそうだが、ここから萌えに入る人も多いと聞く…」

花陽「簡単にあらすじを説明しよう」


凛「……」

16: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:13:42.18 ID:Hy+HaFex.net
―時は西暦20XX年 世界戦争の真っ只中 とある女子校が舞台

―私立UTX学院に通う主人公・アンジュは極普通の女子学生…

―そして親友のクラスメート ツバサ…

―彼女は病弱な祖母と二人暮らしであった

花陽「だが、祖母を看病しながら学校へ通う健気なツバサのもとに…ある日、ついに召集令状が届いてしまう」

凛「」

―人1倍面倒見のいいアンジュは悲しむツバサを気遣って…

―ツバサの身代わりに戦場へ行く決意を固めていた…

―もちろん身代わりがバレてしまえば軍法会議にかけられる危険性もある

―そんなリスクもかえりみず、ツバサのために戦場へ向かうアンジュであった


花陽「…これが大まかなあらすじ」

17: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:16:57.13 ID:Hy+HaFex.net
凛「……」

花陽「まあ、誰もいないところでこんな解説などしても意味無いかもしれないけど」

凛「…」

花陽「今説明したように、この作品はとてもクオリティが高い」

花陽「最初は萌えに対しかなり偏見を抱いていたけど……いざ読んだらとてもハマってしまった…」

花陽「俗に言う食わず嫌いってやつかも…果たして戦場に行ったアンジュはどうなるのか…」

花陽「私はこの続きが気になって、ご飯もノドを通らない毎日…」

18: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:19:44.73 ID:Hy+HaFex.net
―アライズ戦記 最新刊発売日


花陽「…」ダッ

凛「」ダッ

花陽「……」ダッ

凛「」ダッ

花陽「…………ッッ!!!」ダッ

凛「」ダッ


花陽「ア…アライズ戦記を……………」

店員「ハ…ハア」

19: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:22:02.93 ID:Hy+HaFex.net
――

花陽「う~~む…これでやっとアライズ戦記の続きが読める」

凛「…」

花陽「アンジュは一体どうなったのか?親友のツバサは?そして病弱なツバサのおばあちゃんは?」

花陽「気になることが山ほどあって待ちわびたよ…」

花陽「……ではさっそく」パラパラ



―1時間後


花陽「………………………」

20: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:25:40.07 ID:Hy+HaFex.net
花陽 「 アンジュが敵地で歌手デビューしてる……!! 」


凛「……」

花陽「ちょ…ちょ……待って!!それはないでしょいくらなんでも!!」

花陽「何の脈絡もなくいきなり歌手デビューって話の流れもヘッタクレもないじゃん!!」

花陽「これはひどすぎる…今までの感動がすべて台無し…」

―アキバチャットルーム―

花陽「…たぶんここでもブーイングの嵐かな」カチッ

花陽「こりゃみんな相当文句言ってるだろうなぁ…こんなバカげた展開なんだから怒るに決まって…」カチッ


花陽「……………え」

21: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:30:28.49 ID:Hy+HaFex.net
『アライズ戦記読みました(^^)/ すっごくおもしろかったです。意外な展開がグッド!!』

『歌手デビューってのは思わぬ展開でしたね。さすがに予想できませんでした。でもその意外性がサイコー!早く続きが読みたいです』


花陽「………」

花陽『どうも…みなさんお元気ですか?萌え初心者のライスKHです』カタカタ

花陽『私はみなさんと全く違う感想で…非常にガッカリしました』カタカタ

花陽『なぜみなさんはこれで大絶賛なのですか!?おかしいですよ!!これじゃまるでギャグマンガじゃないですか!!』カタカタ

花陽『しかも続きが読みたいって…前は続きなんかどうでもいいとか言ってたじゃありませんか…?』カタカタ

花陽『むしろ私はこんなふざけた展開ならば続きなんか読みたくありません!!』カタンッ


花陽「…ん?」

22: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:34:58.45 ID:Hy+HaFex.net
『>ライスKHさんへ いや、おかしな展開だとは全然私は思いませんが…?むしろ、待ちに待った展開ですよ!』

『まったくもう…いるよね。重箱のスミつついて、鬼のクビ取ったように批判ばっかしてるヤツ。正直言ってうざい』

花陽「…え? いや…そんな…」

花陽『だって変じゃないですか!!戦争に行った人がいきなり歌手デビューしちゃうんですよ?そんなの有り得ないじゃないですか!!』カタカタ


『いや、有り得ないって言われても…(汗) 小説とかマンガって、全部作り話ですよ?』

『たとえばさ、親指姫だって現実には絶対有り得ない話でしょ?そういうのイチイチ文句言うんですか?』

花陽「ぐ……」

『そんなコト言うんなら、自分で本書いてみろよ!ブーブー文句言うだけなら簡単だよな!』


花陽「………………」

花陽「……ん?」

23: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:39:27.02 ID:Hy+HaFex.net
ミナミ『どうも、管理人のミナミです。ライスKHさん…これはフィクションなんですから、あまり目くじら立てずに楽しんで読みましょうよ』

ミナミ『そもそも、女子高生が戦争に行くコト自体おかしな話でしょ?違います?』

ミナミ『でもライスKHさんも、以前そのカベを乗り越えてアラ戦を楽しめるようになったじゃないですか…これくらい許容範囲ですよ』

花陽「……」


花陽『ミナミさん どうもです。温かい言葉ありがとうございます』カタカタ

花陽『確かに私が少々大人気なかった気もします…それだけアラ戦を愛してる証拠かもしれませんね』カタカタ


ミナミ『そうそう、かわいさ余って憎さ百倍ってやつですよ。ココに来てる人たちは、みんなアラ戦を愛しているんです』

ミナミ『広い心を持って楽しみましょう!!』


花陽「…」

24: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:43:32.46 ID:Hy+HaFex.net
花陽『ありがとうございます。おかげでアラ戦を読み続ける勇気が湧いてきました』カタカタ

花陽『おっしゃるとおりですね…よく考えて見れば歌手デビューして華やかになる方が、戦争という暗いイメージを中和してくれますし』カタカタ

花陽『ただひとつ…私が気がかりなのはツバサのお婆さんです』カタカタ

花陽『あの病弱なおばあさんが元気でいてくれさえすれば…私は何も文句はありません』カタッ


ミナミ『ああ、それは私も同じ考えですよ。他の人もみんな同じだと思います』

ミナミ『そうですよ!!何と言ったってこの物語はお婆さんがとても重要ですからね!』


花陽「…うん!」

25: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:46:44.04 ID:Hy+HaFex.net
花陽『そうですね!!じゃ、アライズ戦記の次の巻を楽しみに待ちましょう!!』カタカタ

花陽『今からワクワクします…(笑) では、また!!』カタッ



―数ヵ月後

―アライズ戦記発売

ミナミ『>ライスKHさん その後アライズ戦記はどうですか?』



花陽「いや……お婆さんも歌手デビューしてるんですが………」ズーン


おわり

26: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 04:47:32.37 ID:Hy+HaFex.net
―なお、このことから花陽はアイドルなどに興味を持ったらしい……


ほんとにおわり

30: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:23:49.26 ID:Hy+HaFex.net
―オトノティ高校

絵里「…」

絵里「で、来てしまったわけよね…」


前略 おばあさま

晴れて私はオトノティ高校へ入学できました…

一日も早く 学校に慣れて 健やかな学園生活を送りたいと思います


………ですが

31: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:27:23.39 ID:Hy+HaFex.net
…見慣れない人たちに囲まれて いささかとまどっています………


「ちょっと、金返してくんない?」

「は?前に言ったじゃん。あとちょっとで必ず返せるって、約束したの忘れた?」

「約束ぅ?んなもん知らないわよ!!」ガッ


「オラ、早くしろ!」

「おーい、パンと牛乳買って来てくんない~?さっさとしろよ!」ドンッ


絵里「……」プルプル

悪そうな人だらけだ…女子校とは思えない。鉛筆を持つ手も震える。

絵里「あっ」ツルッ


カコンッ

32: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:32:13.10 ID:Hy+HaFex.net
「…」スッ

絵里「あ、ありがとう…」

なんだ…中には親切な人も…


「…」ヒョイッ

絵里「(な!?)」

絵里「ちょ、ちょっとそれ私の…」

「…」クルクル

「ッ!」ガチンッ


え…鉛筆を噛んだ…何がしたいのよこのツインテールは…

33: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:35:22.21 ID:Hy+HaFex.net
絵里「………」ガラガラ

とりあえず鉛筆を大量に用意してみた。


「……」スッ

「…ッ」ガチッ

「………」プルプル


か、噛んだ…やはりタダの女子校ではないッ!!っていうかこれワルとか不良とかそういう問題じゃない気も…するけど…

34: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:41:06.52 ID:Hy+HaFex.net
―自慢話大会

「ウチ、中学ん時からほんっとワルって感じだったのよね~」

「ふ~ん」

「とにかく手がつけらんねーって言われて…『一中の火の玉』って呼ばれてたかな」

「す、するとアンタが伝説の!?」

「まぁね」


「ウチは…ワルっちゃワルだったけどケンカはしてないね」

「え?何ソレ」

「いや…見た目的にゴツいからって相手がビビってケンカ売ってこないのよ」

「そういやアンタ身長177なんだってね…」

35: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:44:54.14 ID:Hy+HaFex.net
「私は…そうだな……毎日毎日ケンカばっかだったし、5対1で勝ったこともある」

「で、アダ名は?」

「…え?アダ名?……えー………」


「特に無かったが…」


「じゃ、ダメ」

「ちょ、ちょっと待て!別にアダ名なんか無くてもいいだろう?!」

「いや無いと全然怖くないじゃん。四中の南とか東條とかじゃ全然怖くないし」

「矢澤はカッコいいけど…」

「まぁ全然普通だよね」

36: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:46:57.83 ID:Hy+HaFex.net
「ま、次回よろしく」

「次回って何だ?!」


「ところで、アイツはどうなの?」チラッ

「…え?」


「オイ絢瀬ェ!!!」ガンッ

絵里「あいた」

37: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/24(金) 23:52:21.51 ID:Hy+HaFex.net
絵里「何ですか…」

「ほら、アンタも中学ん時アダ名くらいあったっしょ?『アホ』とか『ポンコツ』とか」

絵里「中学の時は『エリーチカ』って…」

「エリーチカ…?ってそれアンタのロシア名だ!!アダ名じゃねえ!!」

?「悪いことなんかしたことないんやない?」

絵里「え、ええ…まあずっとマジメに生きてきたし…」

絵里「けど、そんな私でも一度だけ悪いことをしたことあります…」

「どうせアンタの悪さなんて大したことないわよ…」

絵里「いや、まあ本当に大したことないけど…」

38: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 00:23:43.67 ID:DcoVGh6Z.net
絵里「まあ、異常に買い物好きの子がいて…」

それで、その子によくショッピング誘われてて…

よく私は表参道でショッピングをしていたりしたけど、その子は何故かブランドのこだわりが強いの。


「ああ、あれね。『え~?○○とかだっさ~』ってよく言ったり通ぶる子。いるよね」


まあ、ある日…いつものようにショッピング誘われて、こう言われたの。

『今日は~商品券い~~~っぱいあるの~!これも私のと~っけんってやつよねぇ~』


絵里「ハートマーク浮かべる感じの笑顔だったわね…」


で、その子ね、いつも商品券で買い物してたわけだから、現金持ってないわけよ。


?「ま、まさか商品券を奪ったとか…」

39: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 00:32:06.46 ID:DcoVGh6Z.net
絵里「いやいや、そこまでしないけど…」

?「だ、だよね…驚いちゃうやんか」


…で、実際奪ったけど……


?「奪ったの!?」

絵里「いや、まぁ…あの子自体ブランドにうるさすぎるのよ。私の靴にケチ毎回付けてきたり情弱呼ばわりしたり…ちょっとイラついちゃって」

絵里「で、でも返したわよ?」

?「あ~…それならいっか」



絵里 「 全部の券に 『見本』 って書いてね 」



絵里「ちょっと顔色悪かったわね…まあこの程度の悪さだし大したことないだろうけど…」


「いやアンタとんでもねえワルだよ!!?」

40: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 00:37:16.17 ID:DcoVGh6Z.net
―数日後

絵里「うっ……全然なじめない……」


おばあさま 相変わらずココの雰囲気には馴染めません。

しかし……ひとつ、馴染む方法はありました。

実は不良の世界には『高校デビュー』というものがあるらしく

フツーに中学校生活を送っていた人でも不良に馴染めるというものらしいのです。


―レッスン①

不良というのはまず見た目が重要なんです。

ケンカが苦手な人でも見た目を変えることは簡単に出来るはずです。

パンチパーマやリーゼントがベストですがお金がかかるし手入れも大変です。

スキンヘッドという手もありますが、童顔の人は野球少年に見えてしまったり、女性には不向きだったりします。

まずは髪を金髪にすることを目標としてみてください。


絵里「…」

41: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 00:41:33.65 ID:DcoVGh6Z.net
絵里「もう既に金髪なのだけど、これでいいのかしら…」


眉間にシワを寄せるとそれっぽくなります。

絵里「…」グワッ

絵里「こ、こうかしら…それにしてもすごいわね…これだけで…」


絵里「特に何も変わってない…」

42: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 01:09:44.29 ID:DcoVGh6Z.net
―レッスン②

たぶんアナタは強くなった気でいますが、それは錯覚です…


絵里「いや、だから変わってないんだけど」


―レッスン③

ボタンは必ずはずしておくクセをつけましょう


絵里「・・・」パチッ

中にワイシャツを着てはいけません


絵里「なっ・・・//」


絵里「いや・・・仕方ないわね」ゴソゴソ

43: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 01:13:36.81 ID:DcoVGh6Z.net
―レッスン④

カバンには鉄板を入れておきましょう。いざという場合に役立ちます。

絵里「・・・」


―レッスン⑤

昔友達だったマジメな人たちとはスッパリと切って下さい。

仲間だと思われたらすべてバレてしまいます。

絵里「これは少々きついわね・・・」

どうしても出来ない場合はカゲでこっそり会ってください。

―レッスン⑥

フラフラと、不良のようにダラダラ歩いてください。ガンをつけられたら睨み返しましょう。


絵里「・・・」ガタッ

絵里「・・・」フラッ フラッ


絵里「ッ!!」ギッ

44: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2015/07/25(土) 01:16:13.32 ID:DcoVGh6Z.net
最終レッスン。

ここまでくれば高校デビューまであと一歩。


―レッスン⑦


『以上のことを入学前にすませておいて下さい』


絵里「・・・え」


おわり