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花陽
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1: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:11:25.22 ID:t/tfeDk1.net
花陽「ん~♪ この香り♪」

花陽「素晴らしいです……。素晴らしすぎますっ!」

花陽「なんでお米ってこんなにいい匂いがするんだろう~♪」

花陽「勉強に集中できなくなってきたから、気分転換で明日のおにぎり握ったけど」

花陽「夜食で食べてしまいそうです……」ゴクリ

花陽「なんで自分の部屋に持ってきちゃったの、私……!」

花陽「一個だけなら……」ラップハガシ

花陽「はっ! ダメです!」プルプル

花陽「夜食はお腹周りの敵!」

花陽「最近、また体重が増えちゃったから、絶対ダメなんですっ!」

花陽「じー……」グルルル

花陽「べ、勉強の続きやらないと!」

3: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:12:30.24 ID:t/tfeDk1.net
花陽「えっと、Xが……お米で……Yがお米……。よって解はおにぎりっ♪」

花陽「ああぁぁ……集中できないよぉ……」

花陽「数学は、とりあえず置いといて、社会を先にやろうかな」

花陽「……米騒動……」

花陽「しゃ、社会も後回しですっ! 現代文を先に……」

花陽「文字が全てお米に見えるよぉ……」

花陽「誰か助けてぇぇ!!」

OKM10048粒「こんばんわー!」

花陽「ピャア!?」

5: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:14:18.40 ID:t/tfeDk1.net
花陽「えっ? えっ?」

OKM10048粒「声が小さいぞー! こんばんわー!」

花陽「こ、こんばんわっ」

OKM10048粒「よくできました!」

花陽「テレビ……じゃないし……」

花陽「外にも誰もいない……」

花陽「だ、誰……ですか?」

OKM10048粒「私達を知らないとは、おっくれってるー!」

OKM10048粒「改めて、紹介いたします」

OKM10048粒「私達、お米そのもの! OKM10048粒でーす!」

花陽「お米がシャベッチャッタノォ!?」

6: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:15:47.72 ID:t/tfeDk1.net
花陽「えっと……喋っているのはこの一番大きなおにぎりかなぁ?」

花陽「10048粒……うん、これだね」

花陽「ど、どうしてお米が喋っちゃってるの?」

OKM10048粒「それは、あなたが、お米を愛しているからだよっ♪」

花陽「ああぁぁ……」フラフラ…ストン

花陽「ううっ……私の愛が、ちゃんとお米に届いていたなんて、気付いてくれていたなんて……感激です……!!」

花陽「一方通行で構わない。それでもいいからずっと愛し続けてきました」

花陽「そ、それが今まさに報われました……!」

OKM10048粒「なんか重いよ……」

7: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:19:33.74 ID:t/tfeDk1.net
花陽「ああぁぁ……お米さん……」ムンズ

OKM10048粒「え? ちょ!」

花陽「どうですかっ? 今日の炊け具合は完璧ですかっ?」パクッ

OKM10048粒「ぎゃあああああ!!!!」

花陽「今日もおいしくなるように、一杯私の愛情注ぎ込んだからねっ!」パクッ

花陽「ああ……ずっと見つめていたい。ピカピカのお米……!」パクッ

OKM5000粒「お、落ち着いて!!」

花陽「私はずっと落ち着いてるよ? でも、少しだけ嬉しくなっちゃってるかも♪」パクッ

9: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:21:52.28 ID:t/tfeDk1.net
花陽「ねぇ、あなたは、あなたは私のことを愛してくれていますか?」パクッ

花陽「今までずっと聞きたかったの。でも、もし嫌いだって言われたら立ち直れないから」パクッ

OKM1000粒「いやああああああ!!!!!」

花陽「でも、それでもいいんです」パクッ

花陽「あなたが私のことに気付いてくれたのなら!」パクパクッ

OKM「」

花陽「……う~ん♪ おいしかった! ごちそうさまです!!」

花陽「今日のお米は一段と格別だよぉ!」

花陽「はっ」

花陽「ああああああぁぁぁぁぁ…………!!」

花陽「い、いつの間にか、食べちゃった!!」

花陽「ま、また……太る……!」

花陽「あ、頭を使って、糖分を消費しないと!!」ペラッ

花陽「いける……っ! いけます! 文字がお米に見えない!!」

花陽「なぁんだ。最初っから我慢してたからいけなかったんだね」

花陽「食べて、消化すればいいだけの話だったんだよ!」

花陽「えへへ♪ さぁやるぞーっ」

12: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:25:17.29 ID:t/tfeDk1.net
お米「ちょっと!」

花陽「ピャア!!」

お米「あんたねぇ~!!」

花陽「お、お米さん……? 残りのおにぎりも喋れるのかなぁ?」

お米「違う! こっちよ! あんたの頬っぺた!!」

花陽「あ! 一粒付いてる!」

お米「口に運ばないでね!! ちょっとお皿に置きなさい!!」

花陽「あ……はい……」

お米「そんな恨めしそうな顔で見ないで!」

15: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:28:28.70 ID:t/tfeDk1.net
花陽「えっと……なんでしょうか……?」

花陽「早く食べないと乾いてカピカピに……!」

花陽「それでもお米はおいしけど」

お米「話に聞く限り、あんたダイエットしてんじゃないの?」

花陽「はうぅ!!」

花陽「だ、大丈夫です! その分、動けばいいんです!!」

お米「あなた知ってるの? 500カロリー消費するのがどれだけ大変か」

花陽「うっ……」

お米「大体ジョギング50分よ? あなた、今どのくらい食べたのかわかってる?」

花陽「えっと、おにぎりはそんなにカロリーが高めじゃないから……300カロリーくらい?」

お米「700よ」

花陽「そ、そんなに……!」

16: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:31:04.25 ID:t/tfeDk1.net
お米「おにぎりで700って相当よ。どんだけでかいおにぎり食べたのさ」

花陽「え? さっき食べたのは小さめだよ?」

お米「普段どんなもん食べてんのよ!!」

花陽「私の顔と同じ大きさくらい?」

お米「おにぎりのバケモンじゃないの!!」

花陽「新米の時は、その1,5倍くらい食べてます!」エッヘン

お米「あなたの胃袋はブラックホールなの!?」

花陽「どうせならお米のように真っ白いホワイトホールがいいなぁ……」

お米「意味合いが変わってくるでしょ!!」

17: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:33:27.72 ID:t/tfeDk1.net
お米「はっきり言っておくけどね」

お米「お米はあなたのこと嫌いよ!!」

花陽「ええええええぇぇぇぇ!!!!!!」

お米「きっとそうに決まってるわ」

花陽「な……なんで……」

お米「嫌いだから嫌いなのよ!!」

花陽「ううっ……。お米……お米ぇ……」

お米「……た、多分だけどね!!」

花陽「!!」パァァ

お米「そんなの知らないわよ! でも、これだけは言っておく」

お米「私はあなたが嫌い!!」

花陽「ああぁぁ……ううっ……」

お米「同胞を食べといてよくそんな反応できるわね!!」

花陽「うう~……」

お米「くっ……! なんなの?! 何この子! やはり天使なの!?」

お米「悲しんでいる顔はみたくないと頭が働きかけるわ!!」

18: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:34:41.92 ID:t/tfeDk1.net
お米「嫌いだけど、嫌いじゃない……かも」

花陽「普通ってこと?!」

お米「ま、まぁそうなるわね……」

花陽「お米さん!!」

お米「なによ」

花陽「私、好きになってもらう為に、たくさん努力するからね!!」

お米「べ、別にそんなことしてもらわなくてもいいわよ」

花陽「私、がんばるっ!!」

お米「くっ……天使め……!!」

19: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:35:41.71 ID:t/tfeDk1.net
お米「そ、そうだ、あなた! 勉強してたんじゃないの?」

花陽「あ! そうでした! 明日の宿題やらなきゃ!」

お米「私が教えてあげてもいいわよ」

花陽「本当!? でもこういうのはやっぱり、自分でやらないと為にならないから」

お米「いいからいいから。で、何をやってんのよ」

花陽「ええぇぇ……。数学をやってます」

お米「ふん。なら私が教えてあげましょう」

お米「掛け算を!!」

花陽「さ、算数……」

20: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:36:56.76 ID:t/tfeDk1.net
お米「私ね、七の段、得意!」

花陽「九九……」

花陽(お米さんがポンコツ可愛くて辛いですっ!)

お米「教えてあげよっか」

花陽「え? あ、はい。お願いします」

お米「しょーがないわね~」

お米「いい? 七の段は勢いが大切よ」

花陽「ふむふむ」

お米「メモとかしなくて大丈夫?」

花陽「ちょっと待っててくださいっ」

花陽「はい! 準備できました!」

お米「じゃあ、いくわよ……」

21: 名無しで叶える物語(もんじゃ)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:38:48.32 ID:t/tfeDk1.net
お米「しちいちが、いち」

花陽「ちょ、ちょっと待って!!」

お米「ちょっと、勢いが大切だって言ったじゃない! 止めないでよ!!」

花陽「だ、だって……」

お米「なによ」

花陽「7×1は?」

お米「7」

花陽(ええぇ……。なんで掛け算はできるのに九九はできないんだろう)

花陽(完璧に勢いに負けてます……)

22: 名無しで叶える物語(もんじゃ【21:35 震度1】)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:40:05.14 ID:t/tfeDk1.net
お米「続けるからね。邪魔しないでよ」

花陽「はい……」

お米「えっと、しちいちが、いち。しちに、にじゅうし。しちさん、にじゅうし。しちご、にじゅうご」

花陽(勢いだけしかない……。しちし、ないし……)

お米「しちご、さんじゅうご。しちろく、しじゅうご。しちしち、しちじゅうご」

お米「しちは、ごじゅうご。しちく、ろくじゅうご!」

お米「ふふん♪ どう?」

花陽(はう……。おバカだけど可愛いですぅ……)

花陽「堪能しましたっ!!」

お米「もっと讃えなさい」フフン

23: 名無しで叶える物語(もんじゃ【21:35 震度1】)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:40:55.24 ID:t/tfeDk1.net
お米「そうねぇ。そんなあなたに特別に九の段を教えてあげるわ」

花陽「はう~♪」

お米「特別なんだからね!」

花陽「はわわ~♪」

お米「ちょっときいてるの?」

花陽「可愛い~♪」ヒョイ

お米「え!? ちょっ!」

花陽「可愛すぎて食べちゃいたいです~♪」パクッ

お米「食べてるじゃないいい…………」

24: 名無しで叶える物語(もんじゃ【21:35 震度1】)@\(^o^)/ 2015/07/29(水) 21:42:24.08 ID:t/tfeDk1.net
花陽「う~ん、おいしい~♪ ……はっ! お米さん!?」

花陽「食べちゃった!! ど、どうしよう……!」

花陽「ただのお米を食べただけって考えれば問題ないけど」

花陽「あれはただのお米だったのかなぁ……」

花陽「ううん! きっとお米が食べたすぎて聞こえた幻聴だったんだよ!」

花陽「満足した今、他のおにぎりからは声、聞こえないし」

花陽「きっとそう!」

花陽「さて、勉強して、食べた分消費して、寝よう!」

花陽「って、もうこんな時間!?」

花陽「ああ……ああぁ……ダレカタスケテー!!」


終わり。