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こちらはコメントにて当サイトに直接投稿いただきました記事です
【名無しの鬼女】 さんありがとうございます!

[投稿日時] 2015年12月23日 21:08
■体験談

20数年ぶりに元旦那が…と言うスレがあったけど、私も似たような経験している。
数年前だが、実家に住む兄から私宛に郵便物が届いたから転送した、と連絡があった。兄は郵便物の感じから同級会の名簿か何かと思ったらしい。
届いた郵便物を開封したら一冊の本が入っていた。注文した覚えもない。その本は写真エッセイ?で、色々な風景の写真とそれに関するエッセイとも説明書きとも言えない駄文が添えられていた。写真は所々ピンボケ。とてもお世辞にも素敵だと思える代物ではなかった。
何じゃこりゃ、と著者の名前を見て唖然。10数年前に結婚生活僅か2年で終止符を打った元旦那だった。







元旦那はツーリングと写真が趣味だった。彼とはツーリングが縁で結婚した。暫くは幸せに暮らしていたのだが、ある日元旦那のツーリング仲間の一人が半分冗談で「旦那くん、写真エッセイ本とか出したらいいのに」と言ったのをマジ本気にした元旦那、私に黙ってさっさと会社を辞めて「取材に言って来る」とバイクにカメラ機材と寝袋詰んで、止める私を振り切りどこかに行ってしまった。(しかも家の有り金殆ど持ち出してた)
ブチ切れた私は携帯に「すぐ戻れ。今すぐ戻ってこないとお前の現像の道具全部捨ててやる!」と連絡し、私実家と義実家にも連絡入れて、慌てて戻ってきた元旦那と今後に関する話合い。
元旦那は一貫して「男と言うものは元々ロマンチスト。お前には男のロマンを理解する気が無いのか? 女は黙って家を守っていればいいんだ!」
バカみたいにロマンロマンと連発する元旦那に愛想が尽きた。持ち出した金(殆ど私の結婚前の貯金)を全額返して貰って、元ウトメさんが慰謝料を肩代わりして離婚。子供がいなくて良かった。
別れ際に元旦那は「俺の本が売れて有名人になって、後から悔やんでも知らんからな!ほえ面描くなよ!」と喚いていたが、そんな簡単にド素人の写真集なんて売れるかよ。そうなる前に餓シしてしまうわ。
その後縁あって私は再婚し子供にも恵まれて幸せに暮らしていて、元旦那の事は殆ど忘却の彼方に。そんな中あの本が送られて来たものだからビックリした。
本自体はちゃんと製本されていて(多分自費出版を請け負う所につくらせたのではないかと)奥付には尤もらしい出版社の名前があった。念の為調べてみたけどそんな出版社は存在しなかった。ただ住所は実在するところだったので、おそらくそこが元旦那の現住所と睨みただ「返品」と書いて送り返した。最後のページに挟んであった手紙と共に。
手紙には「やっと本が出来た。金が無くて完成に時間が掛かってしまったが。初版本をいの一番におまえに送る。これで俺もエッセイストとして食っていける。どうだ悔しいだろう。でも俺は心広いからお前を許す。帰って来い」と書いてあった。
先にも書いたが、この本はお世辞にも良いとは言えない。第一ピンボケな写真が多すぎる。昔は写真の腕はそう悪くなかったのに…おそらく老眼かなんかでカメラ操作が上手く行かないんだろうな。文も単なる状況説明か糞寒いポエムで目が滑る。とてもじゃないが売れはしない。と言うか扱う本屋なんてないだろ。

ただ一番最後の写真は私と元旦那が初めて出会った思い出の場所だった。これを見た時は思わず泣いてしまった。瞬間好きだった頃の元旦那への感情が湧きあがったが、手に嵌めた結婚指輪で我に返った。いかん、あいつの策に嵌るところだった。卑怯な手を使いやがって。

本を送り返してからは元旦那からは何も音沙汰がない。たまに兄に何か来てないか確認するが何もないとの事。自費出版に金使い果たして、もしかしたら…。


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