長門「総員!全力を挙げて提督を捜索しろ!」
長門「くっ、2時間もの間我々の司令部施設のあらゆる箇所を捜索しても提督が見つからないとはどういうことだ!」
陸奥「焦らないで長門。 必ず何処かにいるわよ。 きっとね」
長門「そう願いたいものだが……何十人もの艦娘が探しに探し尽くして尚提督の影すら誰も見ていないのだぞ!?」
陸奥「流石に不思議よね。 だけど、前もそうだった……諦めるにはまだ早いわ」
長門「その通りだな……ああ、必ず見つけてみせる、待っていろ提督……!」
霧島「お姉様!」
金剛「比叡!霧島! テートクはいましたカ!?」
霧島「それが……やはり何処にも」
比叡「自販機の裏とか下とかまで見たんですけど……」
金剛「そうデスか……私も同じデース、いつもならテートクのいる場所なんてスグに分かるのデスが……」
霧島「……あ、榛名? そっちはどう?」
榛名『今、演習場を暁ちゃん達と捜索しているところですが……ああ、やっぱりダメみたい。 何度も見落としが無いか確かめているんだけど』
霧島「そう……分かったわ、何かあったら報告して」ピッ
比叡「榛名の方も手掛かり無し、か……」
金剛「……諦めまセン」
比叡「お姉様?」
金剛「諦めまセンよ、1回探していなければ2回探して、2回探していなければ4回探して! 4回探していなければ16回探しマス! 何度でも何度でも! 提督を見つけるまで探し続けマスよー!」
霧島「……やはり頼もしいですね、金剛お姉様は」
比叡「うん……よーし! 私も気合!入れて!行きます!」
金剛「絶対ワタシが見つけますカラ、待っていてヨネー! テートクー!」
木曾「よう天龍、首尾はどうだ?」
天龍「木曾か、残念ながらさっき顔を合わせた時と何一つ変わらねぇよ」
木曾「そうか……俺の方もそんなもん、いや、誰に訊いても同じだろうな?」
天龍「だろうよ、ったく提督の奴何処に姿くらましやがったんだよ」
木曾「それを知るのは提督だけだろうな……俺達に知る術はない」
天龍「んなこた分かってんだよ! 大体お前はどうしてそう落ち着いていられんだよ!?」
木曾「慌てふためく時こそ冷静に、な。 よく言うだろ?」
天龍「そりゃそうだろうけどよ……」
木曾「頭に血が昇ると些細なことも見落とすようになる。 例えばお前が踏んでいる花のように」
天龍「お? おお……」
木曾「次に顔を合わせる時には手ぶらじゃないことを祈るぜ、これでも相当焦っているからな」タッタッタッ
天龍「……冷静に……か、難しいこと言ってくれるな、オイ」
天龍「けどその通りかもしんねえな。 とりあえず今まで探したところをもう一度探してみるか!」
江風「はっ、はっ、はっ、ホントに見つかんのかよ? 鎮守府全域だとすっと、もう探し出すのは現実的じゃ、ねえだろ?」
時雨「それなら大丈夫だよ、鎮守府全域じゃなくてこの司令部の敷地内にはいるはずだから。 それでも充分広いけど」
江風「はっ、はっ、……ちゅーか姉貴は何で息一つ切らしてねぇんだよ……こっちゃヘトヘトだぜ」
時雨「鍛え方が違うから、かな?」
江風「そいつを言われちゃあぐうの音も出ねぇや……」
漣「おーいしぐりーん!アンド小川ー!」タッタッタッ
時雨「漣、どう? 提督は見つかった?」
漣「やーダメだわ、正直諦めたくなるレベルで見つかんないね。 ウォーリーより探すの難しいぜ、これは」
時雨「そっか、これだけ探して皆で情報を共有してもまだ探していない場所があるのかな……」
江風「なー漣サン、毎度毎度思うンだけどその小川ってのはもしかしなくても」
漣「もち、小川こと江風ことカワさんのことだけど?」
江風「やっぱか、もうちょいどーにかなンないの? ってか何で小川」
漣「小っちゃい川内さんっぽいから小川」
江風「せめて呼び捨てるかカワさんにしておくれよ」
時雨「2人共、無駄話してる暇があるなら足を動かすか目を動かそうか?」
時雨「ところで漣、曙は? 一緒じゃないの?」
漣「さっきまではね、でも追い付けないくらい全速だし全力だから分かれた方がいいかなって」
江風「そんなになのかよ……何がそこまであの人を駆り立てるんだ?」
漣「うーん……」
時雨「それはきっと、」
曙「随分、悠長ね、アンタら」ゼーハー
漣「おおう、噂をすればぼのやんだ」
時雨「本当だね……でも大丈夫? 息が上がってる、余程本気みたいだけど」
曙「うっさい、あの馬鹿を、見つけるのは私だから」ゼーハー
江風「いやっ、てか何で薄着……」
曙「走って、たら暑くなって、それで」ゼーハー
漣「汗もすげーよぼのやん……風邪ひくよ? 部屋戻ってコート着てくるか、もう休むかしたらどーよ? どう足掻いたって健康が第一だぜ?」
曙「……流石に体力も限界だし、そうする、後は適当に任せたから」フラフラ
江風「……意外にアッサリ退いたな?」
時雨「流石に身体を壊しちゃ元も子もない、と思ったのかな」
漣「ところでさ、しぐりんはさっき何を言いかけたん? きっとー、何?」
時雨「ん、ああ、それは曙のみが知ることだろうねって、ありきたりなことをね」
第七駆逐隊の部屋へと続く道中??
白露「あれ? 曙? どしたの?」
叢雲「ちょっと、アンタ具合悪いの?」
曙「いや、ちょっと疲れたのと寒いのとで……」
叢雲「そりゃそんな薄着じゃ寒いに決まってるじゃない? 今何月だと思ってるのよ?」
白露「ま、ま、抑えて抑えて。 とにかく暖かくして寝た方がいいよ? 後は私達皆に任してさ」
叢雲「なんなら、アンタの代わりにクソ提督って言ってあげようか?」
曙「はは、頼もしいわね……後はまあ、よろしく」フラフラ
白露「……ほっといて平気かな」
叢雲「眠るだけなら誰にでも出来るでしょ。 でも一応……そうね、潮でも見かけたら教えておこうかしら」
足柄「コラァー! 提督ゥー! 出てきなさーい!」
那智「何だろうな、日曜夕方の国民的アニメを思い出すな」
足柄「何よそれどーいう意味!? ってかアンタも探しなさいよ!」
那智「いや私は……うん? 曙?」
足柄「探すのは曙じゃなくて提督、ってあらホント曙じゃない」
曙「けたたましい声がするかと思ったらアンタ達か……」
那智「……訊くまでもなく顔色が悪いが」
曙「あー……ちょっと冷えてきて」
足柄「おバカねー、そんな薄着でいるからでしょうが! 上着はどうしたの?」
曙「漣に預けたまんま……」
那智「そうするつもりだろうがとにかく身体を温めろ、こんなことで身体を壊していては末代まで笑われるぞ」
足柄「こんなことでなんて言うと他の皆も含めて貶してることになるわよ……あ、身体を温めると言っても物理的に温めるだけじゃダメよ! 生姜湯を飲みなさい生姜湯!」
那智「そうだな、今日はもう寝るといい。 何、提督にはキツく言ってやるさ。 貴様のせいで曙が身体を壊したってな」
足柄「そのためにも早く見つけるわよー! カツあげるから出てきなさーい!」
第七駆逐隊の部屋??
曙「…………」フラフラ
曙「……あー、本格的にマズったかしら、これは」
曙「……でもまあ仕方ないか、一世一代の名演技の結果よ。 前にもした気がするけど気にしない」
曙「どいつもこいつも必死で、本気でアンタを探してる」
曙「見つかりっこないのを知ってると滑稽よね、正直笑いを堪えるのに苦労してたわ」
曙「そんなわけでクソ提督ー、おとなしくしてたー?」クローゼットオープン
提督「ここめっちゃ窮屈なんですけど。 でもなんでか落ち着くんですけど」
曙「ならそこ執務室にする?」
提督「それは勘弁」
曙「まあいいや、しばらく誰も来ないと思うし出てきていいわよ」
提督「あ、そう? そりゃあ助かる」
曙「こたつも電源入れようか」
提督「冷えた身体に最適! おこたー!」
曙「でもあんまり騒ぐな、他の奴らが嗅ぎ付けて来るわよ」
提督「おっと、そうだったそうだった」
数時間前・食堂??
曙「今日イブだけど、今年もやるの? アレ」
提督「アレ? ああ、やるよ、"提督を探せ!"」
漣「ウォーリーかよ」
潮「えっと、何の行事でしたっけ……」
朧「司令部の敷地内のどこかに隠れた提督を探し出すんだったよね。 去年大ブーイングだったのにまたやるんだ」
曙「演習場の深度の深いとこに潜水装備完備で制限時間いっぱい逃げ切ったというか、隠れ切ったものね」
漣「皆クリスマスのお遊戯かと思ってたのに1人だけガチ勢なんだもんね、潜水艦の子達ですら呆れてたよ」
提督「遊ぶからには本気に決まってるじゃないか」
漣「本気出し過ぎやっちゅうねん」
提督「それに見つけて捕まえるだけでなく制限時間までペイント弾当てるだけでもプレゼントやるってんだから出血大サービスレベルだぞ」
潮「プレゼント?」
提督「そ、クリスマスプレゼントな。 この時期になると暁とかならまだしも、金剛やら足柄やら、果てには加賀さんまでもがねだってくるからな、全員分クリスマスプレゼント用意したら俺のお財布がブレイクしちまうって」
漣「とゆーか潮ちゃんはどんだけ覚えてないのさ」
潮「去年は早寝してたから……早寝しないとサンタさんがプレゼントをくれませんし」
提督「…………」
曙「…………」
朧「…………」
潮「え、どうしたの? 提督まで……」
漣「今日から君を純真ミラクル100%と名付けよう」
潮「それはちょっと嫌かな」
提督「まあ流石にな、そこは反省して海中には隠れないことにしたよ」
漣「ろーちゃん達が今年は徹底的に海底を探し尽くすぞーって息巻いてたのにね、ご主人様の気まぐれに翻弄されて可哀想に」
提督「俺にどうしろと言うのか」
漣「おとなしく全員分クリスマスプレゼント用意すればいいんでねーです?」
提督「だから俺の自腹だっての、皆が何欲しがるのか分からん上に何人いると思ってんだ」
漣「ちなみに漣ちゃんの欲しいものは年中いつでも好きな時にお休み取ってもいい権利ね!」
提督「クリスマスプレゼントの皮被ってれば何要求してもいいと思ってんじゃねーぞ」
潮「提督もクリスマスプレゼントをくれるんですか?」
提督「え、まあ、うん俺を見つけたらね……」
曙「アンタは何か欲しいのあるの?」
潮「うーん……今は、下着かな……」
提督「下着」
曙「下着」
漣「下着」
朧「それクリスマスに頼むものじゃないよね、というか自分で買いに行けば……」
潮「購買部に売っているのはその、デザイ
コメント一覧
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- 2015年12月26日 23:24
- 陸奥のスカートに頭突っ込んでサイコクラッシャーしたい
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- 2015年12月26日 23:34
- 朝潮の太ももに挟まれて、いい匂いがするなって言って嬉しそうにそれはよかったです!って満面の笑みで言われて罪悪感を覚えたい
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- 2015年12月26日 23:35
- 唐突な膝の笑いで盛大に草生えた
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- 2015年12月26日 23:51
- 漣と曙の会話が隙
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- 2015年12月26日 23:57
- つい提督との会話に夢中になっちゃってピンチを招く曙マジうっかりさん
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