電「2人だけの、メリークリスマス」
電「艦隊がお戻りみたいです」
卯月「うううぅ、寒い寒い!寒すぎて凍えそうだぴょん!」ダッ
多摩「こたつ!こたつはどこにゃあー!」ダッ
暁「ふ、ふふふ2人とも節操がないわね!一人前のレディはこ、こんな時でもあくまでゆゆ優雅に……」ブルブル
雷「そんな青い顔して何言ってるのよ!ほら、奥に行けばストーブだってあるんだから行きましょ!」
響「シベリアの冬はこんなものじゃな……くしゅん!」
雷「響も!ただでさえびしょ濡れなのに強がってもダメよ!」
電「ふふっ。さ、報告も兼ねて司令官さんの所へ行きましょう?」
司令官「お。おかえりみんな、寒かったろう?ホットレモン、用意してあるからね」
暁「こ、こここれくらいの寒さなんてへっちゃらだし!で、でもホットレモンは貰うわね!」
響「ふぅ……これは良いな、スパシーバ」ホッコリ
雷「ありがとう司令官!はい、電も」
電「雷ちゃん、ありがとうなのです。司令官さんもありがとう、なのです!」
司令官「おーう、どう致しまして」ナデナデ
雷「えへへっ♪」
電「……?」
多摩「にゃー……」ヌクヌク
卯月「ぴょーん……」ヌクヌク
司令官「2人はいち早くこたつで暖まってるし、みんなも暖を取ると良い。響は思いきり波を被ったみたいだし、着替えておいで」
響「了解」
雷「この時期の北方AL海域は艤装があっても寒いもんね。はい、みかん」
暁「ありがと。でも、こうして一日出撃してると昨日とのギャップを感じずには居られないわ」
卯月「昨日は盛り上がったからねぇ。ケーキ、また食べたいぴょん」
多摩「本当なら、クリスマスの次の日くらいは休みたいところだけどにゃあ」
雷「でも、間宮さんの頼みなんだから!頑張ってお飾り、集めなくちゃね!」
司令官「まぁとは言え、君達の今日の出撃分はこれで終わりだからね。あとはゆっくりすると良い」
雷「あれ、そっか。もうだっけ?このあとの鎮守府の予定は?」
電「えっと、帰り次第私達は入渠なのです。入れ替わりで朝潮ちゃん旗艦隊は沖ノ島沖へ、その後瑞鳳さん旗艦隊が北方AL海域へ出撃して、今日の艦隊業務は終了なのです」
響「さすがは秘書艦、よく把握しているね」ヨイショ
雷「響!響もみかん、食べる?」
響「じゃあ、貰おうかな。こたつにみかん、実にハラショーだ」ヌクヌク
司令官「そうだね、そのつもりでいるよ。今日の分の書類はもう終わらせたしね」
暁「司令官、大丈夫なの?暁達でもこんなにさむ……まぁ、ちょっと冷えるかなーって感じなのに、また北方AL海域へ行くなんて。朝からずっと出ずっぱりよね?」
雷「司令官、風邪をひいちゃダメよ?風邪をひいたらひいたで、付きっ切り看病してあげるけれど」
司令官「はは、それはありがたいな。まぁでも――」
卯月「雷ちゃん、司令官は大丈夫ぴょん!だって、このお船にはストーブもこたつも積んであるわけだし、ぬくぬくぴょん」
司令官「そうそう。こたつでみかん食べながら艦隊指揮してるから、大丈夫さ」ハッハッハ
暁「緊張感無いわね……もう」
司令官「すまんすまん」ナデナデ
暁「す、すぐ何かと撫でるの禁止ー!」!カスンプ
電(……)
卯月「あー、司令官あくびしてるぴょん」ケラケラ
司令官「おっと、見られちゃったか。いやぁ、温いとどうしてもなー」
響「確かに私達もこたつに入ってると、睡魔が……」コクン
多摩「Zzz」
電「多摩ちゃんは爆睡してるのです……」
卯月「眠いなら司令官もこたつに入って眠ったらー?」ワキワキ
司令官「いやぁ、何か今こたつに入ったら絶対卯月にくすぐられそうだから止めとくわ」
卯月「ざーんねんぴょん♪」
司令官「ま、みんなも寝ても良いけど、いざって時はたたき起こすからな」スッ
雷「?司令官、どこに行くの?」
司令官「なぁに、眠気覚ましに火照った身体を冷ましてくるよ」
卯月「いってらっしゃーい」
電「あ……司令官さんっ」
司令官「電も、ずっと外にいたんだから休んでてくれ。な?」
電「……はい」
電(……)
司令官「さて、瑞鳳。状況は?」
瑞鳳【はい、提督。北方前衛警戒部隊は沈黙、こちらの損傷軽微。このまま進撃許可を願います】ザザッ
司令官「了解、進撃を許可する。あわせて今から僕も後を追いかけるよ。何かあれば逐一無線を入れること」
瑞鳳【了解。提督、いつもの事だけど……私達の跡をたどってくるとは言え、気をつけてね?】
司令官「ああ、ありがとう。君らもね」
電「……、……」
司令官「電。いつも、見送りありがとうな」ナデナデ
電「……これを」
司令官「ん……カイロ?はは、大丈夫さ。ぷかぷか丸の中は暖かいから」
電「司令官……」
司令官「……、……分かったよ。ありがとう」
電「……お気を付けて。美味しいご飯、作って待っているのです」ニコ
司令官「ああそれは、楽しみだ。はりきって行ってくるよ」
電「はいっ」
司令官「ふぅ……さすがにこの時間は静かだな……」
司令官(最後に出撃した六隻も解散して、無事に今日の艦隊業務も済んだ。後は僕も部屋へ戻って……)
司令官「あぁ、寒い……」
司令官(さすがに、冷え切っちゃったか。鎮守府内は暖かいはずなのに、なんだか寒いや)
司令官(電から貰ったカイロだけが、まだほんのりと暖かくて。せめてもの救いだな)カサッ
司令官(風呂に入りたい、お腹もすいた。風呂は今艦娘達が使ってる時間だから無理だけど……)ガチャ
司令官(何か、何でだろうな。寂しいや)
司令官(みんな前線で頑張っているから。僕とは違って直接敵と殴り合っているわけだから、僕が弱音を吐くことはしたくないんだけれども)
司令官(あはは、何か今日ばっかりは疲れたぞ……)
司令官(何でも良い、癒しが欲しい。暖かい、誰かの温もりが欲しい)
司令官(誰かの――)ガチャ
電「司令官!おかえり、なのですっ」
司令官(――温もりが)
電「今、ご飯持ってきますね?電と一緒に食べましょう」
電「あ、燗も暖めてあるのです!おちょこ、取ってきますね」
電「よいしょ……鍋ごとですみません、今日は肉じゃがなのです」
電「ちょっと、底の方は焦げちゃったけれど……で、でもお味はバツグンなのです!多分……」
司令官(こちらを気に掛けせっせと動く姿が、ころころと変化する表情が)
電「はい、司令官。おかわりはありますから、たくさん食べて欲しいのです」コト
司令官(何の変哲もない、いつもの彼女の気遣いが。どうしてか強く、強く胸を打って)
電「さ……いただきましょう?電も、いただきます、なのです」ニコニコ
司令官「……、……」パクッ
電「」ドキドキ
司令官(すごく暖かくて、すごく愛しくて)ツゥ
電「は、はわっ!?司令官、ど、どうしたのですか?肉じゃが、お口にあわなかったのでしょうか」オロオロ
司令官「……おいしいよ」
司令官「すっげぇ、おいしい……」ポロポロ
電「……、……」
電「司令官……」ニコ
電「お粗末様、なのです。食器、片付けちゃいますね」
司令官「ん、手伝うよ」
電「司令官はお疲れなので、休んでいてください。電が片付けるのです」
司令官「そうか……お言葉に甘えさせて貰うかね」
電「そうしてほしいのです」
司令官「あ。じゃあついでにさ、燗をもう一本貰えるかな」
電「ごめんなさい司令官、今日はこれで全部なのです。その代わり、いいもの持ってきますね」
司令官「?ああ、分かったよ」
司令官(お腹がふくれたからか、落ち着いたら一気に睡魔が襲ってくる)
司令官(目を閉じたらこのまま眠れそうだけど)
電「~♪」カチャカチャ
司令官(電が何か用意してくれるって言うしな。寝ないようにしないと)
司令官(……電、か)
司令官(なんでかな、さっきまであんなに気持ちが沈んでいたのに)
司令官(彼女がいる、その事実だけですごく満たされている――)
司令官「お……?これって」
電「はい。昨日の残りのケーキなのです」
司令官「なるほどなぁ、そう来たか」
電「ワインも、ここに置きますね?」
司令官「ありがとう。いやぁ、しかし昨日のケーキがまだあるってのは思わぬプチ幸せだな」
電「なのです!このケーキ、とっても美味しかったから……えへへっ」
司令官(天使だなぁ……)
電「クリスマスパーティ、ですか?」
司令官「おう。昨日のクリスマスパーティの延長戦。一日遅れだけどね」
電「……何をするのでしょうか?」コテン
司令官「ケーキを食べてワインを飲む!」
電「……」
司令官「……以上!」
電「……ふふっ」
電「司令官らしいのです」クスクス
電「メリークリスマス、なのです!」カチン
司令官「よっし、ケーキ食べよう!」
電「はいっ……、……」
電「思えば……」
司令官「んー?」モグモグ
電「司令官と2人きりのクリスマスって、今まで無かった気がするのです」
司令官「あー……言われてみれば、というかそりゃそうだよな。僕と電が着任してからクリスマスが来るまでに、色んな子が着任してるわけだし」
電「……こんな事を言ったら、その……いけないのかもしれないのですが……」
電「電は、司令官と2人きりのクリスマスも……過ごしてみたかったのです」モジモジ
司令官「電……」
コメント一覧
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- 2015年12月26日 23:09
- 一方俺はボッチでクリスマスを終えるのであった
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- 2015年12月26日 23:15
- なにこれ
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- 2015年12月26日 23:23
- ※2
艦これ