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モバP「年末楓さんと酒飲んで過ごし隊」|エレファント速報:SSまとめブログ

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モバP「年末楓さんと酒飲んで過ごし隊」

1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:15:08.83 ID:K7R3yxRgo


―12月31日
―p.m.8:00

カタカタカタ…

P「……」

カタカタ……ッターン

P「ふー」

P「残すところ四時間か」

P「来なかったな、結局」

P「……」

P「うし」

P「コンビニ行こ」



2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:16:29.47 ID:K7R3yxRgo


―――
――

瑞樹「大晦日に?」

楓「出勤、ですか?」

P「はい」




3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:17:26.54 ID:K7R3yxRgo


瑞樹「ダメよ、そんなの!」

瑞樹「年末年始くらいゆっくり体を休めなきゃ!」

瑞樹「誰の指示なの? 私の口から言っておいてあげる」

瑞樹「P君にあまり無理させないでくださいって!」

P「いえ」

P「俺が自分から願い出たんです」

瑞樹「ええっ?」

楓「お仕事、そんなに忙しいんですか?」



4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:18:38.67 ID:K7R3yxRgo


P「まあ、はい」

P「年内に上げておきたい資料もありますし」

瑞樹「年内って……」

瑞樹「大晦日に仕上げたってどうしようもないじゃない」

P「おっしゃるとおりで」

瑞樹「いい? P君、社会人は体が資本なのよ」

瑞樹「無理して体壊したら元も子もないの」

瑞樹「正月三が日くらいは帰省して、ご両親に元気な姿を見せてあげるものよ」

瑞樹「あっ」

瑞樹「ひょっとして、実家と疎遠にしてるとか……?」

P「いやいや、大丈夫です。両親とは仲良いですよ」

瑞樹「じゃ、どうして?」

P「まいったな」

P「こうなるからあまり話したくなかったんですけど」



5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:20:09.68 ID:K7R3yxRgo


楓「……Pさん。GWも出社されてましたよね」

P「う」

楓「夏休みも返上されてましたね。知ってます」

P「なんで知ってんですか」

瑞樹「もう完全なワーカーホリックじゃない」

瑞樹「いつ休んでるの? きちんと睡眠取ってる?」

P「とってますとってます」

P「休日出てる分、平日に代休たててますから」

P「本当はこれ、やっちゃダメなんですけどね」

楓「そうまでして休日出勤、ですか?」

瑞樹「平日にやればいいじゃない」

瑞樹「確かにプロデューサー業は休みが不定期とは聞くけど……」

P「いえ、なんていうか」

P「そっちのが捗るんですよね、仕事が」



6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:22:47.64 ID:K7R3yxRgo


楓「……ああ」

楓「わかります」

P「理解が早くて助かります」

瑞樹「? どういうこと? わからないわ」

P「休日は基本、事務所に誰もいないじゃないですか」

P「上司に悩まされることも、ちひろさんに怯えることも無いですし」

瑞樹「P君、人間関係に悩んでるの?」

瑞樹「私でよければ相談に乗るわよ」

楓「私も乗りますよ」

P「違いますって、みなさんとは仲良くやってます」

P「そういうことじゃなく、快適なんです」

P「通勤電車は混んでないし、煩わしいメールも飛んでこない」

P「通りは人がまばらで、いつも行列の店も並ばずに入れる」

P「好きなんです、そういうの」



7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:23:58.34 ID:K7R3yxRgo


楓「Pさん」

P「はい」

楓「乾杯しましょう、乾杯」

P「はい、乾杯」カチン

楓「わーい」グビグビ

P「大丈夫かなこの人」

瑞樹「……わかるような気もするけど、やっぱりわからないわ」

瑞樹「静かなのもいいけど、適度に人との関わりがないと寂しくならない?」

P「その辺は、まあ、人によりけりじゃないですかね」

瑞樹「それにいくらなんでも、限度ってものがあるわよ」

瑞樹「年末年始までお仕事なんて……」

P「三が日は帰りますよ。大晦日だけです」

瑞樹「似たようなものよ」

瑞樹「あのね、P君。年越しっていうのは一つの区切りなの」

瑞樹「その年を振り返り、次の一年への抱負を立てる大事な時期なのよ」



8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:25:29.89 ID:K7R3yxRgo


瑞樹「P君みたいに仕事仕事で休みと平日の境が曖昧な人はね」

瑞樹「一見前に進んでいるようで、その実ずるずると進歩のない人が多いの」

P「手厳しいですね」

瑞樹「本当のことよ。区切りが設けられないからそうなるの」

瑞樹「節目節目で立ち止まって、リセットすることが必要なのよ。人間にはね」

瑞樹「私もその一人だったもの……」

P「……」

瑞樹「P君、無理はダメよ。絶対」

P「ええ、わかってます」

P「わかっていますよ」

瑞樹「本当かしら。心配だわ……」

楓「……」グビグビ




9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:26:32.49 ID:K7R3yxRgo


――
―――

P「今日はお疲れさまでした」

楓「Pさん、二次会行かないんですか?」

瑞樹「こーらっ、楓ちゃん。無茶言わないの」

P「すいません、明日もあるので今日はこれで」

楓「また、お仕事なんですね」

瑞樹「……大晦日も程々にきりあげて、ご実家に帰りなさいね?」

P「はい」

楓「なんなら私、行きますよ」

P「え」

楓「私も事務所に行きますよ、大晦日」



10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:27:51.88 ID:K7R3yxRgo


瑞樹「もー、この子ったら」

瑞樹「ごめんねP君、楓ちゃん酔ってるから」

楓「酔ってないですー」

P「いえ、ありがとうございます」

P「期待してます」

楓「あ、信じてませんね。私、本気ですよ?」

P「信じてますよ。それじゃ、俺はこの辺で」

P「二人とも、よいお年を」

瑞樹「じゃあねP君、よいお年を」

楓「……むむ」




11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:29:16.92 ID:K7R3yxRgo


―――
――


イラッシャイマセー



P「大晦日のコンビニ」

P「テンションあがってきた」

P「まずビールだな。ビール」



12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:30:59.24 ID:K7R3yxRgo



ガサガサッ


P「唐揚げ、餃子、と」

P「後はおでんか」


「Pさん、これも買いましょう」

ガコガコッ


P「う、お、重っ」

P「日本酒、あたりめ、……緑のた○き?」

P「……年越しそばですか」

楓「はい、ふふっ」


楓「ちょっとそばまで来たもので」



13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:32:01.22 ID:K7R3yxRgo


――
―――


ガチャッ


楓「わあ」

楓「真っ暗なんですね」

P「節電ですから、明かりは机の周りだけです」

楓「こんな事務所、始めてみました」

楓「どこが窓で、どこからが外なのか分からないですね」

P「俺はまだ仕事があるので、ちょっと待っていてくれますか?」

P「あっちにテレビもありますし、よければ」

楓「いいえ、ここで構いません」

楓「Pさんのお仕事、眺めてます」

P「いいですけど」

P「あんまり面白いものじゃないですよ」



14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:33:51.37 ID:K7R3yxRgo


P「……」カタカタ

楓「……」イスクルクル

P「……」カタカタ

楓「……」クルクル

P「……」カタカタ

ピタッ

楓「……何にも、聞かないんですね」

P「聞くも何も」

P「来るって言ってたじゃないですか」

楓「お邪魔じゃなかったですか?」

楓「一人の方が、捗るんですよね」



15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:34:49.41 ID:K7R3yxRgo


P「確かに騒々しいのは苦手です」

P「でも、一人が好きってわけじゃないんです」

楓「……」

P「ありがとうございます、来てくれて」

P「ぶっちゃけちょっと期待してました」

楓「本当ですか?」

P「はい」

楓「そうですか」

楓「ふふっ」


楓「~♪」クルクルクル




16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:35:57.08 ID:K7R3yxRgo


―――
――

P「おし」ッターン

P「お待たせしました」

楓「仕事、納まりました?」

P「ええ」

P「忘年会二次会、始めますか」

楓「はいっ」

楓「おでん、あっためてきますね」



17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:36:43.16 ID:K7R3yxRgo


P「では、乾杯」

楓「かんぱーい、ふふふっ」

P「大丈夫ですか? 別に俺の机じゃなくて」

P「会議室とか使っても――」

楓「ここがいいんです。ここで飲みましょう」

P「はあ」

楓「ささ、早く杯をあけてください。Pさん」

楓「たくさんお酒はありますからね」

P「一人でちびちびやるつもりだったんですが」

P「こりゃ川島さんがいたらどやされてるな」

楓「む」

楓「なんで瑞樹さんの名前が出てくるんですか?」



18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/12/27(日) 22:39:31.83 ID:K7R3yxRgo


P「厳命されてましたからね、早く帰るようにって」

P「それが事務所で酒飲んで、年越ししてるなんてばれたらもう」

P「流石にナントカの緒が切れると思います」

楓「もともとそのつもりだったんじゃないんですか?」

P「え?」

楓「帰る気なんてはじめから無かったんですよね」

楓「最初からここで新年を迎えるつもりで、出社されたんじゃないですか?」

P「……」

楓「わかるんです」

楓「私たち、考えが
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月27日 23:50
      • 年末は旅行に行くぜ!一人でな!!
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月27日 23:56
      • いい雰囲気で好きだぜこういうの


        >楓「現実なんて直視しなくていいんですよ」
        >楓「横目で見てるくらいでちょうどいいんです」

        ここかっこいい
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2015年12月28日 00:00
      • 俺は美波と年越ししてそのまま姫始めしたい。

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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