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絵里
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1: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:11:30.07 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「……いつか、おばあさまにも紹介できたらと思います……こんなところかしらね」



絵里が綴る、μ'sへの想い。

2: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:12:44.36 ID:BjsjsVUK0.net
おばあさま、絵里です。

春休みは、亜里沙ともどもロシアに帰ることができずにごめんなさい。

お手紙からおばあさまが寂しがっている様子が伝わってきました。

二人の新生活が落ち着いたら(亜里沙がスクールアイドルに夢中なのでいつになるかは分かりませんが──)二人で元気な顔を見せたいと思います。

お手紙の中で、一度も私のステージを見られなかったことを残念がっていましたね。

3年間の内に、亜里沙のライブを見られる機会があることを祈っています。

亜里沙もまた、限られた時間の中で精一杯輝くスクールアイドルなのですから。

そういえば、前のお手紙で3月のことは大体書いてしまいましたが、私達がどうやって答えを出したかは書けずじまいでしたね。

「私達はスクールアイドルが好き」という……μ'sの解散という、答えを。

今日は、そのことについて書きたいと思います。

3: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:18:31.77 ID:BjsjsVUK0.net
~3月~


にこ「話し合う?3人で?何をよ」

絵里「これからのμ'sについて。穂乃果が答えを出す前に、卒業生の私達だけで考えておいた方が良いと思って」

にこ「そんなの、私の答えは決まってるわ。いくら話し合ったって変わらないわよ?」

絵里「たとえそうだとしても、一度お互いの意思を確認しておくのは悪くないと思うわ」

絵里「それにほら、私達、卒業式の日に海外ライブの報せがあって以来ずっと忙しかったでしょ?」

にこ「まぁ、そりゃ3人で集まる機会もなかったけど……」

絵里「話し合い、だなんて言ったけどそれだけじゃないの。単純に、卒業記念の親睦会がしたいのよ」

絵里「それでも、にこは参加したくないのかしら?」

にこ「……今のアンタを、1年の時のアンタに見せてやりたいわ。ほんと良い性格になったわよね」

絵里「ふふ、褒め言葉として受け取っておくわ」

にこ「ったく……わかったわよ、参加するわ。希の方には話はついてるんでしょ?」

絵里「ええ。希の家に集まろう、ってことになってるわ」

にこ「了解。じゃ、一度帰って仕度したら行くわ」

絵里「ええ、じゃあまた後でね」

4: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:22:14.08 ID:BjsjsVUK0.net
~希家~


希「それではっ!μ's3年生組の卒業記念親睦会を始めたいと思います!」

絵里「いぇいっ!」パチパチパチ

にこ「……」

絵里「もう……にこ、ノリ悪いわよ?」

にこ「……むしろ、いつからアンタはそんなノリのキャラになったのよ」

希「まぁまぁ、せっかくの会なんだから楽しも?ほら、かんぱーい」

にこ「……かんぱい」

絵里「けど、今までこうやって3人で集まったことってなかったわよね。ちょっと意外だわ」

にこ「そう?昔を考えたら、むしろアンタらとこうやって集まってること自体がビックリよ……特に、絵里とはね」

希「ふふっ、それは確かに言えてるかも♪何せ、あのえりちがスクールアイドルやもんなぁ」

にこ「私が勧誘した時には目もくれなかったあの絵里がね~」

絵里「な、何よあれだけ穂乃果達の手助けしておいて……それに、にこのことは悪かったと思ってるし」

にこ「安心しなさい、冗談よ」

希「ね~、にこっち!」

絵里「もう、二人とも……」

5: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:25:39.86 ID:BjsjsVUK0.net
にこ「けど、アンタ達が加入してから……ほんと、色んなことがあったわよね」

絵里「オープンキャンパスでのライブに、路上ライブ……合宿もしたわね」

希「先輩禁止が始まったのも、合宿の時やったね」

にこ「あの子達に先輩、だなんて呼ばれてた時期もあったのよね……何だか、凄く昔のことみたいだわ」

希「そんなに時間が経ってるわけじゃないのにね」

絵里「そして、学校祭と……」

にこ「ことりの、留学騒動」

希「あの時は、ほんとにもうダメかと思っちゃった」

にこ「ったく、穂乃果と来たらバカなこと言うんだから……ま、私は諦めてなかったけどね」

絵里「そうね。あの時自分からスクールアイドルを続けようとしたのは、にこだけだったものね」

希「にこっちが講堂の使用許可申請に来たとき、ウチビックリしたんよ?」

にこ「当たり前よ、こちとら2年待ったのよ?……諦められるわけ、ないじゃない」

希「にこっち……」

6: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:29:49.30 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「あの時9人でライブができたのも、にこが諦めないでいてくれたおかげね」

にこ「え!?わ、わかってるじゃない!大体アンタ達は普段にこへの感謝が足りないくらいなんだから、もっと……」

希「そうやね。いつもありがと、にこっち!」

にこ「~~~~~~~~っ!」ボフン

絵里「あはは、にこ真っ赤じゃない」

希「んもー、にこっちは可愛いなぁ!ほれほれー!」

にこ「撫でるな埋めるな抱きつくなー!ああもう、暑苦しい!」グイッ

希「ああん、にこっちの意地悪ぅ!」

にこ「あのどこまでも埋もれそうな感触……同い年だって言うのにこの差は何……?」ブツブツ

希「おーい、にこっちー?」

絵里「あはは」

8: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:36:01.48 ID:BjsjsVUK0.net
にこ「大体ね!余裕そうな顔してるけど、そんなこと言ったら希はどうなのよ!」

絵里「そうね。μ'sの功労者と言ったら、この中では希が一番よね」

希「そんな、別にウチは何も……」

にこ「何もぉ!?良く言うわ、ずーっと暗躍してたくせに」

絵里「穂乃果達のためなのはもちろん……あれは、私達のためでもあったのよね?」

希「え!?何で二人がそれを知って……じゃ、じゃなくて!」

にこ「ふふふ、とうとう口を割ったわね!」

絵里「全く、素直じゃないんだから。それじゃ真姫に面倒な人って言われても仕方ないわよ?」

希「もう、二人とも!」

にこ「アンタがいなかったら、こうしてスクールアイドルをやることもなかったかもしれない……感謝してもしきれないわよ」

絵里「私なんて、生徒会長になってからずっとだもの。本当にありがとうね、希」

希「そんな、そんなのずるいよ二人とも……」ボフッ

絵里「あら、隠れちゃった」

にこ「くふふ、可愛いわよー希ー?」

9: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:41:27.99 ID:BjsjsVUK0.net
希「もう、そんなことより続き!えりちが生徒会長じゃなくなってから!」

絵里「どんな言い方よ、もう」クスッ

にこ「絵里のスクールアイドルもビックリだけど、穂乃果の生徒会長はそれ以上よね」

希「でも、殆どの子は穂乃果ちゃんが良いって思ってたんじゃないかな」

絵里「生徒会の中でも、満場一致だったしね」

にこ「ふぅん……意外ね」

希「そう言うにこっちも、穂乃果ちゃんの生徒会長らしさをその目で見たんやない?」

にこ「……ま、そうかもね」

絵里「最初は、やっぱり不安だったけどね。ずっと守ってきた場所だったし」

絵里「けど今は、穂乃果に任せて良かったって思ってる」

希「ウチもね!」

12: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:45:35.20 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「それからも、たくさんの思い出があるわよね」

希「合宿に行って、曲を作って」

にこ「あのA-RISEと同じステージに立って!」

希「にこっちの妹さん達に会えたり」

にこ「そ、それは良いでしょ!?」

絵里「凛は、ファッションショーを通して凄く成長したし」

希「さっきも出たけど、成長は穂乃果ちゃんもやない?」

絵里「そうね、生徒会長として一歩進んだ感じね」

にこ「ハロウィンの時は散々だったわよね」

絵里「そ、そうね……」

希「ウチは楽しかったけどなぁ……それに、ライブは大成功やったやん?」

にこ「まぁ、そうだけどさ……」

13: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:50:23.94 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「そして、最終予選……」

希「ウチの希望で、皆で言葉を繋いで作ったSnow halation」

にこ「あのステージは、絶対に忘れられない」

にこ「何より、A-RISEに勝てたことが嬉しかったわ……ずっと、憧れるだけだったから」

希「それが、皆で作った曲……こんな幸せは他にない、って思ったなぁ」

絵里「あのステージのために、学校の皆が力になってくれたことも、忘れちゃダメよ?」

希「そうやね」

にこ「ったく、穂乃果はいつもヒヤヒヤさせるんだから……」

絵里「……その後、だったわね」

にこ「……」

希「……」

絵里「……あの子達が、私達の卒業でμ'sをおしまいにすると決めたのは」

希「泣いたよね……あの時は」

にこ「……フン、希が抱きしめたりしなきゃ私は泣かなかったわよ」

絵里「もう、強がりなんだから……」

14: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 22:57:32.48 ID:BjsjsVUK0.net
希「泣いて泣いて、いっぱい泣いて……そして挑んだラブライブの決勝」

絵里「もう、遮るものは何もなくて……私達がするべきことは、全力で自分の歌を届けることだけだった」

にこ「アンコールをもらったときは、凄く嬉しかった……けど、あの時一番心打たれてたのは、きっと2年生……特に穂乃果ね」

希「あの3人は、μ'sの最初のステージから……観客が0人だったステージから、ずっと歌い続けてきたからね」

絵里「あの時のライブで穂乃果が言ったこと……まだ、覚えてるわ。あの時は、あんなにたくさんの人に応援してもらえるなんて思ってもなかった」

絵里「ましてや、自分がその中にいるなんて……ね」

にこ「私だってそうよ……スクールアイドルの道さえ挫折しかけてたのよ?それがラブライブ優勝だもの……」

希「きっと、この9人だから……この9人だったから、誰も想像できなかった場所まで行けたんやと思う」

絵里「最後には、海外ライブだものね」

にこ「空港や街中でファンに囲まれるようなスターにもなれたしね」

希「……うん……」

絵里「……楽しかったわ……」

にこ「……そうね、楽しかった」

希「楽しかったね……これ以上ないくらいに」

15: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:02:45.70 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「……ねぇ、希、にこ。……二人は、どうしたい?」

希「……どうしたい、って……」

絵里「二人は、μ'sを……続けたいと、思う?」

にこ「続けたいも何も、μ'sは私達の卒業で終わりにするって決めたじゃない」

にこ「今更その決心は変えられないわよ」

絵里「そうね……けど、今はそれを抜きにして考えてみない?」

希「抜きにして?」

絵里「そう。実際、あの時とは状況が変わってる……私達が望めば、μ'sはこれからも9人で活動していける」

にこ「……」

絵里「だから、私達はもう一度考えるべきだと思う」

絵里「自分は……私達は、どうしたいのか」

絵里「μ'sは、どうあるべきなのかを」

16: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:06:53.73 ID:BjsjsVUK0.net
希「……待ってよ、えりち」

希「その言い方……もしかして」

希「μ'sを、続けたいん……?」

絵里「……そうね……よく、わからないわ」

にこ「わからないって何よ」

絵里「私達の歌が、皆に聞いてもらえてること……好きだって言ってもらえてること」

絵里「目標だったラブライブの発展のために力になれるまでになったこと」

絵里「……凄く、嬉しいと思う」

絵里「それに、海外に行ってる時は……ずっとこの時間が続けばいいのにって、そう思ってた」

絵里「だけど……不思議よね。続けたいか、って考えたら……そう思うわけじゃないんだもの」

絵里「ごめんなさい、あんなこと言っておいて……決めたことを忘れられていないのは、私かもしれないわ」

にこ「……ふーん、なるほどね」

17: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:13:05.68 ID:BjsjsVUK0.net
希「にこっちは、どうなの?」

にこ「私?」

希「ドームのステージもそうやし……何より」

希「このまま9人でアイドルを続けることは……にこっちの夢やった、アイドルになるってことなんやない?」

希「にこっちには……μ'sを続けたいって思う気持ちはないん?」

にこ「……そうね」

にこ「……ないわ。私はもう、μ'sを続けるつもりはない」

にこ「決めたことだから、じゃなくてもね。私の中では、もう答えは出てるのよ」

絵里「答えは、出てる……」

希「その、答えって……?」

にこ「……そんなの、アンタ達の中でもとっくに決まってると思うけど」

希・絵里「……えっ?」

18: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:21:14.79 ID:BjsjsVUK0.net
にこ「さっき絵里が言ってたことが、ほぼ答えみたいなものよ」

絵里「私が……?」

にこ「それに、希も。続いてほしいけど、続けたいとは思わない……そんな感じかしら」

希「うん、そうやね……ウチもそう思う……けど、どうして?」

にこ「にこはね、子供の頃からアイドルに憧れてきたのよ。だから気付くのが早かったってだけ」

希「アイドルに憧れてきたから……ああ、そっか」

にこ「気づいたみたいね」

希「……確かにこれは、にこっちの言う通りやね。えりちもきっと、同じ答え」

絵里「え、え?希も気づいたの?」

希「ほら、えりちも早く!きっと答えは、3人いっしょ!」

にこ「答えは同じ……けど、自分でたどり着かなきゃきっと納得いかないわ」

にこ「だから考えなさい。ちょうど、今までのことを思い出していたところでしょう?」

絵里「今までの、こと……?」

19: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:24:53.35 ID:BjsjsVUK0.net
絵里(今までのこと……μ'sの9人で、いろんな場所で歌を歌って)

絵里(たくさん、色んな思い出ができて)

絵里(学校の皆にも、応援してもらえて)

絵里(音ノ木坂を、廃校から救うことができて)

絵里(本当に、素敵な時間だった)

絵里(私一人じゃ、とてもたどり着けなかった場所)

絵里(穂乃果が……皆がいたから、作れた思い出)

絵里(私達が──)

絵里「私達が……」

絵里「スクールアイドルだったから、できたこと……」

絵里「そっか……こんなに簡単なことだったのね」

絵里「私達は……μ'sは、スクールアイドル……」

20: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:30:17.51 ID:BjsjsVUK0.net
希「……ね、えりちも同じ答えだったでしょ?」

絵里「本当ね……だから、続いてほしいとは願っていても、続けたいとは思えなかった……」

絵里「にこが一番に気づいたのも、アイドルに憧れてたからっていうのも」

にこ「そ。私は小さい頃からアイドルを見てきたわ」

にこ「けど、このまま私達がμ'sを続けても……私が夢に見続けてきたアイドルみたいになるのが、全然想像できなかったのよ」

にこ「それは、理想の現実とのギャップとかそんなんじゃなくて……スクールアイドルじゃないμ'sを、私が許せなかったってだけ」

にこ「だから気づいたのよ」

希「μ'sは、あくまで……最後まで、スクールアイドル」

絵里「……答えは、決まったわね」

21: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:34:45.35 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「本当に、穂乃果に連絡するのが私で良いの?」

希「良いの良いの!」

にこ「気づくのが遅かった分、新鮮な気持ちで書けるでしょ?」

絵里「もう、にこったら……」

希「あ!えりち、ストップ!」

絵里「な、何!?」

希「ウチらの答えを出す前に……にこっちに、一つ約束してもらいたいことがあるの!」

にこ「私に?何よ」

希「ウチらが卒業しても、宇宙No.1アイドルを目指すこと!」

にこ「はぁ!?な、何言ってんのよ……たった今決めたばっかじゃない!私達は──」

希「そう。『μ'sは』スクールアイドル……なら、にこっちがアイドルを目指し続けることは、別に問題ないやろ?」

にこ「そうだけど、でも……!」

希「にこっちの夢、宇宙No.1アイドル!ここで終わりなんて、寂しいやん!」

22: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:39:25.11 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「ねぇ、にこ。もしもにこが、ここでアイドルを目指すことを終わりにしたいと思うならそれは構わないわ」

絵里「けど、もしにこが……まだ、宇宙No.1アイドルを目指したいと思うのなら」

絵里「私達に遠慮することなんで、何もないのよ?」

にこ「……」

希「どうなの、にこっち?」

にこ「……そんなの……」

にこ「……そんなの、やりたいに決まってるじゃない……」

希「にこっち……!」

絵里「……決まりね」クスッ

にこ「……最後にしてやられた気分だわ……」

23: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:44:04.21 ID:BjsjsVUK0.net
絵里「送信完了……終わったわ、にこ、希」

希「もー、にこっちいい加減に機嫌なおしてよー」

にこ「あそこまで見透かされてるなんて……不覚だわ……」

絵里「一緒にいた時間は短くても、親友だもの。わかるわよ」

にこ「親、友……」

絵里「あら、違ったの?私はてっきりそうだと思ってたけど……」

希「ウチは、えりちもにこっちも親友だと思ってるよ!」

にこ「そ、そんなの……わ、私だって親友だと思ってるわよ!」

絵里「ふふ、ありがとう」

希「えりちもにこっちも、ずーっと一緒やからね!」

にこ「……言われなくたって、そうしてやるわよ」グスッ

絵里「にこ……泣いてる?」

にこ「泣いてない!」

24: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:49:35.60 ID:BjsjsVUK0.net
にこ「あー、もうっ!こんなことしてる暇ないでしょ!?」

希「え、この後何か用事あるん……?」

にこ「決まってるじゃない!私達はスクールアイドルにこだわるって決めたんでしょ!?」

にこ「私達がスクールアイドルでいられるのも、もうほんの少しなのよ?今から自主練するに決まってるでしょ!」

にこ「それとも、私達がこのまま終わるとでも思ってるの!?」

絵里「……ふふっ、そうね」

希「時間、あんまりないもんね。よーっし、最後まで頑張るよ!」

にこ「まずは神田明神でダッシュよ!私に着いてきなさい!」

絵里「はいはい」クスッ

希「もう、はりきりすぎて転んでも知らんよー?」クスクス

25: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:51:34.28 ID:BjsjsVUK0.net
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この後、3人で夜遅くの神田明神で自主練して──

この後にあったことは、この前のお手紙に書いたとおりです。

そうそう。にこは本当に転んで、次の日まで膝に絆創膏を貼るはめになっていました。

希も、にこも……本当に大切な、私の親友。

何度もお話には出ていましたが、改めて紹介したくてこの話を書きました。

もちろん、後輩たちだって大切な存在に変わりありません。

私の大切な8人の仲間を──


絵里「……いつか、おばあさまにも紹介できたらと思います……こんなところかしらね」

絵里「いけない、もうこんな時間……遅れちゃうわ」

26: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:54:07.11 ID:BjsjsVUK0.net
希「あ、えりちー!」

絵里「ごめんなさい、希。待たせちゃったかしら」

希「ううん、全然!時間もまだやしね!」

絵里「あら、本当……随分早いのね?」

希「そりゃもう!だって、今日は久しぶりににこっちに会える日なんやもん!」

絵里「そうね。私も凄く楽しみだったわ」

希「それじゃ行こっか?」

絵里「ええ……ああそうだ、郵便局によってもいいかしら」

希「おばあちゃんにお手紙?」

絵里「ええ、そうよ。今回は希のこともたっぷり書いたんだから」

希「え、そうなん?気になるやん、見せて見せて!」

絵里「だーめ、恥ずかしいもの」

希「えー、意地悪ー!」

27: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:54:48.95 ID:BjsjsVUK0.net
おばあさま、絵里です。

おばあさまの通った音ノ木坂を卒業した後も、私の毎日は輝いています。

だって私には、仲間が──

大切な親友が、いるんだから。

28: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ (ワッチョイ c536-8eIG) 2015/10/21(水) 23:57:38.89 ID:BjsjsVUK0.net
どっとはらい。

これにて完結です!



今回は絵里誕に合わせて、映画では語られなかった3年生組の話し合いを書いてみました。

3年生の過去ともども、いつか語られてほしいですね。

改めてエリチカお誕生日おめでとう!



最後までお付き合いありがとうございました。