P「デュエルで年末を取り戻せ」
……
-765プロ事務所内
P「うーむ……このカードを抜くと……いやしかし」
ガチャッ
春香「おはようございまーす。あれ? プロデューサーさんだけ、ですか?」
P「おぉ、春香。他のみんなは、直接仕事入りだからな。というか、お前もそうして良かったはずだが」
春香「えへへ、なんだか一日一回は、ここに来ないと落ち着かないんです」
P「そうか……最近は、事務所でのんびりなんてできないもんな。みんなで集まることも……」
春香「はい……あ、でもいいことですよね! みんな、お仕事が忙しいっていうのは」
P「そうだな。けど、大晦日の生放送特番では、久しぶりに全員で集まれるぞ。……仕事だけどな」
春香「あはは……けど、それでも嬉しいですよ。年末もみんなでお仕事できるなんて」
P「春香……お前は本当にいい子だな」
春香「いえ! そんなんじゃ」
プルルルルル
P「っと、……はい、こちら765プロ」
春香「……? なんだろう、このカード」ピラッ
春香「IM……アイドル、」
P「なんですって!!?」ガタンッ
春香「ど、どうしたんですか? プロデューサーさん」
P「年末の特番が…………中止!?」
春香「え……えぇええええっ!!」
……
-テレビ局
律子「あっ、プロデューサー殿!」
P「律子! いったいどういう」
律子「それが…………どうやらまた、961プロが」
P「番組表を書き換えたのか……くそっ! でも、いくら961プロでも、この段階で番組を変えるなんて」
律子「……黒井社長自らが、デュエルで変えさせたみたいです」
P「黒井社長、自らが……!」
春香「あのー」
律子「……春香、あなたも来てたのね。仕事は?」
春香「まだ時間があるので。……それより、あの……デュエルで番組を……って」
P「黒井社長は業界でも有数のデュエリストだからな。以前からブラックマジシャンデッキや、アルカナフォースデッキで、アイドル業界をいいように牛耳ってきた」
春香「ブラ……アル……??」
律子「だからこそ961プロは、マネージャーやアシスタントのみで、プロデューサーをつけずにアイドルを売り出せる。……社長自身の、実力があるから」
春香「あの…………デュエルって、……カードゲーム、ですよね?? デュエルモンスターズの……」
P「あぁ、そうだ。インダストリアルイリュージョン社が開発した、カードゲーム」
律子「プロデューサーの仕事は、9割、デュエルの腕前で決まると言っていいわ」
春香「……????」
P「最近は嶺 開花や善羽 麻衣のようなアイドルデュエリストもかなり売れてきている」
律子「うちも、千早が海馬コーポレーションとのコラボ企画で、青き眼の乙女のコスプレでイベント参加しましたよね。確か映画の宣伝で……」
春香「なんでそんな仕事が……」
P「海馬社長もティンときたんだろうな。オーディションで名乗った途端、顔色を変えてたから」
律子「大抜擢でしたね。おまけに会場で歌まで歌わせてもらえて」
P「ブルーアイズに乗って歌うの、大変そうだったけどな」
春香「千早ちゃん……そんなことに……」
P「それどころか、デュエルモンスターズは、今や世界中の人々がプレイし、株価……経済、政治、そして戦争までもが、デュエルによって決められ、動かされている」
春香「」
P「そして……デュエルによって決められたことは、デュエルによってのみしか覆せない」
律子「……行く気ですか」
P「あぁ……やるしかない。春香達の年末特番……俺が取り返してみせる!」
P「この魂のデッキで!!!」カシュン
春香「デュエルディスクだ……」
律子「ここはプロデューサーに任せて、仕事に向かいましょう」
春香「えぇ……?」
律子「安心して、春香。……これでもプロデューサーは、元プロデュエリストだった社長がスカウトした人材よ。デュエルの腕だけは、確かだわ」
春香「は、はは…………そう、ですか」
……
-テレビ局内、デュエルフィールド
テレビ局社長「まさか、これほどとはっ……」ガクッ
黒井「では、年末年始の特番は、我が961プロの番組を」
テレビ局社長「えぇ……これだけの腕前を見せられては、文句もありません。」
黒井「有難うございます。今後とも、我が社のアイドルをぜひご懇意に……」
P「待てぇ!!」ドアバァーン!
黒井「……ハンッ、重役同士の会議に割って入る無礼な輩がいると思えば……765プロの凡骨プロデューサーではないか。お前のような者が出る幕はない! 去れ!」
P「確かに……プロデューサーとしては、口出しできるものではない」
黒井「……」
P「だが、デュエリストとしてならば!!」
黒井「ほぉう……まさかとは思うが、……デュエルを、挑む気かね? この私に」
P「その通りだ。……そして俺が勝ったら、年末の特番を元通り、765に返してもらう!」
黒井「フ……フフ」
黒井「フフフハハハ、フハハハハハハハハハハッ!!」
P「なにがおかしい!?」
黒井「貴様ごとき凡骨に、この私が相手してやる義理などあるかっ!」
P「なにっ……!」
黒井「代わりに…………我が社の新しいアイドルに相手してもらおう」
P「新しい、アイドル!?」
黒井「来い! 我がしもべのアイドルよ!!」
カツ……カツ……カツ…………
??「……」
P「お前はっ」
??「……この指の先に、何が見える?」スッ
テレビ局社長「……窓?」
P「いや……空?」
黒井「ノン! 答えは…………天!!」
??「んん~~~……ジョイン!!!」
吹雪「吹雪と申します」
吹雪「以後、お見知りおきを」
P「天上院、吹雪……!」
テレビ局社長「我が社のスタッフは、みな、こいつにやられたのだ……」
P「! なんだって……」
黒井「アカデミアの三天才が一人……フブキング! まさに! アイドルとしても、デュエリストとしても!! 王者となるに相応しい男だ」
P「アカデミア……? デュエルアカデミアのことか? しかし、あそこはまだ開校したばかり……」
吹雪「へぇ、こっちの次元ではそーなんだ」
P「次元?? いったいなにを」
吹雪「ま、そんなことは、僕にはどうでもいいけどね。僕はただ……」ズズ……
ダークネス吹雪「お前を倒せれば、それでいいっ……!!」
P(!! 仮面をつけた途端、雰囲気が変わった……!? 演技力表現力ともに、トップアイドルクラスかっ)
ダークネス吹雪「さぁ! デュエルだ!!」
黒井「ウィ。アクションフィールドON!! フィールド魔法、クリアーピラミッド!!」
キュィイイイン……
テレビ局社長「戦いの殿堂につどいしデュエリストたちが!」
黒井「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い! フィールド内を駆け巡る!!」
高木「見よ! これぞデュエルの最強進化形!!」
黒井、高木「「アクショーーーーンッ」」
P、吹雪「「デュエル!!!!」」
P(……アクションフィールドは、透明な巨大ピラミッド。その内部にアクションカードが3枚。そして……)
P「頂上に、一枚……!」
黒井「ウィ。アイドルピラミッドの頂点に立てるのは、常に一人!! 孤高の王者となる覚悟を持つ者のみが、手にすることができるのだよ」
高木「だが、ピラミッド内を進めば、必ず苦難が待ち受けている……」
黒井「フン……デュエルの一線を退いたお前が、見物にでも来たのか? 自分の会社のプロデューサーが、むざむざ敗北する様を」
高木「……黒井」
吹雪「先行はもらったぞ!! 俺のターン!」(LP4000)
吹雪「紅玉の宝札を発動! 手札のレッドアイズを捨て、二枚ドロー!」
吹雪「さらに、レッドアイズワイバーンを召喚!!」
ワイバーン【攻撃力1800】<ケェーェエン
吹雪「飛び上がれ! ワイバーンよ!!」シュタッ
P「ワイバーンの背に……! 空を行き、一気に頂上へと登り詰める気かっ」
P「くっ……急がなくては……俺のターン! ドロー!!」(LP4000)
P「俺は、手札から、IM(アイドルメイト)イタズラアーミーを召喚!!」
IMアーミー【攻撃力800】<ンッフッフ~
P「IMイタズラアーミーの効果発動! 仲間のIMを特殊召喚!! 来い!」
P「IM(アイドルメイト)イタズラマミー!!」
IMマミー【攻撃力600】<ウアウア~
P「さらにイタズラマミーの効果! アーミーとマミーを守備表示にして、デッキからPモンスター一体を手札に加える!」
IMアーミー【守備力1500】<アミマミチャーン
IMマミー【守備力1000】<アミマミチャーン
P「いくぞっ……俺は、」
P「P(プロデューサー)マジシャンと、レスキューハムスターで、プロデューサースケールをセッティング!!」
Pマジシャン【スケール2】<……エガオデス
レスキューハムスター【スケール5】<ジュイッ
P「これでレベル3~4のアイドルが同時に召喚(スカウト)可能!! 来い!」
P「IM(アイドルメイト)ドンガラリボン!!」
IMリボン【攻撃力1400】<エヘヘッ
P「IMドンガラリボンの効果発動!! フィールド上のIMのレベルを全て、自身と同じにできる!!」
IMリボン【レベル4】<ダンケツデスヨ! ダンケツ!
IMアーミー【レベル2→4】<ダンケツッショー
IMマミー【レベル2→4】<ブラジルイクヨー
P「三体のアイドルでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!!」
P「現れろ!! ハルシュタイン・カッカ!!」
ハルシュタイン【攻撃力2400】<ヒザマヅイテ!!
吹雪「なんだっ……!? ぐぉおっ、高度が下がっていく……!」
P「ハルシュタイン・カッカは、召喚された時、相手モンスターを守備表示にする効果がある」
吹雪「なにっ」
ワイバーン【守備力1600】<グルルゥウ…
吹雪「ワイバーンが翼を畳んでしまった……! これでは飛行できないっ」
P「それだけじゃない。カッカは、オーバーレイユニットを一つ取り除くことで相手モンスター一体を守備表示に変更できる!」
吹雪「厄介な……!」
P「降りてきたな! バトルだ! カッカでワイバーンを攻撃!! リボンウィップ!!」
ハルシュタイン【攻撃力2400】<ヤァーッ
ワイバーン【守備力1600】<ケェエーン
吹雪「ぬぉおっ!」
P「レッドアイズワイバーン、撃破!」
吹雪「おのれ……俺のターン!! ドロー! 愚かな埋葬を発動し、もう一体レッドアイズをデッキから墓地へ!」
P「今の内に……!」タッタッタ……
黒井「やつめ、自らの足でピラミッドを登る気かぁ? 愚かな!」
高木「プロデュースに王道なし……自分で一歩一歩進
コメント一覧
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- 2015年12月29日 23:18
- オリジナルカードじゃ満足できねぇぜ…
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- 2015年12月29日 23:25
- Pマジシャンを武内にするんなら、バネか間島にしろよ
-
- 2015年12月29日 23:25
- 黒井「私が年末の特番を書き換えたのだ…」
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- 2015年12月29日 23:27
- 魔法使いって意味でシンデレラのPなんじゃ?
-
- 2015年12月29日 23:30
- ベクターP「さあ!良からぬプロデュースを始めようじゃないか!」
-
- 2015年12月29日 23:31
- 壁モンスター言いたかっただけ
-
- 2015年12月29日 23:34
- 年末だしアイドル落下させよう
-
- 2015年12月29日 23:35
- デュエルマスターズでやってくれ
-
- 2015年12月29日 23:36
- 海馬社長ェ……
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- 2015年12月29日 23:44
- デュエルって言うとお遊びみたいな印象だけど、決闘って表現すると途端に深刻になるよね。
決闘で拘束せよ然り決闘で人類の存亡を決める然り。
-
- 2015年12月29日 23:51
- オリカの二次創作程そそられないデュエルは無い
-
- 2015年12月29日 23:51
- 「キサラ」ギだからか
-
- 2015年12月29日 23:54
- オリカ使うなら事前に書いてて欲しかったな。話は面白かった。改めて遊戯王の世界観無茶だなって思ったよ、デュエルで番組改変とかw
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