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南条光「黒い光」|エレファント速報:SSまとめブログ

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南条光「黒い光」

1:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:17:29.53 ID:Ap8ZYhpZ0



……
-公園


ワー ワー キャー


光「あ! ……おーい!」

タッタッタ……


男児1「おおぉおん! おおん!」

男児2「てめーっ! 人間らしい心はもうなくしちまったのかよーっ!!」

女児「ウルトラ水流!」ジャバーッ

男児1「つめたっ!?」


光「や! みんな! おねーさんも仲間に入れてくれないか?」


男児1「……」

男児2「おねー……さん?」

光「ハッハッハ!」


光「ひ か る お ね ー さ ん と、いっしょにあそぼうな!!」グリグリ

男児2「あい」グリグリ




2:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:19:12.61 ID:Ap8ZYhpZ0



男児1「じゃあ今日は光……おねーちゃんが怪獣ね」

光「えっ?」

男児2「星人でもいいよ」

光「う、うーん……アタシ、できればヒーローがいいなぁ」

男児1「えー? また?」

女児「あのねぇ、光おねーさんはアイドルなの。だから、イメージってものがだいじなの」

男児1「あぁ、ヒーローアイドルだから」

男児2「たとえごっこ遊びでも悪役はできないんだ。さすがプロだね」

光「あ、いや、べつにそーいうんじゃ」


男児1「でもアイドルってわりにテレビとかで見なくない?」

光「ぐはぁっ!!」


女児「おしゃれの本とかにものらないね」

光「ぐふっ」

男児2「にーちゃんが持ってた漫画雑誌で、水着の写真はのってた」

男児1(おいそれどーした)

男児2(切り取ってベッドの下に隠してあるぜ。あとで見せてやるよ)

男児1(へへ……さすが!)

女児「ちょっと」




3:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:20:25.93 ID:Ap8ZYhpZ0



光「ア、アタシの話はいいんだ!! それより、ごっこ遊びならみんなヒーローでもできるよ!」

男児1「? でも敵がいないとさ」

光「ヒーロー同士で戦えばいいんだ! お互いに敵だと誤解して……」

男児2「あー、あと操られてたり」

女児「本当の敵をあざむくために、戦うふりをしてたり」

光「ね! ありでしょ?」

男児1「……」

男児2「うーん……」

光「……あれ?」


男児1「正直もうマンネリなんだよね、それ」

光「えっ」

男児2「オールスター映画とかだいたいそれじゃん」

男児1「VS、って言っときながら、結局最後は強力して敵を倒すだけだし」

女児「もやし何回敵になるのって」

男児1「うっうー!」

男児2「そっちじゃなくて」


光「……わ、わかった」

光「アタシが怪獣をやるよ!!」




4:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:21:33.31 ID:Ap8ZYhpZ0



光「がおー! がおー!!」


男児1「早くー! 早く来てくれぇー!!」

男児2「なにしてるんだ! 戦え!!」

光「がおー!!」ズシンズシン


女児「ぎゃおぎゃお!」ピョコピョコ

光「がおー!」クルッ


ドガッ

女児「ぎゃぉ……」バタリ


男児1「ぁ…………ぁあ……!」

男児2「あんな小さな怪獣でさえ命を投げ出して戦ってくれたんだぞ! お前は恥ずかしいと思わんのか!!」

男児1「…………ぼ、ぼくが間違っていた……! くそぉおおおお!!!!!」ダッ


男児1「くらぇえええええ!!!」グオッ

光「えっ?」



ズブリ


光「っ!?!?!?!」ビクゥッ




5:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:22:45.59 ID:Ap8ZYhpZ0


女児「あっ」

男児2「あ」

男児1「……あ」


光「ぁっ…ぁ…………ぐ、ぁ……ぉ、ぉし……おしひ……こわれぅ」ガクガク

男児1「ご、ごめん……光、……ねーちゃん」

男児2「おまえ、さすがにカンチョーはないだろ」

男児1「まさかここまできれいに決まるとは……」

光「ぁぐっ……ひっぐ」ペタン

女児「よしよし……いたいのいたいのー」サスサス

光「ぃいいっさわらないでいたいぃ!」

男児1「ごめんなさい」

男児2「ほんとごめん」

光「うぅ…………ぅうう……」ベソベソ

男児1(や、やば)

男児2(あぁ……光ねーちゃんの泣き顔やばいな。ぞくぞくする)

男児1(や、そうじゃなくて)


光「もぅ…………もう敵役なんてやるもんかぁーーーー!! うわぁああああん!!!」ダッ


女児「あっ光おねーさーん!!」






6:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:33:41.81 ID:Ap8ZYhpZ0



……
-事務所


光「うぅ……泣いちゃうなんて……かっこわるい。ヒーロー失格だ……」トボトボ


ちひろ「? あら、光ちゃん。まだレッスンの時間には早いんじゃない?」

光「あ、うん。おはよう、ちひろさん。……プロデューサーさんは?」

ちひろ「えっと……奥の、会議室じゃないかしら」

光「ありがとう。それじゃ……」

スタスタ……


ちひろ「……」





7:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:34:54.29 ID:Ap8ZYhpZ0



……
-会議室


P「はい、えぇそれはもう。カワイイ子を用意してますよ。必ずご満足いただけるかと」


光(……電話してる。……静かにしないと)ソローリ


P「え……光、ですか?」

光(? アタシ??)

P「すみません。あれには、そういうコトは……いえ、できないんです。本当に申し訳……いえ! そういうわけでは!! 元気で小さい子、いますから! それでどうにか……」

光(?? なんの話だろう……)

P「はい。では……今後ともうちのアイドルをよろしくお願いします。はい……失礼します」

ピッ

P「ふぅ……」

光「なんの話してたの」

P「ひ、光!? お前……いつからそこに」

光「今さっき。なぁ、今の電話」

P「仕事だよ、仕事。営業の」

光「……アタシの名前」

P「あぁ、うちの光をよろしくって」

光「…………また、断ったの?」

P「いや、そういうわけじゃ」

光「なんでアタシに仕事をくれないんだ! まだレッスンが足りないのか!? 他の子たちはもうっ」

P「光……たくさん仕事があれば、いいってものじゃないんだ。しっかり一歩一歩進んで行かないと、」

光「っ…………うそつきっ!!」ダッ


P「光!? おい、光!!」






8:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:36:22.50 ID:Ap8ZYhpZ0



……
-事務所


光「はぁ……アタシ、なんであんな…………うぅ、あとで謝らないと」トボトボ

ちひろ「あ、光ちゃん。ここにいたのね」

光「ちひろさん。どうしたの?」

ちひろ「実は、お仕事のオファーがあったの」

光「え……? アタシに……?」

ちひろ「そうよ。企画側からのご指名でね。お芝居の悪役なんだけど」

光「あ、悪役……」

ちひろ「……嫌かしら?」

光「…………」


光「いえ、やります! やらせてください!!」

ちひろ「……ふふっ、光ちゃんならきっとそう言うと思ってたわ。先方には、私から連絡しておくわね」

光「ありがとう! ちひろさん!! 悪役か……よーしっ」






9:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:38:17.03 ID:Ap8ZYhpZ0


……
-会議室


P「なんで勝手なことをしたんですか!!」

ちひろ「あなたがいけないんですよ」

P「なんだって……」

ちひろ「光ちゃんにちゃんとお仕事をとってきてあげないから。だからアシスタントの私が」

P「っ……しかし、」

ちひろ「なにを怖がっているんですか?」

P「……」

ちひろ「この間のグラビアで『南条光にこんな格好させるな』って、批判が殺到したことですか? それとも、ヒーロー路線でのアピールを続けていたら、ファンから非人間的な人格だと認定されてしまったことですか?」

P「……それは」

ちひろ「ちょっとでもセクシーな格好をすると、猛反発をくらう。ヒーロー……英雄とか正義の味方という要素に過剰反応して、敵や災厄を求めているだとか、自己犠牲の都合のいい子供だとか、勝手なイメージを押し付けられる。それが嫌なんですか?」

ちひろ「でもそれも、あなたの勝手な押しつけですよ。光ちゃんに、光ちゃんのやりたいように、のびのびやらせてみたらいいじゃないですか」

P「……違う、違うんです」

ちひろ「権利関係ですか? そういえば以前取材でとった写真も、背景のおもちゃが問題になって差し替えましたね。でもそれは、むしろヒーローアイドルとしてコラボしていくとか」

P「違うんですよ!! あなただって……分かっているでしょうに!! この仕事を受ける条件はっ」

ちひろ「…………業界にいれば、みんなやっていることですよ」

P「……」

ちひろ「あの子だけ特別扱いなんて、それこそ卑怯です。なら……スカウトなんてしなければよかったでしょう?」

P「……あぁ、その通りだ。……とにかく、今回の話は俺から断っておきます。…………彼女に関して、余計なことはしないで下さい」

ちひろ「はぁ、業界トップクラスの大物に、今更断れるわけないじゃないですか。事務所自体危うくなりますよ。あなたの首だけでは足りないような損失が」

P「この話はここまでです。失礼します」

スタスタ……


ちひろ「…………」





10:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/02(土) 22:40:17.32 ID:Ap8ZYhpZ0



……
-光の家、自室


光「フンフンフフーンフンフフーン、フンフンフフーンギンガマー」


ガチャッ

南条母「光ーちょっと。って、あんた、またおもちゃ増えてない?」

光「あぁ! それって覇王ゲキアツダイオー?」

南条母「それもだし、このサンダーバード2号も」

光「最近リメイクが作られたんだ! 人物は人形じゃなくてCGだけど、セットを使った撮影も健在で」

南条母「早速お年玉使いこんだのね……まぁ、何に使うのかは、あなたの自由だけど」

光「ちゃんと貯金した上で使ってるから大丈夫!」

南条母「これじゃあお友達も呼べなくない?」

光「そ、……そんなことない! 特撮を……趣味を誰にも恥じる必要なんてない!」

南条母「そぉ? 小学生の頃遊びに来てた男の子たちも来なくなっちゃったし」

光「それはっ、もう中学生だから……男女であんまり遊ばないだけだし」

南条母「でも女の子とおしゃれの話や恋バナできるのあんた」

光「うぐっ……」

南条母「恋愛映画見て泣いたり、ゲーセンでプリクラとってわいわいしたりできるの?」

光「も、もーっ! できるし! できるしそんな型にはまったJC像を押し付けないで!」

南条母「はぁ……アイドルになるって言うから、少しは女の子らしくなるのかと思ったのに」

光「アタシはアタシだからいいのーっ!
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年01月02日 23:46
      • 何でそこで止めてんだ?
        後は読者の想像におまかせします
        とでも言いたいん?
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年01月02日 23:49
      • 小さな英雄ごっことか将来が楽しみな小学生だ
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年01月03日 00:00
      • もやしはね、便利だからね仕方ないね

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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