智絵里「プ、プロデューサーさん、女装がバレないように気をつけてくださいっ」
ちひろ「プロデューサーさん、女装がバレないようにしっかりしてくださいね?」
P「もうそろそろで年末かぁ……」
ちひろ「そうですねぇ、今年も1年何事も無く終わりそうでよかったですよ」
P「後は年末のロケが終われば休める……」
智絵里「な、何事も無くないです……Pさん、最近迂闊すぎです……!」
ちひろ「そういえばそうですねぇ、紗枝ちゃんにはプロデューサーさんが男だってことバレそうになったみたいですし」
P「あぁ……それは気をつけないとダメだなぁ……とはいえ、しばらく音沙汰もないから大丈夫だと思うけど」
智絵里「さっ、紗枝ちゃんは今でもこっそり……Pさんの……ふ、服の匂いをクンクンか、嗅いでたりしてるんですっ!」
智絵里「きっとまだPさんが男の人だって、う、疑ってるかもしれません……」
ちひろ「前半だけ聞くと紗枝ちゃんが変態にしか聞こえませんね」
P「よしてくださいよ、紗枝は普通の女の子ですよ、多分……」ヌリヌリ
P「この間美嘉に話し振られちゃってねー、透明マニキュアしかつけてなかったんですけど、たまにはカラー塗ってもいいかなって……ただ思ったより難しくて」
ちひろ「透明のと違って色が付いちゃいますし、上手く塗るのは最初難しいですよね」
P「ふぅん……美嘉に綺麗な塗り方でも教えてもらおうかな」
ちひろ「いいんじゃないですか? 女子トークしてきちゃってくださいよ」
P「暇があったらですかね」ヌリヌリ
ちひろ「あ、そうそう、今週末の撮影とロケ、外泊するじゃないですか。ホテルの予約とっておきましたから後で確認してくださいね」
ちひろ「年末だからどこも予約で一杯でしたよー……とりあえず空いてるところがあったんでそこ取っちゃいました」
智絵里「わ、私と美嘉ちゃんは、冬服コーデの撮影と……紗枝ちゃんは、お正月の着物特集の撮影でしたよね」
P「そうそう、スタジオ一緒だから3人纏めてやっちゃうけどね。あとは次の日に現地でロケだから」
ちひろ「気をつけて行ってきてくださいね? まあ事故でも起きない限り大丈夫だとは思いますけど……」
智絵里(紗枝ちゃんと一緒ならまた何か仕掛けてくるはず……わ、私がPさんをフォローしなきゃ……!)グッ!
……
…………
スタッフ1「はい……もうちょっと腕引いて……はい……」パシャッ!パシャッ!
智絵里(えっと、腕を引いて……)クイッ
スタッフ1「美嘉ちゃん、もうちょっとだけテンションアゲアゲな感じでもいいかな?」パシャッ!
美嘉「はーい★」キュッ!
P(この調子なら夜には終わるかな……あとは紗枝のほうだけど……)
P「すみません、ちょっと隣の様子見てきますから、少しの間お願いします」
スタッフ2「はい、任せてください」
……
…………
紗枝「ありがとう、ございました」ペコリ
P「ん、紗枝のほうの撮影終わったのね……」
紗枝「あ、Pはん……たった今、終わったんやよ?」
P「ごめんなさいね、ちゃんと見てあげられなくて……」
紗枝「大丈夫どす。うちの撮影は、お着物を着替えるのに時間が掛かるさかい、撮るんはすぐやよ」
紗枝「それに、着替えもPはんに手伝ってもろたしなぁ」
紗枝「うちはPはんがお着物の着付けを知ってはるのに驚いたんやよ?」
P「職業柄、出来る人がいないときは自分でやるしかないもの、それくらい覚えてるわよ」
紗枝「ふふっ、Pはん、うちにお着物着せてくれはるとき、お母ちゃんみたいやなって思ったんどす……あっ、失礼どすか?」
P「別に……ま、終わったらお疲れ様。まだ智絵里たちの撮影残ってるから、裏戻っててね。すみませんけど、紗枝のことお願いします」
スタッフ3「了解です。プロデューサーさんもお忙しいですね」
P「ふふっ、まだ仕事が終わってない子もいますからね」タタタッ……
紗枝「……」
……
…………
パタンッ……
紗枝「……」キョロキョロ
ササササッ!
紗枝(はんがーに掛かっとるPはんのこーと……)ササッ
バサッ!
パサッ……
紗枝「……」スン……スン……
紗枝(あかんなぁ……うち、こないなことやっとるの、おかしいのに……せやけど……)
紗枝「……」スンスンスン……
紗枝(うちおかしくなったんやろかぁ……Pはんの匂い嗅ぐのが癖になってまうの……)
紗枝「Pはん……」スン、スン、スン……
スタッフ1「はいオッケーでーす!」
美嘉「ふー……終わった終わった」
智絵里「たくさん撮ってもらいました……」
P「2人ともお疲れ様」
美嘉「えへへ、バッチリキメたっしょ★」
P「バッチリバッチリ、カリスマギャルらしかったよ」
P「智絵里も撮り直しが減ってきてたからよかったよ。頑張ったわね」
智絵里「え、えへへ……はぁ、たくさん撮ってもらって疲れちゃった……」ハァ……
美嘉「紗枝ちゃんのほうはどうなの?」
P「紗枝は先に終わっちゃったよ。控え室に先に戻ってるけど――」
智絵里(先に……!)ピクッ!
智絵里「こ、このままだと紗枝ちゃんに……」
ポワポワポワ……
紗枝『くんくん……やっぱりPはんのこーとからお父ちゃんみたいな臭いがするわぁ……』
紗枝『もしかしたらPはん……男の人なんやろか?』
紗枝『せやけど、そないならPはん……変態やさかい……通報せなあきまへんなぁ……』
ポワポワポワ……
美嘉「それならアタシたちも早く戻ろっか」
P「私スタッフさんたちに挨拶しておくから、美嘉たちは先に控え室に戻っておいて――」
智絵里「……!」ダッ!
P「あっ、智絵里!? 走ってどこ行くの!」
美嘉「なんだ、全然元気じゃん……」
……
…………
ガチャッ!
智絵里「紗枝ちゃん!」
紗枝「……智絵里はん? どないしたんや? そないな息切らせて……」
智絵里「う、ううん、何でもないよ……わ、私たちも撮影終わったから……」チラッ
紗枝「お疲れやったなぁ、うちもええ写真撮ってもらったけど、大変やったさかい」
智絵里(Pさんのコートのポケットにこっそりねじ込んでおいた私のコートの袖が出てる……やっぱり紗枝ちゃん……)ゴクリ……
紗枝「……どないしはったん? なんや智絵里はんの顔、おっかないどすえ?」
智絵里「あ、な、何でもないよ……! ちょっと疲れちゃったから……」
紗枝「ほなら、無理しないではよみんなでほてるに戻りまひょ。美嘉はんも戻ったら着替えて、Pはん呼ばなあきまへんね」
智絵里「う、うん……」
智絵里(こ、ここにいる間は気が抜けないかも……!)
……
…………
運転手「ここのホテルですね」
美嘉「おー、結構よさそうなホテルじゃん★」
智絵里「タクシーですぐの場所にありましたね……」
紗枝「びじねすほてるやと思っとったけど、なんや綺麗なほてるどすなぁ」
P「ちひろさんわざわざ高いところ予約したのかしら……? あ、すみません領収書頂けます?」
運転手「はいはい」
美嘉「どんな部屋かな? 楽しみだね★」
智絵里「う、うんっ」
……
…………
美嘉「うわっ、内装が和室じゃん! ここ結構高いトコなんじゃない?」タタタッ
紗枝「ええとこどすなぁ……年末やしちひろはんも奮発してくれたんやろか?」
智絵里「……」
P「えー……4人部屋って……」
美嘉「Pさんご飯食べたあとで温泉行こうよ! せっかくだし楽しんじゃおうよ★」
P「いや……私はいいかな……内風呂あるし……」
紗枝「なんやPはん、勿体無いどすなぁ」
智絵里「P、Pさん、きっと疲れてるんだよ……」
P「まあ、ね……ほら、ご飯すぐ来るみたいだから荷物置いて、先に化粧落としちゃいなさい」
美嘉「そだね。ご飯何出るのかなー」
P(これメイク落とせないなぁ……どうしよ)
……
…………
美嘉「うらー! Pさんアタシはカリスマギャルなのぉー! 小さい女の子にふひひなんて言わないのぉ!!」ヒックッ!
P「ちょっと、なんで料理に甘酒なんて出てきてるの!!」
智絵里「な、なんでも晩御飯が年末年始用のメニューに変わっちゃってるみたいです……」
紗枝「美嘉はん楽しそうどすなぁ」
美嘉「莉嘉がねえ! アタシのパンツを勝手に持ち出してねぇ!!」
P「はいはい分かった分かった……カリスマギャルが甘酒で残念なことになるってなんなの……」
紗枝「でも美嘉はん、こんままじゃ温泉入れないやろ? どないしよ……」
美嘉「うっ……」ドサッ……
P「気絶したか……はぁ、疲れた」
智絵里「ほっ……よかった……」
紗枝「智絵里はん容赦あらへんなぁ」
P「2人とも温泉行ってきなさい……私ラウンジにパソコン持
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