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にこ
nico_5th

1: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 16:10:17.05 ID:w9wFPNBV.net
にこ「本日はお日柄もよく…なんか違うわね」

絵里「にこ、何をやっているの?」

希「約束の時間より前に来たのにもういるなんて、随分お早いご到着だったみたいやね」

にこ「うわっ絵里、希!?来たなら声かけなさいよ!」

希「かけたやん。お取込み中だったのか返事もなかったけれど」

にこ「えっマジ…?」

絵里「大マジよ」

にこ「ちょっと待った、盗み聞きしてたんじゃないでしょうね!」

絵里「盗み聞きって、なんか喋っていたの?」

にこ「…ああー、別に何でもないわ。なんとなくよ」

にこ「そんなことより!穂乃果達はまだ?」

2: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 16:12:32.12 ID:w9wFPNBV.net
希「ここに来るまでは見かけんかったなあ」

にこ「全く、にこ達が卒業してからたるんでるんじゃないの!どれだけ待たせるつもりなのよ」

希「まだ約束の時間じゃないやん。にこっちが早く来すぎなんよ」

絵里「それだけ楽しみだったんでしょ。いいことじゃない」

にこ「はぁ!?何言ってんの」

穂乃果「おーい!」タッタッタッ

絵里「あら」

希「噂をすれば、って感じやね」

海未「すいません。お待たせしてしまいましたか?」

ことり「ちょっと買い物に予定より時間がかかっちゃったの」ヤンヤン

絵里「謝らなくても大丈夫よ、私たちも今来たところだし」

希「にこっちは楽しみすぎてもっと早く居たみたいやけど」

にこ「余計なこと言うんじゃないわよ!」

3: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 16:14:08.08 ID:w9wFPNBV.net
絵里「買い物ってもしかしてあれ?」

穂乃果「うん!ちょっと迷っちゃって…」

海未「本来ならもっと早く買っておくべきなのですが、なにぶん新入生歓迎ライブと部員勧誘のライブがあったので」

ことり「朝も放課後も練習だらけだったよねー」

絵里「ライブは成功した?」

穂乃果「うん!μsを見たから学院に入ったって言ってくれる子もいて、本当に嬉しかったよ!」

にこ「フフン、あの頃はにこがいたんだから当然ね。来年からもそういってもらえるよう頑張りなさい」

海未「もちろんです」

ことり「次は新1年生も加えたライブだから、これまでよりもっと頑張らないとね♪」

希「頑張るのも大切やけど、あんまり無理もしすぎんようにな。ところで1年…じゃなかったね、2年生の二人は?」

凛「お待たせにゃー!」ダッダッダッ

花陽「ちょっと待って凛ちゃーーん」タッタッ

絵里「噂をすれば…ね」

4: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 16:16:09.83 ID:w9wFPNBV.net
花陽「ごめんなさい。皆待たせちゃったかな?」

穂乃果「穂乃果達は今来たばっかりだよ!絵里ちゃん達も同じだって」

希「にこっちは、」

にこ「黙りなさい」

絵里「16時16分…。何だかんだでみんな大体時間通りね、ハラショー。」

穂乃果「それにしても、久しぶりに絵里ちゃん達3人が揃っているところに会った気がする!」

海未「先月に、皆さんに集まっていただいたとき以来ですから」

ことり「…1か月ちょっとぶりだね。μsだった時の8人が揃って集まるのは」

希「…そうやなあ」

絵里「まだ時間はあるし、ちょっと皆で寄り道しましょうか。」

8: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 19:07:59.34 ID:w9wFPNBV.net
絵里「へぇ、7時過ぎでもアイドルショップってやってるのね」

希「それだけスクールアイドルが浸透してるってことやね」

穂乃果「うわー、もうこの間のライブの写真が売られてるよ!」

海未「つい数日前のことなのに、随分と早いですね」

にこ「アイドルは鮮度が勝負だから。それはグッズ展開も同じよ」

希「ウチらがいない6人グループで踊ってる写真は新鮮やなー」

花陽「本当に、にこちゃん達卒業しちゃったんだね…」

にこ「今更なにいってんのよ」

花陽「もちろん卒業式の後お別れ会とかもしたけど、こういう何気ない瞬間に実感しちゃうって言うか…」

ことり「分かるよ、花陽ちゃんの言ってること。忘れかけてきたときほど思い出すと感傷に浸っちゃうよねー」


凛「あっ!これってもしかして…」

海未「こら、凛。勝手に裏を見るのは良くないですよ」

凛「だってだって!ほら!!」

海未「…これは。なるほど、明日の準備ですね」

凛「地元のショップだから贔屓してくれてるかもしれないけど、こんなに応援してくれるのは嬉しいね!」

海未「明日あの子も連れて来ましょう。驚きますよ」

絵里「みんな、そろそろ行きましょう。時間もちょうどいいわ」

9: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 19:31:59.84 ID:w9wFPNBV.net
海未「新生活はどうなのですか?」

花陽「希ちゃんと絵里ちゃんは同じ大学、にこちゃんは短大行きながらアイドル活動だったっけ?」

絵里「そうね。まだ1年で入学して2週間だし専門的なことは何も学んでいないけど、高校と比べたらずいぶん雰囲気が違うわ」

希「えりちはさっそく人気者になってるのは高校と変わらんけどね」

絵里「もう、やめてよ。希といるから安心できるけど、女子高だった時よりいろんな子がいるから、人が集まってくると正直怖いわ」

にこ「あんた達大学でも花園やってんの?」

凛「にこちゃんは友達できたのかにゃー?」

にこ「あんた酷いわね!普通に話す人くらい何人かいるわよ!」

穂乃果「でも絵里ちゃんや希ちゃんが1年生だって。なんだか変な感じがするね」

ことり「ことり達が最上級生なんて、未だに実感わかないなぁ」

絵里「ふふ、私も最初はそうだったわ。そのうち勉強に追われて嫌でも3年生ってわかる羽目になるから」

穂乃果「うぇー、受験やだよー!」

海未「また穂乃果は…」

10: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 19:33:17.83 ID:w9wFPNBV.net
花陽「あっ、海未ちゃんの家見えてきたね」

希「悪いなあ海未ちゃん。荷物の置き場所にさせちゃって、しかも夕ご飯まで奢ってもらえるなんて」

海未「大丈夫です。場所はそれなりにありますから。あの子の家よりは狭いかもしれませんが」

海未「それに、3月のお礼をさせてください。次にいつみんなで集まれるかわかりませんから」

凛「よーし、突撃!隣の海未ちゃんちの晩御飯!」ドドド

穂乃果「おー!」ドドドド

海未「ちょっ、待ちなさい二人とも!!」ダッ

にこ「…変わってないわねえ」

希「変わってへんなぁ」

12: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 21:00:50.42 ID:w9wFPNBV.net
花陽「ご飯おいしかったー」

凛「ほんとだにゃー」

海未「口にあったようでよかったです」

希「そういえば、今日の練習はどうしたん?」

穂乃果「土曜日だから、午前と午後の両方練習だったけど、午後練は早めに切り上げたよ。買い物もあったし」

にこ「それ大丈夫なんでしょうね?」

ことり「どうしたの?」

にこ「下手に普段と違うことした瞬間悟られかねないわよ。あの子、感がいいんだから」

希「そうやなあ」

穂乃果「…フフフ」

にこ「な、なによ」

13: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 21:01:40.48 ID:w9wFPNBV.net
穂乃果「心配ご無用だよにこちゃん!実はね、もう既にそれとなく伝えたんだ」

にこ「伝えたの!?」

海未「伝えたといっても、今の集まりではありません。明日の練習後の事です」

絵里「どういうこと?」

穂乃果「今日早めに練習をやめるのは明日の練習後ちょっとやりたいことがあるから、って言ったの」

花陽「やっぱりそれだけで気付いたみたいで、うっすら頬染めてたよ」

凛「口では興味ないふりしてたけど、絶対あれは分かってたね!」

希「なるほど、穂乃果ちゃんにしては考えたやん」

穂乃果「えへへー」

にこ「ちょ、ちょっとあんた達。にこに分かるよう話しなさいよ」

絵里「つまり、下手に全部隠そうとして全てを悟られるくらいなら、一部の秘密をそれとなく見せつけたということよ」

希「秘密の一部が見えたことでそれが全部と理解したつもりになって、他の怪しいことにも納得してしまうんやね」

にこ「ようやく分かったわ。練習後に’それ’があると気付かせることで、逆にそれが練習後にあるなら、その前には何もないと思わせたのね」

海未「ええ、これであの子の興味は明日の練習後のことに絞られたはずです。これからのことは何も気づいていないと思っていいでしょう。」

ことり「どんな反応してくれるか楽しみだねぇ」

14: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 21:16:44.30 ID:w9wFPNBV.net
「ふぅ…もう9時過ぎね」

(作業はとりあえずここまでね。後はお風呂の後にしようかしら)コンコン

「? お母さんどうしたの」

「明日の夜は時間があるか? …多分夜なら、大丈夫だと思うけど」

「分かった。部活が終わったらなるべく早く帰るから」バタン

(多分明日の夜ってことはあれよね…。毎年普通に言ってくるのに、今年はどうしたのかしら)

(そういえば、穂乃果が早く練習終わらせる理由が、明日の練習後にしたいことがあるからって言っていたけど)

(それもどう考えてもあれよね…。サプライズするならもう少し完璧に隠しておかないとダメなんじゃないの)

(後でみんなに怒られても知らないわよ…)

15: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 21:18:02.94 ID:w9wFPNBV.net
(まあ、隠してもこれまでの経験からなんとなくあるってことは分かっちゃうんだけど)

(3年生が卒業した後も、海未のはみんな集まってやったし)

(そういえば、希のも一か月遅れでやったんだっけ。希のころはバタバタしてまともにやれなかったから改めて)

(そう考えると、私だけ9人で集まれないのね…)

(にこちゃんも、エリーも希も大学へ進学したんだし、入学したてで忙しいだろうし)

(…しょうがないわね。4月生まれなんてそんなものよ)

(新1年生の子もまだいないからお祝いしてくれる人は5人だけど、その5人はとっても大切だから)

(今までに比べたら十分すぎるほどね)クスッ

16: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 23:36:51.36 ID:w9wFPNBV.net
穂乃果「くるっとくるっとくるっと回ろう!」

凛「くるっとくるっと踊ろうよ!」ヘイッ

花陽「も、もう夜中の11時半だよぅ」

海未「二人ともうるさいです静かにしなさい何時だと思っているんですか!!」

ことり「海未ちゃん叱るならもうちょっと小さな声でしないと、一番うるさいよ…」

海未「はっ!す、すいませんことり…」

絵里「また随分懐かしい曲ね…。そのバージョンは穂乃果と凛だけのだったかしら」

にこ「…だすびだーにゃ」クス

絵里「何か言ったかしら。にこ?」

にこ「何も言ってないわよ」

希「こんな真夜中にみんなで街中で歩くのもそう無いからなぁ。テンション上がってるんやろうね」

17: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 23:37:46.87 ID:w9wFPNBV.net
絵里「ところでにこ、聞きたいことがあるんだけど」

にこ「なによ」

絵里「あの子の家に事前連絡はしてあるんでしょうね?」

にこ「は?何で本人にわざわざ言うのよ」

絵里「そうじゃなくて、ご両親によ。この時間に8人でお伺いするのよ?本人に言わなくても、家の方に連絡しておかないと迷惑よ」

絵里「それに、深夜だからもしかして本人は寝てるかもしれないわよ?引き留めておいてもらわないと」

にこ「・・・」

絵里「その反応は」

希「してなかったみたいやね」

にこ「に、にこがしなくても今同じ学校にいる面子がするもんじゃないの!?家に行くこともあるし!」

絵里「この計画の言いだしっぺはにこじゃない。それに今日集合するときに、あの子にかける言葉を練習するほど楽しみにしてたのに」

にこ「ちょっ、やっぱり聞いてたんじゃない!!」

希「ほぅ、口答えするとはいい度胸やね」ワキワキ

にこ「ひっ」

18: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 23:40:55.57 ID:w9wFPNBV.net
絵里「…まあどうせそんなことだろうと思っていたから、ことりにお願いしておいたわよ。やってくれた?」

ことり「もちろんです♪」

にこ「なによ、連絡とってくれたのね…助かるわ。でも、なんでことりに?」

絵里「ことりのお母様…つまり学園の理事長とあの子のお母様が旧知の仲らしいから、この時間に未成年が出向くということも含めて、もともと知り合いの理事長から言ってもらえれば分かってもらえると思ってね」

絵里「さらに、あの子のお母様に家族でのサプライズを意図的に匂わせてもらって、今からの事をカモフラージュする作戦もお願いしたわ」

絵里「まさか穂乃果も同じことやるとは思っていなかったけれど、これで万全ね」

希「さすがえりちやね」

絵里「ふふ、そうでしょう」ドヤ

凛「平日は勉強もあるから、時間のある土曜日に主に作曲やるって前に聞いたし、まだ起きてるはずだにゃ」

花陽「今ちょうど新曲作っているって言っていたもんね」

穂乃果「準備は万端!おーるくりあだね!」

にこ「よーし、首を洗って待ってなさい!」


8人「真姫ちゃん!!!」

20: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 23:56:13.31 ID:w9wFPNBV.net
真姫home

真姫「もう何なのよ…」

真姫「料理人が食材買いわすれてて夕ご飯が普段の1時間遅れになったり」

真姫「お風呂のお湯が全部抜けてて新しく沸かすのに1時間かかったり」

真姫「今週は課題が少ないからさっさと作曲終わらせて早めに寝ようと思ったのに、もうこんな時間だなんて」

真姫「タイミング悪すぎでしょ…」

ピンポーン

真姫「こんな時間に来客?ママ達も大変ね」

真姫「え、なんで私が玄関まで出迎えに行くの? 今明日の手術の資料の確認をしてて手が離せない?」

真姫「もぅ、しょうがないわね…」テクテク

21: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/18(土) 23:59:59.88 ID:w9wFPNBV.net
ガチャッ

真姫「お待たせしました… ふぇっ?」

絵里「ハァイ真姫、元気にしてた?」

真姫「え…えっ!?エリー!?それにみんなどうして!」

にこ「まーきちゃん!」

真姫「…にこちゃん?」

にこ「今日は何の日?」

真姫「え…? え、まさか」



にこえりのぞ「真姫ちゃん!」

ことほのうみ「誕生日!!」

りんぱな「おめでとう!!!」モッギュー!


真姫「うええええええええええ!!?」

24: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2015/04/19(日) 07:57:32.32 ID:2gfVFQta.net
真姫(あれからプレゼントをもらって、真夜中なのにケーキをみんなで分け合って食べて、海未がピアノ弾いてくれて)

真姫(一人一人からお祝いしてもらったわ。…にこちゃんがあんなに素直に言ってくれるなんてびっくりしちゃった)

真姫(そんなこんなでみんなで寝るときにはもう午前3時前だった)

真姫(そうやってあんなに遅く寝たのに、私だけいつも通り起きちゃったわね…)

真姫(電話やメールならともかく、まさか、日付が変わると同時に家押しかけてくるなんて)

真姫(非常識な人たちね…)ハァ

真姫(でも)

真姫(ああいう人たちだから、μsに入ってよかったって思えたのよね、きっと)

真姫(みんな、ありがとう)クスッ


おわり