米国ラスベガスのCES 2016会場で見つけた、一見少し大きめのUSBメモリーのような小型カメラのような薄型デバイス。
実はこれ、単体で動作可能な"リアルタイム翻訳ガジェット"なのです。
グーグル翻訳など、スマホで使える音声翻訳サービスはいくつかありますが、いずれもアプリを起動してテキストを入力したり、スマホのマイク部分に口元を近づけ音を拾うなど、ひと手間必要ですね。
この「ili」なら軽いので首からぶら下げっぱなし。必要な時に中央のボタンワンプッシュで、音声翻訳が行えます。
使い方は簡単。ボタンをプッシュして翻訳したい文章を話すだけ。指向性の強いマイクにより話した人の声だけを拾うことが可能で、翻訳後の音声が内臓スピーカーから流れます。声が聞き取りにくい街中のように人がたくさんいる所でもストレスなく使えるんだそうです。
肝心の翻訳辞書(ライブラリー)はすべてガジェット内のストレージに収められているため、ネットにつながらないオフライン環境で使えるのも魅力のひとつとなっています。主に旅行先での利用を想定していて、国の名所や施設、ホテルなど固有名詞に関するボキャブラリーが豊富に登録されているそうです(ライブラリそのものは別の事業会社と提携)。
対応言語により3モデルあり、それぞれ日本語と英語、日本語と中国語、英語と中国語の相互翻訳に対応しています。このあたりは内蔵ストレージの容量と取り扱いのカンタンさも関係しているようです。内蔵ライブラリーはアップデートも可能なように設計されているとのことでした。
残念ながら、今回出展されていたのはプロトタイプどころかデモ機でもなく、その実力のほどを体験できるのはデモ機が登場する今年2月頃の予定。具体的にどう使えるのかというのが気になる方は、公式サイトのムービーをチェックしてみてください。
せっかくの海外、現地でスムーズに会話ができなければその楽しさも半減。「英語が話せないから...」と海外へ行くのをためらっていた人も、語学の壁を越えてデバイスひとつ首からぶら下げて、気軽に海外に出かけられるようになる日も近いかもしれませんね。