ISISは「ジハード大学」研究所で自爆テロ用リモート運転車を開発している
手作り感があるだけに禍々しいのは、そこに人の悪意を感じるからでしょうか。
イスラム国(ISIS)はシリアのラッカにあるとされる「ジハード大学( 'Jihadi University' )」の兵器研究所で新たな兵器の開発をしています。彼らはヨーロッパへの大規模な攻撃に備えて戦闘員を育成し、軍備を整えるために、武器の専門家や科学者を採用しているんです。
これまで、比較的小規模なテロ集団は、入手した武器を保持するだけで精一杯で、高度な技術を必要とする武器を新たに生産したり、まして開発することなどできないと考えられていました。
ですが、英国のニュースメディアSky Newsが独自に入手した彼らのトレーニング用映像は、そのような認識が過去のものだということを私たちに突きつけました。
熱感知で対象をロックオンするミサイルは手作りですが99%の精度を持っていますし、熱電池も自作しています。そして、今彼らが開発しているのが味方を犠牲にせずに自爆テロをするためのリモート運転車です。
明らかに無人の自動車が侵入したとなれば、すぐに不審だと警戒されますが、このサーモスタットを搭載したマネキンが、セキュリティスキャナーを回避する目くらましになるといいます。
もちろん彼らが一からこれを開発したということはないでしょう。何かしらの形で既存の自動運転車の仕組みを真似て、それに近いものを作ったと予想されます。
ですが、ひとつのテロ集団がテクノロジーを駆使して武器を開発し、生産できるという事実は衝撃的です。それに、このトレーニング用のビデオの存在は、ISISがシリアの外にいる戦闘員を遠隔で訓練していることを示しています。
そういえば昨年末にひとりの若者が(不完全という指摘はあったにしても)自動運転車を自作したというニュースがありました。高度な情報が簡単に手に入る今は、これまでの安全保障の常識は通用せず、より多様な脅威に備える必要があるのは確かなようです。
本来なら交通事故を減らし、安全な運転を実現するために開発されてきた自動運転車。それが、このような形で「活用」されてしまうのは許されないことです。
source: Sky News
(高橋ミレイ)