花陽「保健室の夢枕」
凛「図書室の迷い猫」
ことり「美術室の白い虹」
一応続編です。
ファンタジーっぽい世界観です
あなたが見ているのは本当に表ですか?
今朝の花陽はとってもいい気分
早起きしていつもよりちょっぴり多めにご飯を食べちゃいました♪
でも気分がいいのはそれだけじゃなくって…
凛「あ、かよち~ん!おはよ~!!」
花陽「凛ちゃん、おはよう」ニッコリ
凛「なんだかかよちんご機嫌だね~。……あ、その髪飾り!早速つけてきたんだ!」
花陽「ふふ、どうかなぁ…?」
凛「す~~……っごく似合ってるよ!!やっぱり買ってあげてよかったにゃ~!」
花陽「ありがとう♪」
そう。気分がいいのはこの髪飾りのおかげ
小さな可愛らしいお花の硝子細工がついた髪飾り
先週の日曜日に凛ちゃんとお出かけした時に凛ちゃんがわたしにプレゼントしてくれたものです
凛「一目見た時から絶対に似合うと思ったんだよね~」
花陽「花陽もすっごく気に入ってるんだぁ。…でも、お金があんまりなくて…。今度は凛ちゃんに何かプレゼントしてあげるね?」
凛「ほんと!?それじゃあ、楽しみに待ってるにゃ!」
真姫「おはよう、花陽。…その髪飾りどうしたの?」
花陽「あ、真姫ちゃん、おはよう。えへへ、これはこの前お出かけしたとき凛ちゃんがプレゼントしてくれたんだぁ」
真姫「へぇ~凛が…。いいじゃない。似合ってるわよ?」
花陽「ありがとう!今度は3人でお出かけできるといいね」
真姫「そうね」
体育の授業の着替えをしている時に真姫ちゃんに褒められちゃいました
今日の体育は花陽の苦手なバレーボール…
いつもならネガティブな気持ちになっちゃう花陽だけど、今日は髪飾りが元気パワーをくれます
「いくよー!…そーれー!」
花陽「は…はいっ!」ボスッ
苦手なレシーブも上手に拾えて…やっぱり今日は調子がいい気がします!
真姫「わわっ!?」
凛「やったぁ!サービスエースだにゃ!」
真姫「ちょ、ちょっと、凛!手加減してよね!」
隣のコートでは凛ちゃんのチームと真姫ちゃんのチームが試合をしているみたいです
花陽だけ別のコートでちょっぴり寂しいなぁ…なんてぼんやりと眺めていると
「小泉さん!前!!」
花陽「ふぇぇ?」
ぼこーん!!
バレー部の子の強力なスパイクを見事な顔面レシーブで相手のコートへ返します
相手のチームの人はあまりの出来事に呆然と立ち尽くしたまま一歩も動けません
そのまま、ぽーんとボールは地面に着地して、花陽のチームに得点が入ります
やっぱり今日はついてるなぁ…
そんなことを考えながら、ぱたりとその場に倒れて意識が遠くなるのを感じました
花陽「うぅ…ん」
ことり「あ、花陽ちゃん!よかった~目が覚めたんだねっ」
花陽「…ことりちゃん? あれ…ここは?」
ことり「ここは保健室だよ。花陽ちゃん突然倒れちゃって、それでここに運ばれてきたんだよ」
花陽「ああ…そっかぁ…」
ボールがぶつかった鼻の頭を軽く撫でてみると、痛みは…あれ? 全然感じません
花陽「あれ? ことりちゃんが治療してくれたの?」
ことり「治療? ことりも保険の先生も特に何にもしてないよぉ?」
花陽「そ、そうなの? 全然痛みがないからてっきり、ことりちゃんが治療してくれたのかと思ったよ」
ことり「痛み…? 花陽ちゃん、どこか痛いの?」
花陽「? 今は痛くないけど…花陽、確かバレーボールを顔で受け止めて…それで運ばれてきたんじゃ…」
ことり「バレーボール…?なんのこと? 花陽ちゃんは朝礼の時に貧血で倒れて運ばれて来たって聞いたけど…」
あ、あれぇ…?朝礼…?貧血…?
…そうだ、全部思い出しました
さっきの体育の時間にバレーボールをしていたのは何ともリアルな夢だったのです
今朝の本当の花陽は恥ずかしながら夜更かしのせいでお寝坊をして、ご飯がほとんど食べられませんでした
結局遅刻しそうになりながらフラフラのままダッシュで学校へ行くと、運悪くその日は朝礼がある日で、そのまま運動場に整列
じりじりと頭に照り付ける太陽。睡眠不足。お米不足。全力ダッシュ。長いお話し。
それで花陽は耐えることができずに倒れてしまったのでした
ことり「ごめんね…?うちのお母さんの話が長かったから…」
花陽「い、いえ!決してそんなことは…。…どちらかというと、理事長より絵里ちゃんの話の方が長くて…。あぁ!今のは聞かなかったことに…!」
ことり「あはは、確かになんだか絵里ちゃん凄い気合入っていたよね…」
花陽「でも本当に絵里ちゃんは悪くないんです…。今朝は花陽が朝ごはんをしっかり食べてこなかったからで…」
そういうと、ぐぅ~っと大きなおなかの音を鳴らして赤面しました
ことり「あ、やっぱりお腹が空いたんだね。もうお昼休みだもん」
花陽「も、もうお昼!?は、花陽お腹が空いて死んじゃうよぉ…」
ことり「ふふ、そういうと思って、花陽ちゃんのお弁当持ってきておいたよ♪」
花陽「あ、ありがとぅ…」
恥じらいなんて関係ありません!
飢えた狼のようにがつがつとお弁当の中身を平らげました
ことり「足りなかったら、ことりが作ってきたおにぎりもたくさんあるよ♪」
花陽「い、いただきます!」
ああ、ことりちゃんはなんて優しいのでしょう
凛ちゃんが花陽の周りを無邪気に飛び回る可愛らしい天使だとすると、ことりちゃんは困った人に優しく手を差し伸べてくれる大天使…コトリエル!
ことり「こ、ことりえる…?」
花陽「あ、なんでもないです…/// すごく美味しかったです!」
ことり「喜んでくれてよかったな♪」
ぽんぽんに膨らんだお腹をさすりながら、さっきまでのできごとを思い出す
体育でバレーボールをしてたこと
随分リアルだったから気が付かなかったけれど、あれはやっぱり夢だったのかな?
そういえば、夢の中では今日の花陽と全く逆で、早起きしてご飯をいっぱい食べて、凛ちゃんからの髪飾りもばっちりつけて…幸せな一日のはずだったのに…とほほ
あ、でも凛ちゃんからもらった髪飾りは夢のお話しじゃなくて、本当の話です。今日もしっかりとつけてきました!
凛ちゃんとの約束だったもんね、えへへ♪
そして、頭の上の髪飾りをそっと撫でようとしたのだけれど…あれれ?
花陽「はわわ!? か、髪飾りがない!?」
ベッドの横の大きな鏡をのぞいてみるとそこにはいつも通りの花陽の姿が
でも、今日はいつも通りじゃダメなんです。凛ちゃんからもらった大事な大事な髪飾りがついてないと…!
凛「かーよちん!授業終わったし練習いくにゃ?」
真姫「ちょっと、凛。花陽はまだ体調が万全じゃないのよ?あんまり無理させちゃダメでしょ」
凛「そうなの、かよちん?」
花陽「え、え~と…う、うん!実はまだちょっと体の調子がよくないんだ」
凛「そうなんだ…」
真姫「練習は無理そうね。花陽を一人で帰らせるのも心配だし、今日は私たちも練習を休んで家まで送っていくわ」
花陽「えぇ!? い、いいよ!全然平気、大丈夫!!ほら、花陽は元気です!」
凛「元気なら練習いくにゃ?」
花陽「…や、やっぱり元気じゃないかも…」
真姫「どっちなのよ…」
凛「むむぅ~…かよちん、何だか怪しい…。あれ、そういえば、かよちん凛があげた髪飾りはどうしたの?」
花陽「!!」
真姫「あら、そういえば今朝は珍しくつけていたわね、髪飾り」
花陽「そ、それは…」
りんまき「それは?」
花陽「と、とにかく! 今日は花陽は練習に出られないけれど、凛ちゃんと真姫ちゃんは練習を休んじゃダメだからね!!そ、それじゃあ…!」ピュー
凛「い、行っちゃった…」
真姫「元気に廊下を走っていったわね…」
花陽「はぁ…どうしよう…。見つからないよぉ…」
凛ちゃん達にお別れをして、花陽は今朝朝礼で集まった運動場で髪飾りを探していました
もし髪飾りを落としていたとしたらここしかありえません
でも、ただでさえ広い運動場。大体の位置は覚えていてもなかなか見つかりません
もしかしたら、誰かが見つけて持って行っちゃったとか…?
「お困りのようやね!」
花陽「の、希ちゃん!? どうしてここに…練習は?」
希「ふふふ…、練習に行こうと廊下を歩いていたら、全力で走る花陽ちゃんの姿を見つけてな。一応、副会長として注意しないとあかんなぁ、って」
花陽「ご、ごめんなさい…」
希「う~ん、それでもやっぱり花陽ちゃんには罰を与えんとなぁ」
花陽「ば、罰!?」
希「うん!その名も…ほっぺたもにもにの刑や!」モニモニ
花陽「ピャァァ!!」
希「ごちそうさん♪これに懲りたら廊下は走らないこと!」
花陽「しょ…職権乱用です…」ゲッソリ
希「職権乱用とは失礼な。正義のためには犠牲がつきものなんよ?花陽のほっぺたは犠牲になったのだ!」
もうっ! 希ちゃんったら…
希「それで…何か探してたみたいやけど?」
花陽「…何でもないです」
希「何でもないってことは…ないんやない?」
花陽「いじわるな希ちゃんには教えませんっ」プンプン
希「えぇ…ちょっとしたスキンシップや~ん。それに、ウチこれでも生徒会やし。落とし物として届いていたら協力できるよ?」
花陽「…」
……
希「髪飾り、かぁ」
花陽「はい…凛ちゃんからもらった大事なものなんです…」
希「どうやら、生徒会の方には届い
コメント一覧
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- 2016年01月08日 23:04
- 続きが気になる終わり方してくれるじゃないか
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