そだちコンジェクチャ
結構ある
私は次の町に行かなくてはならない。逃げるわけでなく
誰に言っているんだ。私のためだ
時刻表をみるのに決意を使った私は椅子に座る、いやベンチか
青いベンチの端を見つめる。長い引きこもり生活の所為か
視線が外に出るとまったく定まらない。何かに固定したいのだ
でも人がいたら固定はできないので
物体を見つめるのだけど、この子なに?
オレンジと青緑の女の子
いつからいただろう?
余接「僕の石ころ帽子を見破るなんて」
なんか頭がちょっとおかしい子なのかな?
私もおかしいことには自信があるけど
育「その帽子のこと?」
変な帽子
余接「お姉ちゃんはマンガとかテレビ見ないほう?」
育「見ないわ」
余接「そう」
余接「最近じゃ意識高いとか言われちゃうけど、お金が無くてそんなどころじゃねーよとか」
余接「余裕もなにもないからだよ。見れたらみたいよ僕だって」
余接「って言う人もそんな風に言われちゃうのかな?」
育「さぁどうだか」
会話はしない
してくれる人がいない
この子は話しかけてきた
私は話しかけない
元々そんなに話したいほうじゃないし、頑張らないと無理だし
こんな格好の子供と仲良くならなくていい
足をプラプラさせてこっちを見てる
私なんかに話しかけてくれてありがとうだけど
私はこの町からでていくからね
バスの時間はあるみたいだ。私は気まずくなって目を閉じる
寝るふりをしよう
気にしているんだと自嘲しながら更に目を閉じる
寄りかかるカラフル
余接「いけない、いけない。僕としたことが寝てしまった」
棒読みの子供
無表情な少女
かわいい格好
寄りかかったままで
育「なあに?」
精一杯、子供向けの声を出す
余接「ほっぺたから匂いがする」
私の頬に近づき、鼻があたる
育「私のほっぺが臭いっていう意味?」
余接「ネガティブだね」
触れられたことに
人に触られるのが怖い
これが治ることはあるのだろうか
もちろん人に触るのも怖い
拒絶されるのが怖い
往々にして私も拒絶するけど
余接「知っている人の匂い、だからか」
知っている人?
この子の知っている人の匂いが私からしているのか
なんだろう。それ
でもどんな人と似ているのかな?
育「それってどんな人?」
育「素敵な人?」
私に似ていて勉強が、数学が好きな人なら嬉しい
余接「一言で言うなら変人、いや変態かな」
余接「とにかく変な人だよ」
まあ私に似ているんだ
仕方ない。バス来ないかなあ
育「あれじゃない」
バスが来て
バスに乗らないことを示すために頭を下げる
隣を見る
見られて
遅れてもう一つの頭が下がる
いい子じゃないか
でも変な帽子
余接「かぶる?」
育「ごめんなさい」
かぶせようとする
そういうんじゃないんだけどね
断ったんだよ。だからごめんって
伝わらないなあ
でもかぶって
10秒だけ耐えて
隣を見て
目を逸らされた
こいつ
知ってるよ。せめて笑ってよ、頑張ったんだから
それにしてもこの子、笑わないな
それには負けないけどね
余接「いえーい」
ジッと見ていたらそう言われた
今、子供達の間で流行っているに違いない
なにが流行るか分からない
帽子はとってくれた
育「やめとくわ」
誰かに見られたら死にたくなる
まあ見られたところでどうとでもないか
余接「やりたいでしょ?」
育「やらないの」
だからってやりたいわけはないもの
育「ここ以外のところ」
余接「じゃあこの町を離れるの?」
育「そう」
余接「誰かいないの?」
育「誰が?」
余接「普通町から離れるのなら誰か見送りにきているものだから」
思いもしなかった
余接「わー」
わーってなに?
睨んでみる
全然動じない
余接「じゃあ僕がお姉ちゃんの友人を演じようか?」
いや・・・別に
嬉しいと思ったけれど、それはどうなのだろう?
育「それは分かるよ」
余接「お姉ちゃん、僕のど渇いたな」
育「そう」
余接「友達でしょ?」
友達ってそうなんだ。難しいな
なにがいいんだろう
お茶は子供だから駄目かもしれない
炭酸系も苦手かもしれない
これでいいか
余接「おしるこって」
育「2回言う?」
でも飲むんだ
余接「いいセンスだね」
育「ありがとう」
余接「お姉ちゃんのこと、心配になるんだけど」
お金はちゃんとくれた
今時の子供は持ってるよね
余接「お姉ちゃんは?」
これが最近の携帯か
余接「持ってないんだね」
余接「写真を撮れるんだよ」
育「それは知ってる」
余接「一緒に撮ろうよ」
育「バス停を?なんで?」
余接「ポンコツだね。自分達を撮るんだよ」
余接「・・・いや大丈夫だよ」
顔を近づけ、シャッター音が鳴り、画面を見てみる
余接「無表情だね」
育「2人ともね」
余接「お姉ちゃん、これに懲りずに頑張ってね」
ピースまでしたのに
余接「行かないよ」
育「じゃあ何しているの?」
余接「基本はお仕事だよ」
嘘をつくな
育「誰の子?」
余接「誰かの子」
育「どこの子?」
余接「どこかの子」
バス来て
私にはきつい
あいつならきっとうまくやるだろう
妹達がいるから
私はひとりだ
余接「いないよ」
育「どこかに行ってるから?」
余接「どこにもいないよ」
どこにも
育「大変だね」
私らしくなく笑顔になって励ましてみる
余接「笑顔が歪んでいる」
余接「自信がないんだね」
余接「持続性がない」
育「ああ、そう」
自分の笑顔なんて
いつもの顔に戻るだけ
余接「素敵な怖い顔だね」
これは良い評価をもらったらしい
余接「そんな目付き、皺になっちゃうよ」
育「目が?」
余接「バカじゃない」
余接「普段冗談を言うタイプの人が言うと、もの悲しくなるよね」
余接「それはもう冗談みたいに」
余接「お姉ちゃんが友達がいなくて、アレな子っていうのはいけないことではないよ」
私はカッとなっているのか
余接「ずっとそうだったの?」
育「ずっとそう。10周年は堅い」
余接「アニバーサリーだね。おめでとう」
頑張らなくていいところで頑張るのが私だ
育「そういえばもうずっとおめでとうなんて言われてない」
育「誕生日でもそう。普段の日もまったく人と話さないし」
育「インターホンなんか鳴ってもほぼでないし」
余接「断交だね」
育「電話なんてもちろんなくて」
余接「断線だね」
育「郵便箱も開けない」
余接「郵便局の人、困るね」
育「これで女子高生だものね。先はないかもしれないわ」
育「言
コメント一覧
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- 2016年01月10日 23:15
- 育の膣内気持ちいぃぃぃいwwwwwwwwwwwwwwwドピュドピュドピュ
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