東芝がメガネ型のウェアラブル端末「Wearvue TG-1」を発表しました。メガネののレンズ部に直接映像を投影するため、投影ユニットが視界を遮りません。業務用の製品で一般向けの販売は想定しないものの、東芝では本日1月13日より Amazon にて予約受け付けを開始、2月29日からの出荷を予定しています。価格は21万6000円。
Wearvue TG-1 の特徴は、映像を投影するユニットがユーザーの右後方に位置すること。ユーザーの視界を遮ることがないため、さまざまな機械が動いていたりフォークリフトや自動搬送ロボットが行き交う工場や倉庫などの現場作業でも安全に利用可能です。
TG-1 は単体で動作するわけではなく、市販の Windows 端末との HDMI 接続が前提。つまり業務に合わせた利用には専用ソフトを自ら開発する必要があります。このため東芝では2月29日の発売日に合わせて専用のページにて SDK を配布する予定です。また Windows 端末を利用するため、開発するソフト次第で指輪型コントローラーやグローブ型コントローラー、ヘッドセットといった市販の製品を組み合わせた使い方も実現可能です。
東芝によると TG-1 は重量が50gと軽く、長時間の作業でも疲れにくいとのこと。またメガネとして自然なデザインを追求しており、たとえば接客業務などでも違和感なく利用できるとしています。また、電源としてバッテリーを備えず、あえて USB 端子から供給する方式を採用。市販の安価なモバイルバッテリーを複数用意すれば長時間の利用が可能です。
東芝は1月13~15日にかけて東京ビッグサイトで開催のウェアラブル EXPO にて Wearvue TG-1 を出展します。
なお東芝は CES 2016 に SeeQVault 対応でビデオ視聴も可能なウェアラブル端末「東芝グラス」を展示していました。東芝グラスも Wearvue TG-1 同様、視界を遮らないことを特徴のひとつとしており、いつか一般向けに発売される可能性もゼロではなさそうです。
ちなみにウェアラブル端末で意外と重要なのが、いかに装着するユーザーの体格・身体的特徴によらずフィットさせるかという点。Wearvue TG-1 は投影角度を調整するPA(パーソナルアジャスター)機構をそなえており、ひとりひとり異なる顔の形状や左右の目の間の距離に合わせた投影が可能。東芝は、日本の成人全体の98%をカバーしたと豪語しています。装着を試みたユーザーが残りの2%だと判明したとき、どのような気持ちになるのかが若干心配ではあります。