【瑞加賀】加賀「瑞鶴は私のこと好きよね?」 瑞鶴「愛してます!!!」
前スレみたいなもの。
瑞鶴「加賀さん……好きです」 加賀「私も好きよ」
【瑞加賀】瑞鶴「加賀さんって私のこと好きだよね?」 加賀「……好きよ」
上記のスレの続編となります。
書き溜めはありますが逐次修正等しながらなので今回もまったり投下となると思います。
前から読んで頂いてる方もこのスレからの方も、暇潰しにでも読んで頂ければ幸いです。
「未来」
10月の半ば。軍による西方、北方同時攻略作戦が開始されて二ヶ月が経過した。
戦局の方はと言うと……飛龍先輩を中心とする北方攻略の方は滞り無し。近日中にアリューシャン列島の方まで突入できる見込み。
ただ、西方攻略隊の方は少し芳しくない。作戦開始からしばらくは、破竹の勢いとも言える快進撃を続けてたんだけど……
敵東方艦隊の本拠地であるカスガダマ島沖での戦いでここ一ヶ月程足止めを喰らっている。
原因は新型深海棲艦の出現とか色々あるんだろうけど、一番はやっぱり赤城先輩の不調だろう。
翔鶴姉が沈んでから明らかに調子を落としていって……それでも持ち前の精神力で戦線を支えててくれたんだけど……
それも限界に達して、つい最近艦隊から外されて長期休暇を言い渡されたと聞いた。
私は本土に赴いて赤城先輩に何度も何度も謝った。あの人は運命だったのだから仕方ないとか、気にしないでって言ってくれたんだけど……
こんな状況になってる以上、私としては気にしないわけにはいかない。翔鶴姉を沈めちゃったのは、他ならない私なんだから。
鈴谷「おーい瑞鶴~、お客さん来てるよー」
部屋で戦果報告書とにらめっこしながら色々考えていると、鈴谷が来客を知らせに来る。
一体誰だろう? 今日はそんな話は特に聞いてなかったんだけど……
瑞鶴「わかった、すぐ行くから」
私は資料を整理して机の中にしまうと、足早に応接室に向かった。
_____応接室
瑞鶴「失礼します!」
応接室に入ると、真剣な面持ちで座っている加賀さんの姿があった。その正面に二人の来客。
一人は私のよく知ってる、見知った顔。もう一人は……加賀さんから聞いたことがある、名前だけは知ってる人。
葛城「瑞鶴先輩! お久しぶりです!」
彼女は立ち上がると勢い良く抱きついてきて、私は少し体勢を崩しながら受け止めた。
瑞鶴「もう、危ないよ?」
加賀「近い……」
不機嫌そうにこちらを睨みつけてる加賀さんの顔が見えたので、私は少しだけ距離を取った。
葛城「す、すいません。久しぶりに先輩に会えたから、嬉しくなっちゃって……」
瑞鶴「ま、まあとりあえず座ろっか」
私は加賀さんの隣に座って手を重ねる。険しかったその表情が少しだけ柔らかくなったのを見て一安心。とりあえず本題に入ろうかな。
瑞鶴「それで、ご用件は? えっと……龍驤さん?」
龍驤「おっ、ウチのこと知ってるんか? そいつは光栄やな! よろしゅうな、瑞鶴」
瑞鶴「はい。よろしくお願いします」
龍驤……加賀さんと同い年で、共に一航戦として活躍してたって言う歴戦の空母。
龍驤「さて、ほんじゃ早速本題に入るけどな。カスガダマ沖でウチらが苦戦しとるっちゅう話は聞いとるやろ?」
瑞鶴「はい」
龍驤「その原因も……まあ、キミらならわかってるはずや」
赤城先輩のこと。やっぱり、改めて言われると胸が苦しくなる。
龍驤「今は蒼龍の奴が軽空母と組んで出撃してるんやけどな、如何せん力不足や」
龍驤「ウチや北方組に編成されてる飛鷹、隼鷹レベルならまだ戦いにもなるが、それでも赤城の代わりとなると厳しい」
龍驤「しかも、蒼龍は自分が赤城の分まで頑張らなって躍起になっとる。あの調子じゃいつ潰れるかもわからん」
龍驤「かと言って北方から飛龍や飛鷹、隼鷹らを呼び戻すっちゅうわけにもいかんやろ?」
龍驤「そんなことしたら今度は北方の方が行き詰まる。せっかくアリューシャン付近まで制海権を取り戻したのに、水の泡や」
龍驤「そこでウチが大本営に掛け合ってな。幌筵所属の正規空母の手を借りたらどうやって」
龍驤「さすがにこんな事態やしな。連中もどちらか一人だけって条件で、渋々了承したっちゅうことや」
瑞鶴「私が行きます!」
私は即答した。なんかもう、居ても立ってもいられない状態。
龍驤「ま、まあそう結論を急ぐなって。焦ったって何もいいことはないで」
龍驤「西方攻略隊も消耗が大きくてな、今は疲労抜きや資源の回復に努めとる」
龍驤「攻略が再開されるのはもう少し先の話やから、それまでにじっくり考えて結論を出して欲しいんや」
瑞鶴「は、はい……すいません。その、私……」
龍驤「まあ気持ちはわかるけどな。せや、ちょっと気分転換も兼ねて、葛城を連れてこの泊地を案内したってや」
龍驤「自分らが西方に行ってる間、この子が防衛要員としてここに残ることになっとる」
龍驤「今のうちに色々知っといた方がええやろ。な、葛城?」
葛城「はい。先輩さえ良ければ、よろしくお願いします!」
確かに、今の私はかなり焦ってる。龍驤の言う通り一度気分を落ち着けた方がいいか。
瑞鶴「わかった。じゃあ葛城、行こうか」
葛城「はい!」
葛城の手を取って足早に応接室を出て行く。加賀さんの顔を見ている余裕は無かった。
龍驤「さてと……加賀、そんな怖い顔すんなや」
加賀「別に……」
龍驤「わざわざ人払いしたんや。ウチの言いたいこと、わかるやろ?」
加賀「さあ、何かしら? 想像もつかないわね」
龍驤「あ~もう! 相変わらずの捻くれモンやな! ウチと一緒に西方に来て欲しいんよ!」
龍驤「瑞鶴の才能はウチも認める。けど、アイツもまだまだヒヨっ子やろ? 色々と危ういんや」
龍驤「安定した戦力を考えるならお前が来た方がええ。一航戦の鬼神言われたその力、見せたってや!」
加賀「まあ、赤城さんの為に手を貸すのは吝かでは無いけれど……」
龍驤「心配なんか? あのヒヨっ子と葛城が必要以上に進展してまうのが」
加賀「馬鹿なことを言わないでちょうだい。お笑いのセンスの無さは相変わらずね、龍驤」
龍驤「お得意のポーカーフェイスが崩れとるで加賀。何や、随分変わったな。一航戦の鬼神様がまるで恋する乙女やん」
加賀「……だから違うって言ってるでしょう?」
龍驤「わかったわかった。まあ、さっきも言った通りまだ少し時間もある。それまでに決心してくれればええわ」
龍驤「ウチは信じてるで、加賀!」
加賀「…………」
_____数時間後、瑞加賀の部屋
泊地を一通り案内した後葛城と別れ、敷いた布団に大の字になって身を投げ出す。
ちょっと疲れた。葛城が大はしゃぎしちゃってさ。そんなに泊地が珍しいのかな?
瑞鶴「えっと明日は……」
天井を見つめながら明日の予定について考えていると、ドアが開かれて加賀さんが帰ってくる。
加賀「瑞鶴、起きてるかしら?」
瑞鶴「あ、加賀さん。ちょうど良かった!」
私は飛び起きると、今考えていたことを伝える。
瑞鶴「明日からの朝練、葛城も一緒にやりたいって言ってたんですけど、いいですよね?」
加賀「!? ええ、構わないわ」
ほんの一瞬だけ驚いたような表情が見えたんだけど、多分気のせいだよね。
瑞鶴「やった! あの子、加賀さんのこともすっごい尊敬してたから、きっと喜びますよ!」
加賀「そう……そんなことよりそろそろ夕食の時間よ。早く来なさい」
瑞鶴「はーい」
もう、相変わらず素っ気ないんだから。あんないい子に慕われてるんだから、もう少し喜んでもいいのに。
加賀「行くわよ」
そう言って私の手を取って歩き出す加賀さん。あれ? 加賀さんからこういうことしてくるの、珍しいな。
_____三日後
葛城「それでねー、その時雲龍姉ったら……あ、あれ? 瑞鶴先輩? 聞いてます?」
瑞鶴「ん? あ、ごめん葛城」
午後の訓練が終わり、葛城と一緒に街へ買い出しに行った帰り道。
葛城「瑞鶴先輩、大丈夫ですか? 最近ちょっと上の空って言うか、その……」
言われてみれば確かに。ふと間が空くとどうしても考えちゃう。加賀さんのことを……
瑞鶴「加賀さんがね……」
龍驤と葛城が来てから、加賀さんと一緒にいる時間が少なくなった。
朝練では私が葛城に指導をしてるんだけど、加賀さんはそれを静観してるだけ。
多分私の指導のやり方とかを見てくれてるんだろうけど、やっぱり口出しとかして欲しいし……
それに、加賀さんは龍驤と話してることが多い。まあ昔からの戦友だし、積もる話もあるんだろうけど……
瑞鶴「やっぱり、ちょっと寂しいよ……」
葛城「瑞鶴先輩?」
瑞鶴「あ、何でもないよ葛城。さ、早く戻ろう」
上目遣いで顔を覗き込んでくる葛城。ダメだなぁ私。また葛城に心配を掛けちゃって……
この子の前ではちゃんと先輩らしくしてなきゃいけないのに。
瑞鶴「よし、葛城! 泊地まで競走だよ! 負けた方がジュース奢りね!」
視線を逸らして話を打ち切り、泊地に向かってダッシュ。
葛城「あ、ずるいですよ先輩~! 待ってください、私、駆逐艦の機関使ってるから足は遅いんです~!」
ごめんね、葛城。加賀さんとは今日にでもちゃんとお話しするから……
_____その日の夜、瑞加賀の部屋
お風呂から上がって部屋に入ると、加賀さんも戻っていた。ちょうど良かった、話がしたかったんだ。
瑞鶴「あの……」
加賀「瑞鶴。明日、時間はあるかしら?」
え? 加賀さんの口から出てきたのは思わぬ言葉。でもこれって、ちょっとマズい。
瑞鶴「あ、あの……すいません。明日は葛城に島を案内する予定が……」
加賀「葛城と? また?」
瑞鶴「はい。その、加賀さん、明日は予定があると思ってたから……」
加賀「なんの話かしら?」
瑞鶴「今日、加賀さんと龍驤が話してたところに通り掛かって、詳しい内容までは聞けなかったんですけど」
龍驤『ほな、明日はよろしゅうな?』
加賀『ええ、わかったわ』
瑞鶴「とか聞こえたのでてっきり……」
加賀「はあ……相変わらず早とちりなのね」
これ以上ないって程、呆れた顔を浮かべる加賀さん。私、また何かやらかしちゃったのかなぁ?
加賀「明日はあなたと出掛けようと思ってたから、その帰りにお菓子を買って来るよう頼まれただけよ」
瑞鶴「そ、そうだったの!?」
タイミング最悪。最近離れてた加賀さんとの距離を戻せるチャンスだったのに……
瑞鶴「本当にごめんなさい! 私、また……」
加賀「まあ、先約があるのなら仕方ないわ。またの機会にしましょう」
加賀「でも、島の案内はもう済