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1900年代当時、南極点にようやくたどりつけるほど、南極は人類にとって未知の場所だった。ノルウェーに南極点到達で先を越されたが。歴史に名を遺したイギリスの冒険家がいる。
「目標を失ってしまったら、新しい目標を目指せばいいんだ。」そんな名言を残したアイスランド生まれの探検家、アーネスト・シャクルトンは、1914年、南極を目指す航海の途上で氷塊に阻まれ座礁、約1年8か月に渉る漂流の末、生還したことで知られている。
彼の南極探検に関してはこれまでも何度かお伝えしているが、まだ見ぬ写真があったので、改めてここで見ていくことにしよう。
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この男性がアーネスト・シャクルトンである。
1914年8月9日、彼はイギリス海軍の破氷船エンデュランス(Endurance)号に乗り、南極点を通過して海から海へ横断しようと試みた。帝国南極横断探検隊と彼自らが名づけた冒険は三年におよび、シャクルトンと28人の船員はたえまなく危機にさらされた。
探検も中盤にさしかかるころ、エンデュランス号は広大な浮氷に囲まれて立ち往生してしまう。動けるようになったときには、船はゆっくりと浮氷の密集地に向かっていた。
シャクルトンと船員が難破を逃れたのは、氷上で上手くキャンプを行ったからだ。
その間にも、エンデュランス号はゆっくりと引き裂かれ、ぎしぎしと巨大な音を立てながら破壊されだした。ここで事実上、シャクルトンたちは遭難する。
船が沈没する前に、船員たちは限られた救命ボートを浮かべ、未だ手を緩めない海に勇敢に立ち向かい、ついに南極地域の中で最北方にあるサウス・シェトランド諸島、エレファント島にたどりついた。
彼らの驚くべき旅はついに、1916年8月末、南大西洋にあるイギリス領サウス・ジョージア島の居住区に到着して終わった。エンデュランスが水中の墓に沈んだ場所から、およそ1,333kmの旅路だった。マイナス37℃の極寒と食糧不足に22ヶ月間晒されたにもかかわらず、シャクルトンの的確な指揮もあり、探検隊28人は全員生還した。
この冒険は今日でも依然として、シャクルトンの冒険史でももっとも有名で、見事な探検のひとつだ。
これらの写真は、シャクルトンとともに旅をし、道程の全てを記録した写真家のフランク・ハーレイによるものだ。写真は王立地理学会により細心の注意をはらってデジタル化されている。
via:THIS IS WHAT IT WAS LIKE EXPLORING ANTARCTICA BACK IN 1914・translated by はっち / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
1年と8カ月の遭難って想像できねえ…
2. 匿名処理班
全員生還って横断成功よりもすごいぞ
一説によれば多くの無名探検家がたどり着けず
その遺品や写真らはいまだ氷の中に埋まって
いるみたい
いつかその人らの写真も引き上げられる日が来て
歴史に名前記録してもらいたい
3. 匿名処理班
砕氷船でも大変なのに帆船で行くとは…凄いな…
生還したのも凄い。本当のリーダーだね。