ちょっと聞いてほしい
そんなに長くはならないと思う

>>2>>3
ありがとう。

まず、友達がバイク事故で死んだんだよね。
これ自体はよくあることだと思うし、聞いたその時は俺もショックだったけど、まあ数日で「仕方ない」って思えるようになったんだよ。
でも、共通の友人はそうじゃなかったんだよね。
事故の翌日から引きこもりだした。

正直、俺はほっといてもいいかと思ってたんだが、担任に様子を見てくるよう頼まれた。
しぶしぶ、放課後にそいつの家に行ったのよ。
そしたら、まあ荒れててさ。部屋中ゴミだらけで、そいつの親や兄弟も困ってたのね。
で、俺が会いに来たってのに、明らかに不機嫌だった。

「なんで学校来ないの？」
って俺が聞いても音沙汰なし、ずっと布団被って俯いてたの。
だから、ほんとは嫌だけど説得することにした。
担任に頼まれた以上、なあなあにして帰るのもきまりが悪かったから。
「そんなにお前が落ち込むことか？ あいつが死んだのは勝手にあいつが事故ったからだぞ。なんでお前がそこまで落ち込むのかわからん」
こんな感じのことを言った。もう少し言いようがあったかもしれないけど、なんていうか嘘をつきたくなかった。

そしたら目に見えて友達が怒り出した。
「お前こそなんでそんな冷静なんだよ。友達が死んだのに勝手に死んだってなんだよ」
大声でキレられて、なぜか俺の心は急速に冷めた。
「事実だろ。それとも殺人だとでも言うの？」
「よくそんなこと言えるな。冷たいとかってレベルじゃねーな」

少し雰囲気が悪くなって、おれはさらに嫌になった。
「悪かったよ、おれは別にお前と喧嘩しにきたわけじゃないから」
って謝っても、向こうは全然治ってくれなかった。
「お前なんだよ。そうやって達観してるのがカッコいいとでも思ってるのかよ。そう思ってんなら勘違いだぞ。お前はただの冷たい奴だ」
「落ち着けって、おれはあいつが死んだことに対してお前と言い合いしにきたわけじゃないんだって。とにかく学校来いよ。その話をしに来たんだよ」

「あいつが死んだのに、学校なんて行ってどうすんだよ？」
「はあ？」
「もう前みたいにあいつがいないなら、行く意味なんてない。おれは学校やめる」
意味がわからなかった。
正直、こいつはあいつの死を利用して悲劇のヒロインを演じてるだけじゃないか。
偲ぶなんてとんでもない。お前が騒ぎ立てて、それこそあいつが成仏できなかったら意味ないだろ。
とは、言わなかった。

一応、任された身だし、そこは引き止めた。
「待てよ。なんでそうなるわけ？ お前学校に何しに来てるんだよ」
「お前こそここに何しに来たんだよ？ 喧嘩売りに来たなら帰れ」
友達は完全に興奮していた。
「喧嘩売ってんのはお前だろ。どっちかといえば俺は買いに来たほうだろ」
とは言わなかったけど、思った。
おれは情緒豊かな奴は嫌いじゃないけど、自分に対してそれが向けられるのは得意じゃないから、そろそろお暇したかった。

さいごに説得してダメだったら、帰ろうと思ってもう一度言う。
「やめるなんて言うなよ。あいつが生きてたら多分、悲しむぞ。明日から学校来いよ」
「お前があいつを語るな！！ 出てけ！！ 二度とくんな！！」
だめらしかった。
結局、追い出されて半ば絶交という形で幕引き。
あいつがどうしたいのか、俺には全くわからなかった。
悲しんだら帰ってくるなら、俺だって泣くけど。
結局、俺にはあいつが「友人の死に押しつぶされそうな自分」的キャラクターを演じて酔ってるようにしか見えなかった。

>>42
うーん。死人とヒロインと俺でよくいたってのは事実。登下校も一緒だったしね。
でも、死んだ奴が俺らの中心人物だったってのは大きいかもしれない。

>>47
まさにそうだと思う。
バイク事故っていうから、不良みたいな奴を想像してるかもしれないが、普通のいい奴。
むしろ、不良はヒロインのほうだった。
死んだ奴は、優しく、面白く、逞しい。そんな絵に描いたような優等生だったよ。

>>45
紛らわしいなｗ
悲劇のヒロインからとったのね。

>>49
まあ、否定はしない。肯定もしないけど。

ただ、俺もあいつを馬鹿にしてやろうとか、怒らせてやろうと思ってキツイ言い方をしたわけじゃない。
単に、二束三文で拵えた常套句よりも、はっきり自分の言葉で伝えたかったってのと、
自分に酔ってるあいつの目を覚まさせたかったってのが狙い。まあ、見事に外したけどね。

>>56
三年だね。

>>57
人の感情を斟酌するのってどうも苦手なんだよね。
まあ、推測はつくんだけど、それに応じて言葉を変えたら嘘になる気がしてどうも苦手。