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エリザ「……アンタってどこを見てんの?」 清姫「はい?」|エレファント速報:SSまとめブログ

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エリザ「……アンタってどこを見てんの?」 清姫「はい?」

1:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:49:19.73 ID:JeYK7a7B0

清姫「いったい何のことです?」

エリザ「なんとなく、なんだけど……清姫は正しく正面を見ていない気がするっていうか、なんていうか」

清姫「なんですかそれ? 何かわたくしのことをおちょくろうとしてますか?」

エリザ「そ、そんなつもりはないわよ! ただ―――」

エリザ「(戦いの前だとか後だとかに、ううん、戦ってる最中も、清姫は妙に遠くを見てる気がするのよね……)」

清姫「ただ?」

エリザ「えーっと、その……た、黄昏れてるような時間が多いなーって思ったのよ。そんな感じよ」

清姫「わたくしが嘘は嫌いだということ、貴女も十分にご存知のはずですけど……?」スチャ

エリザ「待った、待った待ったタイムぅ! そうすぐに構えないでよ、もう!」

清姫「だったら本心を仰ってください。嘘をつかず、言いたいことを、真っ直ぐに。何かわたくしに失礼なことを言おうとしているのだとしても、嘘を吐かれるよりは百倍マシです」




2:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:49:58.01 ID:JeYK7a7B0

エリザ「……って言われても、最初に言ったことと殆ど変わらないんだけど」

清姫「ということは、どこを見ているのか、という話ですか?」

エリザ「ええ、そうなるわ。戦ってる最中、どこか遠くを見てるような気がするのよ、清姫って」

清姫「……わたくしは前を向いているつもりですけれど、俯いたりそっぽ向いたりしていましたかしら?」

エリザ「そういうわけじゃないんだけど……言い方が難しいわね」

清姫「何か言い淀むことが?」

エリザ「そうじゃなくって、ちゃんと伝えたいんだけど……言葉が見つかんないっていうか……」

清姫「……もう、煮え切りませんわね! わたくし、このあと戦いに出る予定がありますから、失礼します。旦那様が和風サーヴァントのパーティを作ると仰っておりましたから。では」

エリザ「あっ。…………行っちゃった」

エリザ「(どこか様子がおかしく見えるのは間違いないのよね……。清姫のことに詳しいサーヴァントって、誰か――)」



3:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:50:42.76 ID:JeYK7a7B0

カルデア内、廊下にて


エリザ「あ、駄狐……」

玉藻「おやおやご挨拶ですねぇエリザベートさん。たとえこっそり呟いたつもりでも、私の狐耳は今の暴言をみこーんとキッチリ捉えておりますよ?」

玉藻「こちらもメストカゲと丁重にお呼びした方がよろしいですかねぇ、メストカゲさん?」

エリザ「ねぇアンタ、清姫と仲がいいんじゃなかったっけ?」

玉藻「……はい? なんです突然?」

エリザ「前に清姫がアンタとメールしてるとかなんとか話してたことを、いま思い出したのよ」

玉藻「はぁ。……まあ、良いか悪いかで言えば良いとは思いますよ、たぶん。ええ、たぶんです」

玉藻「たまに電波なメールや煽るようなメールも来ますから微妙ではありますけど」

エリザ「だったら、清姫の様子がおかしいって気付いたりしてないかしら?」

玉藻「……ええとですね……順を追って説明して戴けませんと、話がサッパリ見えてこないのですけど」

エリザ「あ、そうね。えっと、アタシも何か確かな証拠があって言ってるわけじゃないんだけど―――」



4:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:51:28.36 ID:JeYK7a7B0

~エリザ説明中~


玉藻「ふむふむ、なるほどなるほど。話は分かりました。……分かりましたが」

エリザ「が?」

玉藻「ぶっちゃけ、そんなに清姫さんのことなんて注目していませんから、サッパリでございます。わたくし、こう見えて今のマスターの事も慕っておりますので」

エリザ「……ようするに子イヌのことしか見てないってこと?」

玉藻「ええ、そうです。ご主人様ほどではありませんが、今のマスターもなかなかのイケ魂。目を離すなんて天が許してもこの御狐様が許しません!」

エリザ「まあ、アンタのマスター論なんてどうでもいいのよ。確か今日って和風サーヴァントでパーティを組むとか言ってたらしいじゃない? あの子イヌ」

玉藻「ど、どうでもいいなんて、自分から振っといてこのトカゲは……! ……ゴホン! ええまあ、私にも要請は出ておりますから、赴くつもりではありますけど」

エリザ「だったら、清姫の様子を見ててくれないかしら? アタシの思い過ごしなんだったらそれでいいし」

玉藻「……まあ、そのくらいなら構いませんけれど。仲がいいとは聞きましたが、貴方がたはそこまで仲が良かったんですねぇ。ええ、良い事だと思いますよ」



5:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:52:02.81 ID:JeYK7a7B0

エリザ「な、何よ。だって清姫は……その、アタシの……と、トモ、ダチ……なんだから、心配は、するわよ」

玉藻「―――おや、まぁ。貴女の口から友達なんて単語が飛び出すなんて。タマモ、不覚にもちょっと可愛いとか思っちゃいました」

エリザ「う、うるさいわね! あーもう! やっぱり駄狐なんかに頼むんじゃなかった!」

玉藻「ま、いいでしょう。虚心坦懐。今の貴女の恥じらいが報酬ということで、戦闘に集中しながら清姫さんのこともバッチリ観察しておいてあげますとも」

エリザ「え、ほ、ホントに!?」

玉藻「ええ、狐に二言はありません。そのくらい、造作もありませんしね」

玉藻「……しかし、やはりご主人様はイケ魂な方ですねぇ。あのエリザベートさんがこんな子になるなんて」

エリザ「は? なんでそこでアンタのご主人様とやらが出てくるわけ?」

玉藻「おっと失礼。失言でございました。深い意味はありませんから、お気になさらず」

玉藻「―――おや、そろそろいい時間ですから準備しなくては。それでは、また後ほど」

エリザ「あ、うん。くれぐれも頼んだわよ!」



6:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:52:41.03 ID:JeYK7a7B0

ロンドン クラーケンウェル



玉藻「(さてさて、エリザベートさんに言われたこともありますし、戦闘前に軽く様子見の挨拶でもしてみますか)」

玉藻「おや、清姫さん。こうして一緒に戦うのは久しぶりですねぇ。もっとも、肩を並べるようになったのはカルデアで出会ってからですけど」

清姫「そうですわね。玉藻さんとは長い間、メールのやり取りしかしていませんでしたけれど」

清姫「なんだか思った通りの方でしたから、安心したような、新鮮味が無かったような、そんな気分でした」

玉藻「おやおや、それはそれは。完全な姿をお見せ出来ないのが残念です。そちらでしたらきっと大層驚いていただけましたでしょうに」

清姫「……その姿は、きっと見ることがない方が平和な気がいたしますわね」

玉藻「ま、ごもっともです。あんな姿で大立ち回りするなんて、わたくしの人生で一度きりで十分でございますから」

玉藻「それにしても、清姫さんは思っていたよりも可愛らしかった、というこちらが抱いた初対面の印象を出すタイミングが失くなっちゃいました」

清姫「あら、そんな言葉なら何度でも言ってくださって構いませんよ?」

玉藻「いえいえ、例え事実であろうと、そう何度も口にするものではございません」

玉藻「陰徳陽報、目立たない所でこっそりと、しかし大胆に清姫さんの可愛さを喧伝させて頂きます」

清姫「ふふ。では、そのように」

玉藻「(……ふーむ。にこりと微笑んでおられますが、今の所そこまでおかしな様子もありませんねぇ。もしや戦闘中だけに出るーとかいうやつでしょうか)」



7:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:54:02.86 ID:JeYK7a7B0

~戦闘開始~


玉藻「(さて、エリザベートさんが気になったポイントその一は、と)」

清姫「ふう……こちらには時間の余裕などないというのに……仕方ありませんね」

玉藻「(うん? 目つきが変わりましたかね……? ま、戦闘時にそうなるのは他のサーヴァントでも誰かしら居そうですが)」

玉藻「(そも、時間とは。……はて、今回の戦いは別に急いでいるわけでもなかったはずですが)」

金時「フォックス! まず俺から行くから頼んだぜ!」

玉藻「ああ、はいはい。存分にぶん殴ってくださいまし。できれば私が動かなくてもいいくらいに」

金時「いい度胸じゃねぇか! それじゃ、遠慮無く派手にやるとすっかねぇ!」

玉藻「(さて、戦闘中の清姫さんのご様子は、と)」

清姫「―――――」

玉藻「(きちんと前を、向いてはいるようですが……あの瞳、どこか虚ろな感じ? 覇気がないというか? なんでしょう、この違和感)」

金時「フォックス、今だ!」

玉藻「はいはい。……炎天よ、奔れ――!」



8:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:54:52.49 ID:JeYK7a7B0

~戦闘終了後~

玉藻「こーんなの、朝ごはん前です」

金時「いっちょ上がりだぜ、マスター」

玉藻「この程度で苦戦してちゃ、たかが知れているというものでございましょうが」

金時「……あー、次は俺、牛若丸と交代すっから」

玉藻「どうぞどうぞ。信仰、嘘ですものね」

金時「つ、疲れただけだっつの!(両脇に女がいて落ち着けるかよっ!)」

玉藻「そうですねー。どうぞごゆっくりお休みくださいましー」

金時「なんだよその言い方……まあいい、じゃあな」

玉藻「はいはい」

玉藻「(……戦闘終了後もどうとかエリザベートさんは仰ってましたが、さて?)」

清姫「…………」



9:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:55:33.62 ID:JeYK7a7B0

玉藻「(黙って前を見つめて……こうして見ると本当に美少女なんですけどねぇ彼女)」

清姫「ああ―――」

玉藻「……」

清姫「また安珍様が―――――」

玉藻「(安珍様……? それは確か、かつての清姫さんの想い人の名? それがなぜ此処で……?)」

清姫「遠ざかって――――――」

玉藻「………………ははぁん、なるほど」

牛若丸「む、玉藻殿。どうかされましたか?」

玉藻「いえいえ、なんでもございません。さ、続けて頑張りましょうか」

牛若丸「私は今回の敵とは相性があまり良くないので……よろしくお願いします」

玉藻「そうですよねぇ。金時さんってば空気読んで我慢してくださいって話ですよ。あ、でもでも、精一杯サポートさせていただきますから、ご安心ください」

玉藻「(さて、エリザベートさんにどう報告しますかねぇ……)」



10:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします 2016/01/18(月) 19:56:29.61 ID:JeYK7a7B0

パーティ終了後、帰還した後のカルデア内にて



エリザ「あ、お帰り玉藻」

玉藻「……ただいまと素直に言わなきゃいけないことが違和感なんですけどぉ。エリザベートさん、ちょっといい子になりすぎじゃありません?」

エリザ「ど、どういう意味よ!」

玉藻「いえいえ、深い意味はございませんとも。ただいまでございます。それでですね――」

エリザ「何かわかったのね!?」ズイッ

玉藻「ど、どうどう。落ち着いてくださいまし。気づいたことはあります。ただし、これが正しいかなんて私には分かりません」

玉藻「ですので、やはり貴女が直接、清姫さんに伺うのが一番よろしいかと」

エリザ「……分かったわ。それじゃ、教えて頂戴」

玉藻「はい、それでは。と言っても、私がこれから話すのは昔話です」

エリザ「昔話?」

玉藻「ええ。大事な大事な、昔話です」

玉藻「その物語……いいえ、その『伝説』の名は―――」



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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年01月18日 23:51
      • エリちゃんすき
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2016年01月18日 23:58
      • すまない…

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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