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マイクロソフト、今後の新CPUでは最新Windowsのみサポート。Skylakeで 7 / 8.1 は移行期間18か月のみ - Engadget Japanese


マイクロソフトがWindowsとCPUの世代を対応させた新しいサポートポリシーを発表しました。今後の最新プロセッサは、その時点で最新のWindowsだけでサポートされるようになります。たとえばインテルの次期プロセッサ・アーキテクチャ " Kaby Lake "、AMDの" Bristle Ridge "、クアルコムの 8996 では、Windows 10だけがサポート対象です。

ハードウェアは最新にしつつ、Windowsは従来のまま「枯れた」バージョンを使い続ける場合、例外を除きサポートは受けられません。Windows 7 や 8.1で最新のシリコンに移行した場合、本来の延長サポートが終わる2020年や2023年より前にサポート打ち切りになります。



今回の新サポートポリシーは、Windows担当のEVP Terry Myerson氏が1月15日付けのWindows Experience Blog で明らかにしました。例によってWindows 10の大成功アピールから始まりパートナー各社の絶賛コメントが並ぶ長大な記事ですが、要点をまとめると、
  • 最新のシリコン(プロセッサ)とWindowsをより密接に統合するため、今後の新プロセッサアーキテクチャでは、その時点で最新のWindowsのみがサポートされる。
  • 例として、次期プロセッサ・アーキテクチャのインテル " Kaby Lake "、AMD " Bristle Ridge "、クアルコム 8996 (Snapdragon 820)では、Windows 10だけがサポート対象。旧Windowsを動かしてもサポート対象外。
  • Windows 7の延長サポートは2020年1月、Windows 8.1は2023年1月までだが、これは従来のシリコンで動かしていた場合のみ。サポート対象外の新シリコンに移行した場合、サポート期間内であっても例外を除きサポート対象外とする。
  • ただし、現行最新のSkylakeの場合、エンタープライズ顧客の Windows 10への移行を助けるため、特定のサポート対象リストに掲載のPCのみ、2017年7月までの18か月間のみWindows 7 / 8.1でもサポートを提供する。

この「最新プロセッサで枯れたWindows」を封じる新ポリシーについてマイクロソフトは、旧Windowsは古いハードウェアを前提に設計されたことを理由として挙げています。

新プロセッサと新Windowsの組み合わせで実現する性能やセキュリティを得られないのは当然として、新プロセッサで旧Windowsを動かすためには、デバイスドライバやファームウェア側で古いハードウェアをエミュレートするなど特別対応の必要があり、WiFiやグラフィック、セキュリティで問題が発生するとしています。

またマイクロソフトは Windows 7 や Windows 8.1の延長サポート期間が終了するまで、セキュリティや互換性のアップデートを提供する予定ですが、そうしたパッチを新世代のシリコンにも対応させるためにはWindows 7 / 8.1のコードベースに大きな変更を加えざるを得ず、旧来のシリコンでそのままWindows 7 / 8.1を使い続けるユーザーにリスクを与えることになってしまう (ので原則やらない)との説明です。


もう一度整理すると、マイクロソフトが優先的にサポート資源を割り当てるのは、

1. 最新シリコンで動くWindows 10
2. 旧シリコンでそのまま動いているWindows 7 / 8.1 (延長サポート終了まで。2020年と2023年)
3. 例外として、今回公表されたリストに含まれる Skylake システムでWindows 7/ 8.1を動かした場合。(2017年7月まで)

(3) で2017年7月を過ぎてもWindows 10に移行せず、Windows 7/8.1を使い続けた場合、もっとも重要なセキュリティ・信頼性アップデートのみ、かつ(2)のグループに悪影響を及ぼさないときに提供するとしています。


さて、「枯れた」バージョンを選ぶのが玄人という態度は、リリース直後の不安定なバージョンに特攻して後悔することを避ける意味では経験的な知恵でしたが、近年はインターネットを介したマルウェアや攻撃への対処に膨大なリソースが必要になり、優先的にサポートされていないバージョンは枯れて安全どころか腐って危険になってきました。

シリコンの世代と将来のWindowsを対応させる方針は今回初めて明らかにされましたが、これまでWindows が特定ハードウェアとサポートをひも付けしていなかったかといえばそうでもありません。同じ x86 / x64 命令セット互換であっても、たとえばWindows 8.1はNXビットに対応しないCPUにはインストールできませんでした。

マイクロソフトはさまざまな施策で顧客をWindows 10アップグレードに追い込んでいますが、最後まで留まろうとするのは、変更に伴う費用やトラブルをできるだけ避けたいエンタープライズ顧客。シリコンの世代とWindowsの世代をひも付けて切り捨てる方針では、環境はそのままハードウェアだけ新調して、ぎりぎり最後の日まで引き延ばす逃げ道を塞ぐことにもなります。
マイクロソフト、今後の新CPUでは最新Windowsのみサポート。Skylakeで 7 / 8.1 は移行期間18か月のみ

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