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■売り文句は「ココイチのカツ」　買い物中に気づいた異変
　１パック５枚入り、透明の袋に赤字で「ビーフカツ」。消費者が手にするはずのない食材だった。カレーチェーン「ＣｏＣｏ（ココ）壱番屋」を全国展開する壱番屋（愛知県一宮市）の店舗用冷凍ビーフカツが、愛知県内のスーパーに並んでいた。壱番屋製と紹介するポップまであった。

　津島市の「Ａマートアブヤス」神守店。１１日の買い物中に変だなと気づいたのは、「ココイチ」のある店にパートで勤める女性だった。ふだん厨房（ちゅうぼう）で調理するだけの食材が、なぜ——。
壱番屋本社に伝わり、今回の問題が発覚した。


　全容はまだ見えない。ダイコーから横流しを受けたみのりフーズ（岐阜県羽島市）には１７日も岐阜県の調査が入った。同社の実質的経営者（７８）は、壱番屋の段ボール箱に入れたままにしないようダイコーから言われ、箱を詰め替えて転売したと話している。

　壱番屋製であることを隠すはずだった。だが、みのりフーズから別の業者を経て仕入れた名古屋市の仲卸は、壱番屋製というポップを作って冷凍ビーフカツにつけ、Ａマートアブヤスに売った。それが、神守店で「ココイチ」のパート女性が目にしたものだった。

■廃棄カツ、流通経路は
　廃棄物として処理するはずが横流しされた、壱番屋（愛知県一宮市）の冷凍ビーフカツ。そもそも店舗用で外へ出るはずがない食材がなぜ「ココイチのカツ」として、流通のプロの手を経て食卓に届いたのか。

　壱番屋製とのポップをつけ先月に問題のカツを卸した名古屋市の仲卸を、１４日に訪ねた。産廃処理業者から横流しを受けたみのりフーズ（岐阜県羽島市）とは別の業者から買う際、こんなやり取りをしたという。

　《業者　衣がはがれたＢ級品の冷凍ビーフカツがある。》
　《仲卸　ココイチの名前を出していいのか。》
　《業者　構わない。》

　仲卸は経験と人脈がものを言う世界。特売でスーパーの棚を飾る「スポット品」をいかに集めるかが腕の見せどころだ。社長は７０歳を超え、業界歴４０年・・・

http://digital.asahi.com/articles/ASJ1K4F22J1KOIPE003.html