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プライバシーを保護したままビッグデータに活用、 NICTが暗号化されたデータを分類できる解析技術を開発 - Engadget Japanese

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、大量のデータを暗号化したまま複数のグループに分類できるビッグデータ向け解析技術を開発しました。本技術を用いることで、個人情報を含むビッグデータを安全かつ効率よく分析できるようになることが期待されます。

NICT 暗号化したままデータを分類できる解析技術

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近年では、ユーザーの年齢や性別、購入履歴などのビッグデータを分析して、ターゲットにキャンペーンDMを送付するといったサービスが実用化されていますが、同時にデータに含まれるプライバシー情報が漏洩する可能性があることが懸念されています。

一方、プライバシー保護のために、データをあらかじめ暗号化して、暗号化したまま分析することは理論的には可能です。しかし、NICTによると、大量のデータ処理には膨大な時間がかかり、これまでは現実的な運用が困難だったとしています。



今回NICTでは、ビッグデータ分析によく用いられる『ロジスティック回帰分析』と、同機構が開発した準同型暗号技術『SPHERE(スフィア)』を組み合わせ、データを暗号化した状態で高速に分析する方法を開発。大量のデータを暗号化したまま複数のグループに分類することが可能になりました。

ロジスティック回帰分析の複雑な関数を単純な数式に置き換えたほか、従来、サーバー側で行っていたデータ加工をデータ提供側であらかじめ行うことにより、高速化を実現。なお、『SPHERE』は、暗号化した状態でセキュリティレベルの更新や演算が可能な暗号方式。100年以上の長期間にわたってデータを安全に扱えるのが特徴です。

同機構では、今回開発した解析技術により、暗号化された1億件のデータを汎用の計算サーバー上で30分以内に分析できることをシミュレーションで確認。本技術を用いることで、クラウドサーバー等でデータの分類を行う際、データに含まれるプライバシー情報がサーバー管理者に漏洩することを防げるとしています。

また今後、例えば医療分野において、被験者から収集した医療データをプライバシーを保護したまま解析できるようになり、新たな診断方法や治療法の発見につながることが期待されています。

ビッグデータの活用にあたって、議論の的になることも多いプライバシー問題。本技術のようなテクノロジーの登場が、ビッグデータに対するプライバシーの懸念や不安の解消に一役買うかもしれません。
プライバシーを保護したままビッグデータに活用、 NICTが暗号化されたデータを分類できる解析技術を開発

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