コロンビア大学が1610年代の解剖書をオンラインで公開
当時の人がこれを見てどんなことを考えていたのか想像すると楽しいです。
今も昔も人びとを惹きつけてやまない人体のフシギ。昔の人たちは今よりもっともっと少ない手がかりを頼りに人体の謎を解き明かそうとしていました。
この度、コロンビア大学はヨハン・レメリンの「レメリン解剖書(Catoptrum Microcosmicum)」をオンラインデータ化して公開しました。レメリン解剖書はちょっとした仕掛け絵本のようになった珍しい解剖書。下の画像のように、紙をめくっていくと、内臓があらわれてくる仕組みになっています。
世界中で翻訳・出版された本書は、日本でも「解体新書」が刊行される2年ほど前に出版されています。
こんなふうに布、皮膚の順に紙をめくっていくと内臓がみえます。
この度オンラインデータ化された1661年版には、めくる部分の劣化や汚れがみられるページがあり、スキャンする前に修復作業が必要だったのだそう。
しかし、なぜか下の女性の絵に描かれたヒゲについてはそのまま放置されています。米Gizmodoが確認したところ、 アーカイブと特殊コレクションの責任者であるSteven Novak氏は、ヒゲの落書きは200年前にふざけて描かれたものだろうと話してくれました。いつの時代もこういう類の本はラクガキされてしまうものなんでしょうか。
この本では男性と女性それぞれの身体が描かれているのですが、興味深いことにどちらの絵でも片足を頭蓋骨の上に乗っけています。その骸骨を這う蛇の側にはリンゴの枝が描かれるなど。聖書にまつわるモチーフがところどころにみられます。他のページでは、男性がイチジクの葉らしきもので股間を隠している絵もありました。
なんとなくティーンエイジ・ミュータント・ ニンジャ・タートルズのクランゲ皇帝を思い出します。
さらに本では妊娠している女性の身体も描かれています。ここでちょっとトップのgif動画をもう一度みてもらうと、悪魔のような不気味な何かに気づくんじゃないでしょうか。Novak氏によると悪魔の頭に書かれている「invidia」は「spite(悪意)」や「ill will(憎悪)」を意味するのだそう。
じっくり読みたくなってきた人はこちらからどうぞ!
Esther Inglis-Arkell - Gizmodo US[原文]
(Haruka Mukai)