地下トンネルはカリフォルニアを干ばつから救えるのか
カリフォルニアの水不足、改善するのでしょうか...
カリフォルニア州の干ばつ問題、何度もニュースになっているので知っている人も多いかもしれません。
先日行われた施政方針演説でJerry Brownカリフォルニア州知事は水不足を解決するための新しい計画ビデオを公表しました。Brown州知事によると、この計画は干ばつ問題から州を救えるだけでなく耐震性も優れており、テロ対策も十分、そして温暖化による海水面上昇の影響も受けないとのこと。野心的ですね〜。
この大規模なインフラ・プロジェクトはカリフォルニア・ウォーター・フィックス(California Water Fix)と名付けられました。
今、水の供給源として機能している場所の一つにサクラメント・サンホアキン川デルタがあります。
地元では「デルタ」と呼ばれるこの地域で利用されているテクノロジーは古くて非効率。そこで動いているポンプのせいで海水がデルタの中に入り込み生態系を破壊していると指摘されています。
Brown州知事の計画は二つの直径12メートルのトンネルを地下に作るというもの。このトンネルは問題のデルタ地域を通らずに完全に迂回した形で、州北部からの淡水を南部の農業地域へ送り込みます。しかも重力に沿って水が流れるので省エネルギーとのこと。
この計画を支持する人たちは、「人々に水を供給すると同時に環境保護もできる」と主張しています。水の輸送システムのアップグレードも計画の一部となっており、それにより大地震が起きても影響を最小限にとどめられるとのこと。海に面したデルタではなく北部から水を持ってくるということで、温暖化による海水面上昇の影響も心配が無いそうです。
説明を聞いている限りではカリフォルニア・ウォーター・フィックスは理にかなっているように思われます。しかし、この地下トンネルが完成するとデルタへの淡水の供給が大幅に減ってしまう、と反対している人たちもいるようです。確かに、そもそも水の量が限られているわけですから、輸送システムを変えてもどこかにしわ寄せが来るだけで抜本的な解決にはならないのかもしれません。
「カリフォルニアの干ばつ問題を救う」かというと...うーんどうでしょうか。
source: California Water Fix
Alissa Walker - Gizmodo US[原文]
(塚本 紺)