【TOZ×DB】アリーシャ「悟空様!」
・基本的に悟空に修行してもらったアリーシャ目線でTOZにツッコミを入れていく話。最後まで書き溜め済。
・ストーリーは端折り気味なのでTOZ既プレイor既知推奨。
・恋愛要素はほぼ親子愛・友情愛。
・原作にないアリーシャイベント多数。
・原作後の悟空だけど、超の設定はなし。アニオリはちょっとあります。
・ご都合主義。
深夜 アリーシャ宅
アリーシャ(ん……? 何だ、こんな時間に。外で花火でもやっているかのような眩しさ……)スタスタ
アリーシャ(……! 何……ッ!? 降ってくる!)
シュウウウウ……
アリーシャ「これは一体……? まるで星でも落ちたかのような、強い衝撃の後だ……兵に知らせて立ち入りを規制し、直ちに補填するよう申請しなければ……ただでさえ、一ヶ月後には聖剣祭があるというのに」
アリーシャ「……国家間の緊張が高まりつつある今、せめて星が降ってくるような騒動でも起きれば、人々は手を取り合うのだろうか」
アリーシャ(なんて、不謹慎なこと考えちゃいけないか)トコトコ
深夜だったこともあったため、幸いその現象を目撃した者は少なかった。
???(何だか変なトコに来ちまったなー。ま、いいか)
ハイランド王国の王女アリーシャ・ディフダは、世界中に起こる災厄を鎮める方法を探すために一人森の中を歩いていた。
森の奥に伝承に書かれた村があると噂されていたからだ。
かつて文化の中心として信仰されていた天族という神秘の種族。
そして、天族を率い世界を浄化する救世主、導師。
いずれも伝承のみに残る存在であり、それがただのお伽噺ではないと信じる者は今やわずかな信仰者だけであった。
アリーシャは森の奥にある遺跡で遭難したところを天族と共に育った人間スレイに助けられ、導師伝承を話すことで意気投合し、伝承にまつわる都の聖剣祭を紹介した。
正午。都レディレイク聖堂内。
スレイ「アリーシャ!」
アリーシャ(スレイ! 来てくれたんだ)
スレイ「よろしく! スレイで……ってあれ? どうかしたんですか?」
マルトランは人だかりに一瞥すると、すぐにスレイへと向き直った。
マルトラン「いや……少し気になる男がいたものでな。まあここには兵が多い、そう気にせず参加してくれ、スレイ殿」
マルトラン(あの青い布の服を来た男……ただならぬ気配を感じるが、一体……?)
二人を人気のないところへ呼び出し、アリーシャを狙う怪しい一団がいることを彼女に伝えるスレイ。
アリーシャ「確かに、私のことを快く思わない者たちは多い。伝えてくれてありがとう、スレイ」
その頃表側には、珍しい服装の男が一人群衆の奥を覗き込んでいた。
???(おでれえたな~。ありゃ悟飯から聞いた剣の話とそっくりだ。オラのパワーで抜けるか試してみてえぞ!)
アリーシャ「何事か! スレイ、危険だ!」
ライラ「いけません! 敵意に身を任せては! 憑魔が……生まれてしまう!」
異常気象や疫病、不作、そしてローランス帝国との政情不安が市民の心に穢れを生み、穢れが生み出した憑魔の炎は聖堂内を混乱に陥れたのだ。
スレイ「ライラ……オレの夢は、伝説の時代みたいに、人と天族が幸せに暮らす方法を見つけること。
憑魔を浄化することで、人と天族を救えるなら、オレは導師の宿命も受け入れる!」
???(やべえ! 炎の広がりがはええぞ!)
湖の乙女こと、天族のライラと会話が可能なスレイは聖堂内の剣を抜き、ライラの浄化の力を操ることで鎮火を目論んだ。
例えそれが重い導師の宿命を背負うことになろうとも、スレイは覚悟を決めた。
そしてそれはアリーシャにとっても、スレイが本当に天族と会話できる人間であると信じるきっかけとなった。
ライラ「私はずっと待っていました……穢れを生まない純粋で清らかな心を持ち、私の声が届く者が現れるのを」
ミクリオ「しまった、消化が間に合わな――!」
アリーシャ「なッ……! 炎が私を囲んでッ……そんな……!」
スレイ「オレは『導師』になる!」剣ヌキー
???「かぁー……めぇー……」
マルトラン「そこの男! 早く避難しろ、聞こえないのか!」
???「はぁー……めぇー……!」ゴゴゴゴゴゴ……
ピカッ
???「波ぁーーーーーーーーーーーッ!!!!」
スレイ・ライラ・ミクリオ「…………」ポカーン
マルトラン「な……まさか、そんな……」ポカーン
ズッ
???「おっ?」
ドドドドドドドドォン……
???「……ちょっとオラ、やりすぎちまったみてえだ! 悪ぃ悪ィ!」
炎が光線の衝撃波で一掃され、謎の男はあっけらかんと笑っていた。
台座部分が粉々に吹き飛び、外からの風が直接吹き入るようになった聖堂のド真ん中で。
???「オッス! 無事でよかったなぁー、おめえ。ところでオラ腹減っちまった。なんかうまいモン食える所ってねえか?」
アリーシャ「あ……」ガタガタブルブル
アリーシャ「あ、なたは、一体……!?」
悟空「ん? オラ悟空、孫悟空だ! よろしくな!」
これが孫悟空と、アリーシャの最初の出会いだった。
悟空「いやー食った食った! おかわり!」
アリーシャ「もうありませんっ! 一体どれだけ食べたと思って……!」ハッ
アリーシャ「あ、いえ、失礼しました! 悟空様。申し訳ありませんが、もう材料がここには……」
悟空「おめえ何でそんなペコペコしてんだ? オラ、カネ持ってねえぞ」
アリーシャ「それは、その。先程も申しましたように、私は悟空様のことを『天族』の方であると思っているのですが、悟空様は天族という言葉に聞き覚えはないのですね?」
悟空「おう! オラそんな食いモン見たことねえぞ!」
アリーシャ「食物ではなく、概念の話なのです。しかし、天族とは通例人間の目には感知できない存在であると書物で読みました」
アリーシャ「ですがそれでも、貴方のような凄まじい力の持ち主は人間という器の話では考えられない……悟空様、貴方は一体どこからいらっしゃったのですか?」
悟空「オラ、すっげえ遠いところから来たからな~。道覚えてねえや。ずっと旅してんだ、そこで強え奴と戦ったり、修行したりしてる」
悟空「チチって嫁と、息子が二人、あと孫もいっぞ! 他にも悟飯の嫁のビーデルや、後は……」
アリーシャ「えッ……! し、失礼、もう少しお若い方かと思っておりました。年と外見が合わないということは、やはり悟空様は天族なのでは……?」
悟空「オラ何回かあの世で修行してたからなあ。何歳だったか、数えるのも忘れちまったや」ウーン
アリーシャ「あの世、ですか?」
アリーシャ(やはりどことなく、普通の人間とは物事の考え方や、文化が違う気がする)
悟空「ここに来た時もオラ、真夜中に腹減って地面に落っこちちまったんだ! アリーシャ、おめえのおかげでやーっと腹いっぱい食えたぞ!」
アリーシャ(まさか、一か月前のあの地面の衝撃跡って……いや絶対、この方なんだろうな)
アリーシャ「よく分かりませんが、ともかく貴方がこの大陸よりもずっと遠いところからいらっしゃったということだけは、分かりました」
アリーシャ「きっと私達とは違う文化なのでしょう。ですから貴方のような方のことを、ここでは『天族』と呼ぶのです」
アリーシャ「強い、というより伝説のような存在です。
いわゆる神に近いモノで……人並み外れた力を持つ、と言い伝えられています。私も、信仰していながらスレイが来るまで身近にいるとは知りませんでした」
アリーシャ「なぜなら、天族は導師やその従士となった人間にしか見えないはずなのですが……悟空様は特別なのか、私にも見て触れることができます」
悟空「オラ人間だけど、そのテンゾクって奴とは戦ってみてえ。よしアリーシャ、案内してくれ!」ガタッ
アリーシャ「はあ、悟空様がお望みでしたら、明日にでもスレイに会いに行きましょう。今日はひとまず、騒動の後ですから」
悟空「挨拶するだけなら、今日できっだろ。アリーシャ、おめえも行くか?」腕ガシッ
アリーシャ「え? 悟空様、額に指を当てて何を……」
悟空「待ってろ……あれ? っかしいな~、あのスレイって奴の気は普通だけど、テンゾクの気はすげえ変だ」
悟空「まるで気、そのものしかねえみてえだ。ま、いっか! それっ瞬間移動!」フッ
アリーシャ「きゃっ! ……あ、あれ? ここは宿屋……」
側にはライラと、スレイの幼馴染の天族ミクリオもいたのだが、アリーシャには見ることも感じることもできない。
ミクリオ「アリーシャ!? それに昼間の男……!」
ライラ「やはり私達と同類、という気配はしません。おそらくこの方は、かめにんやノルミン天族のような少々特別な存在なのでは」
悟空(やっぱりテンゾクって奴は、気しかねえだけで姿も声も分からねえみてえだ。人造人間の逆みてえなモンか)
悟空(すげえ力を持ってるみてえだし、オラワクワクすっぞ!)ワクワク
ライラ(この方……すごい力を感じますわ……)
その後、ライラの懸念が影響したのか、しばらくの間スレイはアリーシャを訪ねなかった。
午前。レディレイク聖堂内。
スレイ「アリーシャ、マントを送ってくれてありがとう。オレはこれから世界を浄化する旅に出るんだ。
まずは、このレディレイクの加護を復活させるための器を探そうと思う」
導師の目的は、穢れの源泉であり世界に災厄をもたらす存在である災禍の顕主を浄化の力で鎮めること。
しかしスレイはまずこの世界の現状を知る必要があるので、最初の目的はレディレイクの地の主になってくれる天族と、その天族の器を探す必要があるという。
その二条件が揃うことで、レディ
コメント一覧
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- 2016年01月29日 22:05
- ディパンの姫様か
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- 2016年01月29日 22:13
- このアリーシャは悟空がキッカケで身心共に強くなれたが本編でもこうなれるスペックはあるんだよなぁ…
面白かった
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- 2016年01月29日 22:13
- やっぱりエドナは可愛いなぁ!(まだ読んでないけど)
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